ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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ハートの声に耳を澄ませて

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お喋りしながら、ご飯の準備をしたから、いつもよりちょっとだけ
時間がかかっちゃった。その分を取り返そうと思ったワケじゃないけど、
いつもよりも食べ終わるのは、私もアトランティーナも早かったの(笑)
その後、後片づけもサクッと終えて、それぞれお風呂も済ませた。

後は寝るだけだから、ゆっくりコーヒータイムで、のんびり寛げるからね。
あっ、アトランティーナも私もコーヒー飲んでも、余裕で寝られるから、
寝る前でも平気でコーヒーとか飲んじゃうんだ。

二人で並んで、ソファに座るとアトランティーナが、早速、口を開いた。
ずっと、気になってて、待ちきれなかったみたいだね(笑)

「ミウ、疲れた顔して帰ってきたのはどうして?」

「レオンくんのこと」

「レオンがどうしたの?」

「レオンくんさぁ、私の恋人にならないと生まれてきた意味がない
くらいに思ってるんだよね。
ねぇ、アトランティーナ、元守護天使さん達に、なんて言ったの?」

「なんて言ったか・・・。え~っとね、アトラン国で、あなたたちが
付いていた女の子と恋をする気はある?って聞いたと思うわ。
それで、興味を持った子に、生年月日を指定して、生まれてくるように
指示を出したような気がする。でも、なんで?」

「そうなんだ・・・。生年月日を指定したのって、
やっぱり、私との相性を考えてなんだよね?」

「まぁ・・・そうね(苦笑)だからといって、ミウに寄せたということでも
ないのよ。色々なタイプがいた方が良いし、『こういうタイプはダメ!』って、
最初から決めつけて欲しくもなかったから。ただ、気持ちの深い部分が
分かり合える方が、何かとスムーズだから、そこには、こだわったかしらね」

「あっ、そうですか(苦笑)それは、どうもありがとうございます。
それにしても、レオンくんは、他の人たちとは違うんだよね。
レオンくん以外、これまで出会った元守護天使さん達は、
そんなに私の恋人になることにこだわってるような感じがしないのに、
レオンくんだけは違うからさ。アトランティーナ、レオンくんにだけ、
なんか特別なことでも言ったのかなって、ちょっと気になったの」

「特にレオンだけ違うことを言ったつもりはないんだけど・・・。
そんなにレオンは、気にしているの?」

「そうなの!ハヤトくんは、1回お茶しただけでしょ。
その後、デートに行こうって誘われたけど、チャクラの勉強とか、
過去生行ったりとかして、時間が作れないって断ってたら、
誘いも来なくなったじゃない。

テルさんは、あっ、そうそう、テルさんね、明日の英語研修が
最後になるの!海外赴任が決まったんだって。今までも海外赴任の希望を
出してたみたいなんだけど、条件とか折り合わなかったのが、
やっと希望通りに行けることになったらしいよ。

それで、真田部長が次の講師を見つけるって言ったら、次が見つかるまで
テルさんが受け持つって言ったみたいなんだけど、こちらも英語研修が
始まった頃とは違って、何かと忙しくなってきてるじゃない?
そんな中で、勉強しても身が入らないし、直近で、海外に行く予定も
ないワケだし、一旦、中止ってことにして欲しいって話したの。

だって、次の講師が見つかるまでなんて言ってたら、テルさん、いつ海外に
行けるか、分かんないし、せっかく希望が叶ったのに、そのチャンスを
棒に振ることになったら、申し訳ないしね。

ってことで、特に話すこともないまま、テルさんとはサヨナラが
決定したの。でも、それで良いと思ってて。テルさんには、テルさんの人生が
あるワケで、その人生を謳歌しないと生まれてきた意味がないじゃない?
自分の人生を自分の思った通りに生きるって大切だなって、私も分かるからね。
ってことで、テルさんは、レオンくんの言葉を借りるなら【お役御免】に
なったワケよ(苦笑)

藤崎さんにしても、食事には誘われたけど、前のめり感は全く感じないの。
仕事で知り合ったけど、あまり話す機会がなかったから、食事に行きましょうって
いうのは、よくある話じゃない?それで、会ってみて、話してみて、
楽しかったら、また行きましょうっていうのは、特別なことじゃないでしょ?

