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出口の見えない迷路
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なんか、眠りが浅かったみたいで、ちょっとボゥ~ッとしてるかも(汗)
とりあえず、会社に行かないとね。
いつも通り、座れたんだけど、すぐに本気で寝ちゃって、
チェリーと話す余裕がなかったな。ごめんね、チェリー。
会社に着いて、「おはようございま~す!」って挨拶するのは、
今日も同じ。気持ちを切り替えて、仕事しようっと。
アトランティーナが開拓した新しいクライアントからの発注があって、
ちょっとバタバタ気味(汗)私が担当するのは、初めてなんだよね。
真田部長から振られた仕事だし、しっかり結果を残したいって思うから、
ちょっと気負っちゃいそう(汗)
メンバーもそれぞれの仕事を抱えていて、張り切ってる感が伝わってきて、
良いね。レオンくんも慣れないから大変かなって思ってたけど、
見ている限りでは、特に問題なく、仕事してて頼もしい限り。
チーフとして、私も踏ん張って行こうって、士気が上がる。
久しぶりに仕事がバタついて、気がついたら11時半を回ってた。
ふと、目を上げるとメンバーは、みんな席に居て、
なんか落ち着かない感じだった。
あっ、私が仕事に集中してるから、お昼に行きづらいのかもしれない!
「みんな!昨日、言い忘れちゃったけど、
お昼も帰る時も私が居ても気にしないでね。仕事の進捗状況も違うんだし、
自分のペースでお昼行ったり、帰って良いから。私に気遣わないでね」
「ありがとうございます!じゃ、お昼、お先です」
メンバーのほとんどが席を立って、お昼に出かけた。
そうだよね、新しいチームなんだから、分かんないよね。
チーフによっては、自分より先にお昼に行くなとか、自分が残ってるのに、
先に帰るなとかって言う人もいるからね(苦笑)
私は、そういうつまらないことは言わないんだけど、
きちんと言葉にして伝えないと分かんないもんね。
昨日、言っておけば良かったな・・・。
あれっ?レオンくんは行かないのかな?
「レオンくんは、お昼、行かないの?」
「あっ、まだ、ちょっと・・・。
午前中のうちに、まとめておきたいものがあるので」
「あっ、そうなんだ。レオンくんも私に気遣うことないからね」
「はい、ありがとうございます」
とはいえ、12時過ぎまで仕事してると、どこの店にも入れなくなって、
ランチ・ジプシーになっちゃうから、私も早めに切り上げて、
ランチ行かなきゃ。
でも、あと、もう少し、午前中のうちに仕上げておきたいんだよね。
「あの~、龍崎さん、良かったら、私たちと一緒にランチに行きませんか?」
顔をあげてみると、隣の部の女の子たちがレオンくんを誘いに来てた。
昨日、色めきだってた子たちだね。
そりゃあ、目の前にキレイな顔した男性が居たら、食事も美味しく感じるもんね。
って、オヤジ的思考か?(笑)
「あっ、ごめんなさい。まだ、仕事が終わらないから・・・。
また、今度にしてもらっても良いですか?誘ってくれてありがとう」
あっ、レオンくん、断るんだ。他の部との交流もしておいた方が良いのに。
まぁ、まだ来たばかりだから、仕事を優先したいのかな。
なかなか良い心がけだね。
「分かりました。じゃ、今度、お願いします」
残念そうに帰って行く女の子たちが、ちょっとだけ気の毒になってしまった。
と思ったけど、前言撤回!
「きっと、チーフが残ってるから行けないんだよ。
空気読んで、「ランチ行ってくれば?」とか言えば良いのにね。
気が利かないんだから」
って声が聞こえてきたのよ!
『はぁ?』って、思わず立ち上がりそうになった時、
私より先にレオンくんが立ち上がって、
「ねぇ、君たち、今の言葉、取り消してくれない?
ウチのチーフは、それぞれのペースでランチ行ってって
言ってくれるチーフなんだよ!何も知らないのに、勝手な憶測で、
そういう失礼なことを言うのは、やめてくれるかな?
