レベル1の最強転生者 ~勇者パーティーを追放された錬金鍛冶師は、スキルで武器が作り放題なので、盾使いの竜姫と最強の無双神器を作ることにした~

サイダーボウイ

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2章

第5話

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「さっき〝葬送の請負人キルアンダーテイカー〟なんて呼ばれていたが、けっこうこの辺りじゃ有名なのか?」

「有名かどうか分からないけどさ。よくそんな風に呼ばれたりするんだよ。けど、その異名はあまり好きじゃないんだよね~。周りが勝手にそう呼んでるだけだからさ。ウチにはディーネ・ルチアーノっていうちゃんとした名前があるわけだし」

「ディーネか。俺の名前はエルハルトだ。こっちのナズナと一緒に訳あってギルドに冒険者登録しにやって来たんだ」

「はじめまして、ディーネさん。どうすればいいか困っていたので本当に助かりました」

「エルハルト君にナズナちゃんね」

「はい。どうぞよろしくお願いします」

 ナズナが頭を下げると、獣耳の女――ディーネはにゃっと笑う。

「にゅふふ~♪ ひょっとしてこの子はエルハルト君の彼女なのかなぁ~?」

「そんな風に見えるか?」

「だって、ギルドに男女2人きりのカップルで来るなんて珍しいじゃん~。きっと周りの男たちは嫉妬したんだろうね。こんなかわいい子連れて来るんだもん。当然だよ」

「そういうつもりはまったくなかったんだが」

 しかし、言われてみればたしかにそうか。
 こんな美少女を隣りに置いて歩けば目もつけられるってもんだ。

「私はマスターをお護りするために存在します。ですから、彼女というのとは少し違うと思います」

「マスターねぇ。ふふっ。面白いね、君たち」

 なぜかディーネは楽しそうだ。
 もとから人懐っこい部分があるのかもしれない。

「それで〝葬送の請負人キルアンダーテイカー〟っていうのは何なんだ?」

「気になるの?」

「すごい異名だからな。それにさっきの男の反応も普通じゃなかった」

「その名前で呼ばれているのは多分あれだね。ウチが所有してるスキルがちょっと特殊だからさ。その噂が広まってそんな風に呼ばれるようになったんだって思うよ」

「スキル?」

「ウチは剣士のクラスで、《勇猛なる鮮血の舞い》っていう固有スキルを持ってるんだよね。これは戦った相手を一定確率で即死させちゃうってスキルだから。だから、運が良ければほとんど何もしなくても敵を簡単に倒せちゃうってわけ」

「すごいな。そんなスキルがあるのか」

 前の世界でもそんなスキルは聞いたことがなかった。
 ディーネが言うようにかなり特殊な部類のスキルだ。 

「ウチとしてはちゃんと戦って勝ちたいんだけどさ。でも、こんな感じで冒険者を続けてたら、いろいろな領のギルドから目を付けられちゃって。最近はウチ宛ての依頼が多いのなんの。にゃははっ♪ 嬉しい悲鳴だけどね。だからバルハラに戻って来たのは久しぶりだったんだよ」

「でも、ただ戻って来たわけじゃないんだろ?」

「鋭いね、エルハルト君。そうなんだよ。久しぶりにチノに呼ばれてさ~。あるクエストを依頼されたんだ。まあ、内容は秘匿案件だから言えないんだけどね」

「なるほど。そういうことか」

「それじゃ、今日はチノも出かけているみたいだから。ウチはそろそろ失礼させてもらおうかな。この後、武器屋に寄って剣を引き取りに行かなくちゃいけないから」

「ああ、そうなのか。悪かったな」

 どうやら足止めをしてしまっていたようだ。

 おそらくクエストで使用する武器を引き取りに行くんだろう。
 これ以上邪魔したら悪いか。

「ううん。ウチもエルハルト君と話せて嬉しかったよ。これから頑張ってね。お姉さん、応援してるから♪」

「いろいろと世話になった。あんたの武運を祈ってるぞ」

「うん、ありがと♪ じゃあね~」

 人懐っこい笑顔を浮かべながら、ディーネは手を振ってこの場を後にする。
 あんな美人なのに全然気取ったところがなくて、その気さくさが彼女の魅力なんだろうな。
 
「ディーネさん。すごい方ですね」

「もしかして、ナズナも気付いたのか?」

「はい。あの雰囲気……かなり手練れの冒険者だと思います」

「そうだな。いい先輩が所属するギルドに巡り合えたみたいだ」

 所属する一部の連中には問題があるが、それを差し引いてもこのギルドに登録する価値は十分にありそうだ。
 ギルマスも相当腕の立つ人物みたいだからな。





 それから改めて受付カウンターに顔を出すと、別の受付嬢から明日冒険者登録の実技試験を行う旨が伝えられた。

 念のために水晶の補修費について確認するも、その必要はないと慌てた様子で言われてしまった。
 ひとまずこの件は保留にして、後日にでもギルマスに謝罪しよう。

 また明日の朝に来るようにと言われて、この日は一旦ギルドを後にすることになった。
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