ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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家庭菜園から・・・

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なんとなくだけど、エレメント?って呼ばれるものがあるって
いうのは、知ってたんだよね。でも、もっとザックリしてるっていうか、
同じ火なのに、明確に違いがあるなんて、思ってもみなかったから、
なんか、目からウロコって感じで、めっちゃ新鮮だった。

それに、山火事、暖炉、火矢って言われるとイメージしやすいし、
分かりやすいよね。さっすが、アトランティーナって感じ。

「どう?正直なところ、分かりにくいところはあるかしら?」

「ううん、大丈夫。っていうか、むしろ、思いっ切り分かりやすい
レッスンだと思う。ハッキリと認識してたワケじゃないんだけど、
星座がグループ分けされてることは、知ってたんだよね。

っていっても、エレメント?だけで、性別とか、行動形態までは
知らなかったけどね。

でも、そのエレメント?っていうのも、もっと、こう、ザックリしてるって
いうか、そんな感じだと思ってたの。

だから、同じ火でも山火事、暖炉、火矢っていうふうに明確に違いが
あるとは思ってなかったから、めっちゃ新鮮だったし、イメージしやすくて、
さっすが、アトランティーナって思ってたとこなんだ」

「イメージがしやすいっていうのは、良いわね。言葉で説明するよりも
シンボルを提示した方が、映像として残るから覚えやすいのよね」

「うん、うん、そうだと思う。やっぱり、映像って大事なんだね」

「そうよ。だから、願い事を叶える時にもイメージするでしょ?
それは、言葉で連ねるよりも映像化した方が実感することが
出来るからなのよ」

「よく、アトランティーナにそう言われてたような気がするけど、
今回、実感レベルで、やっと理解できたかも!?

やっぱり、星の勉強したいって言って、正解だったなって、
これだけでも思うよ」

「そうね。映像化することで、イメージしやすくなるということが
分かっただけでも大きな収穫かもしれないわね」

「新しく何かを始めると、それだけじゃなくて、他にも良い影響があるから
良いよね。必ず何かが繋がっていくじゃない?それも思いがけないことが。
だから、どんどん新しいことにチャレンジしたくなるんだよね。

一つのことを始めたのに、得るものは一つじゃないって、
めっちゃお得な感じがするもん(笑)」

「そうね。でも、それは、ミウが気づけるからだと思うわよ。
いつもハートをオープンにして、柔軟な発想と思考が身についているから
出来ることなのよね。そこもミウの良いところであり、強みって言えると
思うわよ」

「へぇ~、そうなんだぁ。私さ、得してるなっていうか、ラッキーだなって
思うんだよね」

「何が?」

「だって、自分のことって、よく分かんないでしょ?
でも、私にはアトランティーナがいて、今みたいに、私の良いところとか、
強みとかを教えてくれるでしょ?言われてみて初めて、『あっ、そっか!』
とかって思えるし、言われても分かんない時には、アトランティーナが
解説っていうの?してくれるじゃない。だから、本当にラッキーだなって思うし、
そういう点でもアトランティーナには感謝してるんだ」

「ありがとう。そうやって、小さなことにも感謝することが出来ると
いうところもミウの良いところよ」

「あはっ、また見つかっちゃった(笑)
でもさ、感謝って、みんな、出来るんじゃないの?」

「物の見方によるのよね。例えば、今のミウと全く同じ状態の人がいたとしても、
10人が10人、みんな同じことを思うかって言ったら、違うでしょ?」

「そうだね。10人いたら、10個の個性、価値観があるんだもんね」

「そう。だから、ミウにとっては、有り難いって思うようなことでも
有り難いって思わない人もいるということ。

でもね、どんなことにでも、どんなに小さなことにでも、有り難いって
思うことが出来るミウは、素晴らしいし、感謝の気持ちは、次の感謝を
連れて来るから、永遠にミウには『有り難い』って思えることが
巡ってくるということよ。

だから、感謝することが出来るっていうのは、他者に対してではなくて、
自分に実りや恵みをもたらすということなのよね。感謝は無償で出来るけど、
無償で行った感謝によって、有償の対価を得られるんだから、
何事にも感謝する気持ちを持つということは、大切よね」

「そうだね。それに、『ありがとう』って思ったり、感じたりしただけでも
気持ちが良いもんね。たぶん、その気持ち良さが次のハッピーやラッキーを
連れて来てくれるんだと思うな」

「そうね。ミウの言う通りね。感謝の心は、謙虚さから生まれるの。
まぁ、ミウの場合、謙虚さだけじゃなくて、謙遜も得意だからね(笑)」

「謙遜ねぇ・・・。もうね、染みついちゃってるんだと思うよ(苦笑)
だって、それが美徳とされる国に生まれて、生きてきたんだもん。
剥ぎ取るのは、なかなか困難な道のりだよ(笑)
でも、剥ぎ取ろうとは思ってるけどね」