そういう考えの人たちとは、ランチには行きたくないから、
もう二度と僕のことを誘いに来るのはやめてね。迷惑だから」
って言ってくれたの!シュンとなって立ち去る彼女たちの後ろ姿を見て、
怒りが吹き飛んだだけじゃなくて、清々して気分が良かったんだけど、
それもほんの一瞬で、ちょっとお複雑な気持ちになったの。
だって、男の人に庇ってもらうなんて、もしかしたら、
初めての体験だったかもしれないから。
そのせいか、ちょっとドキドキもしてるし、なんとも言葉にならない感情で
胸の中がいっぱいになって、どんな顔して良いのか分かんなくなった。
たぶん、それは、レオンくんが庇ってくれたことに対してだけじゃなくて、
久しぶりに本気で頭にきた自分に対してと、レオンくんに怒られて、
シュンとなった彼女たちに対する勝利感っていうのかな、
そういう気持ちになった自分に対する、ちょっとした罪悪感みたいな
ものだったような気がする。よく分かんないんだけど、
なんか、胸の辺りがモヤモヤ、ザワザワして、気分が悪かったの。
だから、レオンくんの顔も見れないし、困っちゃった(汗)
正直、こうなっちゃうと、仕事どころじゃないよね(苦笑)
そんな私を察知してくれたのかどうか、分かんないけど、
「ミウさん、良かったら、ランチ行きませんか?
まだ仕事、片付きませんか?なんか、邪魔が入っちゃって、
仕事する感じじゃなくなっちゃって(苦笑)」
「うん、確かに・・・(苦笑)じゃ、ランチ行こうか」
「良かった。ミウさん、気分害して、ランチ断られるかもって、
少し心配でした」
「えっ、だって、レオンくんが悪いワケじゃないでしょ?
レオンくんに怒る理由がないじゃない」
「良かった。スペインだったら、彼女たちが一番問題だけど、
僕にも責任があるってことになるんですよ。
だって、ミウさんは、ただ仕事していただけでしょ?原因は、僕だから」
「それは違うでしょ。レオンくんが悪いっていうのは、
おかしいと思うけど」
「ありがとう、ミウさん」
眩しいくらいの笑顔、ステキなんだけど・・・やっぱり苦手。
だって、どうしたら良いのか、分かんなくなっちゃうんだもん(苦笑)
『はっ!今、私、どんな顔してるんだろう?』心の中で、
グチャグチャ考えながら、エレベーターホールまで来ちゃったけど、
私、大丈夫なのかな?ちょっと心配になって、
レオンくんを見上げてみるけど、レオンくんは、
エレベーターの方を見ていたから大丈夫なのかな?
「ミウさん、ランチ、何が食べたいですか?」
「へっ!?」
変な声が出てしまった(汗)いつもなら、「何が食べたい?」って聞くと、
すぐに返事が返ってくるのに、今日は・・・ダメだぁ。
まだ、ドキドキしてて、何も思い浮かばない。
どうしよう、私、何が食べたいんだろう?
「パンは、どうですか?サンドイッチとか、オープンサンドとか」
レオンくんが、察してくれたのか、提案してくれて、
やっと我に返ったっていうか、少し落ち着いてきた。
「そ、そうだね。パンが良いかも!あんまり時間もないしね。
サクッと食べられるし、パンにしよう♪」
「じゃ、コーヒーショップで良いですね」
「うん、そうしよう」
「僕は、デスクで食事すると落ち着かないから、持ち帰りじゃなくて、
ここで食べて行きますけど、ミウさんは、どうしますか?」
「私もデスクで食べるの好きじゃないから、ここで食べていこうかな」
「良かった。じゃ、一緒に食べましょう。
ミウさん、並んでてもらって良いですか?僕、席、探して来るので」
「うん、分かった。ありがとう」
12時を少し回ったくらいだから、席、空いてるかなぁって思ってたけど、
ちょうど帰る人がいて、無事に席を確保できたみたい。
なかなか運が良いぞ♪注文する前にレオンくんが間に合って良かったし。
私は、オープンサンドとアイスオーレを頼んで、
レオンくんが確保してくれた席で待っていた。
「先に食べていて良かったのに・・・。
待っていてくれてありがとうございます」
「いいえ。だって、そんなに時間がかかるワケじゃないし、
せっかくなら、一緒に食べた方が良いでしょ?」
「ミウさんは、優しいんですね」
「そんなこと・・・。それより、さっきレオンくんが彼女たちに
反論してくれたことの方が有り難かったよ。ありがとう」
「当然じゃないですか。だって、どう考えたって、おかしいでしょ」
「そうなんだけど、あんまり庇ってもらったことがないから新鮮だったし、
嬉しかった」
「そうなんですか?ミウさんは、自分のことを信じていないんですね?」
「えっ、なんでそうなるの?」
「人は、鏡なんですよ。ミウさんは、人のこと、信じていないでしょ?
