ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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眠っている宝石

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眠っていたの?目覚めのような感じで、目を開けるとそこには
アトランティーナが微笑んで、私を見つめていた。ん?ここは、私の部屋???

「あれっ?ジャングルじゃない・・・。私の部屋だ・・・よね?」

「やっと目覚めたわね。過去生への旅はどうだった?」

『あっ、そうだった。過去生に行ってたんだ!』

それにしても、あまりにリアルだったような気がする(苦笑)
それに、まだボゥ~ッとしてるかも(汗)

「ミウ、大丈夫?どこか痛いとか、気持ち悪いとか、具合悪いとか、あるの?」

「えっ?ううん。大丈夫・・・みたい(苦笑)」

「それで、どうだったの?」

「あっ、もしかしたら、私、やっちゃいけないこと、しちゃったかも・・・」

「やっちゃいけないことって?」

「過去を変えちゃったかも(汗)」

「あ~、それね。良いんじゃない」

「なんか、軽い返答で、ビックリなんだけど(汗)」

「だって、それは想定内のことだから。まぁ、私が仕向けたって
感じでもあるしね」

「えっ、アトランティーナが仕向けたの?」

「だって、言ったでしょ?<ただ、体験するのではなくて、当時はミウが
知らなかったことも体験することが出来るようになってるから、
何が起こっていたのかが分かると思うわ。>って。
全てのことが分かったら、当時のミウは動き出すに違いないって思っていたもの。
変わったところで、何も驚かないわよ(笑)」

「でも・・・過去を変えるのって、いけないことなんでしょ?」

「映画の見過ぎ!確かにタイムマシーンかなんかで、今の姿で行って、
本人に会って話をしたり、そこで、未来のことを話すのはN Gだけど、
自分の過去生に行って、しかもスピリットだけが行ったワケじゃない?
そこで、本来なら行けない場所に行ったということはあるけれど、
それでも自らの意思で変えたのなら、何も問題ないでしょう」

「そういうものなの?」

「はい。そういうものです。現在の自分を苦しめている過去生なら、
現在の自分が苦しくないように書き換えることは必要でしょ?
それをしてはいけないなんて、誰が決めたの?神さまは、そんなに
意地悪じゃないわよ

それで、今の気分はどうなの?少しはスッキリしたのかしら?」

「スッキリしたっていうか・・・。また一つ、学べた気がする」

「それは、良いことね!それで、何を学べたのかしら?」

「私は、自分が思っている以上に周りから愛されていたってことに
気づけたでしょ。あと、人は、誰でも自分では知らない力を
持っているのかもしれないってこと。

だから、もしかしたら、私の中にも、まだ眠っている力があって、
起こされるのを待ってるのかもしれないって思った。
もし、そういう力があるのなら、眠らせ続けてるのは、勿体無いなって」

「そう。とっても良い学びね。ね、ミウ、こんな話は聞いたことがある?」

「どんな話?」

「人には、誰にでも無限の可能性があるという話」

「あ、なんとなくだけど、聞いたことがあるかもしれない」

「ミウが気づいたことは、そういうことなんじゃない?」

「あっ、そっか。無限の可能性があるから、自分自らが欲すれば、
発揮できるかもしれない力があるってことか・・・」

「そういうこと。それを過去生で、身を持って体験したということ
なのかしらね」

「うん!そうかもしれない。あとね、恋愛についてもそう。
過去生での私も愛されていることに自信が持てなかったみたいなの。
でも、それも解決したよ。待ってるだけじゃなくて、自分から動いたことで、
相手の本当の気持ちを知ることが出来たの。

それでね、二人の距離、心の距離かな?が縮まった気がする。
たぶん、あの二人は、それまで以上に深く愛し合って、最後まで幸せに生きたと
思うんだよね。今、思い出しただけでも、こう、なんか、胸の辺りが温かく
感じるっていうのかな。幸せ感で満たされてるような感じがするの」

「そう。いっぱい収穫があったみたいね」

「うん!アトランティーナのお陰だよ。だって、私独りだったら、
たぶん、途中でっていうか、過去生にまで辿り着く前に怖くて
逃げ出してたかもしれないじゃん(苦笑)」

「そうね(笑)じゃ、過去生への旅は満足?」

「うん!めっちゃ満足!ホント、行って良かった」

「それは良かった」

「でも、本当にアトランティーナのお陰。過去生を書き換えるなんて、
思ってもみなかったもん。それが出来るなら、みんなもやった方が
良いって思う。私だけじゃなくて、誰でも出来ることなんでしょ?」

