ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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日常の中に転がってるの!?

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コーヒー飲みながら、楽しくお喋りしてから、二人で夕飯作りをして、
サクッとお風呂に入ってから、いつもならまた、お喋りタイムに
突入するんだけど、そうすると寝るのが遅くなっちゃうから、すぐに寝たの。
明日は、久しぶりにアトランティーナとお出かけするからね。

過去生への旅は、やっぱり疲れたみたいで、寝つきも良くて、
すぐに爆睡だったんだ(笑)それでね、ちょっとビックリだったんだけど、
夢の中にルナとエウリコが登場したの!あの後、二人がずっと幸せに
暮らしている様子でね、心底ホッとしたっていうか、なんか、嬉しかった。

私にとってのエウリコって、どんな人なんだろうって、目が覚めた時、
考えちゃった(汗)ま、恋は考えてするものじゃないって、
アトランティーナからもレオンくんからも言われてるから、
考えることじゃないのかもしれないけどね。

でも、あんなに男勝りで、勝気なルナでも、っていう言い方をしたら、
いけないのかもしれないけど、そんなルナでさえ、傍に居てくれる人が
いるんだから、私にだって、きっとステキな人が現れるだろうって
思えてきた。なんか私、ルナに失礼だよね(苦笑)

ほら、世間一般の常識が、つい頭によぎっちゃうじゃない?
女は、健気で可愛らしく、みたいな。でも、そういう女性を好まない男性も
確かにいると思うんだ。エウリコだけじゃないくてね。

人の好みは、千差万別でしょ?一概にどうとかは言えないワケじゃない?
だから、女はこう、男はこう、みたいな型っていうか、枠に縛られない方が
良いんだなって、実感レベルで分かったような気がするの。

同じ時代に、ちゃんと自分に合う人も生まれて来てるような気がしてる。
だから、誰かの真似をしたり、自分を偽らない方が、逆に出会いって
訪れるような気がするんだよね。だって、そのままの私に出会うために
生まれて来た人がいるのなら、私が私でなくなったら、出会えないし、
出会ったとしても、お互い気づかないもんね。だから、私は、私であることを
大切にしたいなって思うんだ。

「ミウ、まだ寝てる?」

「ううん。起きてるよ」

「良かった。そろそろベッドから出て、出かける準備を始めてね」

「うん、分かった!でも、朝ご飯は?」

「たまには外で食べない?」

「おっ、それ、良いね。じゃ、準備するね」

アトランティーナとお出かけ。なんか、それだけでウキウキしちゃう(笑)
しかも、一緒にブランチなんて、めっちゃ楽しみ!二人で電車に乗るなんて、
初めてかも!?たったそれだけのことで、楽しくなっちゃうって、
やっぱり私って単純っていうか、チョロいね(笑)

でも、どこに行くんだろう?ま、アトランティーナに任せておけば良いかな。
だって、化粧品作りの材料調達なんて、したことないから、どこに行けば
良いのか、私には、皆目、見当がつかないもんね(汗)

「ね、アトランティーナ、一緒に電車に乗るなんて初めてだよね?」

「そうね。何、ニヤニヤしてるの?」

「えっ、だって、アトランティーナとお出かけなんて、楽しすぎるもん」

「ミウのそういうところ、可愛いわよね」

「えっ、そう?」

「うん。なんか、小さな子供みたいで(笑)」

「あっ、バカにしてるでしょ!」

「バカにはしてないわよ。可愛いって思っているだけよ。ミウって、素直なのに、
何か言われると悪い方に解釈するわよね。それ、悪いクセだから、直しなさいね」

「あっ、そうかも!言われるまで気がつかなかった!」

「せっかく素直なんだから、人に言われたことも素直に受け取るようにした方が、
もっとハッピーになるわよ」

「そうだよね!うん、これから気をつけるね。でも、どうして悪い方に
解釈しちゃうのかなぁ?

・・・あっ、たぶん、照れ臭くて、どんな顔して良いのか
分かんなくなっちゃって、誤魔化そうとしてるのかもしれない(汗)」

「ミウのそういうところ、良いわよね」

「そういうところって?」

「何かに気がついた時、『どうしてなんだろう?』って、自分と向き合って、
答えを導き出すところ。それね、大事なことよ。気がついても、原因が
分からなかったら、直しようがないでしょ?」

「確かに!原因が分からなかったら、気をつけられないもんね。
私って、スゴイんだね(笑)っていうか、それもアトランティーナのお陰だと
思う。色々なことに気づかせてくれるから。じゃないと、自分では
分かんないもん」

「そういうところも良いわよね。感謝をする気持ち。人は誰でも独りでは
生きていけないから、必ず誰かに助けてもらっているのよ。
その<お陰さま>っていう謙虚な気持ちが人を成長させるのよ」

「あっ、そういえば・・・。出会ってすぐくらいの頃、謙虚と謙遜の違いを
教えてもらったね。なんか、もう懐かしい」

「そんな話もしたわね。でもまだ、謙虚と謙遜の違い、
よく分かっていないでしょ?」

「うわっ、バレた?(汗)謙虚と謙遜って、違うってことは分かるんだけど、
日常の中だとごっちゃになっちゃってる感じかな?
あと、謙遜しないといけないみたいな風潮があるでしょ?あれも厄介だよね(汗)」

