ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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無理強いしても誰も幸せになれないから

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スーツ姿の弦ちゃんしか見たことなかったことも緊張を煽ったと思う。
私服だと雰囲気が変わるんだね。って、当たり前か(苦笑)
なんか、違う人に見えた。でも、服のセンス、悪くないかも。っていうか、
自然体って感じなのが良いのかもしれない。

ほら、会社員で、いつもスーツ着てる人って、私服があり得ないくらい
ダサかったり、『その服、いつの時代に買ったの!?』っていう感じの人、
結構いるでしょ?でも、弦ちゃんが私服で来るっていうの、私の中から
完全に抜けてたわ。でも、そうだよね。だって、今日は、休日なんだもん。

女の人は、制服がない限り、会社に行く時も私服でしょ?ま、多少は、
家に居る時と雰囲気違うかもしれないけど、スーツから私服に比べれば、
そこまでの違いはないと思うんだけど、男性は、まるっきり変わるよね。

それに、今日の弦ちゃん、髪型もちょっと違うかも!?なんか、
『仕事の時に見てる弦ちゃんより、ちょっとカッコイイ?』って
思っちゃった。ヤバイ、もしかしたら今、私、顔が赤くなってるかも。
これはまた、アトランティーナにからかわれるかもしれない(汗)

「ミウ、いつまで玄関に立たせておくつもり?早く入ってもらいなさい」

「あっ、ごめんなさい。なんかボゥ~っとしちゃって(苦笑)
どうぞ、お入りください」

「あ、ありがとうございます。では、失礼します」

「な~に、二人して畏まって。初対面ってことでもないんでしょ?(笑)
早く入ってらっしゃい」

「あっ、アトランティーナ!?」

「そうだけど、何か・・・」

「いや、人間の姿になっているアトランティーナに会うのは初めて
だから・・・。でも、雰囲気は、変わりませんね(苦笑)お久しぶりです」

「ホント、久しぶりね、弦夜。元気そうで何よりだわ。ウチのミウが
お世話になっているそうで」

「ね、アトランティーナ、そんなに圧かけないでよ(苦笑)」

「別に、圧をかけているつもりはないわよ。それより、さっきの二人、
ぎこちなかったけど、いったいどうしちゃったの?」

「あの・・・スーツ姿の弦ちゃんしか見たことないから、私服姿に
驚いたのと、髪型も仕事の時と違うから、ちょっとビックリ
しちゃって・・・(苦笑)」

「あっ、僕もです!仕事の時にしか会ったことないから、服もそう
ですけど、雰囲気も全然違って、ちょっと戸惑ってしまいました(苦笑)」

「な~んか、初々しくて良いわね。でも、ミウ、仕事の時と、そんなに
変わらないと思うんだけど、やっぱり、男性目線だと違うのかしらね」

「あっ、そっか。アトランティーナは、以前、ミウさんの会社で部長を
していたことがあったんでしたっけ?その話は、ミウさんから聞きました」

「そうなの。でも、1年くらいだったかしらね。その後、サナト・クマラに
来てもらって、引き継いだのよ。レオンも彼と同じタイミングで、
ミウの会社に入れたの」

「あっ、そうだったんですか!ミウさんの部長には、まだお会いする
機会がなかったので、お会いしたことないんですけど、サナト・クマラが
部長なんですね。って、スゴイ会社ですね(苦笑)」

「あっ、イベントの時は、部長も顔を出すと思うので、その時に会えると
思います」

「ね、二人とも、いつもそんな調子で話しているの?なんか、
堅苦しくない?」

「ええ、僕もそう思って、ミウさんに少し崩しましょうって
話したんですが・・・」

「ミウが直らないのね?ミウ、恋人同士になったんでしょ?少しは、
言葉遣い、変えた方が良いと私も思うわよ」

「そんなこと言われても、急には変えられないよ!そのうち、徐々に
変わっていったら良いのかなって。それに、呼び方は、藤崎さんから
弦ちゃんに変えたワケだし、今は、それで勘弁して頂けると有り難いです」

「ま、弦夜が良いんだったら、それで良いけど。どうなの?弦夜は」

「あっ、僕も焦らなくてもミウさんのペースで良いかなって(苦笑)」

「そう、それなら良いわ。ところで弦夜、デザートは何を買ってきたの
かしら?」

「そうでした!今日は、昼と夜の2食をこちらで頂こうと思っているので、
2回分のデザートを選んできましたよ。こちら、確認してください!」

「ミウも確認する?」

「ううん。アトランティーナの確認で。あ・・・でも、やっぱり、
ちょっと見てみたいかも(笑)」

「ミウさんもアトランティーナと一緒に確認してください」

「うん、分かった。デザート買って来てくれてありがとう」

「いいえ、どういたしまして」

「うん、今の二人の感じ、とっても良いと思うわよ。雰囲気が柔らかくて、
周りにいる人にも幸せのお裾分けをしている感じ。今の感じを忘れないで
いれば、良い関係を築いていけると思うわよ」

