ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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ぶっちゃけちゃうことが大事

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アトランティーナの話を聞いて、恋愛に伴うセックスについて、
今までちゃんと考えてこなかったなって思った。つきあったら
するもんだと思ってたっていうか(苦笑)

確かに行為そのものは嫌いじゃないけど、セックスによって、より深く
愛が深まったっていう感じではなかったような気がするんだよね。
私っていうより、相手の私に対する扱いが雑になり始めるキッカケ
みたいな感じっていうのかな。私は、する前と後で態度を変えた覚えは
ないから。

でも、そう考えると、っていうか、思い出したらちょっと悲しくなった。
だから、セックスって、私にとっては幸せなものではなかったような気がする。
それで今は、少しだけセックスに対して恐怖心を持ってしまったみたい(汗)
恐怖心って言ったら、少し大袈裟かもしれないね。ただ、ちゃんと私の中で
深い愛を感じることが出来るのか自信がないって感じかな(苦笑)

あ~、またここでも自信のなさが顔を出してる(汗)ホント、自信って、
ありとあらゆることに影響を与えるものなんだね(苦笑)極論かもしれないけど、
自信が持てたら、もっと色々なことを叶えられて、満足感を得られるように
なるのかもしれないよね。

「弦ちゃんが相手だから怖いっていうことではないんだよね(汗)
相手が誰であっても同じっていうか・・・。私、今まで、セックスして
楽しいって思ったことがないの。あと、さっきアトランティーナが言ってた
<他では味わえないほど、深い幸せと充足感に包まれる>っていうのも
分かんないんだよね(苦笑)

そんな私が、これから、アトランティーナが言うようなセックスを経験できる
のか、不安だし、もしかしたら、私に原因があるのかなとも思っちゃったり
してね。結局、私の自信のなさが原因なんだろうなって思うんだよね(苦笑)」

「なるほどね。良かったわね、弦夜。弦夜が傷つく必要はないみたいよ(笑)
ま、確かに、ミウは、何においても自信がないものね(苦笑)でも、別に焦る
必要はないのよ。あなた達は、昨日、おつきあいをしようという話になった
ばかりでしょ?おつきあいをすることになったから、すぐにセックスを
しなければいけないということはないんだから。

弦夜だって、もう大人なんだし、欲望に支配されるようなこともないと思うから、
ミウの心の準備が出来てからで大丈夫よ。弦夜だって、今、ミウのことを
心の底から深く愛しているかって聞かれたら、おそらく、<はい!>とは
言えないはず。お互い様なんだから、気にする必要はないわ」

「ま、それは、そうかもしれませんね(苦笑)ミウさん、問い正すようなことを
言って、すみません。気にしないでくださいね」

「あ、ありがとうございます」

「あと、今後のために、もう一つだけ言っておく。セックスに関して、
色々なマニュアルや噂レベルの話もあるけど、ああいうものを信じないこと。
10人居たら、10個の価値観があるのと同じで、人それぞれで違うの。
身体の作りは同じでも、細かいところは違うから、お互いに、どこが感じるのか、
どこをどうされたら良いのかを話し合うことも大切よ。

だから、恥ずかしいという気持ちは捨てないとね。恥ずかしいと思っていたら、
そういう話し合いも出来ないでしょ?つまり、ぶっちゃけちゃうことが
大事ってことよ(笑)

セックスを通して、お互いしか知らない、お互いのことをより深く知る。
正に究極の秘密を共有するということよね。そういう点でもセックスは、
お互いの絆を深める、とても良いツールだと思わない?

身体のことだけじゃないわ。どんな環境でするのが、一番好きなのかもお互いに
知っておくと良いわよね。電気を消して、真っ暗の中が良いのか、
間接照明くらいはあった方が良いのか、それともアロマキャンドルを焚いて、
火が作り出す温かい灯りと仄かな香りの中が良いのか・・・色々あるじゃない?
ま、色々な場所と環境を二人で試してみても良いんじゃない?

