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注意:本当に若干シリアスな内容がありますが、あまり深く突っ込まれると作者が死にます。軽い気持ちで読んでください。
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8年前、最北の地・ノルドに突如現れた魔王……。かつて、その驚異的な存在は魔物達を強化・活性化させ、魔物勢力をじわじわと南下させていた。
その中でもイースディールの最北の地・アッシュブレイド城塞は特に重要な要塞として役目を果たすことになる。
元々アッシュブレイド城塞は長きにわたり争っていたヴェスベール帝国の進行を防ぐための地として作られたものだったが、魔王の出現によりその存在意義も変化したのだ。元々重要な拠点ではあったのだが、あることによってその重要度は更に増す。
魔王出現から二年が経った頃。当時、ヴェスベール帝国は魔物とイースディール王国に挟まれ、四面楚歌の状態だった。流石にこんな状況に立たされていながら人間同士で争っている場合ではないと感じたのか、イースディールに休戦条約及び共戦条約を持ち掛け、それらはそのまま締結されたが、判断が遅すぎた。
ヴェスベール帝国国内は既に争いの爪痕でボロボロ。北国故に作物も育ちにくいために、元々少なかった資源も底を尽きかけていた。その他にも色々な要因が重なり、国を立て直すのはかなり難しい状態だった。
けれど物資や援軍を送ろうにもイースディールも多方向から魔物に攻められ、ギリギリの状態。支援という支援も殆ど出来なかった……それ故、魔王出現から三年後、ヴェスベール帝国は王都にまで魔物に攻められ、実質崩壊したのだった。
それからまた二年後、イースディール国内で勇者の剣が見つかったことによりやっと事態は好転し始めるのだが、それは別の話。
結局あの晩王都から旅立ち、馬で駆けること7日程。途中途中宿の部屋は別々にとりながらの休憩は挟んだが、早く王都を離れたかったのもあり、殆ど休まずに馬を走らせた。それはかつての旅を思い出すような道のりで、辛かった思い出も楽しかった思い出も同じ様にフェリシアの中を駆け巡った。
***
アッシュブレイド城塞は約5年もの間、魔物達との闘いの最前線の一つだったのだ。それ故被害もかなり大きい。
かつては自然豊かな平原が広がっていたその地も、今では見る影もない。荒れ果てた地に城塞だけがポツリと佇んでいる。
「……話には聞いていたけど、これは――」
「ああ。俺も数年ぶりに帰ってきたが、ここまで酷い状態になっているとはな」
「ディラン、大丈夫?」
「ん?問題ない。フェルが俺の心配なんて、明日は台風でも来そうだな」
フェリシアはディランの隣に並ぶように馬を移動させ、彼の顔を伺い見ながら心配する。しかし、彼はその心配に何でもないかのように冗談で返してきた。
北方に位置し、海からほど遠いこの平原では台風など滅多に来ない。それくらいにフェリシアの心配は珍しいという比喩表現が憎たらしい。そんな冗談を言えるくらいなら……と少し安心したフェリシアだったが、よくよく見てみると、ディランの表情は明るい口調とは裏腹に隠しきれない程に暗く、馬の手綱を持つ手も心なしか震えている。自分の故郷がこんな惨状では、逆に傷つくなというほうがおかしいだろう。
故郷に対してそんなに良い思い出がないフェリシアには分からない感情だったが、それなりにディランとは長い付き合いだ。彼が故郷を愛していることくらいは分かっていた。帰ってしばらくの間、騎士団の仕事を理由に故郷に帰ってなかったのも、本当は彼はこの光景が見るのが怖かったからなのかもしれない……。
けれどフェリシアはそれに敢えて気づかぬふりをする。本人が気づかれたくないが故に見栄を張って誤魔化しているのなら、それを深く追求してやらない事も優しさだろう。だからフェリシアはディランの冗談に乗る。
「心配してあげたのに、相変わらず失礼な男ね」
「ハハ、フェルはそれくらい意地を張っているほうがお前らしい。……心配するな、覚悟はしてたから」
