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ご縁を奇跡に育てる?
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ベッドルームから洗面所までダッシュで駆け抜けた(笑)弦ちゃん、
起きてたっぽいけど、ちゃんと見てないから分かんないや(汗)
洗面所に行くとアトランティーナが、すでに居て、駆け込んで来た私に
ビックリしてた(笑)
「おはよう!アトランティーナ」
「お、おはよう、ミウ。いったい何事なの!?」
「いや、すっぴんだから、弦ちゃんに見られたくなくて(苦笑)」
「あははは。そういうこと?昨夜は、どうしたの?」
「昨夜は、弦ちゃんに<見ないでね>って念押しした(汗)」
「それで、弦夜は見ないでいてくれたのね?それで今は?
弦夜は、もう起きていた?」
「う~ん、起きてたっぽいけど、ちゃんと見てないから分かんない(笑)」
「まったく・・・しょうがないわね(苦笑)でも、ミウにも、
そういう女の子らしいところがあって、少し安心したわ」
「えっ、アトランティーナ、私のこと、どんなふうに思ってたワケ!?」
「すっぴんとか、そういうの、あんまり気にしないのかなって思って
いたわ(笑)」
「一応、気にするよ!」
「でも、良いと思うわよ。すっぴんを見せることが悪いことだとは思わない
けど、少しでも弦夜の前ではキレイでいたいって思ったということでしょ?
そういう気持ち、これからも大事にしてね」
「うん!あっ、そういえば、ママもそうだったって、パパが言ってたような
気がする」
「あら、そうなの?」
「うん。パパが仕事から帰って来ると、いつもママが化粧したてみたい
だったんだって。それで、パパが、そういうことは、あまり聞いちゃ
いけないのかなって思いながらもママに聞いたらしいの。そしたらママが
恥ずかしそうに、パパが帰って来る時間になると化粧直しをしてるって
白状したんだって。なんかママ、可愛いよね」
「そうね。それで、お父さんは、どう思ったって?」
「やっぱりパパもママのそういうところ、可愛いって思ったし、大事に
しようって思ったって言ってた」
「そう。ステキな話ね。でもね、誰かのことを大事にしようと思うのって、
そういう些細なことがキッカケだったりするのよね。
帰って来る時間を見計らって化粧直しをするって、そんなに大変なことでは
ないじゃない?でも、お父さんが帰って来る時間を気にしている必要はある
わよね?少なくとも、お父さんが帰って来る時間には、手を空けておくように
1日を組み立てていたと思うから。そこまでしてくれるところに、お父さんは、
お母さんの愛を感じたのよ」
「え~、ウチのパパ、そこまで敏感だったのかなぁ?(苦笑)」
「ミウ、良いところに気がついたわね。普段は、細かいところに気がつかない
のに、お母さんのことには気づいていたのだとしたら、そこからお父さんの
お母さんへの愛の深さが分かると思わない?」
「確かに・・・。そうだね、パパは、ぶっきらぼうな方だったし、鈍感なところが
あったけど、ママのことに関しては、マメっていうか、よく気がついてたと思う。
私はまだ小さかったから、よく覚えてないこともあるけど、パパからママの話を
聞いてた時、『このパパが、よくそんなことに気づいたなぁ』って感心したことが
何度もあったもん(笑)」
「でしょ?ステキなご夫婦よね、ミウのご両親は。お母さんは、お父さんに
愛されているという実感があったんでしょうね。でも、そこに胡座をかくのでは
なくて、そんなお父さんの愛に応えたくて、出来るだけ、お父さんの前では、
キレイでいたいと思ったんだと思うわ。
ミウのお父さんは、そういうお母さんの気持ちを感じたから、より深く大事に
しようって思ったんでしょうね。もちろん、お母さんが化粧直しをしてキレイで
いてくれたことにも感謝していたはずよ。
でも、キレイでいてくれること以上に、お母さんの自分に対する愛に
感動したんだと思うし、嬉しかったのよね。だから、より深くお母さんの
ことを愛したんだと思うわよ」
「だからパパは、ママが死んじゃった後も再婚しなかったのかな?」
「そうなんじゃない?お母さん以上に愛せる女性が現れなかったのよ。
