黎明の守護騎士

月代 雪花菜

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悪夢の始まり

9.それが、俺の生き方だ

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「主神オーディナル、先に調査をしなくて良いのですか?」
「先ずは、僕の愛し子の力を体の中に取り入れて、奇妙な物を内外から排除するようにした方が良いだろう。お前はある程度耐性がある。しかし、彼らはそうもいかんからな……」

 チラリとマテオさんたちのほうを見る。
 ラハトが除外されているのは、おそらく主神オーディナルが再創造した体という事もあり、私に似た性質を付与されたのだろう。

「そういうことでしたら、急いで作ります」
「時間をかけても良いが……あまり暗くならない方が良いか……」
「人間は暗いと見づらいからねー」

 ノエルの声を聞きながら空を見上げる。
 茜色の空が闇に染まるまでには、まだ時間がかかりそうだ。

「ルナティエラ嬢の方は、本当に良いのですね?」
「あちらには息子達もいれば、娘達もいる。なにより、リュートがあれくらいでへばるわけもない。仲間も合流したから、何ら問題は無いだろう」
「そういうことでしたら、何も言いません」
「むしろ、お前はかなり無茶をしたな……『死人使い』の力を断ち切るのに、ほとんどの力を出し切っているではないか」
「そう言われても困ります。無意識だったもので……」

 ジトリと見つめてくる主神オーディナルの視線から逃れて、カバンから鍋などを出し始める。
 すぐに皆も手伝ってくれたので、準備は滞りなく進んでいく。
 ヤレヤレと主神オーディナルは溜め息をついて、私たちの体を洗浄石で綺麗にしてくれた。

「ねーねー、オーディナル様。ラルムはどうしてラハトなのー?」
「ん? ああ……昔……【黎明の守護騎士】の従者だった者の名だ。太陽の剣と言われた男であった。その男はピスタ村の出身で、元々は太陽神の神官だったのだ。縁がある名前だからこそ、馴染むと思った」

 え? と、私とラハトが主神オーディナルへ視線を向ける。

「このピスタは、太陽神の神器を守る神官たちの村だ。どうやら、黒狼の主ハティに神器を奪われたようだな……となれば、次に狙ってくるのは『月の鏡』か――」

 そう言って、アーヤリシュカ第一王女殿下を見つめる。
 アーヤリシュカ第一王女殿下は無意識なのか、胸元を強く握った。

「その『月の鏡』は月の女神の力が宿る。つまり、この世界で現存する神器の中ではトップクラスの神力を保有しているのだ。ヤツからしたら、何としても手に入れたいのだろう」
「おかしいですね……今までも入手するタイミングはいくらでもあったはずですが?」
「それが不思議なのだ。エスターテ王国に居た頃には全く問題が無かった事を考えれば、彼奴の行動範囲が自ずと知れる」
「この国内だけ……ということですか」
「おそらくな」

 つまり、黒狼の主ハティの本体は、この国から容易に出ることが出来ない。
 商人であれば可能だったのだろうが、国外貿易ともなれば手続きも必要になってくる。
 領民も行動は制限されるが、家を捨てて隣の地へ移り住むという話も良くあることだ。
 新たに移り住む場所がたとえ隣国でも、お金さえあれば解決する。
 黒狼の主ハティの無駄に高いプライドや行動から考えて、貧困だとは思えない。

「移動に強い制限を持つ者――つまり、黒狼の主ハティの本体は、それなりに地位がある者という可能性が高いのですね」
「そう考えるのが自然だな」

 主神オーディナルが頷き、止まっている私の手をツンッと突いた。

「話ながらでも手を動かさねば、僕の愛し子に怒られるぞ?」
「……確かに」

 腰に手を当てて「ベオルフ様っ!」とプリプリ怒っているルナティエラ嬢の姿が脳裏に浮かび、私は慌てて準備を再開する。
 アレはアレで可愛いが……と考えていたら、水を汲んできたらしいラハトに訝しげな視線を向けられた。