何でも自分独りで頑張ってしまうんじゃないですか?
だから、庇いたいと思ったとしても躊躇してしまうんですよ。
それは、ミウさんが自分のことを信じていないことを表しています。
もっと自分のことを信じることが出来たら、人のことも
信じられるようになります。そうなると、周りもミウさんのことを
信じるようになります。そうしたら、ああいうことが起こった時、
ミウさんを庇う人も増えてきますよ」
「なるほどね・・・。確かに、私は自分のことを信じていないと思う。
そっか、だから、他の人のことも信じられないんだね。
そうだよね、自分のことを信じてくれない人のことを
庇おうとは思わないもんね。
じゃ、なんで、レオンくんは庇ってくれたの?」
「僕は、あの時、もし、ミウさんに「余計なこと言わないで良いから!」
って言われたとしても、そのミウさんに反論する言葉を持っていますから」
「それは、今、言ったことだよね?」
「はい。ミウさんは、話せば分かる人だって、
阿刀田部長からも聞いています」
「あっ、そうか!阿刀田部長と知り合いなんだもんね」
「はい。阿刀田部長とは、結構、長いつきあいですから、フフッ」
フフッて笑った顔がなんか含みを帯びていて、ちょっと不気味。
ずっと気になっていたけど、聞けなかったこと。
それは・・・レオンくんの本当の姿っていうか、何者かってこと。
「ね、レオンくん。ぶっちゃけても良い?」
「はい、良いですよ(笑)何でも聞いてください」
「じゃ、思い切って聞くけど・・・。
あっ、やっぱり、やめとく。今度にするわ」
「えっ、なんですか?気になるじゃないですか」
「そうだね、ごめんね。阿刀田部長とは、どこで知り合ったの?」
ダイレクトに聞く勇気が出なかったから、やんわり聞いてみることにした。
どんな返答が返ってくるんだろう。
「正直に答えた方が良いですよね?」
「うん、そうだね」
「阿刀田部長・・・アトランティーナと最初に会ったのは天界です。
この答えを待っていたんですよね?」
「えっ!?待っていたワケではないけど・・・。
ってことは、私のこと、結構、色々知ってるってことだよね?」
「う~ん、アトランティーナから聞いたからではなくて・・・。
実は僕、ミウさんの守護天使の一人なんですよ。だから・・・
知っていますね。もしかしたら、ミウさん以上に」
「え~~~っ!!!」
「ミウさん、声が大きいです。みんな見てますよ」
「ごめんなさい。でも、それって・・・どういうこと?
アトランティーナから口止めされてないの?」
「タイミングを見て、僕から話しても良いって言われているので、話しました」
「っていうか、守護天使が人間になっても良いの?」
「ミウさんには、7人の守護天使が付いているという話は、聞いていますよね?」
「うん、それはアトランティーナから聞いた」
「天使の中には、一度も人間になったことがない天使と人間になったことがある、
もしくは、人間だったことがある天使がいるんです。
例えば、大天使のサンダルフォンとメタトロンって聞いたことがありますか?」
「なんとなく・・・聞いたことがあるような気がする」
「大天使サンダルフォン、大天使メタトロンは、預言者でしたが、
後に大天使になりました。だから、人間が持つエゴを知っているんです。
僕たち、守護天使の中にも人間だったことがある天使が少ないですけど、
いるんです。
それで、ミウさんに付いている7人の守護天使は、
全員、人間だったことがある天使なんです。
おそらく、ミウさんをサポートする上で、人間としての記憶が
必要だったのだと思います」
「で、レオンくんがその一人ってこと?」
「そうです。ミウさんがこれから取り組む課題をクリアするために
僕らが必要だったみたいです」
「私がこれから取り組む課題って、何だか知ってる?」
「はい。恋愛ですよね?」
「なんか、そうハッキリ言われると恥ずかしいんだけど・・・」
「別に恥ずかしいことじゃないと思いますよ。だって、恋愛は、幸せに、
心豊かに生きる上で、とても大切なことですから」
「レオンくんもそう思うんだ・・・。じゃ、例えば、ないとは思うけど、
私がレオンくんのことを好きになったら、どうするの?」
「どうするとは?別に問題ないと思いますけど」
「えっ、問題でしょ!?だって、自分の守護天使と恋愛するワケには
いかないんじゃないの!?」
「どうしてですか?
