ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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マジで、クセになる日常の中にある感動

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それにしても・・・、彼女のことは、やっぱり誤魔化せなかったか・・・(汗)
彼女は、本気で藤崎さんを狙ってるのかもしれないね。
さて、藤崎さんは、この質問をどうかわすんだろう?

「えっ、そこ、そんなに気になっちゃいます?」

「ええ、気になっちゃいます。みんなは、どうか分かりませんけど・・・」

「確かに、僕も気になるかもです」

レオンくん以外の2人も、うんうんと頷いている。
レオンくんは・・・気にならないみたいだね(苦笑)良いのか、悪いのか・・・。
まぁ、野次馬根性的なものとは、無縁って感じだもんね、レオンくんって。

「う~ん、なんでなんでしょうねぇ。あっ、久遠さんとハンバーグの話を
したのかな?いや、違うな!ん?でも、ある意味、違わないのか?

実は、久遠さんが夢に出て来て、ハンバーグが好きって言ったような気が
するんですよ。今、思い出しました!夢と現実が、ごっちゃになって
しまったのかもしれませんね(苦笑)

と言いますか、僕が、ハンバーグが好きなので、それを夢の中で、久遠さんに
言わせたのかもしれないですけどね(笑)それがあったので、無意識に久遠さんに
<ハンバーグにしますか?>って聞いたんだと思います」

「えっ、藤崎さんの夢にチーフが出て来たんですか!?」

「ええ。何度も久遠さんの夢は見ていますけど・・・何か変ですか?
だって、一緒に仕事をしているチームじゃないですか。僕は、皆さんほど
久遠さんの近くにはいませんけど、プレゼンすることが決まってから、
プレゼンで勝利するまで、ずっと久遠さんを見てきました。

その中で、『スゴイ人だな』って感心していましたし、それが、いつしか
リスペクトに変わって、僕は、久遠さんのファンになったんですよ。
だから、今日も、思いがけず、久遠さんにお会いできて、嬉しかったんです」

なんてことを言ってるんだ、この人は!私は、どんな顔をすれば良いんだ?
顔が上げられないんですけど(涙)ここを上手くかわさないと、何かあるんじゃ
ないかって、バレちゃうじゃん!イベントが終わるまで、個人的に連絡を
取り合ってること、メンバーに知られたくないって言ったのに・・・。

「藤崎さんの夢にもミウさんは登場するんですね」

レオンくんが、口を開いた。もしかしたら、会社を出てから初めて喋ったかも!
ビックリして顔を上げると、レオンくんが私に優しい笑顔を向けてくれた。
ん?この笑顔は何を意味してるの?

「龍崎さんの夢にも久遠さんは登場するんですか?」

「はい、ほぼ毎日」

「ほぼ毎日!?それは、スゴイですね!僕の負けだな(笑)ということは、
龍崎さんも久遠さんのファンなんですか?」

「そもそも勝ち負けではないと思いますけどね(苦笑)僕の場合は、
ファンっていうか・・・つい目で追ってしまうんです。変な意味ではなくて。
いつも突然、走り出したり、今日のこともそうですけど、勢いで飛び出して
しまうし、無茶もし放題なので(苦笑)

だから、いつも目を光らせていないと何をするか分からないから、
危ないんですよ。日常的にそんな感じなので、僕はミウさんの見張り役みたいな
もんなんです(笑)」

「確かに・・・」

なぜか、メンバー全員が深く頷く。へっ?これって、どんな展開!?っていうか、
私って、そんなに危なっかしいの?そんなこと言われたことないし、全く自覚も
ないんですけど!っていうか、そう思ってるんなら、もっと早く言ってよ!
こんな、みんなの前で発表することなくない!?

「ねえねえ、ちょっと待って!私、そんなに危なっかしい?」

メンバー全員が私を見て、大きく、深く頷いた。えっ、そうなの!?ウソでしょ?
えっ、チーフとして、それってダメなんじゃない!?

「あっ、でも、チーフ、ショックを受けないでくださいね。チーフがしっかりして
いないとか、頼りないとか、そういうことを言ってるんじゃないんで。
チーフが、頭から突っ込んでいくのを見て、僕たちも背中を押してもらってる
っていうか、奮い立たせてもらってるとこ、あるんで(笑)」

「それに、そういう向こうみずなところもチーフの魅力かなって思ってたりも
します。確かに危なっかしいのは事実ですけど、チーフの勢いがなかったら、
他のチームのチーフみたいだったら、きっと、今回のような大きなプレゼンの話を
持ってくるなんてことは出来なかったと思うんです。

チーフは、勢いがありますけど、それだけじゃなくて、根気強さもあるじゃ
ないですか?だから、電話をしても、いつも外出中で話せなかった
クライアントにも諦めずに電話を掛け続けてくれたお陰で、ビッグチャンスを
手にすることが出来たわけで、僕も見習わなきゃなって思ってます」

「私もそうです。前に、私がイラついてた時もただ叱るんじゃなくて、
みんなの問題として解決策を提示してくれましたよね?他のチーフだったら、
きっと、あの時点で、私は外されてたと思うんです。でも、チーフは違って、
そんな私のことも受け容れてくれた。あの時は言えなかったけど、チーフに
感謝したんです。そして、それを一緒に受け容れてくれた、このメンバーにも。

