ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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支離滅裂

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あ~、みんなには余裕なこと言ったけど、
午前中、何も手につかないよ(汗)

そうだ!久しぶりに藤崎さんに電話しとこう!
思い立ったが吉日。早速、電話してみよっと。

「おはようございます。いつもお世話になっております。
シネムンドの久遠ですが、藤崎さんは、いらっしゃいますか?」

「はい。少しお待ちください」

初めて、女の人が出た。そりゃ女の人だっているよね(苦笑)
今日の午後がプレゼンだから、忙しいかな?

「お待たせしました。藤崎です。おはようございます」

「シネムンドの久遠です。いつもお世話になっております。
プレゼン前のお忙しい時に申し訳ありません」

「あ~、久遠さん!
忙しいのは、我々よりも久遠さんの方なんじゃないですか?」

「まぁ・・・。でも、お会いする前に電話でお話しした方が
落ち着くかなと思いまして、電話してしまいました(汗)」

「緊張されているということですか?」

「・・・はい。そういうことです。こんなに大きなプレゼンって、
ここだけの話、初めてなので、緊張しています」

「そうですよね。って、小さい会社だってバカにしているわけでは
ないんですよ!そうじゃなくって、プレゼンは、大きい、小さいに
関係なく、やっぱり緊張するものですから」

「そういうものなんですか?何回もやってたら、慣れてくるとか、
ないんですかね?」

「そういう人もいると思いますが、受ける側としては、
見慣れた内容の無難なものではなく、一生懸命に作り込まれた企画を
見たいですからね。そういう理由で、芳村も御社に参加して欲しいと
思ったんだと思いますよ」

「なんか、プレッシャーですね(汗)」

「そんなに硬くならないでください。久遠さんのことですから、
きっと、奇抜なアイデアをお持ち頂けると期待していますから。

あっ、期待しているとかって言うと、また緊張しちゃいますかね(苦笑)
今日は、初めてのアトラクションに乗るみたいな感じっていうか・・・
遊びに来てください。プレゼンを楽しんでやる!くらいの気持ちで
来て頂ければと思っています。では、お会いするのを楽しみにしていますね」

「ありがとうございます!では、午後にお伺いしますので、
よろしくお願いいたします!」

うわぁ!なんか、こちらの考えてることがお見通しっていうか、
筒抜けっていうか・・・。さすが、元守護天使!って感じなのかな?

ま、なにはともあれ、藤崎さんも楽しんでって言ってくれてることだし、
楽しいことだけを考えて午前中は過ごそうかな。一応、みんなにも
伝えた方が良いよね?

「ね、みんな、今ね、ブルータイガーの藤崎さんに電話をしたんだけど・・・」

「えっ、なんて言ってました?」

「手応えは、どんな感じでしたか?」

私が言い終わる前に、被せられた(苦笑)

「私が言ったのと同じようなことを言われたよ」

「えっ、チーフの言ったことと同じ?どの部分ですか?」

「藤崎さんの言葉をそのまま伝えると・・・
<今日は、初めてのアトラクションに乗るみたいな感じっていうか・・・
遊びに来てください。プレゼンを楽しんでやる!くらいの気持ちで
来て頂ければと思っています>だってさ(笑)」

「マジですか!?なんか、楽しくなってきたかもです」

「えっ、じゃ、私の言葉じゃ、緊張が抜けなかったってこと!?」

「そうじゃなくて。チーフの言葉も響きましたけど、
クライアントさんもそう言ってるなら、ってことですよ(苦笑)」

「ということで・・・。まだ、お昼まで2時間ちょっとくらいあるけど、
もう午前中は仕事しないで、プレゼンが今まで練習した中で、
一番良く出来て、ウチの企画が採用されて、めっちゃハッピーって
いうところをみんなで想像して過ごそう!」

「じゃ、また会議室にこもりますか?(笑)」

「いや、一人ずつ、それぞれで、妄想して(笑)」

「妄想ですか?(笑)なんか、自分ら、かなりヤバイ感じに
なってません?(爆)」

「良いじゃない!ヤバくてもプレゼンに勝てば良いんでしょ?
楽しみながら勝つって最高じゃない?」

「確かに!」

「じゃ、昼も早めに出ちゃって良いですかね?」

「うん、もちろん!さすがに、まだ10時前だから、もう少し、
ここに居て欲しいけどね」

「ま、今から出ても、どこの店もランチタイムには早すぎですしね(笑)」

「そうそう。11時くらいになったら、ボチボチ出ても良いんじゃない?」

「じゃ、みんなでランチ行きますか?」

「いや、それぞれ、好きなお店で、好きなものを食べて、臨もう!
それで、12時半にブルータイガーの1階ロビーに集合ってことで」

「はい!分かりました!」

「じゃ、各自、11時を過ぎたら、行きたい時に出ても良いからね」

「は~い!」

藤崎さんに電話して、少し落ち着いたような気がしたけど、やっぱり・・・
ダメだぁ。別に緊張してるワケじゃないの。不安ってワケでもないし、
本当に落ち着かないんだよね(汗)何も手につかないし、みんなには、
<妄想しよう!>なんて言ったけど、それも上手く行かない。