だって今、僕は人間なんですから、何も問題ないと思いますよ」
そんな輝く笑顔で言われても・・・。はぁ~、どうなってんのよ。
ドッと疲れが・・・。言葉も失うよ。
「そんなに疲れた顔しないでください。僕は、ミウさんのことが気になります。
まだ、好きかどうかは分かりませんが、好きになるかもしれません。
でも、それは悪いことではないと思っています。
ミウさんが、僕の気持ちを受け容れてくれるかどうかは、別として、
僕が誰のことを好きになっても、それは僕の自由ですから。
ミウさんも誰のことを好きになっても、それはミウさんの自由なんです。
だから、そんなに気負う必要はないんですよ。恋愛って、
気負ってするものではありませんから、いくら課題でも、それは変わりません。
あと・・・恋は、頭で考えてするものではなくて、心で感じてするものです。
それだけは忘れないでください」
「はい、分かりました。でも・・・なんかね、ちょっと騙されたような気分。
正直言うと、レオンくんにちょっと、ときめいてたのかもしれない。
私のことを思って、アトランティーナが手配してくれたことは分かるんだけど、
なんか素直に喜べないっていうか、なんて言ったら良いのか分かんないけど、
今、とっても複雑(苦笑)今日、アトランティーナと話してみるわ」
「えっ、アトランティーナって、まだ人間界にいるんですか?」
「いるよ。っていうか、私と一緒に住んでるよ」
「そうなんですか!?じゃ、今度、遊びに行っても良いですか?」
「いいんじゃない」
「ミウさん、ごめんなさい。騙すつもりなんてなかったんです。
だから、僕の口から本当のことを話しました。
もし、騙すつもりなら、言いませんでした」
「ううん。謝らないでくれる。レオンくんもアトランティーナも
悪いワケじゃないって分かってるから。
ただ、なんで、こんなに気分が悪いのか、傷ついた感じがしちゃうのか、
私にも分かんないの。自分の気持ちを整理したいだけ。
私の中で、何が起こってるのか、きちんと向き合いたいと
思ってるだけだから。でも、疲れちゃったのは本当」
それからは、顔も上げずに、ただひたすら、目の前にあるパンを食べた。
分かってたはずじゃん。レオンくんは、アトランティーナが遣わした人だって。
このタイミングなんだから、私の恋愛っていう課題に、
大いに関係してることも分かってたはずじゃん。
なのに、なんで、こんなにイヤな気分なの?レオンくんが私の守護天使だから?
見た目が私の好みのタイプ通りで現れたから?
自分の心なのに、何がなんだか、さっぱり分かんない。
自分の心の中で迷子になった気分。どっちに進んだら良いのかも分かんないし、
出口の見えない迷路の中にいるみたい。ダメだぁ・・・。午後は早退しよう。
だって、このまま仕事なんて、出来そうにないもん。
無言のまま、食事を終えて、レオンくんと会社に戻った。
まだ13時前だったけど、真田部長は席に戻っていたから、
お昼から戻った、その足で、部長のところに行った。
「部長、突然で申し訳ないんですけど、午後、早退させてください」
って、頭を下げた。部長は、一瞬、驚いた顔をしたけど、私の顔を見て
「どうしました?久遠さん、顔色が真っ青ですよ。分かりました。
メンバーの皆さんには、私から伝えますので、すぐに帰ってください。
明日も辛いようでしたら、お休みしてくださいね」
「ありがとうございます」
ペコって頭を下げて、帰り支度をサクッと済ませて、フロアを後にした。
レオンくんは、何か言いたそうだったけど、あえて見ないようにした。
別に彼が悪いワケじゃない。心の中では、『ごめんね』って言ってるんだけど、
今は、何も言えない。
といって、このまま帰るっていうのも気が進まない。
だって、まだ、気持ちの整理がついてないのに、
アトランティーナと話なんか出来ないよ。ひと息ついてから帰ろう。
あっ、そうだ!前に行ってたカフェがあったじゃん。
あそこで、お茶してから帰ろう。
そうすれば、少しは気持ちが落ち着くかもしれないしね。
<次回へ続く>
とりあえず、会社に行かないとね。
いつも通り、座れたんだけど、すぐに本気で寝ちゃって、
チェリーと話す余裕がなかったな。ごめんね、チェリー。
会社に着いて、「おはようございま~す!」って挨拶するのは、
今日も同じ。気持ちを切り替えて、仕事しようっと。
アトランティーナが開拓した新しいクライアントからの発注があって、
ちょっとバタバタ気味(汗)私が担当するのは、初めてなんだよね。
真田部長から振られた仕事だし、しっかり結果を残したいって思うから、
ちょっと気負っちゃいそう(汗)
メンバーもそれぞれの仕事を抱えていて、張り切ってる感が伝わってきて、
良いね。レオンくんも慣れないから大変かなって思ってたけど、
見ている限りでは、特に問題なく、仕事してて頼もしい限り。
チーフとして、私も踏ん張って行こうって、士気が上がる。
久しぶりに仕事がバタついて、気がついたら11時半を回ってた。
ふと、目を上げるとメンバーは、みんな席に居て、
なんか落ち着かない感じだった。
あっ、私が仕事に集中してるから、お昼に行きづらいのかもしれない!