でもね、レオンくんは、違うんだよね。なんか、ランチも一緒に行くことに
こだわってるし、会社の帰りにお茶したり、食事したりってこともそう。

だから、今日もランチに誘われたの。でも、基本的にランチタイムは、
独りで過ごしたい方だから、色々理由をつけて、断ったのね。
メンバーのみんなも私のそういうとこ、知ってるから加勢してくれて、
なんとか独りランチが出来たけど、レオンくんは、ちょっと不満そう
だったんだよね。

でね、帰りも駅まで一緒に帰りましょうって誘ってきたのに、
何も喋らないワケよ。誘ってきた時に、テルさんのことを話したいの?って
聞いたら、それも含めてって言ったくせにだよ!

それで、そう言ったでしょ?って言ったら、理由がないと断られると思ったから、
そう言ったとか言っちゃって。

なんか、レオンくんのことがよく分かんなくて、レオンくんと
バイバイしてから、ハヤトくんのこととか、テルさんのこととか、
藤崎さんのことを考えながら、帰ってきたら疲れちゃったみたい(苦笑)」

「そう、一気に吐き出したって感じね(笑)結構、溜め込んでいたのかしら?」

「うわっ、ごめん(汗)なんか、溜まってたみたいだね(苦笑)

だって、レオンくん、最近、いや、少し前から?ううん、ずっとかも!
おかしいよ。

レオンくんにも言ったんだよ。テルさんの海外赴任が決まって良かったねって
いう流れで、<私の恋人候補ということだけで、この世に命と身体を
与えられたワケじゃないでしょ。ちゃんと、今回の人生で、全うすることが
あるってことなんだよ。それは、テルさんに限ったことじゃなくてね>って」

「レオンは、なんて言ったの?」

「完全スルーでした(苦笑)それについては、全く触れなかったよ。
だからね、アトランティーナが、元守護天使さん達になんて声を
掛けたのかなって、すっごく気になったの」

「それで、さっき聞いたのね」

「そう。ねぇ、レオンくんにもさっき言ったみたいに言ったの?」

「ええ、たぶん。相手によって言うことを変えたりはしないわよ。
だって、みんな、同じ立ち位置なんだから。特に、この子って、
決めていたわけでもないしね」

「そうなんだぁ・・・。じゃ、レオンくんの捉え方なんだね」

「う~ん。レオンに指示した生年月日が原因なのかもしれないわね。
なんでも深~く、掘り下げちゃうし、視野がとっても狭くなってると
思うから(苦笑)だから、レオンがそうなってしまったのは、
私にも原因があるってことかしらね。ミウとの相性を考えて、
決めた生年月日だったんだけど、ちょっと誤算だったわね(苦笑)」

「まぁ、なんというか・・・。私、レオンくんが嫌いなワケじゃないの。
アトランティーナの次に、一緒に居て落ち着く人だから。
レオンくんだと、変な気を遣わなくて済むんだよね。だから、恋人って
いうより、家族って言った方が近いのかもしれない。でも、レオンくんは、
それじゃイヤみたいだしね(苦笑)」

「そうね。それは、レオンには言わない方が良いかもしれないわね。
まぁ、言わなくても伝わってしまっている気もしないでもないけど(苦笑)」

「そうなんだよねぇ・・・。でも、あえて言葉にする必要はないかなって
思ってるから、たぶん、言ってないと思う。もし、聞かれるようなことが
あったら、言っちゃうかもしれないけどね(笑)」

