ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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自分探検のススメ

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アトランティーナと一緒に家に帰ってくる。私にとっては、
とっても新鮮だったし、なんか嬉しかった。たぶん、大好きな人と
同じ場所に帰ってくるということが、言葉にならないほどの安心感と
喜びを与えてくれていたんだと思う。

二人で一緒に食事の支度をして、一緒にご飯を食べて、一緒に片付けを
する。その後、一緒にコーヒーを飲みながら、買ってきたケーキを食べる。
こんな当たり前の日常に幸せを感じるのって、私、ちょっと変なのかな?

「ね、アトランティーナ、ちょっと聞いても良い?」

「な~に?」

「今日、思いがけず外でアトランティーナにバッタリ会って、
一緒に帰ってきたでしょ?」

「そうね。ミウが思っていたより早く帰ってきたからね。本当は、買い物を
済ませて、家に戻っているはずだったのよ」

「そうだったんだ。じゃ、早く帰ってきた良かったな♪」

「私が家にいるより、外で会った方が良かったの?」

「うん!いつもは、アトランティーナが家で待っててくれるでしょ?
それも嬉しいんだけど、アトランティーナと一緒に同じ家に帰ってくるって
いうのが、めっちゃ新鮮だったし、理由は分かんないけど、すっごく
嬉しかったの。

たぶん、大好きな人、ずっと一緒に居たいって思ってる人と同じ場所に、
当たり前に帰ってくるってことが、言葉にならないくらい嬉しかったんだと思う。

いつもは、本当に当たり前にやってるけど、一緒に食事の支度して、
一緒に食べて、一緒に片付けして、それから一緒にコーヒー飲みながら
お喋りしてっていう時間も私にとっては、大切なことで、それも私の心を
満たしてくれてるんだなって、しみじみしちゃったのね。なんか、今日の私、
ちょっと変なのかな?(笑)」

「少しも変じゃないと思うわよ。ミウがそう感じるのは、太陽の蟹座と
月の蠍座が影響しているのね。蟹座は、家庭的な星だという話をしたのは
覚えているかしら?」

「うん!もちろん、覚えてるよ」

「蟹座も蠍座もたくさんの人と親しくなりたいとは思わない星座なの。
数少ない、自分が心から信じられる人と共に生きていきたいと願う星座。
だから、家族やパートナーといった、限られた人を大切に思うの。
その大切な人との何気ない日常に幸せを見出す星座と言えるわね。

だから、ミウが話したことは、その蟹座と蠍座の声って感じかしら。
だから、少しも変ではないのよ。むしろ、ミウが星から受けている影響を
素直に受け容れているということになるから、正解と言えるかしらね。
もちろん、正解も不正解もない話ではあるんだけど」

「そっか!そういうことなんだね。なんか、理由が分かって、ちょっとスッキリ
したかも。なんかさ、いきなり感傷的なモードに入っちゃって、さっき、
あまりに有り難すぎて涙が出そうになっちゃったんだよね(苦笑)」

「そうだったの。ミウにそんなふうに思ってもらえて、私は嬉しいわ。
ありがとう」

「ううん、私の方こそ、ありがとうだよ!」

「そして、もう一つ。そういう自分の心の動きも分析して、その答えを
求めるところは、乙女座の成せる技ね。ミウは、乙女座の影響も大きいからね」

「なるほどね。そういえば、今日も会社で、冗談言いながらも
五十嵐智美のことを観察してて、彼女のことを分析してたの。
それも無意識にね。それで、自分で、彼女のことを分析してる自分に気づいて、
『あっ、乙女座が活動してる!』って思っちゃって、ちょっと面白かったよ」

「星を知ると、そうやって自分の中で、どの星座がどのように活動して
いるのかが分かるから興味深いわよね」

「うん!自分のことなのに、人のことみたいで面白いなって思った」

「そうなのよ!星の勉強をすると、自分のことなんだけど、客観的に自分を見る
目線が生まれるっていうのかしら。だから、より深く自分のことを知ることが
出来るようになるのよね。それが、星の勉強をする意味でもあると私は
思っているわ」