「謙虚さは必要だけど、謙遜は要らないからね。謙虚さがなければ、
成長することが出来ない、つまり、前に進むことが出来ないけど、
謙遜は、成長すること、前に進むことを阻んでしまうから、
出来るだけ早く手放した方が良いわね」

「うわっ!そうなの!?じゃ、サッサと手放すっていうか、
謙遜から抜け出さないと、他の努力が無駄になっちゃうね(汗)」

「そうねぇ・・・。相殺されて、ゼロになってしまうわねぇ」

「それは、困る!絶対に困る!もう私、謙遜しない!」

「ミウ、今の気持ちを忘れないでね」

「うん、分かった!もうっ!もっと早く言ってよ、アトランティーナ!」

「あら、言ってなかったかしら?」

「たぶんだけど、聞いてないと思うよ」

「それは、失礼しました。でも、謙遜はしないでという話は、
何度もしているわよ」

「そうなんだけど!手放したいとは思っていたけど、染みついちゃってるから、
なかなか抜け出せなかったの!でも、努力が無駄になるとか、
成長できないとか、前に進めないっていうのは、絶対にイヤだから、
もう一度、自分の中で仕切り直すっていうか、もっと真剣に
取り組んでみようって、今、思った(苦笑)」

「私の言い方が良くなかったってことね。もっと早く、今の話をすれば
良かったのかもしれないけど、なんか、脅かしているみたいで
気が進まなかったのよね(苦笑)」

「いや、今のは脅しではないと思う。だって、それが真実なんでしょ?」

「ええ、そうよ。私は嘘はつかないし、過大広告みたいなことも言わないわ」

「だよね。なんか、私の中で今、何かが入れ替わったような感覚がある!
何かを差し替えたみたいな感じ。これって、もしかして、謙遜が何かに
差し替えられたのかな?よく分かんないけど、これから、ちょっと自分の内側に
意識を向けるようにして、気をつけてみよう」

「その勘の鋭さもミウの強み。ね、自分では気づいていないかもしれないけど、
ミウには、たくさんの良いところと強みがあるのよ」

「そうみたいだね(苦笑)たぶん、みんな、そうなんだよね?
ただ、自分で気づいていないだけで・・・。なんか、それ、勿体ないね。

だって、気がつかないうちに、眠らせてて、本当だったら、その良いところとか、
強みを活かして、別のステージに立ててたりってこともあったりするかも
しれないんだもんね」

「そうね。その良いところや強みを活かすことが出来たら、大変な思いや
辛い思いをしなくても、難なく毎日を送ることが出来るものね」

「ホントにそうだよね!みんな、もっと自分に敏感になった方が良いね。
私も他人のこと言えないけど(苦笑)」

「気づいているということが大切よね、ミウみたいに。もっと自分に関心を
持って、自分の小さな変化や『あっ、こういうところがあるんだ!』っていう
気づきに目を向ければ、他の人にはない、自分だけが持っているものにも
気がつくようになるはず。そういうところを組み合わせていくことで、
自分の強みというものを自覚できるようになるものね」

「なるほどね・・・。これも、メモっとこう(笑)」

「大事なポイントだから、ぜひ、メモっておいてください(笑)
じゃ、そろそろ、次に行くけど大丈夫?」

「うん!次は、地のエレメントだよね?」

「はい、そうです。じゃ、始めるわね。
まずは、地のエレメントに属する星座は、何座だったかしら?」

「え~っと・・・牡牛座。あとは・・・乙女座かな?
それと・・・う~ん・・・山羊座だ!」

「はい、正解!もっと、スラスラと出て来るようになると良いわね。
火のエレメントに属する星座もそうだったけど」

「は~い、覚えます(汗)」

「では、3つの星座を表すシンボルに進むわね。

牡牛座は、家庭菜園の土。牡牛座の視点は【自分】という個人の視点なの。
自分にとって、居心地の良いことを追求していくのね。だから、範囲が狭まって
しまうところがある。

家庭菜園は、自分たちが食べる分だけ、自分たちが好きなものだけを育てて、
美味しく頂くことが目的でしょ?それが、牡牛座なの。五感にも敏感で、
美味しいものが大好き。そして、物への執着心も強いから、家庭菜園ね。

そうそう、牡牛座は、貯金も得意なのよ。それと、言葉はあまり良くないけど、
ケチね(苦笑)無駄遣いをしないという言い方もあるけど。

あと、お金次第で、何でも引き受けてしまうところもあるかしらね(苦笑)
12星座で一番お金が好きで、一番慎重なのが牡牛座。
石橋を叩いて渡るという言葉があるけど、石橋を叩き過ぎて壊してしまうかも
しれないのが、牡牛座なの(笑)

