ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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壮大なロマン?

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お家に帰ると扉を開けた瞬間、アトランティーナに抱きつかれた!

「おかえり、ミウ!おめでとう!」

勝つって知ってたはずだよね?それなのに、こんなに喜んで
くれてることに嬉しいけど、驚きもした。

「ただいま!ねぇ、アトランティーナは、今日のプレゼン、勝つって
知ってたんでしょ?それなのに、なんで、そんなに喜んでくれるの?」

「流れ的には、勝つプレゼンだったんだけど、勝つには、
ミウの心構えっていうか・・・、とにかく、ミウが勝敗の鍵を握っていたのよ!
ミウのこと、信じていないわけではなかったんだけど、ミウには、ほら、
謙遜するクセが残っていたでしょ?だから、『どうなったんだろう?』って
ヤキモキしていたの」

「真田部長も勝つって知ってたんだよね?」

「そうね、彼も分かっていたと思うわ」

「じゃ、真田部長もアトランティーナと同じだったんだね(苦笑)」

「あら、何かあったの?」

「プレゼンで勝ったことを連絡した時、最初、<へっ!?>って、
めっちゃ素っ頓狂な声を出してたからさ。それで、喜んではくれたけど、
めっちゃ驚いてたからね(苦笑)」

「彼もミウのことを信じていなかったわけではないと思うけど、
ミウって、人間の世界で必要なものっていうか、人間の世界で、良いとされる
資質をたくさん身につけているから、そこが心配だったのかもしれないわね」

「えっ、それってダメなの?」

「ダメでは無いけど・・・。ほら、例えば、ミウからずっと抜けない謙遜も
人間の世界では、まぁ、特に日本なんだけど、美徳の一つでしょ?
でも、謙遜は、夢や願いを叶える時の足枷になってしまう。
これは、もう説明しなくても分かるわよね?」

「あっ、確かにそうだね」

「それと、思ったことや感じたこと、特に自分が望んでいることを
正直に表現することにも制限があるでしょ?」

「そうだね!ちょうど帰って来る時に、そのことを考えてた。思ったことや
感じたこと、こうしたいとか、こうなりたいとかって正直に言うと、
わがままって言われちゃったり、思われちゃったりするから、
我慢することが良いことだって思われてるね。

でも、我慢して、自分の正直な想いにフタをしてしまったら、何も叶わなく
なるし、本当に欲しいものを手に入れることは出来なくなるよね?
なるほど、人間の世界で良いとされることは、本当は、っていうか、
自分を幸せにすることから遠ざけてしまうことが多いんだね(苦笑)」

「そういうこと。ミウが自信を持てなくなったことも、自分を信じられなく
なったことも、人間の世界に順応し過ぎてしまったからでしょ?
そういうことが、幾つもあるから、私もサナト・クマラも心配に
なっちゃうのよ。

人間の世界では、N Gって思われていることが、実は、夢や願いを叶えたり、
毎日を心豊かに幸せに暮らすために必要だったりするからね。
でも、多数決社会では、それは通らないことも多いでしょ?」

「まあね(苦笑)だから、私もつい、人間の世界で培ったことがたまに、
ヒョイって顔を出しちゃって、無駄に不安になったり、怖くなったり、
心配したりしちゃうもん(苦笑)それをいち早く察知して、
フォローしてくれるのがレオンくんなんだけどね」

「レオンを派遣して、本当に良かったわよね。家に居る時は、
私がフォロー出来るけど、会社に居る時は、難しいからね(苦笑)
部長として、ミウの近くには居たけど、部長という立場だと個人を
フォローすることは出来ないもの」

「えっ、そういう意図があって、阿刀田部長が去って、
代わりにレオンくんが派遣されてきたの?」

「そういうこと。同じ部員という立場なら、友人として、
アドバイスすることも出来るじゃない?」

「あ~、それでなんだ!ほら、最初は、レオンくんと私は同じ部に
なるはずじゃなかったじゃない?でも、真田部長が、ウチの部にレオンくんを
連れて来て、更に同じチームにまでしてくれたのって、そういう意図が
あったからなんだ!」

「あ、それは、サナト・クマラが、そうした方が、私の意図が
実現されやすいって思ったから、そうしたんだと思うわよ。
私より彼の方が、現代の人間社会に通じているから。