それと、愛する女性が残してくれたミウを大切に育てることが、
お母さんへの愛情表現でもあったのかもしれないわね。ミウをお母さんの
代わりにしたわけではないけど、ミウを大切にすることが、お母さんを
大切にすることだって思ったんじゃないかしら」
「ふぅ~ん、そんなに深く愛し合ってたんだね。なんか、羨ましいかも」
「そういう深い愛情で結ばれたご両親を持つミウは幸せ者よ。実感がないかも
しれないけど(苦笑)お互いに相手を深く愛して、大事にして、絆を育んで
いたなんて、本当にステキなご夫婦よ。
ミウは、恋愛なんて興味ないって言っていたけど、本当は愛情深い人で、
誰よりも愛すること、愛されることを望んでいたはずなの。ただ、なぜか自分を
蔑んで、愛せなかったから、ミウが望んだような関係を築くことが出来なかった
からイヤになってしまっただけなの。
そうそう、愛されたいって思いながら、自分からは愛そうとしない人、結構多い
でしょ?あれはダメね(苦笑)愛に限ったことではないけど、どんなことでも、
自分が欲しいものは、まず自分から差し出さないとね。いつでも発信は自分から。
それが出来れば差し出したものよりも多くのものが自分に返って来るわ。愛され
たかったら、愛しなさいって聞いたことがあるでしょ?そういうことよ」
「うん、聞いたことある。それって、良いことだけじゃないよね?自分が発信した
もの以上が返って来るっていう話。例えば、憎しみとか怒りも発信したら、
発信した以上の憎しみと怒りが返って来るんでしょ?」
「そう、その通り!さすがミウね」
「それと、例えば、自分がAさんに愛を捧げてもAさんから愛が返って来るワケでも
ないんだよね?ってことは、ウチのパパとママは、とっても幸せだったってことに
なるね。だって、ママがパパに愛を捧げたら、パパからその愛が返ってきたワケ
でしょ?パパが先にママに愛を捧げたのかもしれないけど、どちらにしても
それって、奇跡に近いことのような気がする」
「そうね。それ以前に、誰かのことを好きになって、その誰かも自分のことを
好きになるということが、すでに奇跡なのよ」
「えっ、そうなの!?」
「そうよ。みんな、当たり前のように感じているかもしれないけど、奇跡なのよ。
だから、ご縁は大事にして欲しいわね。でも、いくらご縁があっても、それを
奇跡に育てられるかどうかは本人次第。ミウと弦夜もそう。だって、ミウは
レオンと出会ったけど、つきあおうとは思わなかったでしょ?弦夜の方も
五十嵐智美と出会ったけど、つきあおうとは思わなかった。ね?」
「あっ、そういえばそうだね(汗)互いに好意を寄せるってことが、もう奇跡
なんだ!だとしたら、せっかく互いに好意を寄せ合って結ばれたんだから、
そのご縁は大事にしないと勿体ないってことだよね?」
「そうね。そういう意識で相手と向き合い続けることが出来たら、ステキな
関係を築いていけるんじゃないかしら?」
「ウチのパパとママみたいに?」
「そ。そういうこと。ところで、ミウ、化粧もここでするの?」
「うん!化粧道具も一式持ってダッシュしたから(笑)」
「そ。じゃあ、弦夜のことは足止めしておくわね」
「うん、お願いします」
アトランティーナは、それだけ言うとサッサと洗面所を後にしたんだけど、
そういえば、アトランティーナもちゃんと化粧してたような気がする。
やっぱり、化粧って身だしなみの一つなんだよね。たかが化粧、されど化粧
ってことだよね。
もちろん、いつもすっぴんっていう人もいて、アトランティーナが言う
ように、それが悪いことだとは思わないけど、私はやっぱり、ちゃんと
化粧してたいなって思うんだよね。
前につきあってた彼の中に化粧があまり好きじゃない人がいて、私が化粧を
する度に<ホント、化粧が好きだよね(苦笑)>って、呆れながら
言ってくる人がいたの。確かに化粧は好きなんだけど、なんで、化粧するのが
好きなのかなぁって考えた時、思い出したことがあったんだよね。
私、子供の頃、塗り絵が好きだったの。お姫さまとか、妖精とか、お城とか。
ちょっとファンタジーっていうか、現実にはないものの塗り絵が好き
だったんだよね。現実にあるものだと色が制限されちゃう感じがするでしょ?