「人に自分の評価をさせないっていうことも、まだ浸透していないみたいね。
誰かに評価を委ねるのではなく、自分の評価は、自分でするという話もしたと
思うけど?」

「あっ、墓穴掘っちゃった(苦笑)確かにそうんなんだけど、
やっぱり、会社とかにいると、人の評価も無視できないってことは
あるよね(汗)」

「まぁ、そうなのかもしれないけど、ミウの深いところまで、謙遜を
染み込ませないように、それだけは注意しておいてね。

だから、謙遜しなきゃいけない空気を感じたら、口先だけで謙遜していれば
良いのよ。誰も本当にそう思っているかどうかなんて、分からないんだから」

「久しぶりにデビル・アトランティーナだ!今、悪い顔してたよ(笑)」

「あら、そう?ミウの気のせいなんじゃない?(笑)もうそろそろ降りるわよ」

「は~い」

こんな他愛もない話も楽しい。さて、化粧品なんて、作ったことないから、
何が必要なのか、さっぱり分からない。どんなお店に行って、何を買うんだろう?

「ミウ、先に買い物してから、朝食兼ランチにしても良い?その方が、お店が
空いてるでしょ?今日は、日曜日だから、あまり変わらないかしらね」

「ううん。先に買い物の方が良いと思う。お店に入っちゃったら、
それで満足しちゃいそうな気がするから(笑)」

「それは言えるわね(笑)じゃ、先に買い物を済ませてしまいましょう」

「ねぇ、アトランティーナ、化粧品の材料って、どんなお店で売ってるの?」

「アロマショップが良いわね。雑貨屋さんにもそれらしいものを
置いてあるところはあるけど、アロマショップの方が安心ね」

「アロマショップ?行ったことないや」

「でしょうね。アロマに関心がないと行く機会はないわよね」

「それで、何を買うの?」

「あっ、着いたわ。じゃ、中で説明するわね」

「うん。分かった」

初めて、足を踏み入れる場所。なんか、ドキドキする。普通のお店なのに、
入ったことがないお店に入るだけで、ワクワクするんだね。

こんな些細なことでもワクワクとドキドキを体験できるんだから、
ドキドキとワクワクって、日常の中に転がってるのかもしれない。
ただ、気がつかないだけで。でも、ドキドキとワクワクって、
何度、味わっても楽しいよね。

アトランティーナに説明を受けながら、ローズウォーターとグリセリン、
それから有効成分として、プラセンタとヒアルロン酸、
それとプロテオグリカンっていうのを買った。

あと、アプリコットカーネルオイルにポリソルベートと乳化剤でしょ。
それから、好きな香りで、肌にも良いっていうゼラニウムの
エッセンシャルオイルも買った。

ふぅ~、ササッと必要なものを選んで、あっという間に買い物が
終わってしまった(苦笑)私は、香りを選ぶ時に、どの香りが好きかを
聞かれただけ。でも、香りって、意外と残って、次の香りを嗅ぐ時に一回、
外に出たりしないと分かんなくなっちゃうんだね(苦笑)
これも初めての体験で、めっちゃ新鮮だった(笑)

「アトランティーナ、手際良かったね」

「そうね。何が必要なのか、予めメモしておいたし、全部1つのお店で
揃ったから良かったわ」

「私なんて、アトランティーナを見失わないようについて行くのが
精一杯だったもん(汗)どこに何があるのか、よく分かったね」

「だいたいわね。だって、関連性のあるものが近いところに
置いてあるものでしょ?それに、さっき言ったみたいに、何が必要なのかも
分かっていたから、よそ見をしなかっただけよ」

「女の人の買い物に時間がかかるのは、よそ見するからなんだよね(汗)
それで、結果として、必要じゃないものまで買っちゃって、家に帰ってから
後悔するってやつ。私も何度か経験あるなぁ」

「そうね。見ちゃうとすぐにではなくても、いつか必要になるかもって
思っちゃうのかもしれないわね。でも、必要になった時に買いに行けば
良いだけで、今、買わなくても良いのよ。世の中、便利になったんだから、
いつでも必要な時に必要なものだけを買うようにすれば、無駄も少なくて
済むのよね」

「そうだね。買い置きしちゃうと結局、使用期限とか切れちゃって、
無駄にしちゃうことってあるもんね」

「そう。それは、本当にもったいないことよね。お金だけじゃなくて、
どんなものでも作る時に材料が必要でしょ?アロマ関連だったら、植物よね。
その植物の命を頂いて作られているのだから、その植物の命を無駄にして
しまうことになるわよね。命の大切さは、昨日、学んだから、分かるわよね?」

「そっか!そうだよね。そこまで思い至らなかったわ。確かに、どんなものでも
材料になってるものがあるんだから、その物だけじゃなくて、その物に
なるために使われた材料のことを考えたら、その物にだって、
命が宿ってることになるもんね。また一つ勉強になっちゃった。
ありがとう、アトランティーナ!」

「どういたしまして。じゃ、買い物も済んだから、何か食べて帰りましょうか。
帰ったら、早速、作ってみたいでしょ?」

「うん!お風呂上がりに早速、つけてみたい!」

「じゃ、お店を探しましょう」

「は~い!カフェが良いな。食事だけじゃなくて、スイーツも食べたいから」

「はいはい。そうしましょ(笑)」


<次回へ続く>
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