ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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恋のライバル現る!?

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現場を見ることが出来たのが、そんなに嬉しかったのか、
ブルータイガーの藤崎さんと一緒にランチできるのが嬉しいのか、
分かんないけど、メンバーのテンションが最高潮のまま、お店に入った。

お店選びは、中川理沙子に託したんだよね。食べることが好きみたいで、
って、誰でも好きなんだけど、彼女の場合は特別で、安くて美味しいお店を
いつもチェックしてて、まとめてあるの!それに、その範囲も凄まじくて、
都内のほとんどのエリアを網羅してるんだよね。ビックリでしょ!?

それで、彼女オススメのお店で、シネコンから近いところということで、
お店は難なく決定したの。ランチタイムだから混んでるかなって思ってたんだけど、
ランチ営業をしてるって宣伝していないらしくて、このお店でランチを食べられる
って知ってる人が少ないみたいなんだよね。

だから、大人数だったけど、すんなり入れたんだ。お店に入るのに、並ばなきゃ
いけないっていうのは困るからね。ほら、いきなり、今日の今日で、午前中、
チームみんなで外出しますって感じで出て来ちゃったから、のんびりランチして
から帰るっていうのは、さすがにちょっと気まずいでしょ(汗)

でも、偶然、現場でブルータイガーの担当者に遭遇して、一緒にランチを食べて
きたっていうのは、ちょっと良いお土産になるかもしれないよね。
ま、これも偶然ではないんだろうけど(苦笑)

ほら、世の中で偶然と思われているモノやコトは、偶然やたまたまではなくて、
全て必然なんだって、アトランティーナが前に言ってたじゃない?

だから、今日、藤崎さんに会ったのだって、きっと必然なんだろうなって思う。
お陰で、少しだけだけど、私も自分と向き合うことが出来たしね。

ランチで入ったお店は、昔ながらの洋食屋さん。といっても、家庭的な雰囲気
というよりは、女性ウケする感じのオシャレなお店だった。
さすが、中川理沙子!って感じ。

「理沙ちゃん、さすがだね!すっごく良い感じ」

「ありがとうございます!私たちだけだったら、その辺のファストフードでも
良いかなとは思ったんですけど、ブルータイガーの藤崎さんがご一緒という
ことだったので、即行でお店探しをしたんですよ。でも、その割には、
良いお店でしょ?」

「うん、とっても良い!夜がメインのお店なんだよね?夜は、どんな感じなの?」

「夜は、予約しないと入れませんね。お店自体が、そんなに広くないことも
あるし、知る人ぞ知る的なお店でもあって、人気があるんですよ」

「へぇ~、そうなんだ。それで、何がオススメなの?」

「何を食べても美味しいですよ。ただ、ランチは、夜ほどメニューの種類が
ないんですけどね(汗)」

「でも、どれも美味しそうだよね」

「はい!何を選んでも後悔しないと思います!」

「おっ、言い切ったね」

「当然じゃない!私がオススメするお店で、美味しくないお店なんて
ないんだから!ただ、潤也の舌には、どうかなぁ~(笑)」

「なんだよ、それ!」

「だって、普段から牛丼とか、ハンバーガーばっかり食べてるじゃない。
あとは、コンビニのお弁当でしょ」

「それは・・・否定できないけど、俺だって美味しいものくらいは
分かるよ!」

「あの・・・藤崎さんは、洋食でよかったんですか?」

隣の席を陣取った五十嵐智美が、メニューを見ている藤崎さんの顔を覗き込んだ。
藤崎さんは、私と五十嵐智美に挟まれてるんだよね(苦笑)
ちなみに、レオンくんは、私の前に座ってるけど(汗)

「あっ、僕は、食に対するこだわりとかないので、洋食でも中華でもなんでも
大丈夫ですよ。って、こんな言い方したら、せっかくお店を選んでくださった
中川さんに失礼かな?すみません」

