ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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山あり谷あり!?

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今週は、山あり谷ありって感じの一週間だったな。
でも、結果的に今、めっちゃワクワクしてるんだから、
実り多い一週間だったんだと思う。終わり良ければすべて良しって
ことだもんね。ホント、私って単純。

でも、この単純さのお陰だなっていうか、自分のこういうところ、
嫌いじゃないんだよね。むしろ、好きかも(笑)

深刻に考え込んじゃうこともあるけど、その深刻さが長続きしない
っていうか、すぐに、『あっ、そっか!』って、前向きな答えが
浮かんでくるところ、悪くないと思わない?(笑)

だから、周りからは「ホント、おめでたいよね(笑)」とかって
言われるけど、それも私にとっては、褒め言葉みたいなもんなんだよね。
周りは、褒めてるつもりはないと思うけど(笑)

お陰で、なんか元気になったっていうか、今週で今日が一番、
テンション高いかも!?でも、週末で、明日から休みだからっていう
テンションの高さとは、ちょっと違うんだよね。

色々なことに気づけて、私の中にあったモヤモヤが解消されつつある
っていうか、明日と明後日、まだ、アトランティーナにはお願いしてないから、
どうなるのかは分かんないんだけど、また、新しいことを教えてもらえるって
思うと、ワクワクが止まらないっていうか、止められない!(笑)
アトランティーナ、どうか、断らないでね。

「ただいま!」

「ミウ、おかえりなさい。なに?ずいぶん、元気じゃない。何かあったの?」

「ううん。特には・・・。ま、元気になることが合ったといえば、
あったのかもしれないけど、それより、アトランティーナにお願いがあるの」

「帰ってきて早々、な~に?まずは、手洗って、着替えてらっしゃい。
話はそれからよ」

「は~い!」

部屋の中を走り回って、着替えと手洗いを済ませて、アトランティーナが
ご飯の支度をしているところに行ったら、アトランティーナがお腹を抱えて
笑い転げてた(笑)

「もう、ミウ、なんなの?まるで、幼稚園から帰ってきた子供みたい
じゃない(笑)お願いって、な~に?」

「あのね、アトランティーナ!私に星のこと、教えて欲しいの!
簡単な触り部分だけで良いんだ。ほら、たまに話の中に星のことが
出てくるでしょ?

今回のレオンくんのこともそうなんだけど、星のことが分かったら、
チームのメンバーのこととか、藤崎さんのこととか、色々、分かるように
なるんじゃないかなって思ったの。ね、明日と明後日で教えて」

「なんだ、そんなこと?」

「全然、そんなことじゃないよ!私にとっては、とっても大切なこと!
ね、アトランティーナ、良いでしょ?」

「どうしようかしらねぇ~(笑)」

「そうやって・・・もったいぶることじゃないでしょ?ねぇ、教えてよぉ~」

「ミウは、言い出したらきかないものね。・・・いいわ、教えてあげる!
じゃ、本当に触り部分ね。ミウが日常で使えるくらいまで」

「やった~!ありがとう、アトランティーナ!きっと、アトランティーナは、
断らないだろうなって思ってた」

「どんなことでも新しいことを学びたいという気持ちは尊重したいものね」

「うん、うん。そうだよね」

「ホント、今のミウは、まるで幼稚園児よ。好奇心いっぱいで、
目がキラキラしてる。そういうところもミウの良いところだと思うわよ」

「ありがとう、アトランティーナ!じゃ、ご飯の支度、手伝うね」

「ありがとう。ところで、さっき、元気になることがあったといえばあったって
言ってたけど、何があったの?」

「今日ね、ブルータイガーに行って、打ち合わせをしてきたの。
ほら、この間、プロダクションの人も交えて、打ち合わせをしたでしょ?
ブルータイガーさんと一緒に打ち合わせをする前に、こちらで決めたことを
伝えて、今後の進め方について話してきたの。

そしたらね、プロダクションが持ってるコネにえらく感動してくれてね。
ビックリしちゃったよ!だって、ブルータイガーなら、
もっと大きなプロダクションとのつきあいもあるだろうし、それなのにって
感じだった」

「そう。ブルータイガーくらいの会社になると、プロダクションも
大きくなり過ぎちゃって、お互いにマウントを取るような感じになるんじゃない?