そういうこともあって、私は彼に意図だけを伝えて、
あとは、全部お任せしたのよ。そしたら、レオンがミウと同じ部で、
同じチームになったってわけ」

「な~んだ、そういうことだったんだ。
だって、最初、アトランティーナに聞いた時、サナト・クマラさん、
真田部長が決めたことだから分からないとかって言ってなかったっけ?」

「あら、私、そんな無責任なこと、言ったかしら?」

「言いました!でも、知ってたんだね。そりゃそうだよね。
だって、アトランティーナが今、ここに居るのもアトランティーナの道楽じゃ
なくて、ちゃんと意味があるんだもんね。私が迂闊だったわぁ・・・。

っていうか、そこまで、私のフォローをスゴイ存在の人たちがしてくれてる
ことって、めっちゃ有り難いっていうか、私って何者!?って感じだよね(汗)」

「それだけミウは、今、この現代社会で大切な存在っていうことになるわね。
だから、もっと胸を張って欲しいのよ」

「頭では分かってるつもりなんだけど・・・。いつも胸張って、自分を信じて
っていうのは、やっぱり難しいよね(苦笑)」

「ねぇ、ミウ、学生時代、歴史は好きだった?」

「歴史って、日本史?それとも世界史?」

「どちらでも良いけど、どうなの?」

「う~ん、嫌いではなかったけど・・・って感じかな(汗)」

「そうよね。学校の授業では、時系列で何が起こったとか、
それに誰が関わったとか、それによって、その後、何が変わったか
ということしか教えないものね」

「歴史と何か関係があるの?」

「ミウは、過去生で、この国に居たのは多くないんだけど、結構、重要な時代を
網羅しているのね。例えば、戦国時代と言われた戦乱の時代とか、
幕末と言われる時代とか・・・」

「ねぇ、それって、どっちも戦いがベースの時代だよね?(苦笑)っていうか、
この間、見に行った過去生も戦いだったし、私って、戦いに縁があるの?」

「戦いに縁があるという見方も出来るけど、戦いの時代って、
どんな時代だと思う?」

「命の大切さを思い知る時代?」

「ま、それもあるわね。でも、それだけじゃないでしょ?」

「え~、なんだろう・・・。分かんないよ!」

「戦いの時代っていうのは、時代が変化を迎えるタイミングということよ。
戦国時代が終わった時には、江戸幕府が出来て、その後、250年以上続いて、
そこで、今度は幕末時代があって、今に至るわけじゃない?
ま、ちょっとザックリしているけど(笑)」

「確かにそうだね」

「平和な時代と戦国や幕末では、何が大きく違うと思う?」

「なんだろう?やっぱり、命の重さなんじゃないかなぁ・・・って思うけど」

「それもそうなんだけど、戦乱の時代では、人々が考えるのよ。
まぁ、全員ではないかもしれないけどね(苦笑)志っていうのかしら?
どんな世の中を作りたいとか、今の時代は、こんな感じだけど、
それは違うんじゃないか?とかね。ま、これもザックリしているけど(笑)

つまり、ただなんとなく生きている時代とは違うということよ。
現代もそれに近いとは思わない?何百年に一度しか起こらない天体の移動が
あったり、ずっと踏襲されていた年功序列とか、終身雇用とか、
そういったものにも変化が生じているでしょ?働き方だってそうよね?
ミウが子供の頃にはなかった職業もたくさんあるでしょ?

現代は、戦乱の時代では無いけれど、変化の度合いから言ったら、
戦国時代や幕末と変わらないと思うのよ。ミウは、いつも、そういう時代を
選んで生まれて来ているということ。それが、どういう意味か、分かる?」

「分かりません。っていうか、平和で、志とか必要ない時代に
生きたいって思う・・・かな?(苦笑)」

「でも、誰かが強制して、そういう時代にミウを送り込んでいるわけでは
ないのよ。ミウ自身が選んでいるんだから。この間、見に行った過去生も
そうよね?他国からの侵略を受けて、ミウの時代は、文化や文明が
入れ替わる過渡期にあったでしょ?

