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狭間の村と風の渓谷へ
18.馬鹿正直に全てを話すだけが最良というわけでは無いのだ
しおりを挟む「その物質については、ベオルフが回収してくれたので分析をしているところだ。うまくいけば、完治させるとまではいかなくとも、中和させる薬が完成するかもしれない」
「ルナみたいに浄化の力が強いだけじゃなく、ベオルフっていうブースターっていうか……完全無欠の助っ人なんて、普通はいないものね」
紫黒と真白の報告を聞きながら、主神オーディナルは硬い表情を崩さず、何かを思案している様子であった。
怒りを必死に抑えているようでもあり、その中でも打開策を探しているのだろう。
「それならばデータを共有しよう。僕のデータベースに繋ぐと良い」
「それは助かる」
主神オーディナルと紫黒の話し合いはまとまったのか、此方では状況を把握することが難しいのだが、幾分表情が和らいだ様子から良い方向へ動き出しているのだと察する。
「あーなると、紫黒は徹底的にやるから、すぐに解決するよー」
「そうなんだー」
「アレでも、自慢の兄だからねっ」
「いいなー……ボクもお兄ちゃん欲しいなぁ」
「じゃあ、真白がノエルのお姉ちゃんになってあげる!」
「本当にっ!? やったーっ!」
「……妹じゃないのか?」
真白とノエルのジャレ合いを聞きながらも、適度な指摘を入れつつ眺めているのだが、いつもなら可愛らしい光景に和んでいそうなルナティエラ嬢が難しい表情をしていることに気づいた。
それもそうだろう。
侍女に中毒性のある薬物を盛られたのだ。
心中穏やかでは居られないし、精神的なショックも大きいはずである。
それを1人で抱えている姿を見ていられず、彼女の頭を抱きかかえ頬を寄せた。
彼女が安心を覚えてくれるように、そばに私が居ることを思い出してくれるようにという願いを込めて、少しだけ力を込める。
「無事で何よりだ。少し……焦ったがな」
「ありがとうございます。記憶に無くても、沢山迷惑をかけて……申し訳ありません」
「何を言う。お互い様だ」
弱々しい声――本人は気づいているだろうか。
いや……おそらく、至って平気だと彼女は言うだろう。
こんな時は、素直に甘えてくれる方が良いのだが……
「風邪を引いたら、今度は私が看病しますからね」
「ああ、楽しみにしている」
努めて明るく振る舞おうとする彼女に合わせて、同じように軽口を叩く。
そうすることで、彼女の気持ちが上向きになるのなら容易いことだ。
「まあ、容易く風邪など引かないがな……」
「もうっ!」
何が悔しいのか、ペチペチ音を立てて腕を叩いてくる彼女の脳天に頬をすり寄せると、満足そうな笑い声が聞こえた。
「心配しなくても良い。【黄昏の紅華】ならば、私が調査しよう。グレンドルグ王国のどこかで自生、もしくは栽培されている可能性があるからな」
「……オーディナル様にも影響が出る可能性がありますものね」
「そうだな。だから、主神オーディナルがそちらへ行っている間に、調査を行う。そうすれば、何も問題はなかろう」
「でも……ベオルフ様が心配です」
「乾燥したアレを持っていても平気だった。それに、私は常人と違う……それはわかっているだろう?」
「……その防御の力も、時間限定です」
「多少のことなら問題無い」
「無理はしないと約束してください」
「わかっている」
だから、心配する必要は無いと出来るだけ柔らかな声で告げると、彼女はまだ物言いたげな様子ではあったが、渋々納得したように溜め息をつく。
「すみません……」
「謝るな。貴女とて同じ立場であったら、同じ事をしただろう?」
「……はい」
まあ、その場合は全力で止めるがな……という言葉は口に出さずに、背中をポンポンとあやすように叩く。
「一日で全てが決まれば良いのだがな」
「難しいかもしれません。何せ、今回はレシピの件もありますし、【黄昏の紅華】も関係してくる恐れがあります」
「完全に消滅させたはずが復活を遂げているとなれば、第三者の手が入っているに違いない。裏でコソコソしているヤツなのだろうが、面倒だな」
「そうですね……管理者であれば、父上が絶滅させた物を復活させるのも可能でしょう」
「しかし、ユグドラシルのメインシステムに一度干渉しないと、絶滅した種は復活させることが出来ないはずだ。調査しても痕跡が残っていないとなれば、絶滅させる前に確保して持ち出していた可能性もある」
私たちがそういう会話をしている間にも、主神オーディナルと紫黒と時空神の会話は続く。
一日では難しい。
それは、此方も同じだ。
出来ることなら、数日は此方へ帰ってこないで欲しいが、この世界の神々のこともあるから難しい。
全員の表情に心配の二文字が張り付いた時、真白の声が響く。
「大丈夫! ベオルフのフォローは私とノエルがやるから!」
「それが一番心配だ」
「酷い!」
思わず反射的にツッコミを入れてしまったが、心配なことに変わりは無い。
むしろ、違う意味での心配事が増えたと言っていいだろう。
真白は紫黒と違って、言って良いことと悪いことの判断が甘いのだ。
余計なことを口走り、周囲の者たちがひれ伏して動けなくなる状況は回避したい。
だいたい、主神オーディナルとノエルだけでも厄介だというのに……
呆れながら真白を見ていると、またしてもルナティエラ嬢が難しい表情をしていることに気づき、彼女の頭を心配ないというように撫でる。
「大丈夫だ、心配はいらない。私も馬鹿では無いから無理はしないし、真白とノエルがいるのだから、大事にもならんだろう……と、思う。真白がヘタなことをしないかぎりは、大丈夫だろう……たぶん」
「なんでそこで大丈夫だって言い切らないのっ!? 私の名前を出したあとの自信の無い返答はどーいうことなのっ!?」
「大丈夫だよ、ベオ。ボクもいるから!」
「そ、そう……だな」
大丈夫だろうか……嫌な予感しかしないのだが……?
