ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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より深く知るために

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帰って来て、お腹空いてたけど、今日の新部長の報告がしたくて、
先に話しちゃった。アトランティーナも気になってたみたいだし。
う~、もうダメだぁ~。お腹空いたぁ~🌀

「ね、アトランティーナ、お腹減ったよぉ~」

「そうね、ごめん。食べてから聞くつもりだったのに・・・。
すぐ用意するね。もう出来てるから」

「ありがとう。いや、私も報告したくてウズウズしてたから、
アトランティーナのせいじゃないよ。でも・・・もう限界かも(笑)」

「そうよね。私もお腹空いてるもの。すぐだから、ちょっとだけ待ってて」

「うん、私も何かお手伝いする。ここにあるの、持ってって良いの?」

「あっ、お願い」

いつも平和な夕ご飯。アトランティーナが作る料理は、本当に美味しい。
そんなにお金かけてるワケじゃないのに、いっつも彩り鮮やかで、
味だけじゃなくて、見た目もキレイなんだよね。

私もこういう料理が作れるようになりたいなぁって、密かに思ってたりする。
今度、アトランティーナに教わろうかな♪

食事を終えて、コーヒー・ブレイクをしていた時、
急にアトランティーナの目が輝いた。イヤな予感しかない。
何言い出すんだろう?
出来れば、こういう時は流したいんだけど、流せないよねぇ・・・私じゃ(苦笑)

「ね、ミウ、聞きたいことがあるんだけど」

「アトランティーナの目が、さっきキラッと輝いたんだよね。
イヤな予感しかしないんだけど・・・聞きたいことって、な~に?」

「イヤだ、ミウ、鋭くなっちゃって(笑)大したことじゃないわよ。
あのね、ミウは、どういう男性が好みなのかなと思って。それが聞きたいの」

「えっ、なんで?」

「そろそろ次のステップに進もうかなって思っているから」

「次のステップと私の好みの男性と関係があるの?」

「ええ、大アリよ!だって、次のステップは恋愛だから♪」

「恋愛!恋愛が次のステップってどういうこと!?」

「ミウ、恋愛を軽んじていない?もしくは、バカにしてるっていうことはない?」

「バカにしてるワケじゃないけど、恋愛なんて意味があるのかなとは
思ってるかもしれない」

「それは困ったわね。恋愛でしか得られないこと、たくさんあるのに」

「恋愛から得られるものっていったら、キュンとか、ドキドキとか、
そういう類のやつだよね?」

「違うわよ!恋愛から得られるものは、
ミウが本当の意味でハッピー・タイフーンの目になることに
役立つものなのよ」

「どういうこと?全く分かんない」

「恋愛って、感情のぶつかり合いでしょ?エゴが出まくるのが恋愛。
その中で、自分が自分に対して、どう思っているのか、
どう感じているかということが如実に表れてしまうのが恋愛なの。

だから、恋愛を通して、愛についてはもちろんのこと、自分に対して、
どう向き合っているのかも分かってくるのよ」

「全然、分かんない」

「う~ん、そうね。例えば、今のミウは、あまり怒らなくなったでしょ?
怒りの裏側には恐れがあることも知っているから、腹が立った時、
『何を怖がっているの?』って聞く習慣もついたと思うの。

でもね、恋愛では、分かっていても自分を制御することが出来なくなるのよ。
そこで、もう一歩深く、自分と向き合う機会を得られるの。
だから、今よりももっと深く自分を知ることが出来るのよ」

「なるほど。確かに、私に彼氏がいたのって、もうずいぶん前のことで、
あの頃の私と今の私とでは別人くらい違うから、
今だったら、どうなるのかなっていう興味はあるかも」

「いいじゃない。まずは、その興味から始めてみない?」

「そうね・・・。イヤだって言っても始まるんでしょ?だって、課題だもんね」

「ま、そういうことね。で、どういう男性が好みなの?」

「誠実な人が良いかな。ウソつかない人。あと、経済的に自立してる人。
浮気しない人。あとは・・・何だろう?」

「見た目は?」

「背が高い人が良い!175cm以上で、痩せ型で、色白で、
お尻と顔は小さい人が良いな。あと、唇は薄めで、
目は切長じゃなくって、まん丸の人が良い!

あっ、あと、サラリーマンっぽくない人が良いかも。
会社の言うなりになってる人はイヤだね。それと趣味を持ってる人が良いなぁ」

「見た目って言ったら、色々出て来たわね。
ふぅ~ん、意外とイケメンが好みなのね。ミウも女の子ってことで、
ちょっと安心したわ」

「もう、女の子っていう歳じゃないけどね(苦笑)」

「ほら、もう出た!もう女の子っていう歳じゃないっていうのは、自虐よね?
前にも話したけど、肉体は借り物で、人の本当の姿はエネルギー体。
肉体は“物”だから時間が経てば、当然、劣化するもの。
だけど、エネルギー体が劣化することはないの。

なのに、年齢が若い方が価値があるという認識があるのよね。
ほら、ミウも一般的な価値観を受け容れてしまっているじゃない。
他のことでは、年齢で区別することなんてないはずなのに、恋愛となると
世の中の価値観に流されているってこと、今、気がついたんじゃない?」

「あっ、そっか。気がつかないうちに周りの価値観に流されてたんだね。
うわっ、こうやって、一つずつ見直していくんだ。
なんか、恋愛が怖くなってきたかも(汗)」

「怖いことはないでしょ。ただ、ミウの現状を知っていくことが大切。
そして、修正していくだけのこと。
今までだって取り組んできたじゃない?それと同じことよ」

「なんか、恋愛する意味が少しだけど、分かったような気がする」

「じゃ、前向きに取り組むってことで良いわね?」

「は、はい・・・。うわぁ~、なんかイヤな予感しかしないんですけど」

「大丈夫よ!私を信じて。いきなり、難しいことはしないから。
少しずつ、進めていきましょう」

「うん、分かった。で、私は何をしたら良いの?」

「何もしなくて良いわ。
ただ、自分の直感、感情に素直になるということだけ、
意識してくれていればOKよ」

「それは、いつもと変わらないよね?」

「そうね。でも、ちゃんと自分の直感や感情に素直に行動することは出来ている?
時には『違うなぁ』って思いながら、やっていることはない?」

「・・・あるかもしれないです」

「それをやめるということを約束してください」

「はい、分かりました」

「って言っても、きっとミウは、素直に動けないと思うけどね(笑)」

「やる前から、そういうこと言うのってダメなんじゃないの!?」

「そうね、ごめんなさい。じゃ、明日から始めるわよ。良い?
ミウが自分の直感と感情に素直に行動するということを忘れないでね」

「なんか、緊張してきた(汗)」

「緊張しちゃダメよ。緊張すると・・・」

「直感が閃かなくなるんでしょ?」

「そう。それに、感情も見失ってしまうから、
深呼吸することを忘れないで、いつでもリラックスよ」

「はい!しっかり取り組みたいと思います(笑)」

「良い心がけね。じゃ、今夜も早めに休みましょう」

「じゃ、シャワー浴びて来るね」

「お先にどうぞ」

「ありがとう」


<次回へ続く>
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