「聞かれたら、素直に、正直に答えた方が良いから、その時は、
仕方ないわね。それで、ミウは今、困っているのかしら?」

「困ってるっていうか・・・。ほら、来週、藤崎さんと食事に行く
約束してるでしょ?それは、事前にバレないようにしなきゃとは思ってる。
行った後もレオンくんに知られると、なんか面倒だなとも思ってるから、
藤崎さんに口止めしとかなきゃとも思ってるかな(苦笑)」

「弦夜は、余計なことを言う子じゃないから、あえて口止めしなくても
大丈夫だとは思うけどね。それに、そもそもレオンとの接点もないでしょ?
そこで、弦夜に改めて口止めすると、今度は、弦夜の方が変に勘繰って、
ミウとの関係がギクシャクしてしまうかもしれないから、弦夜に
口止めするのは、賛成出来ないわね」

「そういうもんですか」

「はい、そういうもんです(笑)ま、レオンのことは、適当に流しておけば
良いと思うわよ。そんなにミウが深刻になる必要はないでしょ。
レオンには、レオンの人生があるんだし、それは、レオンの責任で、
ミウの責任ではないんだから」

「あっ、そうだよね!なんか、他の人だと、そういうふうに
考えられるんだけど、レオンくんだと、そういうふうに
考えられなかった!」

「それはなんで?」

「レオンくんのこと、人間として見てなかったのかもしれない。
守護天使って言っても、それは、元守護天使で、今ではないのにね。
そう考えると、私、レオンくんに甘え過ぎてたのかもしれない。

なんか、レオンくんには、何を言っても良いっていうか、
生身の男性としての意識が足りなかったっていうか・・・。
そんな感じ。だから、私も反省しないといけないね」

「それだけ、ミウにとって、レオンは近い存在だったということよね?
ただ、そこに恋心はなかったけど(笑)」

「そうやって、茶化さないでよ。人が真面目に反省してるのに!」

「まぁ、レオンもすっかり人間臭くなったってことよ。
おそらく、彼自身もそれは自覚していると思うわよ」

「あっ、前にそんなようなことをレオンくんが言ってたような気がする」

「でしょ?その狭間で、彼自身が葛藤しているんだと思うわ。

ま、レオンのことは、そんなに気にすることはないわよ。
ミウが、疲れた顔をして帰ってくるほどのことではないわ。
もっと気楽に・・・ね」

「うん。分かった。もう、レオンくんのことは気にしないようにする。
そうじゃないと、身が持たないもん」

「ミウは、ミウのことを一番に考えれば良いのよ。そこも忘れないでね」

「は~い。なんか、それも忘れてた(汗)」

「ミウは優しいからね。じゃ、スッキリしたかしら?」

「うん!もう大丈夫。話を聞いてくれてありがとう、アトランティーナ」

「いいえ。どういたしまして。それにしても、ほとんど会話を
しなかったのに、テルがいなくなるのね。そのことについて、
ミウが全く気にしていないことの方が、私には気になるわよ。
テルもお気の毒に・・・」

「え~っ!だって、テルさんは、希望通りの海外赴任が決まったんだから、
それで万事良好なんじゃないの!?」

「ま、そうね。そう、ムキにならないで。ホント、ミウって、
いじり甲斐があって、可愛いわね(笑)」

「あ~、また、アトランティーナにやられたぁ(笑)」

「ミウもまだまだってことね。じゃ、おやすみ」

「おやすみなさい。アトランティーナ。本当に話を聞いてくれて
ありがとう。今夜は、スッキリした気分で眠れそうだよ」

「そう、良かったわ。これからは、溜め込む前に、話してね。
そうすれば、ミウが疲れることなんてないから」

「うん、分かった。今夜は、一気に吐き出せたみたい。溜め込んでるなんて
自覚なかったから(苦笑)ありがとう、アトランティーナ!」

「いいえ、どういたしまして。自覚がないっていうのが問題だから、
きちんと自分のハートの声に耳を澄ますのを忘れないでね」

「は~い(笑)」




<次回へ続く>
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