軽い頭痛を覚えながらも、ノエルと真白なりに頑張ろうとしていることだけは理解出来た。
無下にはしたくないのだが……相性が良いのか悪いのか、問題を引き寄せそうなコンビである。
「最長三日か四日だな。それ以上は無理だ。此方の世界がマズイことになる」
やはり、そこが限界だな……と、私の感覚で考えていた日数と同じ期間を提示してきた主神オーディナルの言葉を聞き、この感覚に間違いは無いのだと確信した。
源となっている物が何なのかわかりはしないが、信用して良さそうだ。
つまり、それ以上の不在期間があれば、この世界のバランスは簡単に崩壊してしまう。
それほど危ういバランスを保ち、この世界は存在しているということである。
時空神がハルキとの約束がどうとか言いながら涙目になっているが、彼ならわかってくれるだろう。
まあ、時空神がそれでどう感じるかまでは知らないが……
とりあえず、主神オーディナルが不在の間、この世界のバランスを保ちつつ、【黄昏の紅華】を探し、ノエルと真白のコンビが引き寄せるだろうトラブルを対処する――
そこまで考えて、激しい頭痛と眩暈を覚えてしまった。
いや、無理だろう……と言いたいが……無理を承知でやらねば、ルナティエラ嬢に負担がかかる。
せめて、真白では無く紫黒であったらと思わなくも無い。
紫黒であったら、しっかり調査で得た情報をまとめてくれそうだが……真白は難しいだろう。
すぐに戯れて遊び出すに決まっている。
「ルナティエラ嬢、すまんが……私にも癒やしをくれ」
激しい頭痛を緩和させるために、ルナティエラ嬢を抱え込む。
「えっと……エナガになりますか?」
「いや、そのままでいい」
柔らかさと甘い香りを堪能しながら、自分にとって一番の癒やしを腕の中に閉じ込める。
よしよしと言うように私の腕を撫でてくれるルナティエラ嬢に癒やされながら、これから数日間に及ぶ厄介な日々を何とかしなければならないという決意を固めた。
こうなったら、覚悟を決めるしか無いのだ。
そんな私の心境を察してか、紫黒が肩に着地した。
「ベオルフ、無理はいけない。やはり、私も残ろう」
「いや、お前は主神オーディナルのサポートに回った方が良いだろう。【黄昏の紅華】のことを一番理解しているのはお前だ。いま、ルナティエラ嬢がいる世界にアレがあったら被害は甚大だし、対処にも困るだろうからな」
「……わかった。だが、もしも無理だと思ったら、すぐに報告してくれ」
「ああ、その時は任せる」
「真白がいるって言っているのにー」
「だからこそ不安になるのだろうが」
「紫黒まで! 酷い!」
ぽんぽんに膨らんで文句を言っているが、お前は今までの行動を振り返り見て、安心出来る要素があったように思うのか?