う~ん、どうしよう。じっと座ってられなくて、さっきからトイレ行ったり、
廊下に出たり、ウロウロしてる。<11時過ぎるまでは出かけないで>
なんて言わなきゃ良かった。

「ミウさん、落ち着かないですか?」

「あっ、レオンくん。まぁね。さっき、みんなに余裕なこと
言っちゃった手前、どうしたもんかなぁって思ってたとこ(苦笑)
そういえば、朝もそうだけど、レオンくん、ひと言も
発してないよね?なんで?」

「僕は・・・。ミウさんなら分かると思いますけど、
色々、見えてしまいますからね。何も言えないんですよ」

「えっ!?色々見えてしまうって・・・。
それって、このプレゼンの結果を知ってるってこと!?」

「まぁ、それに近いですね」

「近いって、どういうこと?」

「まだ結果は決まっていません。だから、なんとも言えないんです。
でも、さっきのミウさんの心意気を聞いていて、安心はしていました。
でも、席にいられない今の状態を見ると少し不安になります」

「えっ、それ、どういうこと?」

「だから、僕には何も言えないんです。だから、ずっと黙っていました。
分かってください」

「ってことは・・・。もしかして、私次第ってこと?だって、私の心意気を
聞いて安心したんだよね?でも、今、こうして落ち着かない私を見ると
不安になるんでしょ?レオンくん、それって、私次第だって言ってるのと
同じだよ」

「ミウさんがどう解釈するのかは、ミウさんの自由ですから。
僕は、これ以上は、何も言いません」

「あっ、そ。同じチームのメンバーなのに・・・。
ライバル会社の人みたいだね」

「ミウさん、同じチームとして協力したり、団結することとは、
また違った話です。例えば、恋人同士でも、家族でも、
100%言い合えるということではありません。言えないこともあるんです。
それは、裏切りではないし、相手に心を許していないということでもない。
そこは、理解してください」

「レオンくんが言いたいこと、なんとなくだけど分かるよ。でも今は・・・。
あっ、ごめん。なんでも、今回だけって言ってたらキリがないもんね(苦笑)

あ~、もうっ!なんかね、今の私、支離滅裂って感じなの。
笑っちゃうよね(苦笑)ごめん。じゃ」

「あっ、ミウさん。ランチ、一緒に行きませんか?みんなそれぞれでって
言ってましたけど・・・。ダメですか?」

「・・・ちょっと考えても良い?」

「分かりました」

昨日までは、朝までは、あんなに勝てる気マンマンだったのに、
どうして、こんなに不安で、怖くなってきちゃったんだろう?
私もメンバーのみんなもベストを尽くした。もちろん、来月とか、来年だったら、
もっと良いものが創れたかもしれない。

でも、今のベストは尽くしたって言えるよ。それなのに・・・。
私がこんなんじゃダメだってこともレオンくんに言われなくても分かってる。
でも、どうしたら良いのか、分かんないんだよね。情けないなぁ~、私(苦笑)

そうだなぁ・・・。このまま一人でランチしたら、
もっと悪化しちゃうかもなぁ(汗)レオンくんは、それが分かってるから
誘ってくれたのかもしれないよね。

それに、いっつもレオンくんがなんだかんだ言っても救ってくれてるような
気がする。不思議だけど、レオンくんと一緒にいると、なんか落ち着くしね。
うん!ランチはレオンくんと一緒に行こう!その方が、良い気がする!
陰でコソコソしてるみたいでイヤだから、みんなの前で、レオンくんを
ランチに誘おう!

「レオンくん、ちょっと最終打ち合わせも兼ねて、ランチ一緒でも良い?」

「あっ、もちろんです。僕もミウさんと最後の打ち合わせをしておきたいと
思っていました」

「良かった。じゃ、もう出ちゃおうか。11時になったことだしね。
みんなもそろそろ出て、ゆっくりランチ食べて、落ち着いてから、集合しよう!」

「はい!分かりました!
じゃ、12時半にブルータイガー1階ロビーってことで!」

「うん!遅刻厳禁だからね」

「もちろんです!」


<次回へ続く>
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