「みんな!昨日、言い忘れちゃったけど、
お昼も帰る時も私が居ても気にしないでね。仕事の進捗状況も違うんだし、
自分のペースでお昼行ったり、帰って良いから。私に気遣わないでね」
「ありがとうございます!じゃ、お昼、お先です」
メンバーのほとんどが席を立って、お昼に出かけた。
そうだよね、新しいチームなんだから、分かんないよね。
チーフによっては、自分より先にお昼に行くなとか、自分が残ってるのに、
先に帰るなとかって言う人もいるからね(苦笑)
私は、そういうつまらないことは言わないんだけど、
きちんと言葉にして伝えないと分かんないもんね。
昨日、言っておけば良かったな・・・。
あれっ?レオンくんは行かないのかな?
「レオンくんは、お昼、行かないの?」
「あっ、まだ、ちょっと・・・。
午前中のうちに、まとめておきたいものがあるので」
「あっ、そうなんだ。レオンくんも私に気遣うことないからね」
「はい、ありがとうございます」
とはいえ、12時過ぎまで仕事してると、どこの店にも入れなくなって、
ランチ・ジプシーになっちゃうから、私も早めに切り上げて、
ランチ行かなきゃ。
でも、あと、もう少し、午前中のうちに仕上げておきたいんだよね。
「あの~、龍崎さん、良かったら、私たちと一緒にランチに行きませんか?」
顔をあげてみると、隣の部の女の子たちがレオンくんを誘いに来てた。
昨日、色めきだってた子たちだね。
そりゃあ、目の前にキレイな顔した男性が居たら、食事も美味しく感じるもんね。
って、オヤジ的思考か?(笑)
「あっ、ごめんなさい。まだ、仕事が終わらないから・・・。
また、今度にしてもらっても良いですか?誘ってくれてありがとう」
あっ、レオンくん、断るんだ。他の部との交流もしておいた方が良いのに。
まぁ、まだ来たばかりだから、仕事を優先したいのかな。
なかなか良い心がけだね。
「分かりました。じゃ、今度、お願いします」
残念そうに帰って行く女の子たちが、ちょっとだけ気の毒になってしまった。
と思ったけど、前言撤回!
「きっと、チーフが残ってるから行けないんだよ。
空気読んで、「ランチ行ってくれば?」とか言えば良いのにね。
気が利かないんだから」
って声が聞こえてきたのよ!
『はぁ?』って、思わず立ち上がりそうになった時、
私より先にレオンくんが立ち上がって、
「ねぇ、君たち、今の言葉、取り消してくれない?
ウチのチーフは、それぞれのペースでランチ行ってって
言ってくれるチーフなんだよ!何も知らないのに、勝手な憶測で、
そういう失礼なことを言うのは、やめてくれるかな?
