ドラゴンレディーの目覚め

ワンランクアップした！？

カフェを出て、アトランティーナと一緒に電車に乗って、
新宿までやって来た。洋服を買う時って、新宿が多いかも。
お店の数が多いからね。さて、どこから回ろうかな。
ちょっとオシャレで、仕事でも大丈夫な服って感じだよね。

でも私、会社に入りたての頃は、会社に着て行く服も
プライベートで着る服も分けてなかったんだよね。
お堅い仕事じゃないでしょ。今から思えば、結構、ぶざけた
格好して会社に行ってたなぁって思う（苦笑）

きちんと仕事してるんだから、何着たっていいじゃんって
思ってたんだよね。その想いは、今もあんまり変わって
ないんだけど、当時の上司に、＜人は見た目で判断するんだから、
服装にも気をつけろ！お前が損するぞ＞って言われたんだ。

言われた時は、『何言ってるんだろう？仕事の結果が全て
なんだから、そっちを見てよ！』って思ったんだけど、
チーフになって、社会の人と打ち合わせをするようになって、
部長がいってたことの意味を理解したの。

ブルータイガーみたいな大きな会社じゃなくて、もっともっと
も～っと小さな会社で、プレゼン前のオリエンテーションに行った時、
チーフになる前と変わらない、ちょっとふざけた格好して臨んだのね。
そしたら、全く相手にされなくて、プレゼンも一応はさせて
もらったんだけど、敢えなく敗退。勝った会社のプレゼン内容より、
ウチの方がはるかに良かったはずなのにね（苦笑）

納得いかなかったのはもちろんなんだけど、その時、部長に言われた
＜人は見た目で判断するんだから、服装にも気をつけろ！
お前が損するぞ＞が私の中に響き渡って、『部長は、こういうことを
言いたかったのかなぁ・・・』って思ったんだよね。

ウチの会社が、大きな会社だったら、会社の看板があるから少しは
違うのかもしれないけど、そうじゃないから、私が会社の顔として、
認めてもらわなくちゃいけないんだって、その時、気づいたの。

もちろん、服装だけで判断するのって、どうなの？とは思うんだけど、
私のことをよく知ってもらえるほど、関わる相手じゃないから、
やっぱり見た目、服装だったり、髪型だったり、メイクだったり、
そういうもので判断するしかないもんね。相手の立場だったら、
やっぱり私も同じなんじゃないかなって思ったんだ。

それからは、チーフとして相応しい、ある程度、ちゃんとした服装、
とりあえずジャケとは必須って感じの服装をするようになったの。
だって、私のせいで、チームのみんなにも迷惑かけることに
なっちゃうからね。それが一番イヤだったんだ。

とはいえ、上下が揃ったスーツは、やっぱり避けちゃう。
男性には、ほとんどの場合、スーツしか選択肢がないけど、
女性はそうじゃないから、ジャケットは着るけど、あとは自由に
させてねって思ってる（笑）ジャケットもグレーとか、紺とか、
黒じゃなくて、比較的カラフルなものにしてる。小さな反抗って
感じかな（笑）

それで、今回は、ビジネスモードでありながら、いつもより
ちょっとだけ女性らしさをプラスした、華やかで、可愛らしさも
漂うようなエレガントな服にしようと思ってるワケ。

あまり、派手にならないように、いつもの服からかけ離れ過ぎない
ように、でも、ちゃんと私が気に入って、納得できる服。
簡単なようで、ちょっと難しい注文かもしれないよね（苦笑）

アトランティーナの中には、どんなイメージの服が浮かんでるんだろう？
最初は、花柄のワンピ、１点推しだったけど、それも私を試すため
だったみたいだからね（苦笑）本当は、どんな感じの服が浮かんで
たのか、気になるところだよね。

「ね、アトランティーナ、本当はどんな感じの服をイメージしてたの？
花柄のワンピは、私を試すためにいってただけでしょ？」

「特には・・・ないかしらね。だって、私が着るんじゃなくて、
ミウが着る服なんだもの。ミウが好きな服を着れば良いんじゃない？
ミウは、どんな服をイメージしているの？」

「私は、ビジネスモードでありながら、いつもよりちょっとだけ
女性らしさをプラスした、華やかで、可愛らしさも漂うような
エレガントな服かな。あまり、派手じゃなくて、いつもの私から
かけ離れ過ぎない感じで、でも、ちゃんと私が気に入って、
納得できる服ってところかな」

「なんか、分かりやすそうで、分かり難いわね（苦笑）
色は決めているの？あと、具体的なデザインは？」

「う～ん。どうしようか迷ってるって感じかな？まずは、デザインを
見て、色はその後で考えれば良いかなって思ってる。って言っても、
デザインもまだ、具体的には浮かんでないかな（苦笑）

行ってみて、良いのがあったらっていうか、ビビッと来たものって
感じなんだよね（汗）」

「ミウ・・・。デザインも大事なんだけど、まず、色にもエネルギーが
宿っていることを忘れていない？ミウも知っているでしょ？
私と話をするようになる前、下着の色を変えたこと、覚えていない？」

「あーっ！あったね、そんなこと。でも、あれは、背骨に当たる色とか、
肌に触れる色のことだったよね？」

「あの時は、そうだったかもしれないけど、つまりは、色にも
エネルギーがあるということに変わりはないわよね？」

「確かに・・・そうだね。ってことは、選ぶ色によって、自分が宿す
エネルギーにも影響が出るってことになるの？」

「それもそうだけど、ミウが着ている服を見るのは、ミウよりも
ミウに接する人よね？会社でもそうだけど、弦夜もそう。
だから、ミウが自分の見せたいところを伝えてくれる色を
選んだ方が良いってことよ。