そして、乙女座は、庭がシンボル。庭も範囲が狭いけど、通りかかった人にも
見てもらえるでしょ?視点が、【あなた】にあるから。

そして、几帳面でもあるし、独自のこだわりも持っているから、自分なりに
庭の手入れをして、いつもキレイで、周りの人から見てもステキな庭を
作り上げることが出来るし、褒められることに喜びややり甲斐を
感じるところもある。雑草なんて、一つもない、美しく整えられたキレイな庭。
それが、乙女座なのよ。

【神は細部に宿る】という有名な言葉があるけど、乙女座を端的に
表現している言葉だと思うわ。細かいところにまで目が行き届いて、
完璧に整えることが得意。それゆえに、他者の細かいところにも
目がいってしまって、減点法を用いてしまうから、つい、お小言を
言いたくなってしまって、煙たがられてしまうところもあるわね(苦笑)

でも、嫌味で言っているのではなくて、相手に間違いを気づかせて
あげようという親切心なのよね。

それと、地のエレメントは全部そうなんだけど、感情に左右されることは、
あまりないの。それに加えて、乙女座は、実務能力が高いから看護師や秘書に
向いているわね。看護師も秘書も感情に左右されていたら仕事にならないでしょ?
仕事として、割り切って取り組めるから、優秀な看護師や秘書にもなれるのよね。

最後に山羊座ね。山羊座は、畑がシンボル。視点が【みんな】というところまで
広がるの。畑は、収穫した農作物を出荷して、たくさんの人に食べてもらうという
役割を担っているでしょ?山羊座は、社会と関わっていく星座なの。

そして、小さな畑をやがて大きくしていくという野心も持っているの。
地道にコツコツ積み上げていくことも苦にならないしね。

少し話が大きくなるけど、戦後の日本人で最も多い星座が
山羊座だったのよ。戦後の経済復興を支えたのは、山羊座なのよね。
地道にコツコツ、目の前にあることを堅実に取り組んで積み上げていくこと、
忍耐強く、決して焦ることなく、続けていくこと。

そしていつか、世界と並ぶ国になってやるという野心。正に、山羊座の力を
発揮したお陰で、日本は、他の敗戦国とは違った道を歩んで来ることが
出来たと言えるわね。

会社の社長とかが山羊座は、向いているわね。最初は小さな会社でも、
いずれは日本を代表する国にしてみせるという気概を持って、地道にコツコツ、
会社を育てていくことが出来るから。

でも、山羊座も地のエレメントだから、感情的には少し疎いところがあって、
例えば、家族を守ろうとする時、家族を背で庇うという方法を取るの。
それで、『よし、守り切った!』と思って、振り返ってみたら、
肝心の家族がいなかった・・・なんてことも起こったりしちゃうのよ(苦笑)

ま、地のエレメントはこんな感じだけど、何か質問はある?」

「ううん。すっごく分かりやすかった。
なんか、山羊座って、昔の日本のお父さんみたいな星座なんだね(笑)
家族のために一生懸命、働いてるのに、家族のことは、奥さんに任せっぱなし。
でも、お父さん的には、家族を守っているっていう意識で働いてるから、
つい、<誰が食わしてやってるんだ!>なんて言っちゃう。

それで、いつの間にか、家族の心が離れてしまって、果ては、定年後に
離婚されちゃうってヤツ。なんか、気の毒になってきちゃった(苦笑)」

「そこまで、話を広げてイメージできたってことは、ミウの中に、
その星座の特徴を落とし込めたということよね?良かったわ」

「うん、なんとなくだけどね。石橋を叩き過ぎて壊しちゃったのは自分なのに、
<ほら、やっぱり、信用できなかったでしょ?>って、平気な顔して、
さも当然とばかりに言い退けてしまう牡牛座とか、やたら、細かいところを
指摘して、やり直しさせる乙女座とか、日本の会社にわんさかいるなぁって
思ったら、おかしくなっちゃったもん(笑)」

「そうね。一昔前の日本の会社員は、地のエレメントが多かったのかも
しれないわね。変化を好まないから、一度、作られた制度を後生大事に守って、
世の中が変わり始めていたとしても、ひたすら気づかないフリを続けて、
踏襲し続けていくところは、正に地のエレメントって感じかしらね(苦笑)

じゃ、質問がないようだったら、また少し休憩しましょうね」

「やったー!休憩だぁ~!」

「そんなに休憩を喜ぶなんて、なんか複雑な気分だわ(苦笑)」

「別に喜んでるワケじゃなくて、火のエレメントと同じように、
地のエレメントも私なりにイメージしてみたいなって思っただけだよ。
でも、せっかくだから、美味しいコーヒー淹れるね」

「はいはい。お願いします(笑)」


<次回へ続く>
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