きっと、チーフは、大人なんだけど、子供の頃の素直な気持ちとか、
ピュアな感覚を今でもちゃんと心の中に持っているんだと思います。
それが、他のチーフにはない魅力になってると思うし、大きな仕事を
引き寄せてくる原動力でもあるんじゃないかなって。

だから、危なっかしいところ、直さないでくださいね。レオンくんが、
チーフのサポートはしっかりしてくれると思うので。今までもそうだったし。

レオンくんが、チーフと行動を共にしてくれてるの、言わなかったけど、
実は、安心してたし、レオンくんに感謝もしてたんです。私たちじゃ、
チーフの力になんてなれないけど、レオンくんなら、経験豊富だし、
チーフを上手くサポートしてくれるって」

「なんか、みんな、ありがとう。危なっかしいって言われて、それって、
チーフとしてダメじゃんって、一瞬、めっちゃ落ち込んだけど、
その後のフォローが素晴らしいね。不覚にも泣きそうになったよ。
っていうか、涙がこぼれそうなんですけど」

「そういうところもチーフの魅力なんですよ(笑)」

「みんな、ありがとう(涙)」

「なんか、とっても良い場面に遭遇させてもらって・・・。本当に良い
チームですね!羨ましいです。というか、僕がここにいても良いのかなって、
途中から思ってしまいました(汗)

確かに、うちの芳村は、ほとんど席にいないので、電話をしても捕まえることが
出来ないんですよ。にもかかわらず、めげずに毎日、電話をしてくれた
久遠さんには頭が下がります。芳村が久遠さんに会おうと決めたのも、
その粘り強さに感銘を受けたからだと聞いています。

自分で言うのも何なんですが、うちのように大きな会社だと、既に大手の代理店に
任せていて、自分たちが入り込む隙はないだろうと何もしないうちから
諦めてしまうところが多い中、電話が繋がるや、会いたいとアポを取る姿勢、
毎日、電話を掛けてくるだけのことはあると芳村が嬉しそうだったことを
覚えています。

芳村が僕に担当を任せたのも、もちろん、芳村自身が忙しくて対応出来ないと
いうこともあったんですが、久遠さんと一緒に仕事をすることで、
僕を成長させるという意図があったんだと思います。実際、成長させて
もらったと思っていますし。

久遠さん自身は、無意識なんだと思いますが、久遠さんの周りにいる人は、
様々な形で成長させてもらっているんだと思います。だから、僕が言うのも
何ですが、そのまま、危なっかしいままで良いと思います(笑)

いつもしっかりしていて、隙がない人よりも、その方が人間らしくて、
魅力的でもありますからね。それで、これからも僕みたいに、久遠さんのファンに
なる人を増やしてください。そうすれば、このチームの皆さんも成長する機会を
得ると思いますし、ワクワクやドキドキを感じて、楽しくなる人、幸せな気持ちに
なる人も増えるでしょう。

久遠さんの仕事は、きっと、それがメインなのだと思います。イベントまで
1ヶ月を切ってしまいましたが、最後まで、一緒に突っ走って行きましょう!
それで、これが最初で最後ではなくて、また、一緒にイベントだけでなく、
仕事をして行けたら、僕は、とっても嬉しいです」

藤崎さんの話が終わると、なぜか拍手が起こった。ね、これって、何の会?
一緒にランチしましょうってところから、ここまで発展しちゃうなんて(苦笑)

でも、これもレオンくんのお陰かも。あの、レオンくんのフリから、
話がここまで広がって、展開して、感動まで生んじゃった。
はぁ~、レオンくんて、ホント、スゴイ。私がレオンくんに敵う日は、
永遠に訪れないような気がした。まぁ、元からレオンくんに張り合う気なんて
なかったんだけどね(笑)

それにしても、思いつきで、アポなし突撃現場訪問的なことをしただけなのに、
なんか、思いがけず、多くの実を収穫したような気がする。

藤崎さんが、私のことをどう思っているのかも知ることが出来たし。
と言っても、表向きな話だから、プライベートはまた別の話だとは思うけどね。
っていうか、そうあって欲しいと願ってる私もいたりする(苦笑)

そして、レオンくんを筆頭にチームメンバーの思いも知ることが出来た。
これは、本当に大きいと思う。だって、もしかしたら、一生、聞くことが
出来なかったかもしれない話を聞くことが出来たんだもん。

こういう流れになることを見越して、藤崎さんもレオンくんも話を進めて
くれてたのかなぁ?いや、いくらなんでも、それはないよね(汗)

藤崎さんやレオンくんではなく、もっと大きな存在?ほら、宇宙とか、
神さまとか?そういうレベルで、話が進んでいたのかもしれないね。

お陰で、気分が良いのはもちろんなんだけど、それ以上に背筋が伸びる思いが
したし、もっと前を向いて、思いのままに進んでいこうって思たよ。
だから、今日、思い切って、突撃現場訪問をして良かったなって思ってる(笑)

計画することも大事だってことは分かってるけど、こういう計画外のことって
いうか、思い立ったら吉日みたいな行動が功を奏することって、あると思う。

っていうか、そういうことの方が多いんだと思うな。計画して動いた時に得られる
実りは、ある程度、想像することが出来るけど、計画外で動いた時に得られる実は、
想像を遥かに超えるから、面白いし、感動もする。日常の中にある感動って、
何度体験しても良いもんだよ。マジで、クセになるから(笑)

だから、あまり計画に縛られずに、思ったら、すぐに動いてみるっていう姿勢、
これからも貫いていこうと思う。

<次回へ続く>

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