「こうやって、まずは自分を知るために星の勉強を活かして行けたら
良いのかなって思った。それに慣れてきたら、今度は、周りに居る人のことも
見ていくことが出来たら、人間関係の構築に役立てることが出来るなって」

「そうよ!そうしたら、相手が受け容れやすい言葉や言い方を選ぶことも
出来るし、どんなことをしたら喜んでくれて、何をされたら不快に
感じるのかも分かるようになるから、争い事を減らすことが出来るわよね。

それだけじゃなくて、相手の良い理解者になることも出来るわ。
そうしたら、ミウみたいに深い部分で、相手と繋がりたいと思っている人に
とっては、更に幸せ感を堪能することが出来るわよね。ただ、みんながみんな、
深く繋がりたいと思っているわけではないということは、覚えておいてね。

ミウにとっての良好な人間関係は、距離が近い関係だと思うの。でもね、
距離を詰めなくても良好な関係を築くことが出来るんだって、星を知ると
理解しやすくなると思うのよ」

「うん、そうだね。でも、どんな気持ちで、相手との距離を詰めたく
ないと思ってるのかまでは分からないや(汗)ただ、近い距離を好まない人が
いるってことは、なんとなく理解してるつもり。火のエレメントとか、
風のエレメントだよね?」

「そうね。あと、地のエレメントもドライだから、あまりベッタリされるのは
好まないわよ」

「あっ、そうだった!(汗)水のエレメントと同じ女性宮だから、
つい同じように捉えちゃうけど、水はウェットだけど、地はドライだったね。
ってことは、火はウェットだけど、距離感は詰めちゃ行けないのはどうして?」

「火のエレメントは、エネルギーが外側に向かっているからよ。
それと、水と火のウェットは、ちょっと種類が違うのよ。火は闘うための
ウェットね。だから、相手をライバル視したり、一番を目指したり、
そういう方面に働くウェットなの。

水のウェットは、ウェットのイメージ通り、感情面のことを指すから、
そこが火と水の違いと言えるかしらね。水は、内側にエネルギーが
向かっているというところも違うしね」

「同じウェットでも、その方向性が違うと全然、意味合いが違って
きちゃうんだね。勉強になります。それに、私がちょっと感じた、
些細な感情の変化から、話がここまで膨らんで行くのも
アトランティーナだからだよね?小さなキッカケが大きな学びに
繋がっていくって、これも本当に有り難いと思う。
ありがとう、アトランティーナ」

「ミウの向上心の成せる技よね。幾つになっても『知りたい!』という
思いが強いことは、成長に繋がるから、その思いも忘れないで欲しいわね」

「好奇心ってヤツだよね?」

「そうね。ミウには、素直さと好奇心旺盛なところがあるからね」

「でもさ、好奇心旺盛って、双子座とか、射手座の専売特許だったような
気がするんだけど、私には、双子座も射手座もないよね?それなのに、
なんで、こんなに好奇心が旺盛なの?」

「ふふん、それはね。この間は勉強しなかったけど、ホロスコープの天頂、
円の上にある点ね、ここをMcって言うの。そこに、ミウは双子座が
あるのよ。このMcにある星座は、その人の人生を左右するくらい、
大きな影響を持っているの。

例えば、ジャンヌ・ダルク。彼女のホロスコープは、ほとんどが
山羊座なの。山羊座という星座、覚えているかしら?山羊座は、野心家では
あるけれど、極端な変化は好まないし、着実に一歩一歩を積み重ねていく
ことを大切にする星座。質実剛健という言葉がピッタリな星座でしょ?
だから、その山羊座メインのホロスコープを持っているジャンヌ・ダルクが
革命軍を率いていくなんて、想像すら出来ないことなの。

でもね、ジャンヌ・ダルクのMcには、牡羊座が居るのよ。牡羊座は、
フロンティア精神があって、直感型で思い立ったら、すぐに行動に
移したがる気性の持ち主。闘うことも厭わないし、前へ前へって進む星。
衝動的でもあり、攻撃的にもなる星座だから、このMc牡羊座が影響したから、
革命軍を率いて闘いに臨んだのだろうと読み解くことが出来るのよ」