「なんか……ニヤニヤしてなかったか?」
「ルナの事でも思い出してたんだよー」
「うむ。ルナのことになると、ベオルフは表情が緩むからな」

 ノエルと紫黒の言葉に納得したらしいラハトは、わざとらしく溜め息をつく。

「まあ……お前らしいっていうか何と言うか……」
「放っておけ」

 私とラハトの言葉の応酬を聞いて懐かしそうに目を細めていた主神オーディナルは、何かを思い出したようにラハトへ声をかけた。

「お前には前任者から託された物があるので受け取ってくれないか?」
「は、はい!」

 主神オーディナルの元へ駆けつけたラルムに、主神オーディナルは皮革と金属で出来た装備を装着させる。
 背中には少し変わった形の武器らしき物があり、それに興味を引かれた。
 ナルジェス卿やマテオさんも、何だろうと手を止める。

「短剣はノエルと紫黒が色々と仕込んでくれたようだから、それで良い。上下装備は皮革で出来ているが、そこらへんの鉄よりも硬くて丈夫だから多少の無理は利く。背中の武器はクロスボウだ。重さはあまり感じないだろうし、邪魔なら腰にある石に収納出来る。構えてみろ」
「は、はい……ど……どうすれば……?」

 主神オーディナルがラルムにクロスボウを握らせ、細かく説明していく。
 最初はなんとも頼りない感じだったが、だんだんと理解してきたようだ。

「こ、こうでしょうか……」
「ストック……クロスボウの後方にある部分を、補強されている肩の部分にあてて……そうだ、そうやって照準を安定させる。右手の指でトリガーを引く。矢の装填は自動で行われるので必要無い。照準はスコープを……その丸い穴を片目で見て……そうだ。そうやって狙いを定めると良い」

 主神オーディナルのクロスボウ講座を受け、初めて手にした武器にしては様になっているラハトに、全員の視線が集まっていた。

「これは……弓よりも安定させることが簡単ですし、技術的な物はそこまで考えなくてもよさそうですね……」
「ふむ……ナルジェスの抱えている職人なら、似たような物を作れるだろう。南は少々武力の強化が必要だと思うから、参考にしてみると良い」
「あ……ありがとうございます、オーディナル様!」

 祈りを捧げんばかりの感謝に、主神オーディナルは口元を満足げに緩めた。

「彼奴は少々やり過ぎたからな……僕が少し手を貸しても、制約は発動しないはずだ」
「それほど、『死人使い』の力は危険視されているのですか?」
「本来なら循環する魂を崩壊させるのだ。あってはならない力を無に帰すのは我らの役目だからな」

 その我らというのが、管理者と呼ばれる方々なのだということは理解出来た。
 管理者が「あってはならない」と判断する力を、何故黒狼の主ハティが所有しているのか……

「一足飛びで強化できないのは面倒だが……仕方あるまい」
「急がば回れという言葉がある。焦りは禁物だ」

 主神オーディナルの肩にとまった紫黒が、急ぎすぎる主神オーディナルをたしなめる。
 さすがに紫黒からの忠告は素直に聞くのか、「そうだな」と頷き、苛立ちを治めた。

「主神オーディナル……取り繕わなくて良いのですか?」
「ん? あぁ……気にしている暇が無いというよりは、別段息子の友人達に良い顔をしなくとも良いだろう? コレが僕だ」
「少々高圧的なところがあって気性が荒いとバレバレですよ? 一応、慈悲深き神と言われているのでは?」
「……す、少しは隠した方が良かったか?」
「ムリムリー! オーディナル様はオーディナル様だもーん」
「そうだな。ベオルフに甘いところもバレバレで良いと思う」

 それは良いのか悪いのか――ヤレヤレと溜め息をつきながらパンを焼く。
 もしかして、不味かったか? と紫黒とノエルに相談する主神オーディナルの姿は、威厳ある神からかけ離れた姿だ。
 しかし、これが主神オーディナルである。
 そう考えるとおかしく感じた。

「そうですね……主神オーディナルは……いつも、そんな感じですね。親しみが持てる上に、気さくで助かります」
「そ、そうか。それなら良かった! 僕の愛し子とお前に嫌われるのが何よりも辛いからな!」
「そのようなこと、天地がひっくり返ってもありません」