フェリシアが彼の誤魔化しに乗ることによって、ディランは目に見えて安心したような表情になる。そんなことに少し安心しながら、二人はアッシュブレイド城塞内に足を踏み入れたのだった。
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8年前、最北の地・ノルドに突如現れた魔王……。かつて、その驚異的な存在は魔物達を強化・活性化させ、魔物勢力をじわじわと南下させていた。
その中でもイースディールの最北の地・アッシュブレイド城塞は特に重要な要塞として役目を果たすことになる。
元々アッシュブレイド城塞は長きにわたり争っていたヴェスベール帝国の進行を防ぐための地として作られたものだったが、魔王の出現によりその存在意義も変化したのだ。元々重要な拠点ではあったのだが、あることによってその重要度は更に増す。
魔王出現から二年が経った頃。当時、ヴェスベール帝国は魔物とイースディール王国に挟まれ、四面楚歌の状態だった。流石にこんな状況に立たされていながら人間同士で争っている場合ではないと感じたのか、イースディールに休戦条約及び共戦条約を持ち掛け、それらはそのまま締結されたが、判断が遅すぎた。
ヴェスベール帝国国内は既に争いの爪痕でボロボロ。北国故に作物も育ちにくいために、元々少なかった資源も底を尽きかけていた。その他にも色々な要因が重なり、国を立て直すのはかなり難しい状態だった。
けれど物資や援軍を送ろうにもイースディールも多方向から魔物に攻められ、ギリギリの状態。支援という支援も殆ど出来なかった……それ故、魔王出現から三年後、ヴェスベール帝国は王都にまで魔物に攻められ、実質崩壊したのだった。
それからまた二年後、イースディール国内で勇者の剣が見つかったことによりやっと事態は好転し始めるのだが、それは別の話。
結局あの晩王都から旅立ち、馬で駆けること7日程。途中途中宿の部屋は別々にとりながらの休憩は挟んだが、早く王都を離れたかったのもあり、殆ど休まずに馬を走らせた。それはかつての旅を思い出すような道のりで、辛かった思い出も楽しかった思い出も同じ様にフェリシアの中を駆け巡った。
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アッシュブレイド城塞は約5年もの間、魔物達との闘いの最前線の一つだったのだ。それ故被害もかなり大きい。
かつては自然豊かな平原が広がっていたその地も、今では見る影もない。荒れ果てた地に城塞だけがポツリと佇んでいる。
「……話には聞いていたけど、これは――」
「ああ。俺も数年ぶりに帰ってきたが、ここまで酷い状態になっているとはな」
「ディラン、大丈夫?」
「ん?問題ない。フェルが俺の心配なんて、明日は台風でも来そうだな」
フェリシアはディランの隣に並ぶように馬を移動させ、彼の顔を伺い見ながら心配する。しかし、彼はその心配に何でもないかのように冗談で返してきた。
北方に位置し、海からほど遠いこの平原では台風など滅多に来ない。それくらいにフェリシアの心配は珍しいという比喩表現が憎たらしい。そんな冗談を言えるくらいなら……と少し安心したフェリシアだったが、よくよく見てみると、ディランの表情は明るい口調とは裏腹に隠しきれない程に暗く、馬の手綱を持つ手も心なしか震えている。自分の故郷がこんな惨状では、逆に傷つくなというほうがおかしいだろう。
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「心配してあげたのに、相変わらず失礼な男ね」
「ハハ、フェルはそれくらい意地を張っているほうがお前らしい。……心配するな、覚悟はしてたから」
フェリシアが彼の誤魔化しに乗ることによって、ディランは目に見えて安心したような表情になる。そんなことに少し安心しながら、二人はアッシュブレイド城塞内に足を踏み入れたのだった。
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