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とある夜
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俺の頭が意識というものを取り戻りしたとき目の前にはまだモヤのようなものがかかっていた。先も見えず奥行きさえないが、不思議と恐怖というものを感じることはない。むしろ夢の中といった具合で宙を漂っているような気配があった。手足を動かしてみるが軽く揺さぶる程度にしか動かせない。まだ太い麻紐が俺を縛っているのだろうか。モヤの中でしばし考えた。しかし、その必要もないこともわかっている。俺を太い麻紐で縛りあげこの部屋のなかに落とした男。カメラ越しにこちらを見ているはずの親父。その親父のなすがままになればいい。俺はそう考えている。いや、そういうふうに仕込まれたというのが近いニュアンスだろうか。そんなことも今ではどうでもいい。もうすぐこの部屋に親父がやって来るだろう。俺が覚醒したのをカメラで確認しているはずだ。そう思うだけで、俺の熟れて焦れてしかたないケツマンが緩んでしまう。自然と目覚める直前までその中に放出され続けたに違いない液体が垂れ出してきた。俺のケツマンのその液体が敷かれた布団へとした足り落ちる前に、部屋の扉が押された気がした。カサカサと布を擦る音がしたかと思うと、すぐに聞き覚えのある足音が聞こえてきた。その足音の持ち主がすぐそばに立っているのが熱の伝わりでわかった。鼻腔にもいつもの雄臭さが香ってくる。俺の心音は高まる。ファーストコンタクトは突然だった。「漏らすなよ」親父は俺にボソリと呟いたかと思うと、4本の指でいきなり俺のケツマンを掻き乱してきた。荒々しく規則性もないその責めに俺のケツマンは悲鳴をあげる。いくら男たちの肉棒をくわえこんだばかりだとはいえ耐えられなかった。「漏らすなって言ってんじゃねぇか」溜めに溜め込んだ精液たちを垂れ流してしまった俺に、親父はそう言い放つ。激しすぎる刺激と親父の冷たい声は俺の残っていた冷静さを呆気なく壊した。声にならない声をあげてしまう。涙腺から涙が溢れだし、冷や汗で身体が濡れていく。そんな状態であるのに、俺の脳味噌はそれが気持ちいいと感じていた。どんな責めをされても、どんな言葉で罵られても俺は喜ぶようになっている。しかも、それが激しければ激しいほど俺の快感も比例していっているようだった。それがいつからなのかはわからない。「す、、、すみません!」やっと反応ができたが謝罪の言葉しか口から出てこない。そのうえ、さらに縮みあがったドリチンから潮を吹きあげてしまっている。「おうおう、予定をかなり過ぎてるうえに手間までかけさせるつもりか?」機嫌の悪いときの親父の声色だった。俺は身体を強ばらせ、目隠し越しに必死に親父を伺う。親父は機嫌が悪くなったらとことん悪い。1度、俺の態度に辟易したときは帰ってしまったことさえある。それを2度味わうほどの地獄はない。こんなときどうすべきかは分かっていた。俺はケツを指で犯されながら、自分の足をさらに上に掲げ自らケツを割開く。「俺のガバケツがトロトロでザーメン垂れ流して申し訳ないですッ! どうか鍛えなおしてくださいッ!」何度同じ言葉を口にしただろうか、そのいつものフレーズを口に出す。初めの頃はもちろん恥じらいを感じていたはずなのに、いつしかこの言葉を発することが俺の変態を1段階上に引き揚げるキッカケの1つになっていた。「そうか、そうか。お前もだいぶノリがわかってきたな」愉快そうな口調で親父がそう笑ったかと思うと、そこら辺に散乱してたはずの張形を俺のケツマンにディルドをぶち込んで、俺から遠のいた。いつものパターンではそのあとそのまま親父のデカマラで掘られてとりあえず一発濃厚な種を中出しされることが多い。けれど、今回は違うようだ。キーっと木製のドアが開く音がする。きっとクローゼットだ。中に何を入れていたのかは分からないが、今度は金属音でガチャガチャと音がして車輪の転がる音がした。不可解な親父の行動に俺は戸惑うが、それが不信感に繋がることはない。そればかりか、これからはじまるかもしれない新しい刺激を密かに期待してしまっていた。
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