 私の言葉に安堵したのか、主神オーディナルの頬が嬉しそうに緩む。
 良かった良かったと声をかける紫黒やノエルを撫でながら、満足げな様子だ。

「……なんつーか……本当に親子だな」
「そう見えるか?」
「ああ……そう見える。いい関係だ」

 ラハトの言葉に、私も口元に笑みが浮かぶ。

「その笑い方さ……似てるよな。オーディナル様にソックリだ」

 言われて初めて気づく。
 そんなに似ているのだろうか……容姿は全く違うが、ちょっとした仕草が似ているというのは、家族によくあることだろう。
 家族――私には本当の家族の記憶がない。
 だが、今の家族や主神オーディナルがいるおかげで寂しく思ったことは無かった。

「……お前にとって、村長はそういう人だったんだな」
「ああ……本当に大切だった。血のつながりは無くても、俺の親父だったよ。その魂を救ってくれて……ありがとうな」
「いや……結果、間に合わなかったのだ……」
「馬鹿なことを言ってんじゃねーよ。【黎明の守護騎士】だから全部背負えなんて誰が言うか。既に襲撃を受けていたんだ……致命傷だったんだ。それを救えなんて……自分の無力を棚に上げて、どうして言える」
「我々は人間です。全てを救うなんて無理なのですし、この状況で貴方を責めることなど、誰もできません」

 ラハトとマテオさんの言葉が私の心に強く響く。
 何と言って良いか判らないが、二人の言葉に責めるような響きは無い。

「お前のおかげで弟を助けられたんだ。それに、村の連中の魂も助かった。そして、俺も……な」
「それはお前の努力と、これまでの生き方が……」
「そうだ。俺の生き方が……この結果を招いた。ピスタ村の壊滅は、俺が背負うべき業だ。お前じゃ無い。全部背負うなんて強欲だぞ」
「ラハト……」
「俺の失われた名前と共に、この村の惨状を記憶に刻む。死ぬまで忘れないし、一生背負い続ける。業を背負いながら……泥水を啜ってでも生きる。そして必ず、黒狼の主ハティに目に物を見せてやる! それが、俺の生き方だ」

 強い想いだった。
 真っ直ぐ此方を見つめるラハトの目を見て、私よりも強いと感じた。
 覚悟を決めた人間は、ここまで強くなれるのか――

「そうだな。私も……お前のように強くあらねば……」
「ばーか。俺たちの前は良いんだよ」
「そうですよ。我々は、そのためにベオルフ様の側に居るのですから」
「……ありがとう」
「あー! そこに私も入れてよね!」
「そうだぞ、水くさいではないか」
「微力ながら、我々も……」
「ノエル様に鍛えられながら、頑張りますので!」

 みんなの心強い言葉に改めて礼を言う。
 そうだな……皆がいれば、何とかなる。
 そのためにも、私に出来ることをしよう。
 彼らは私と体のつくりが違うのだから、まずは……浄化だな。
 今までは自責の念が目を曇らせていたのか、全く見えなくなっていた。
 しかし、今は見える。
 彼らの体の内側から蝕む、陰のようなモノが……
 その陰を脅かすように、徐々に光を放つルナティエラ嬢の生地で出来たパンが、香ばしい香りを届けてくれた。

「さて、まずは腹ごしらえだ。その後は、全員で調査を開始することにしよう。勿論、僕の側から離れないようにな」
「私も出来るだけフォローするが、気をつけた方が良い。どこかに罠が残っている可能性もある」
「そーそー! ボクがある程度排除しちゃうけど心配だしね!」

 主神オーディナルと紫黒とノエルの言葉に全員が無言で頷く。
 未だ目を覚まさないラハトの弟の事も気になったが、おそらくは主神オーディナルが眠りの力を使ったのだろう。
 この騒ぎの中でも、瞼すら動く気配がない。

「主神オーディナル、ラハト……いや、ラルムの弟は……」
「ああ、そのことは食べながら話をしようか」

 主神オーディナルの言葉に頷き、私たちは主神オーディナルが手招きするテーブルへ足を運んだ。
 いつの間にか用意された丸テーブルに料理や食器類を並べ、椅子に座る。

「まずは、体内の掃除から始めようか」

 主神オーディナルと共に食卓を囲める栄誉をいただき……と、ナルジェス卿がいつもの発作を起こしはしたものの、私が無言でパンを口に詰め込み事なきを得る。
 ラハトも呆れた顔をして、ナルジェス卿に飲み物を手渡していた。

「良い連係プレーだな」

 主神オーディナルからは、お褒めの言葉をいただいたが……
 こんなことで褒められてもな……と、ラハトと共に苦笑した。

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