そういう考えの人たちとは、ランチには行きたくないから、
もう二度と僕のことを誘いに来るのはやめてね。迷惑だから」
って言ってくれたの!シュンとなって立ち去る彼女たちの後ろ姿を見て、
怒りが吹き飛んだだけじゃなくて、清々して気分が良かったんだけど、
それもほんの一瞬で、ちょっとお複雑な気持ちになったの。
だって、男の人に庇ってもらうなんて、もしかしたら、
初めての体験だったかもしれないから。
そのせいか、ちょっとドキドキもしてるし、なんとも言葉にならない感情で
胸の中がいっぱいになって、どんな顔して良いのか分かんなくなった。
たぶん、それは、レオンくんが庇ってくれたことに対してだけじゃなくて、
久しぶりに本気で頭にきた自分に対してと、レオンくんに怒られて、
シュンとなった彼女たちに対する勝利感っていうのかな、
そういう気持ちになった自分に対する、ちょっとした罪悪感みたいな
ものだったような気がする。よく分かんないんだけど、
なんか、胸の辺りがモヤモヤ、ザワザワして、気分が悪かったの。
だから、レオンくんの顔も見れないし、困っちゃった(汗)
正直、こうなっちゃうと、仕事どころじゃないよね(苦笑)
そんな私を察知してくれたのかどうか、分かんないけど、
「ミウさん、良かったら、ランチ行きませんか?
まだ仕事、片付きませんか?なんか、邪魔が入っちゃって、
仕事する感じじゃなくなっちゃって(苦笑)」
「うん、確かに・・・(苦笑)じゃ、ランチ行こうか」
「良かった。ミウさん、気分害して、ランチ断られるかもって、
少し心配でした」
「えっ、だって、レオンくんが悪いワケじゃないでしょ?
レオンくんに怒る理由がないじゃない」
「良かった。スペインだったら、彼女たちが一番問題だけど、
僕にも責任があるってことになるんですよ。
だって、ミウさんは、ただ仕事していただけでしょ?原因は、僕だから」
「それは違うでしょ。レオンくんが悪いっていうのは、
おかしいと思うけど」
「ありがとう、ミウさん」
眩しいくらいの笑顔、ステキなんだけど・・・やっぱり苦手。
だって、どうしたら良いのか、分かんなくなっちゃうんだもん(苦笑)
『はっ!今、私、どんな顔してるんだろう?』心の中で、
グチャグチャ考えながら、エレベーターホールまで来ちゃったけど、
私、大丈夫なのかな?ちょっと心配になって、
レオンくんを見上げてみるけど、レオンくんは、
エレベーターの方を見ていたから大丈夫なのかな?
「ミウさん、ランチ、何が食べたいですか?」
「へっ!?」
変な声が出てしまった(汗)いつもなら、「何が食べたい?」って聞くと、
すぐに返事が返ってくるのに、今日は・・・ダメだぁ。
まだ、ドキドキしてて、何も思い浮かばない。
どうしよう、私、何が食べたいんだろう?
「パンは、どうですか?サンドイッチとか、オープンサンドとか」
レオンくんが、察してくれたのか、提案してくれて、
やっと我に返ったっていうか、少し落ち着いてきた。
「そ、そうだね。パンが良いかも!あんまり時間もないしね。
サクッと食べられるし、パンにしよう♪」
「じゃ、コーヒーショップで良いですね」
「うん、そうしよう」
「僕は、デスクで食事すると落ち着かないから、持ち帰りじゃなくて、
ここで食べて行きますけど、ミウさんは、どうしますか?」
「私もデスクで食べるの好きじゃないから、ここで食べていこうかな」
「良かった。じゃ、一緒に食べましょう。
ミウさん、並んでてもらって良いですか?僕、席、探して来るので」
「うん、分かった。ありがとう」
12時を少し回ったくらいだから、席、空いてるかなぁって思ってたけど、
ちょうど帰る人がいて、無事に席を確保できたみたい。
なかなか運が良いぞ♪注文する前にレオンくんが間に合って良かったし。
私は、オープンサンドとアイスオーレを頼んで、
レオンくんが確保してくれた席で待っていた。
「先に食べていて良かったのに・・・。
待っていてくれてありがとうございます」
「いいえ。だって、そんなに時間がかかるワケじゃないし、
せっかくなら、一緒に食べた方が良いでしょ?」
「ミウさんは、優しいんですね」
「そんなこと・・・。それより、さっきレオンくんが彼女たちに
反論してくれたことの方が有り難かったよ。ありがとう」
「当然じゃないですか。だって、どう考えたって、おかしいでしょ」
「そうなんだけど、あんまり庇ってもらったことがないから新鮮だったし、
嬉しかった」
「そうなんですか?ミウさんは、自分のことを信じていないんですね?」
「えっ、なんでそうなるの?」
「人は、鏡なんですよ。ミウさんは、人のこと、信じていないでしょ?