知的に見られたいのか、優しそうに見られたいのか、情熱的に
見られたいのか、穏やかそうに見られたいのか、ちょっと
ミステリアスな香りを漂わせたいのか、ゴージャスさを演出したい
のか、女神のような神秘的な感じに見られたいのか・・・。
ま、色々よね」

「なるほどねぇ・・・。女性らしくて、華やかで、エレガントな
感じって言ったら、何色が良いんだろう？ね、アトランティーナ、
どう思う？」

「そうねぇ・・・。色だけじゃなくて、デザインや素材も関係して
くるわよね。硬い素材じゃなくて、柔らかな素材が良いんじゃない？
あとは、タイトなシルエットじゃない方が、ミウが言っている
イメージに合うんじゃないかしら？」

「そうだね！じゃあ、パンツはやめてスカートにしようと思って
たんだけど、柔らか素材のワイドパンツにしよう！今、閃いちゃった（笑）
でも、パッと見は、スカートに見えるの。どうかな？

それで、上はニット。でも、ちょっとだけタイトな感じにするの。
上も下もダラ～っとしてたら、ちょっとだらしない感じに
なっちゃうでしょ？（笑）

あっ、そうだ！無地のニットなんだけど、カーディガンが良いかも！
ちょっと大きめなボタンがついてて、丈が短めな感じ。
そうしたら、脚長効果も狙えるし、大人のデキる女っぽく見えない？（笑）」

「そこで、笑っちゃったらダメでしょ（笑）ミウは、デキる女でしょ？
でも、最初に話していたイメージの中にデキる女っていうのは、
なかったと思うけど・・・。ま、今のなら具体的だし、良いとは
思うけどね。じゃ、あとは色ね。何色にする？」

「ワイドパンツは、淡い色にする。ボトムは濃い色が定番っぽいけど、
そうじゃなくて、柔らかい色が良いかな？白？いや、白だと
かしこまり過ぎちゃう感じだし・・・。桜色みたいな優しいピンクが
良いかも！

それで、上のニットは、ラメ感があるのが良いな。ゴールドとか、
シルバーでも良いし・・・。どうかな？ちょっと楽しくなったきた（笑）」

「ミウの表情が、どんどんイキイキしてきたから、楽しくなってきたな
っていうのは、分かったわ。せっかくのお買い物だもの、楽しまないとね。
それに、ミウのイメージ、とっても良かったと思うわ。じゃ、そういう
テイストの服が置いてあるお店に行きましょう」

「うん！そうだね。どんな服にするのかを決めないと、どのお店に
行ったら良いのか、分かんないもんね。先にイメージが決まれば
お店も決まるから、闇雲に見て回るより時間の短縮になって、
無駄に疲れることもないもんね。やっぱり、イメージって大事だね。
今更だけど（汗）」

「そうよ。物事を効率的に進めることも大事。とはいっても、効率的で
あることが全てではないけどね。効率を度外視する必要がある時もある。
でも、今回は、効率を重視して、見て回りましょうね」

「は～い！」

やっぱり、どんなことでも最初にイメージした方が良いね。
行き当たりばったりっていうのもアリだとは思うの。だって私、ほとんど
そうだから（苦笑）でも、買い物で、それをやると疲れるだけで、
結局、何も見つけられずに閉店時間を迎えちゃったりするんだよね（汗）
何度も同じこと繰り返してきたのに、また、同じことをやらかすところ
だった（苦笑）

買い物だけじゃなくて、どんなことでも、何でも、現実として目の前に
現れる前には必ず、頭の中や心の中にあるものなんだよね。
だから、まずは、イメージして、頭の中や心の中で、先取りする必要が
ある。それさえあれば、あとは自然にそこまで導かれて行くからね。

だから、まずは、何が欲しいのか、どうなりたいのかってことを
自分に聞いてみないとね。それが全ての始まり、最初の一歩。
それさえハッキリすれば、あとは、どこに行ったら良いのか、何をしたら
良いのか、誰に会えば良いのかってことが全部分かるっていうか、
流れに乗れるっていうか、気がついたら、思い描いたところに
辿り着いてたって感じになる。

それで、そこから振り返ってみると、様々な偶然が重なり合って、
今に至ってるんだなってことが見えてきて、導かれてきたんだなっていう
実感も湧いたりして、ちょっと感動しちゃうんだよ（笑）それに、世の中に
偶然はないっていうから、偶然に見えてたことも、実は自分で引き寄せてたの
かも！？って思うと、ちょっと胸を張りたい気分にもなる（笑）

行き当たりばったりって、思いつきで行動してるように思ってたけど、
違うんだよね。ただ、イメージするのが面倒だとか、行けば何とかなる
じゃないけど、そんな感じで、実際には、何とかならないこともあったり
するんだよね（苦笑）

しっかりと先にイメージすれば、そのイメージ通りに進むために
色々なことが浮かんでくるから、そちらに従った方が、生産性が高いし、
効率的だと思う。さっきのアトランティーナの言葉じゃないけどね。

私も行き当たりばったりから卒業だな。だって、その方が絶対に
良いでしょ！面倒がらないで、一つ一つ、しっかりイメージしていこう！
そうすることで、自分でも気づかなかった自分の思いや願望を知る機会にも
なるもんね。それはつまり、自己愛への目覚めにもなるんじゃない？（笑）

うん、やっぱり、アトランティーナと一緒に来て良かったよ。
だって、ただ楽しいだけじゃないから。今、私、また一つ賢くなったような、
ワンランクアップしたような感じがして、めっちゃ気分良いもん（笑）


＜次回へ続く＞