ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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オーラの仕事

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お昼に行く前は、午後からレオンくんと気まずくなったら
イヤだなぁ・・・って、ちょっと後ろ向きな気持ちだったんだけど、
充実したお昼休みを過ごせたお陰で、そんな心配は、ウソのように
吹き飛んで、テンション高めな感じで、席に戻ったのね。
そしたら、メンバーのみんなが、ちょっと面白がってた。

「チーフ、ランチ、独りだったんですよね?」

「うん、そうだけど、なんで?」

「なんか、独りで行った割には、楽しそうっていうか、
テンション高めだから、もしかしたら、誰かと一緒だったのかなって」

「テンション高めかな?(笑)独りでボゥ~っとしながら、
色んなこと考えてて、そしたら、『あっ、そっか!』って思うことが
いっぱいあったんだよね。やっぱり、たまには独りでボゥ~っとする時間、
大切なんだなって思ったの。

色んなことが繋がって、気持ち的にスッキリしたから、
ちょっと楽しくなっちゃって、それで、テンション高めに
見えたのかもしれないね」

「チーフって、一人暮らしじゃないんですか?」

「えっ、なんで?お姉さんみたいな、先生みたいな、親代わりみたいな人と
一緒に住んでるから、一人暮らしではないけど・・・」

「あっ、そうなんですね!てっきり、一人暮らしなんだと思ってました。
だから、家に帰れば、独りになる時間なんて、たくさんあるのになって、
ちょっと思っちゃって・・・。あっ、それで、いつも帰るのが早いんですか?」

「うん、そうだよ。お家に帰ると美味しいご飯が待ってるからね」

「なんか、それって、理想的ですね。美味しいご飯食べながら、
色々な話を聞いてもらえるんですよね?」

「ま、そんな感じかな。
ご飯は、サクッと食べて、その後、コーヒータイムがあって、その時に
色んな話をするって感じ。話し出すと止まらないんだよね(苦笑)」

「毎日、話してもそんな感じなんですか?」

「うん。だって、毎日、色んなことがあるでしょ?」

「ま、そうですけど・・・。私は、実家なんですけど、
母とは、そんなに話さないかなぁ。子供の頃は、それなりに仲良しだった
ような気がするんですけどね(苦笑)」

「そっか。私は、小さい時に母親が亡くなってるから、
今、その時の分も話してるのかもしれないね」

「子供の頃から一緒にいる人じゃないんですね?」

「うん。少し前かな?」

「へぇ~、それで上手くいってるなんて、スゴイですね?
お姉さんみたいってことは、女性ですよね?」

「そうだよ。最近では、<早く彼氏を作りなさい>って言われてる(汗)」

「本当にお姉さんとか、お母さんみたいなんだ(笑)でも、ここ最近は、
大型プレゼンもあったし、そのプレゼンにも勝って、今度は実施に
向けての作業もあるし、正直、それどころじゃないって感じですよね(汗)
私も母に<好い人はいないの?>って、よく聞かれますよ(苦笑)」

「どこの家族も同じなんだね(笑)でも、自分の幸せを望んでくれる人、
願ってくれる人がいるっていうのは、それだけで幸せなことだと思うよ」

「そっか、そんなふうに考えたことなかったなぁ。言われる度に
『うるさいな』って思ってました。でも、言われてみれば、
確かにそうですよね。今日は、ちょっとだけ、母に優しく接してみようかな」

「えっ、今日だけなの!?お母さんには、いつも優しく接してね」

「は~い(笑)」

こんな感じで、私自身がハッピーでいると、仕事以外のことでも、
少しはみんなが愛に根ざした考え方が出来るように、
自然と誘導できるんだね。あえて、【愛】というワードは使わないけど。

だって、なんか、宗教っぽいっていうか、ちょっと胡散臭い感じが
するでしょ?【愛】っていうワードは(苦笑)

かつて、夏目漱石が学校の先生をしていた頃、生徒が【I Love You】を
【我、君を愛す】って訳した時に<日本人には、愛という感覚が
分かりづらいから、【月がキレイですね】と訳した方が良いですよ>って
言ったっていうけど、なんか、分かるような気がするもんね。

でも、「月がキレイですね」って言われて、それが愛の告白だとは
伝わらないと思うけど(苦笑)