何でも自分独りで頑張ってしまうんじゃないですか?
だから、庇いたいと思ったとしても躊躇してしまうんですよ。
それは、ミウさんが自分のことを信じていないことを表しています。
もっと自分のことを信じることが出来たら、人のことも
信じられるようになります。そうなると、周りもミウさんのことを
信じるようになります。そうしたら、ああいうことが起こった時、
ミウさんを庇う人も増えてきますよ」
「なるほどね・・・。確かに、私は自分のことを信じていないと思う。
そっか、だから、他の人のことも信じられないんだね。
そうだよね、自分のことを信じてくれない人のことを
庇おうとは思わないもんね。
じゃ、なんで、レオンくんは庇ってくれたの?」
「僕は、あの時、もし、ミウさんに「余計なこと言わないで良いから!」
って言われたとしても、そのミウさんに反論する言葉を持っていますから」
「それは、今、言ったことだよね?」
「はい。ミウさんは、話せば分かる人だって、
阿刀田部長からも聞いています」
「あっ、そうか!阿刀田部長と知り合いなんだもんね」
「はい。阿刀田部長とは、結構、長いつきあいですから、フフッ」
フフッて笑った顔がなんか含みを帯びていて、ちょっと不気味。
ずっと気になっていたけど、聞けなかったこと。
それは・・・レオンくんの本当の姿っていうか、何者かってこと。
「ね、レオンくん。ぶっちゃけても良い?」
「はい、良いですよ(笑)何でも聞いてください」
「じゃ、思い切って聞くけど・・・。
あっ、やっぱり、やめとく。今度にするわ」
「えっ、なんですか?気になるじゃないですか」
「そうだね、ごめんね。阿刀田部長とは、どこで知り合ったの?」
ダイレクトに聞く勇気が出なかったから、やんわり聞いてみることにした。
どんな返答が返ってくるんだろう。
「正直に答えた方が良いですよね?」
「うん、そうだね」
「阿刀田部長・・・アトランティーナと最初に会ったのは天界です。
この答えを待っていたんですよね?」
「えっ!?待っていたワケではないけど・・・。
ってことは、私のこと、結構、色々知ってるってことだよね?」
「う~ん、アトランティーナから聞いたからではなくて・・・。
実は僕、ミウさんの守護天使の一人なんですよ。だから・・・
知っていますね。もしかしたら、ミウさん以上に」
「え~~~っ!!!」
「ミウさん、声が大きいです。みんな見てますよ」
「ごめんなさい。でも、それって・・・どういうこと?
アトランティーナから口止めされてないの?」
「タイミングを見て、僕から話しても良いって言われているので、話しました」
「っていうか、守護天使が人間になっても良いの?」
「ミウさんには、7人の守護天使が付いているという話は、聞いていますよね?」
「うん、それはアトランティーナから聞いた」
「天使の中には、一度も人間になったことがない天使と人間になったことがある、
もしくは、人間だったことがある天使がいるんです。
例えば、大天使のサンダルフォンとメタトロンって聞いたことがありますか?」
「なんとなく・・・聞いたことがあるような気がする」
「大天使サンダルフォン、大天使メタトロンは、預言者でしたが、
後に大天使になりました。だから、人間が持つエゴを知っているんです。
僕たち、守護天使の中にも人間だったことがある天使が少ないですけど、
いるんです。
それで、ミウさんに付いている7人の守護天使は、
全員、人間だったことがある天使なんです。
おそらく、ミウさんをサポートする上で、人間としての記憶が
必要だったのだと思います」
「で、レオンくんがその一人ってこと?」
「そうです。ミウさんがこれから取り組む課題をクリアするために
僕らが必要だったみたいです」
「私がこれから取り組む課題って、何だか知ってる?」
「はい。恋愛ですよね?」
「なんか、そうハッキリ言われると恥ずかしいんだけど・・・」
「別に恥ずかしいことじゃないと思いますよ。だって、恋愛は、幸せに、
心豊かに生きる上で、とても大切なことですから」
「レオンくんもそう思うんだ・・・。じゃ、例えば、ないとは思うけど、
私がレオンくんのことを好きになったら、どうするの?」
「どうするとは?別に問題ないと思いますけど」
「えっ、問題でしょ!?だって、自分の守護天使と恋愛するワケには
いかないんじゃないの!?」
「どうしてですか?