でも、シネムンドがおつきあいしているプロダクションだと、言い方は悪いけど、
弱小だから、半ば、シネムンドの子会社化しちゃっているところがあるでしょ?
シネムンドさんの言うことは絶対です!みたいな感じで(苦笑)

それが良いかどうかは分からないけれど、親身になってくれるし、
自分たちの出来るだけを最大限に引き出して、協力してくれるじゃない?
そこが違うんだと思うわよ。

おそらく、弦夜からしたら、そういうつきあい方が出来るプロダクションが
近くにいるミウたちのことを羨ましいと思ったんじゃないかしらね」

「なるほどねぇ。会社も大きくなると良いことばかりじゃないんだね(汗)
マウントの取り合いって、めっちゃ疲れそう。私には無理だわ(苦笑)」

「そうね。ミウみたいなタイプは、ストレスに感じてしまうかもしれないわね。
だから、シネムンドで良かったんじゃない?特に今のチーフは、
部活みたいなノリなんでしょうから」

「うん、その通り!今も学園祭の準備してるみたいな感じで、
みんなイキイキしてるよ。そういう姿を見るのも楽しいし、
私もやる気が湧いてくるんだ」

「それは良いわね。
どんなことでも、楽しみながら取り組めるというのが一番よね」

「うん、そう思う。でも、そういう考え方を教えてくれたのも
アトランティーナだけどね。仕事は、苦しくて、辛くて、大変なものって、
思い込んでたから、楽しみながらなんて、ダメなんだと思ってたもん」

「以前のミウみたいな考え方をする人の方が、まだまだ多いと思うわよ。
でもね、それは幻想。苦しくて、辛くて、大変だったら、良い結果を
生み出すことは出来ないものね。それは、ミウも体感したでしょ?

楽しみながらだったら、例え、苦しくて、辛くて、大変だったとしても、
それが苦痛にはならないのよ。現に、プレゼン前は、大変だったでしょ?
でも、それが、大変だとは感じなかったんじゃないかしら?苦しかったとか、
辛かったって感じている?」

「ううん。たぶん、周りは『大変そうだなぁ』って思ってたかもしれないけど、
私たちは、その大変なことすらも楽しんでたから(笑)だって、その先に
広がってるものが見えてたからね。そこに向かって突き進んでるって感じが、
私たちをワクワクさせてたから、苦しくもなければ、辛くもなかったよ」

「そういうものよね。そういうスタンスで、みんなが仕事に臨めたら、
きっと、もっと良いものが出来ると思うわよ。だから、今回のイベント、
私も今から楽しみだもの」

「じゃ、アトランティーナも来てよ!」

「もちろん、そのつもりよ。阿刀田蘭子、久しぶりに降臨するわよ(笑)」

「うわっ、めっちゃ楽しみ!なんか、更にやる気が湧いてきた!」

「そう、それは良かったわ。それより、また、ご飯の支度をしながら、
お喋りしちゃったわね(苦笑)そろそろ食べないと遅くなっちゃうわよ。
ほら、せっかくの料理も冷めちゃったし。また、温め直さないと
いけないわね(笑)」

「あっ、ホントだ。ごめんなさ~い」

「ミウのせいじゃないでしょ?そういう時は謝らなくて良いのよ。
なんでもかんでも謝ってはダメ。とりあえず、謝っておこうっていうクセも、
そろそろ見直す時期が来ているんじゃない?」

「うん。気をつけるよ。今までは、アトランティーナが言うように、
とりあえず謝っとこうって感じだったけど、それだと私が可哀想だよね。
だって、本当は、何も悪くないのに、私が私を悪者にしちゃってるってことに
なるってことでしょ?そういう愛のない言動は、慎んでいこうと思っています」

「何よ、やけに神妙じゃない?(笑)弦夜との出会いも良い効果が
あったのかしらね」

「別にそういうことじゃないけど・・・。でもね、今日も感じたんだ。
藤崎さん、私たちのことを信頼してくれてるんだなって。
それが、余計にやる気を起こさせてくれて、有り難いと思ったの。

あとね、前の私だったら、自分のことも他の人のことも信じられなかった
でしょ?でも今は、まだ少し足りないかもしれないけど、自分のことも
他の人のことも信じられるようになったじゃない。

だから、藤崎さんが食事に誘ってくれたんだろうなって思ったの。
前の私だったら、食事になんて誘ってもらえなかったと思うし、
それ以前に、興味さえ持ってもらえなかったかもしれない。
その前に、私自身が藤崎さんに興味を持たなかったかもなって。

人って、考え方がほんの少し変わるだけで、興味の対象も
変わるのかもしれないって思ったら、なんか、面白いなって思っちゃった」

「確かにそうよね。だから、少しずつ成長していくことが大切なのよ。
ほんの少し、前に進んだだけで、見える景色が変わるっていうことだからね。
って、ほら、また!もう、お喋りは禁止!今は、ご飯よ、ご飯!」

「は~い(笑)」


<次回へ続く>
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