「いいえ、大丈夫です。私の食へのこだわりがハンパないだけなんで、
気にしないでください」

「そう言って頂けると気が楽です。ありがとうございます」

なるほどね。共感力って、こういう感じなんだ。相手の気持ちを汲んで、
害さない言動が自然に出来る。確かに女子ウケすることは間違いないね。

それに、顔立ちも甘いし、細身でスラッとしてるしね。レオンくんほど、
身長が高いわけではないけど、このくらいあれば、問題ないもんね。
って、別に、身長が低いと問題があるっていうワケではないんだけど、
私の火星天秤座が声を上げちゃうんだよね(笑)

「久遠さんは、ハンバーグにしますか?」

「へっ!?」

思いがけない藤崎さんからの問い掛けに、思わず変な声が出てしまった(汗)
ここで、そういう質問は、これまた反則な気がするんですけど?

「えっ、チーフがハンバーグ好きなこと、なんで知ってるんですか?」

三神優一が、すかさずツッコミ、その答えを五十嵐智美が聞き逃すまいと
耳に全神経を集中させているのが分かる(汗)

レオンくんは、興味なさげにメニューとにらめっこ。このレオンくんの反応に、
ちょっとだけ安心してる私がいる。ホント、私、どうしたいんだろう?謎だよね。
っていうか、アトランティーナとも話してみよう。そうすれば、答えが見えて
くるような気がするんだよね。私一人では無理!答えに辿り着ける気がしない。

「えっ、久遠さんのハンバーグ好きは、チームの中で有名なんですか?
そんなにハンバーグが好きなんですね」

藤崎さんは、特に動揺する素振りも見せずに、反則の笑顔で質問をかわした(笑)
なんで知っているのかについては、言及せず、その後の展開を伺っているみたい。

「有名ってことでもないんですけど・・・。チーフは、お弁当とか頼む時、
大体ハンバーグなんですよ(苦笑)だから、うちのチーフは、ハンバーグが
好きなんだなって、僕たちが勝手に思ってるだけなんですけどね(笑)」

「ハンバーグは、大好きだよ!それは、子供の頃から変わらないね(笑)
でも、お弁当でハンバーグ弁当にするのは、好きだからだけじゃなくて、
ハンバーグは、当たり外れが少ないからなんだよ。ハンバーグで、
食べられないくらい不味いことって、ないじゃない?だから、お弁当は、
ハンバーグ弁当にするの。

私ね、子供の頃、めっちゃ美味しいハンバーグに出会ったことがあるんだ。
でも、もう、そのお店はないの。悲しいことに・・・。だから、そのお店の味を
再現したいと思って、何度もトライしたんだけど、未だに再現できずって
感じなの(苦笑)悔しいんだけどね(笑)」

「子供の頃に食べた味の再現って、難しいですよね。調味料とか、分からないし、
自分の口に残っている味が全てですもんね。でも、大人になってからも
忘れられない味があるって、ちょっと羨ましいです。僕は、子供の頃から、
そんなに味を気にする方ではなかったんですよ。今もそうなんですけどね(苦笑)

だから、どんなものを出されても、ひたすら黙々と食べてたなぁ・・・。
きっと、母にとっては、張り合いのない息子だったと思いますよ(笑)」

藤崎さん、ナイス!これで、なぜ、私がハンバーグが好きなのを知ってるのか、
答えを見事にはぐらかすことが出来た!と思った、次の瞬間、五十嵐智美は、
<私は、誤魔化されないわよ!>とでも言わんばかりに切り込んできた!

「さっきの話なんですけど、藤崎さんは、なんで、うちのチーフがハンバーグが
好きだって知ってるんですか?だって、ブルータイガーさんと一緒にお弁当を
食べたことなんて、ないですよね?」

これは、もしや!私にとって、五十嵐智美は、恋のライバルってこと!?
っていうか、なんか私、楽しんでない?(笑)そもそも私は、藤崎さんに
恋してるのか?


<次回へ続く>
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