だって今、僕は人間なんですから、何も問題ないと思いますよ」
そんな輝く笑顔で言われても・・・。はぁ~、どうなってんのよ。
ドッと疲れが・・・。言葉も失うよ。
「そんなに疲れた顔しないでください。僕は、ミウさんのことが気になります。
まだ、好きかどうかは分かりませんが、好きになるかもしれません。
でも、それは悪いことではないと思っています。
ミウさんが、僕の気持ちを受け容れてくれるかどうかは、別として、
僕が誰のことを好きになっても、それは僕の自由ですから。
ミウさんも誰のことを好きになっても、それはミウさんの自由なんです。
だから、そんなに気負う必要はないんですよ。恋愛って、
気負ってするものではありませんから、いくら課題でも、それは変わりません。
あと・・・恋は、頭で考えてするものではなくて、心で感じてするものです。
それだけは忘れないでください」
「はい、分かりました。でも・・・なんかね、ちょっと騙されたような気分。
正直言うと、レオンくんにちょっと、ときめいてたのかもしれない。
私のことを思って、アトランティーナが手配してくれたことは分かるんだけど、
なんか素直に喜べないっていうか、なんて言ったら良いのか分かんないけど、
今、とっても複雑(苦笑)今日、アトランティーナと話してみるわ」
「えっ、アトランティーナって、まだ人間界にいるんですか?」
「いるよ。っていうか、私と一緒に住んでるよ」
「そうなんですか!?じゃ、今度、遊びに行っても良いですか?」
「いいんじゃない」
「ミウさん、ごめんなさい。騙すつもりなんてなかったんです。
だから、僕の口から本当のことを話しました。
もし、騙すつもりなら、言いませんでした」
「ううん。謝らないでくれる。レオンくんもアトランティーナも
悪いワケじゃないって分かってるから。
ただ、なんで、こんなに気分が悪いのか、傷ついた感じがしちゃうのか、
私にも分かんないの。自分の気持ちを整理したいだけ。
私の中で、何が起こってるのか、きちんと向き合いたいと
思ってるだけだから。でも、疲れちゃったのは本当」
それからは、顔も上げずに、ただひたすら、目の前にあるパンを食べた。
分かってたはずじゃん。レオンくんは、アトランティーナが遣わした人だって。
このタイミングなんだから、私の恋愛っていう課題に、
大いに関係してることも分かってたはずじゃん。
なのに、なんで、こんなにイヤな気分なの?レオンくんが私の守護天使だから?
見た目が私の好みのタイプ通りで現れたから?
自分の心なのに、何がなんだか、さっぱり分かんない。
自分の心の中で迷子になった気分。どっちに進んだら良いのかも分かんないし、
出口の見えない迷路の中にいるみたい。ダメだぁ・・・。午後は早退しよう。
だって、このまま仕事なんて、出来そうにないもん。
無言のまま、食事を終えて、レオンくんと会社に戻った。
まだ13時前だったけど、真田部長は席に戻っていたから、
お昼から戻った、その足で、部長のところに行った。
「部長、突然で申し訳ないんですけど、午後、早退させてください」
って、頭を下げた。部長は、一瞬、驚いた顔をしたけど、私の顔を見て
「どうしました?久遠さん、顔色が真っ青ですよ。分かりました。
メンバーの皆さんには、私から伝えますので、すぐに帰ってください。
明日も辛いようでしたら、お休みしてくださいね」
「ありがとうございます」
ペコって頭を下げて、帰り支度をサクッと済ませて、フロアを後にした。
レオンくんは、何か言いたそうだったけど、あえて見ないようにした。
別に彼が悪いワケじゃない。心の中では、『ごめんね』って言ってるんだけど、
今は、何も言えない。
といって、このまま帰るっていうのも気が進まない。
だって、まだ、気持ちの整理がついてないのに、
アトランティーナと話なんか出来ないよ。ひと息ついてから帰ろう。
あっ、そうだ!前に行ってたカフェがあったじゃん。
あそこで、お茶してから帰ろう。
そうすれば、少しは気持ちが落ち着くかもしれないしね。
<次回へ続く>
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