あの過去生は、ミウに魂の方向性を教えてくれる過去生でもあったのよ。
戦国時代や幕末の時代よりもずっと以前の時代のことだからね。
あそこから、ミウの人間としての生が始まったと言っても良いくらいなの」

「そして、その魂の質は今も変わらないってことだよね?」

「そうね。魂の質は、創造された時に決まるのかもしれないわね」

「だとしたら、なんか不公平な気がするけど。なんで、私は、戦いなの?
平和なお姫様が良いのに・・・」

「お姫様の時代もあったわよ。でも、平和なお姫様では
なかったんだけどね(苦笑)つまり、方法はどうあれ、ミウは戦い方を
熟知しているということよ。武器を振るうだけが戦いではないでしょ?」

「あっ!そういうことなんだ!」

「なによ、いきなり」

レオンくんに言われたの。

<楽しみながらっていうのは、最強で、最大の武器になるんです。
武器というのが浮かばないなら、魔法の杖だと思ってください。
どんなことでも自分の思い通りに出来る魔法の杖です。
だから、目の前の壁が高ければ高いほど、楽しみながらという気持ちを
忘れないで欲しいんです>って。

【最強で、最大の武器】って言葉、何回も言われた気がするんだよね。
そっか・・・。私には、【武器】っていう表現が一番分かりやすいだろうと
思って、その言葉を使ってたんだね。なるほどね。
そういうことか・・・。今、やっと理解できたわ」

「レオンは、アトラン国に居た時だけじゃなくて、何度もミウの守護天使を
しているから、ミウの魂の質を理解しているのよね。
だから、複数の元守護天使に声を掛けたんだけど、レオンをミウの一番近くに
置いたんだけどね」

「なんか・・・色々なことが繋がったよ。まだ、実感もないし、深くまで理解は
出来てないけど、分かって来たような気がする。っていうか、
よく分かんないんだけど、なんか、この辺り、胸の真ん中っていうのかな、
ここがスッキリしてるっていうか、かかってたモヤ?霧が晴れてく感じが
してるよ」

「そう。それは、ミウにとって、良かったのかしら?」

「まぁ、良かったんじゃない?自分のことを知りたいって、
ずっと思ってたワケだしね。

だからなんだね。私も、もちろん幸せになりたいって思うけど、
私だけじゃなくて、世界中のみんなが幸せになって欲しいって思うのは。
私が、ハッピータイフーンの目になって、私の周りから幸せの輪を
広げたいって思うのは、私の魂の質に関係があるんだね」

「そうね。だから、ミウには、そこに向けて進んで行けるパワーがある
ということでもあるわね。戦国時代の武将や幕末の志士たちに思いを馳せて、
彼らの情熱を思い起こしてみるのも良いと思うわよ。

彼らが何を思って時代を切り拓いていったのか、そして、ミウが思っている
命の重さについても、彼らは、どう考えていたのか、とかね」

「なんか、壮大なロマンだね(笑)そっか!もう一つ分かったことがある!」

「えっ?な~に?」

「こういう話をすることになってたから、私、レオンくんを
誘わなかったんだってこと」

「ん?レオンを誘おうと思っていたの?」

「うん。ひと段落ついたから、アトランティーナと3人でご飯食べるのも
アリかなって思ったの。でも、私の身体が動かなくて、
誘えなかったんだよね(苦笑)」

「そうだったの」

「でもね、この間、ケーキ買って帰ろうと思ったのに、ピンと来るのが
見つからなくて、買えなかったって言ったことがあったじゃない?
そしたら、アトランティーナが、プレゼンが終わったら買えばって
言ってくれたでしょ?その通りになったよ」

「ということは、ケーキ買って来たの?」

「うん!食べたいって思ったケーキのイメージにピッタリなのが見つかったの!
しかも期間限定で、今日からスタートだったみたい。これも必然だよねって
思って、ちょっと嬉しかったんだ。だから、ご飯食べた後にケーキ、食べようね」

「まぁ、楽しみね。じゃ、今夜のご飯は、ミウが好きなものを作るわね。
ミウが【最大で最強の武器】を使って、勝利を収めたお祝いをしなきゃ(笑)」

「ありがとう!じゃ、何が食べたいのか、身体に聞いてみるね」

「ええ。そうしてちょうだい」


<次回へ続く>
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