午後も変わりなく、プレゼン企画の実施に向けて作業が続いている。
なんか、雰囲気としては、会社で仕事してるっていうよりも、
学園祭の準備をしているって言った方が近いような感じ。

みんなのワクワクが伝播して、チームの雰囲気が最高にハッピーで、
他のチームのみんなから羨望のまなざしを向けられているのが分かるもん。

他のチームも自分たちが楽しいって思えることだけをしたら良いのにね。
そういう思いでいたら、きっと、彼らなりに楽しいって思える仕事に
出会えるはずなんだけど・・・って思っちゃう。

他者を羨むことは簡単だけど、羨んでいただけじゃ、何も始まらないし、
その羨ましいが嫉妬に変わってしまったら、もっと厄介なことに
なるんだけどなぁ(苦笑)

真田部長は、そういう導きはしないのかな?とも思っちゃうよね(汗)
だって、それが真田部長、サナト・クマラがこの地球に来て、
この職場に来た意味でもあると思うんだよね。

ま、人の役割のことまで心配してるヒマはないかっ(笑)
私は、私の役割、<ハッピータイフーンの目になる>ってことを
忘れないでいようね。

明日の昼は、英語研修なんだけど、そういえば、アトランティーナと一緒に
映画を観ようって言ってたのに、1回か2回くらいしか観てないかも(汗)
ってことは、それほど、重要なことじゃないってことなんだろうな。
そういうことにしておこう!だって、たぶん、今夜も観ないと思うから(笑)

テルさんも私の恋人候補の一人なんだよね。
そう考えると、ハヤトくんよりもテルさんの方が、もう必要ないのかもって
思ってしまう。週に一度、会社に来てはくれるけど、それ以上の接点も
ないし、接点を持ちたいとも正直思わないもんね(苦笑)

でも、テルさんがダメっていうことではない。世界中を駆け巡りながら
仕事をしている、エリートの男性は、引く手数多だとも思うし・・・。
ただ、私は、ああいう感じのビジネスマンっていうの?エリートっていうの?
そういう男性に対して、食指が動くタイプじゃないだけのこと。

確かに、仕事がデキない男性は論外だけど、エリートである必要はないって
いうのかなぁ。パリッと高級スーツを着こなして、何ヵ国語も話せて、
っていうのとは、また違うのかなって。私の単なるイメージに過ぎないのかも
しれないけど、そういう人って、なんか、合理的で、情に薄いっていうか、
計算高いっていうか、そう見えちゃうんだよね(苦笑)

もしかしたら、テルさんは、めっちゃ人間臭くて、情に厚くて、
熱血漢タイプの人なのかもしれないけどさ。ま、それはそれで、
ちょっと暑苦しい感じもしなくもないんだけど(笑)
「じゃ、どっちなんかい!」って、ツッコミが入っちゃいそうだよね(苦笑)

要するに、テルさんは、私が好きになるタイプではないってことかな。
特に話したことがあるワケじゃないんだけどね。
これが、アトランティーナが言うところのエネルギー体、
オーラの働きなのかもしれない。

身体の周りを覆っているエネルギー体、オーラには、その人の情報が
詰め込まれてるって言ってたもんね。それで、そのオーラを肉眼で
見える人は少ないけど、見えなくても、しっかり情報は受け取っていて、
そこから相性の良し悪しが無意識のうちに分かってるんだって。
目では見えなくても、ちゃんと仕事してるんだね(笑)

だからきっと、テルさん的にも私には興味が湧かないってことなんだと
思う。私もテルさんに興味が湧かないから(苦笑)人は鏡だから、こちらが
感じていることは、相手も感じていること。これもアトランティーナから
教わった。ってことは、英語研修も長くは続かないかな。

正直、週に一度のレッスンで、英語が話せるようになるとは思えないもんね。
それも、ゆる~い感じのレッスンだし(笑)

レッスンが始まる時は、まだプレゼンの話もなかったから、週に一度、
お昼を食べながら研修を受けることで、チームの繋がりが深まれば
良いなって思ってたけど、それは、プレゼンのお陰で実現したし、
そうなったら、もう英語研修の意味もないような気がするんだよね。

真田部長が言い出したことだから、真田部長次第ではあるけど、
明日が最後のレッスンになるような気がするのは、私だけなのかな?


<次回へ続く>
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