「へぇ~。スゴイね!Mcっていうのがあるんだね。私の場合、そこに
双子座が居るから好奇心旺盛なんだ。あと、よく喋るのもその影響だったり
するのかな?(笑)」

「そうね、影響大アリね(笑)」

「だよね(笑)だって、私のホロスコープには、そんなによく喋る星座って
ないもんね。ま、蟹座は活動宮だし、人懐っこいのかもしれないけど、
私の場合とはちょっと違う気がしてたから、また自分の謎が解けて
良かった(笑)」

「そっか!ミウは、分析好きだから、謎だったのね!勉強したホロスコープの中に
風のエレメントに属する星座がないから、どうして、こんなに喋ることが
好きなんだろうって不思議だったのね」

「そう!そうなの!喋り好きって言ったら風の星座って単純に考えちゃって、
でも、勉強した中には風のエレメントに属する星座が皆無だったから不思議で
仕方なかった(苦笑)

それにしても、Mcってスゴイね。山羊座だらけのジャンヌ・ダルクに革命軍を
率いるように導いちゃうんだもんね。私もMcの双子座に喋らされてるのかも
しれないね(笑)」

「そうかもしれないわね(笑)」

「でもさ、星を知るだけで、歴史上の人物が何を思って、何を感じて、
行動したのかまで分かるっていうのもスゴイよ!星のこと、ますます好きに
なったし、面白くなってきた!」

「日本の歴史上の人物は、生年月日がはっきりしない人が多いから、
あまり見ることは出来ないんだけど、西洋に関しては、生年月日が
残っているから、見ることが出来るわね」

「じゃ、フランス革命のマリー・アントワネットとルイ16世、
フェルセン伯爵のことも?」

「ええ。ホロスコープを読み解くと、手に取るように見えてくるわよ。
今度、時間がある時にでも見てみたら良いわよ」

「うん、見てみる!めっちゃ興味ある!星って、マジでスゴイね!」

「そうね、自分を知るツールとしては一番お手軽で、分かりやすいのかも
しれないわね。勉強して、当てはめていくだけで、答えに辿り着くことが
出来るからね。

じゃ、今夜はこのくらいにして、明日に備えた方が良いんじゃない?
お風呂もゆっくり入って、疲れを取りながら、ホームエステでもしたら?(笑)」

「うん!自分探検がこんなに面白いものとは思ってなかったよ。
これもアトランティーナのお陰!ありがとう!」

「いいえ、どういたしまして。だから、ミウ、お風呂よ、お風呂!ゆっくり
入って、キレイに磨いてらっしゃい」

「ねぇ、それって明日、藤崎さんと食事に行くからだよね?」

「そうよ。出来ることはしておきなさい。明日になって、『もっと、お肌の手入れ
しておけば良かった!』とかって思うのは、イヤでしょ?せっかく、お気に入りの
お洋服を買ったんだから、ミウ自身も磨いておいた方が良いんじゃない?
そうじゃないと、洋服に失礼よ」

「確かに!めっちゃ気に入った服だから、あの服に負けないようにキレイにして、
洋服が引き立つようにしなくちゃだね」

「ミウが洋服を引き立たせてどうするのよ!(笑)洋服にミウを引き立てて
もらわなくっちゃ。でも、そのためにもミウが出来ることをしておかないとね」

「は~い!じゃ、お風呂入ってくるね」

「ええ、そうしてちょうだい。それで、私が出るのを待たなくて良いから、
早めに寝なさいね」

「うん、分かった!でも、明日はアトランティーナとご飯一緒じゃないんだね」

「そんな寂しそうな顔しないの!もう二度と一緒にご飯を食べられない
わけじゃないんだから(笑)」

「まぁ、そうなんだけどね(苦笑)」

「明日は明日で、楽しい時間を過ごしていらっしゃい。報告を楽しみに
しているから」

「そうだよね。うん、分かった!アトランティーナ、ありがとう!」

「どういたしまして」


<次回へ続く>
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