「ありがとうございます!」

「だから弦夜、硬いって(笑)アトラン国に居る頃は、そんな感じじゃ
なかったでしょ?元祖人タラシって感じだったじゃない(笑)」

「えっ、人タラシ?」

「そう。誰にでも好かれるタイプ。というより、相手に合わせて態度を
器用に変えられるのよ。といっても、別に人を騙したりしていたわけでは
ないけどね。仮にも守護天使だったわけだから、悪いことはしていないわよ。

ミウには、話したことがあったかしら。今は、守護天使を目で見ることは
出来ないけど、アトラン国では、守護天使の姿を見ることが出来たの。
だから、弦夜は、ミウの守護天使だったんだけど、他の人たちからも
愛されていたのよ」

「あっ、それで、チェリーのお気に入りだったの?」

「そうなのよ!チェリーも弦夜のこと、大好きだったものね。
たぶん、ミウの守護天使の中で、弦夜のことが一番好きだったと思うわよ。
といっても、恋愛感情ではないけどね。弦夜は、ミウの寂しさとか、
悲しみに寄り添う役割だったから、それで、ミウのことが大好きだった
チェリーは、ミウが辛い時に寄り添ってくれる弦夜のことが大好きだったの」

「へぇ~、そうだったんだ。チェリーは、私ありきの理由で、
弦ちゃんのことが好きだったんだね。チェリー、ありがとう」

「いいえ、どういたしまして。弦夜、久しぶり。私の声、聞こえる?」

「もしかして、チェリー?うわぁ、久しぶり!元気だった?」

「うん、元気だった・・・って言って良いのかな?(苦笑)ミウが海に
沈んだ後、ずっとミウのことを空から探していて、それで、命が尽きた時に
アトランティーナが天界に迎えてくれたの。だから、ドラゴンだった時の
最後は、傷だらけでひどい状態だったと思う(苦笑)でも、こうしてまた、
ミウに会えたから、今の私は、とっても幸せよ」

「そっか。僕たちはミウさんが海に沈んでしまった時点で、お役御免に
なったから、その後のことは、何も知らなくて・・・。力になって
あげられなくて、ごめんね」

「ううん、弦夜が謝ることじゃないから。でも、ありがとう」

「チェリーにも会いたかったけど、ドラゴンの姿で、現れるわけにも
いかないもんね(苦笑)」

「そうなの。アトランティーナが、別の姿になることを提案して
くれたんだけど、私はやっぱり、ドラゴンレディーだったミウのことが
大好きだったから、ドラゴンの姿にこだわってしまって、アトランティーナ
からのせっかくの申し入れを断ってしまったのよ」

「えっ、チェリー、そうだったの!?」

「ええ、そうよ。ミウに話していなかったっけ?」

「うん、初耳だよ!そうだったんだ・・・」

「チェリーは、ミウと話が出来て、ミウのことを見守ることが出来れば、
それで充分だって言っていたのよ。ずっと探していたミウを感じられれば、
それで満足だって。

私は、別の姿になってでも、ミウの前に現れて欲しいと思ったんだけど、
無理強いしたところで、誰も幸せにはなれないものね。だから、チェリーの
意思を尊重したの。」

「そうだったんだ。確かに、チェリーに会いたかったけど、いつも
傍で見守ってくれてることは感じるし、傍に居てくれることも感じてる。
チェリー、いつも本当に感謝してるよ。ありがとう」

「ううん、私の方こそ。それに、今日は弦夜とも話が出来て、私は、
本当に幸せ。じゃ、今日は、アトランティーナと三人で楽しんでね」

「チェリーは?」

「私は、今日は遠慮するわ。また今度ね」

「チェリー、それで良いの?一緒に話をすることは出来るでしょ?」

「ありがとう、アトランティーナ。でも、私は、聞いているだけで充分。
アトランティーナからの申し入れを断ったのだから、これで良いのよ」

「分かったわ、チェリー。じゃ、気が向いたら、会話に参加すると良いわ」

「ありがとう、アトランティーナ。ミウ、弦夜、じゃ、またね」

「うん、チェリー、来てくれてありがとう!」

チェリーにそんな事情があったなんて知らなかった。チェリーも
ドラゴンじゃない、別の姿で現れてくれたら良かったのにって、
全然思わないワケではないんだけど、ドラゴンの自分、そして、
ドラゴンレディーの私を大切にしたいっていう気持ち、
なんとなくだけど、分かる気もするんだ。


<次回へ続く>

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