「そうねぇ・・・。独りだと少し難しいかもしれないわね。慣れてくれば、
独りでも出来るとは思うけど、最初は、きちんと勉強した人に
誘導してもらった方が安全ね」

「やっぱり、そうだよね(汗)アトランティーナのお陰で、私の中に残ってた
罪悪感とか、苦しみとか、無力感とか、無くなったと思うもん。
いや、無くなってはないかもしれないけど、重たいものが減った気はする」

「まだまだ、背負ってそうだものね、ミウは(苦笑)
でも、一番重たい荷物が無くなったことは、良いことね」

「うん、そう!それ!一番重たくて、苦しかったものが無くなったのは事実。
そうだね。こういうことなんだね。私にとって真実だと思っていたことが、
実は、事実とは違ってて、それで勝手な思い込みで、自分を苦しめてた
だけだってこと、今やっと、気づくことが出来たよ。
ホント、アトランティーナ、ありがとう!」

「いいえ。どういたしまして。また、何か重たい荷物を発見したら、
そこに行って書き換えてきちゃいましょう(笑)」

「賛成!その時はまた、よろしくお願いします!」

「えっ、ミウが独りで行くんじゃないの?(笑)」

「また、そういう意地悪言って・・・。
アトランティーナも一緒に行ってください」

「はいはい、分かりました」

「あっ、そういえばなんだけど、あの後、他国の侵略を受けなかったのかなぁ?」

「ルナとエウリコが生きている間はね」

「ってことは、ルナとエウリコが死んだ後、他国の侵略を受けたってこと?」

「そういうわけではないんだけど・・・。あれからもルナは、ずっと集落に
シールドを張り続けて、他国の侵略を防いだの。でも、時代は変わって
いくでしょ?ルナとエウリコが生きている間は、みんな平和に、あの集落で
暮らしていたんだけど、時代の流れと共に、若者たちが、集落を離れて、
集落は自然と消滅していってしまったのよ」

「ふぅ~ん、そうなんだぁ・・・。ちょっと残念なような気もするけど、
あのまま現代で生き続けるってのもなんだもんね(苦笑)
でも、他国の侵略を受けずに済んだこと、誰も無駄に血を流さなくて
済んだことは、良かったね」

「そうね。私もそう思うわ。ミウ、お手柄だったわね」

「えへっ、照れるじゃん」

「さっきも話していたけど、無限の可能性についてもルナの決意をミウは、
受け継いでいるんじゃないの?」

「ルナの決意って?」

「せっかく神から授けられた力なのだから。使わなければ授けられた意味が
ない。そしてそれは、私が持っている宝とも言える。しかし、宝は、
使わなければ、宝にはならない。役に立つからこそ、宝と言えるのだ。

誰の中にでもある宝。気がつかないまま、眠らせたまま、一生を終えて
しまうことがないよう、誰もが、自分の持つ宝の存在に気づき、
存分に使うよう、神の導きが在らんことを願う。

っていう決意と祈願ね。覚えていないの?」

「う~ん・・・どうだろう(苦笑)でも、確かにその通りだと思う。
だから、私も自分の内側と向き合ってみようって思ってるよ。
宝物は、気がつかれなければ、宝物として認定されないもんね。

それに、【宝の持ち腐れ】って言葉もあるし、そうならないよう、
この人生で授かった力は、全部使い切ってやろうって思ってるよ。っていうか、
過去生に行って、色々、試してみたくなっちゃったんだけどね(笑)」

「じゃ、ちゃんと覚えてるのね」

「うん、魂レベルでね。意識的ではないけど、アトランティーナに言われて、
思い出したっていうか、今、言葉が勝手に舌の上にあって、
それを話したっていう感じかな」

「それは、ルナがミウに言わせたのかもしれないわね」

「うっ、ルナ、恐るべし!」

「ルナとミウのスピリットは同じなのよ。そうやって、
他人事みたいな言い方しないの!」

「は~い(苦笑)」


<次回へ続く>
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