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幼馴染の騎士に唇を奪われたのですが……

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これは、私の片思い中の勇者が妹にプロポーズするみたいなので、諦めて逃亡したいと思います に登場するディランとは別時空のディラン√の一部です。ほぼプロット状態。

*****************


「フェリシア……フェリシア」
「っ……んん、ふ……ぅ」

名前を呼ばれながら、息を吐く暇もない程に激しく唇を奪われる。
初めてなのに、違和感を感じている筈なのに……それを吹き飛ばす程の快感がフェリシアの身体を支配する。
歯並びを確かめるかのように歯列を舐められ、舌を絡めとられる。

「――……っはぁ、」

長い、長いキスが終わるころにはフェリシアの足からは完全に力が抜け、ディランに圧し掛かられて全く動くことが出来なくなっていた。

「貴方……どういうつもり!!?」

やっと抜けた力と冷静さが戻ってきたフェリシアは圧し掛かってきているままのディランを問い詰める。しかし彼は――――。

「え……寝ている?ディラン!!ちょっと!?」

ディランはフェリシアの胸に頭を押し付け、完全に眠っていた。

「っ~~!この、変態!!」

フェリシアはディランの頭を引っ張ったり、横にずらそうとしたりと奮闘するが、中々動かない。その上、腰に腕を巻き付けられているせいで、腰も動かすことができないのだ。その上、眠っているくせにディランの手は段々と上へと上ってくる。

「放しなさい!電撃フルミネ!!」
「ぐっ!!?」

本能的に危機感を感じたフェリシアは咄嗟にディランに黒魔法を唱えた。あくまで軽く……死なない程度に。

「いって……何が起きたんだ」
「この変態!!!」

意識が戻ったディランの拘束が少し緩む。それを利用して、フェリシアはベッドとディランの間から抜け出した。
そしてそのまま起き抜けで意識がはっきりしていないディランの頬に張り手をお見舞いする。

「ほんっとうにサイテー!!」

そう吐き捨てて、フェリシアは部屋から出ていった。
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