ジトリと見つめる私と紫黒の視線に怒り心頭の様子であったが、ルナティエラ嬢の「お願いしますよ?」という言葉と微笑みだけで機嫌良く胸を張り「任せて!」と返事をしているのだから現金なものである。
まあ、そう言いたくなるほどルナティエラ嬢の笑みは可愛らしいからな……
「しかし、【黄昏の紅華】とカオスペインやメノスウェーブに密接な関係を持つ黒い結晶……どちらも、厄介な物であることに間違いは無いな。僕の妻が動けない状態であるにも関わらず、奇妙な現象が次々に起きてくれるものだ……」
主神オーディナルの言いたいこともわかるが……思わず、私はルナティエラ嬢と顔を見合わせる。
彼女の強い瞳の光を見ただけで理解することができた。
【黄昏の紅華】は私。
【黒結晶】はルナティエラ嬢――
それぞれが受け持つことにより、早期解決を目指す。
それが一番効率的で、わかりやすい。
「視る力はルナティエラ嬢の方が上だからな」
「探索はベオルフ様がお得意でしょう?」
「この件はリュートにも協力してもらったほうが良い」
ルナティエラ嬢には、主神オーディナルだけではなく時空神と紫黒もつくが、彼女のことを一番見ていられるのはリュートなのだ。
協力してもらうほうが良いに決まっている。
「お父様の件を知ったら……ショックを受けそうですね」
「人を魔物に変えるかもしれない危険性については話をしたほうが良いだろう。そうしなければ、黒の騎士団や魔物と戦った者たちが警戒することも出来ない。全てをルナティエラ嬢が見て回るわけにはいかないのだからな」
「そう……ですよね」
「だが、言い方は少し変えても良いだろう」
リュートや周囲のことを考えて暗い顔をする彼女に、少しくらい助言しても良いだろう。
何も、馬鹿正直に全てを話すだけが最良というわけでは無いのだ。
「言い方……ですか?」
「リュートには、ありのままを話せばいい。だが他の者たちには、『毒性があり、体調不良や精神に害を及ぼすおそれがある』と説明すれば、何らおかしな話でもあるまい」
それにリュートであれば、誰にどこまでを話すかの判断ができるはずだ。
ルナティエラ嬢に任せてしまえば自分だけで抱え込んでしまいかねないので、リュートの判断に任せるのが正解だろう。
「そ、そうですね。危険性があるということを報せなければなりませんから、そこは重要ですよね。それに、いきなり魔物になる可能性があるなんて言われたら、パニックを起こしそうですし……慎重に話を進めた方が良い気がします」
「人はそれほど強く無い」
そう――それを一番理解しているはずのリュートだから、任せられるのだ。
「ならば、情報を一気に開示することなく、まずは注意喚起をして調査させれば良いのだ。自分たちである程度情報をまとめたところで、新たな事実として教えても問題無い段階になれば、こういう危険性があると判明した……などと、それらしく伝えれば良い」
まあ、これくらいのことをやれなければ、ルナティエラ嬢を安心して任せられない。
馬鹿正直なだけの男は苦労するだけだ。
人間を理解し、情報を操るくらいの頭脳は持っていると信じている。
「……ベオルフ様って、情報操作や心理操作というか……そういうことが得意ですよね」
「良い手本が身内にいるからな」
いつも浮かべている柔和な表情では無く、何故かニヤリと笑う母を思い出すのは仕方が無い事だと諦めて欲しい。
情報を操っているときの母は、本当に楽しそうで……まあ、性格が良いとは言えない部類の人間ではある。
いや、悪い人間では無いのだが……こう……趣味趣向が偏っていると言えば良いのだろうか……まあ、一言でいうのなら変な人なのだ。
そんな母に育てられた私たちも大概だが……
「ふむ……【黄昏の紅華】については、母に聞けばある程度絞り込めるかもしれん。あの方は、情報家が真っ青になるほど掌握されているからな」
「まさかのお母様最強説……」
「うちでは常識だ」
そういうと、彼女は楽しげに笑い、安心した様子を見せた。
家族間のことを、何気に心配していたのかも知れないが、そこは全くもって問題無い。
何があっても、あまり動じない人たちだ。
私が黎明の守護騎士になったところで――まあ、驚くだろうが腰を抜かしはしないだろう。
主神オーディナルが降臨するのは別問題だが……
しかし、そんな他愛の無い考えも真白がルナティエラ嬢のところへ飛び込んできたことにより霧散してしまう。
「難しい話ばっかりで、真白はギブアップー!」
「情けないぞ」
真っ白な小さい毛玉をつまみ上げ、ジタバタ暴れる真白を見つめる。
ぶーぶー文句を垂れている真白を指につまんだ状態でぷらぷらさせていたら、ルナティエラ嬢が楽しげに笑う。
「ふふっ、ベオルフ様ったら、真白のお父さんみたいですね」
「こんなじゃじゃ馬が娘だったら気苦労が絶えんな。それでなくとも1人抱え込んでいるのだ」
「……誰のことを言っているのでしょう」
「さてな」
「ベオルフ様?」
「心当たりがあるのなら、自覚があって良いことだ」
「もーっ!」
いつものように腕をペチペチ叩きながら抗議をしてくる姿が愛らしく、何故か真白も一緒になって叩いてくるのは解せぬが、何とも和む光景である。
変なことを教えないように注意しながらも、たまには良いだろうと口元に浮かびそうになる笑みを必死に堪えた。
普段であれば表情が全く動かないからこんな努力など無縁であったため、とても貴重な体験となったのは言うまでも無い。
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