人生は、どんなことでも楽しみながら取り組むのが一番!それは、セックスも
例外じゃないのよ。セックスは、愛し合う二人の神聖な儀式であって、決して、
汚いものでもないし、いけないことでもないし、恥ずかしいことでもない。
セックスを通して、自分自身とお互いへの理解と愛情を深めることもセックスの
目的なの。子孫繁栄だけがセックスの目的ではないということを忘れないでね」

「なんか、深いね」

「そうよ!上辺だけをなぞっているだけでは見えないこと、分からないことが
あるということは、ミウも理解しているでしょ?セックスも同じよ。

どう?弦夜もセックスに関して、少しは意識が変わった?というより、あなたは、
元々は守護天使なんだから、私がいうまでもないわよね(苦笑)」

「ま、そうなんですけど。でも、今は人間なので、改めて勉強になりました。
守護天使だった時は、自分には全く関係のないことだったし、あまり興味も
無かったので、正直、そこまで考えたことはありませんでした。

それが人間になって、目の前に突きつけられて、どうしたら良いのか、
戸惑ったのも事実です。思春期の頃は、湧き上がる欲求に対して、不本意では
あるものの、無視することも出来なくて、ちょっと苦しかったこともありました。
もっと早く、今の話、聞きたかったですよ(笑)

でも、これからでも遅くないし、ちょっと楽しみにもなってきました。
だからと言って、急ぐつもりはありません。ミウさんと二人で、しっかり話を
しながら、二人にとって、良い関係を築いて行くためのツールの一つとして、
活用していきたいと思っています。アトランティーナ、ありがとうございました」

「って、弦夜は言っているけど、ミウはどうかしら?」

「うん、私も・・・そうかも。今までは、なんか、よく分かんないままって
いうか、流されてしてたなって思う。だから、正直、行為そのものは嫌いじゃ
ないけど、楽しいとも思わなかったっていうか(苦笑)それは、自分の意見が
言えなかったからなんだなって思った。女が、セックスについて語るなんて、
はしたないっていうか、いけないことだと思ってたからね(苦笑)

でも、一人の人間として、神さまが与えてくれたツールなんだから、有効活用
していきたいなって思った。それに、さっきアトランティーナが話してくれた、
アロマキャンドルを焚いた中でって、ちょっと試してみたいと思った(笑)
だって、なんだか、ちょっとステキじゃない?映画の主人公になったみたいな
気分が味わえそうだし(笑)

そうやって、自分たちだけで楽しめる、秘密の儀式っていう意識で、関わって
行きたいなって、今は思ってる。ステキな話をありがとう、アトランティーナ」

「いいえ、どういたしまして」

「僕もアロマキャンドルを焚いた中でするって、ちょっと気になったよ。
じゃ、いつか、試してみよう!アロマの香りによっても感じ方が違うから、
色々試してみたら、面白そうだよね」

「そうなの!ラベンダーとか、ローズとか、その香りだけで、ロマンティックな
雰囲気を演出できそうだよね!」

「ミウ、ロマンティックな演出なら弦夜の得意分野だから、任せても良いと
思うわよ。せっかく魚座がたくさんあるホロスコープを選んできたんだから、
ここで活用しないなんて勿体ないわよね、弦夜」

「ま、確かに・・・そうかもしれませんね(苦笑)では、ここからは
魚座を活かすことも考えながら、やっていきたいと思います!(笑)」

「よろしい(笑)アロマキャンドルなんだけど、香りでオススメなのは、
イランイラン、ジャスミン、ゼラニウム。もちろん、ローズもオススメだし、
ラベンダーも良いわね。

ちなみに、インドネシアでは、新婚初夜のカップルのベッドにイランイランの花を
撒くのよ。催淫効果があるから、盛り上がって良いんじゃないかしら。

あとは、女神の中には、男女関係を専門にしている存在もいるから、
彼女たちにアドバイスを求めるのも良いかもね。アフロディーテ、イシス、
ペレ、フレイアとかなら、良いアドバイスをくれそうよ。でも、みんな個性的で、
大胆な女神だから、面食らっちゃうかもしれないけどね(笑)もちろん、私も
いつでも相談に乗るから安心してね」

「ありがとう、アトランティーナ。ホント、アトランティーナって
オールマイティーだよね」

「そうよ、一応、私、最高位天使のセラフィムだから(笑)」

「天使って、最高位でも、こんなに気さくで良いよね(笑)」

「いやいや、アトランティーナは特別だから(笑)他のセラフィムには、
話せないし、話す以前に会えないからね(苦笑)」

「へぇ~、そういうもんなの?」

「そうだよ。セラフィムは、いつも神さまの傍に居て、僕たちは近づけない。
だから、アトランティーナの方から僕たちに近づいてくれるんだよね」

「ま、私は愛の天使だから。って、天使はみんな愛で出来ている存在
なんだけどね(笑)」


<次回へ続く>
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