でも、ファンタジー系だと想像しながら、色の組み合わせを考えたりするのが
楽しくて、時間を忘れて、いつも塗ってたような気がする。
だから、化粧も塗り絵の延長線上にあるんじゃないかなって思うんだ。
自分の顔をキャンバスにして、塗るって感じ?(笑)とはいえ、アイシャドー
とか、チークとか、口紅とか、色モノは、あんまり使わないんだけどね(苦笑)
でも、化粧すると顔が変わるじゃない?変身願望もあるのかな、私。
あっ、でも、異人館とか、映画村に行くと衣装を貸してくれて、写真も
撮ってくれたりってあるでしょ?あれも好き!ってことは、塗り絵の延長線上
ではなくて、変身願望の方が強いってことなのかな?ま、どっちでもいっか(汗)
きっとね、自分以外の誰かになりたいっていう欲求があるんだと思う。
だからといって、自分を蔑ろにしているということではなくてね。たまに、
他人の人生が羨ましくなることってあるじゃない?身近に居る人もだけど、
有名人とか、やっぱり憧れたりするもんね(汗)
でも、前に映画で、大富豪の息子を殺して、自分がその大富豪の息子に
なりすますっていうのがあったんだけど、あの映画を観た時に、もし、私が
誰かの人生を生きることが出来たとしたら、誰の人生が良いかなって
考えたんだよね。色々な人が浮かんでは消えってして、結局、自分が一番
良いなって思ったの。
憧れる有名人とかもきっと影では大変なこともあると思うんだ。きっと、
今の私には想像もつかないような苦しいこととか、悲しいことも
あるんだろうなって思ったら、自分の人生が、とっても愛おしくなったの。
その時、『私は、私が思ってるほど、自分のことがイヤじゃないし、
自分の人生が好きなんだな』って思ったら、ちょっとホッとしたんだ。
それで、もっと自分の人生が好きになれるような生き方をしていこうって、
改めて心に誓ったの。今、思い出したよ。
手は化粧をしてるのに、頭は、全然違うこと考えてた(汗)こうやって、私は、
たまにどこかに飛んで行っちゃうんだね(汗)でも不思議。化粧とは、
全然関係ないこと考えてたのに、いつも通りに化粧してるんだもん。
人の身体って、ホントにスゴイよね(笑)
人の身体もスゴイけど、ウチのパパとママの話もスゴかったなぁ。
っていうか、本人たちから聞いたワケじゃないんだけどね(汗)
今回もひょんなことから、話が飛んで、ウチの両親の話になったけど、
これもまた必然だったんだなぁって思った。だって、今の私には、
めっちゃタイムリーな話で、大きな収穫だったから。
誰かのことを好きになることって、本当はステキなことなんだなって、
改めて思った。それと同時に、ウチのパパとママみたいな関係を築いていく
ことが出来たら良いなとも思った。でも、またいつもの悪いクセなのかも
しれないけど、私に出来るのかなっていう思いもある(汗)
あ~、もうっ!ダメじゃん。分かってるなら、そう思う前に
止めなきゃだよね(笑)不安は、ただの影。それに実体を与えるのは、
思いなんだよ。だから、思い続けたらダメ。一瞬、思ったとしても、
すぐに取り消さなきゃ。
だって、望んだことは、叶うことなんだよ。神さまは、叶えられないことを
望ませるほど残酷じゃないって、誰かが言ってたような気がする(汗)
だから、ウチのパパとママみたいな関係を私も誰かと築くことが
出来るっていうこと。それは、私にとって、今まで想像したことが
ないくらい幸せで、ステキな未来だなって思う。
<次回へ続く>
起きてたっぽいけど、ちゃんと見てないから分かんないや(汗)
洗面所に行くとアトランティーナが、すでに居て、駆け込んで来た私に
ビックリしてた(笑)
「おはよう!アトランティーナ」
「お、おはよう、ミウ。いったい何事なの!?」
「いや、すっぴんだから、弦ちゃんに見られたくなくて(苦笑)」
「あははは。そういうこと?昨夜は、どうしたの?」
「昨夜は、弦ちゃんに<見ないでね>って念押しした(汗)」
「それで、弦夜は見ないでいてくれたのね?それで今は?
弦夜は、もう起きていた?」
「う~ん、起きてたっぽいけど、ちゃんと見てないから分かんない(笑)」
「まったく・・・しょうがないわね(苦笑)でも、ミウにも、
そういう女の子らしいところがあって、少し安心したわ」
「えっ、アトランティーナ、私のこと、どんなふうに思ってたワケ!?」
「すっぴんとか、そういうの、あんまり気にしないのかなって思って
いたわ(笑)」
「一応、気にするよ!」
「でも、良いと思うわよ。すっぴんを見せることが悪いことだとは思わない
けど、少しでも弦夜の前ではキレイでいたいって思ったということでしょ?
そういう気持ち、これからも大事にしてね」
「うん!あっ、そういえば、ママもそうだったって、パパが言ってたような
気がする」
「あら、そうなの?」
「うん。パパが仕事から帰って来ると、いつもママが化粧したてみたい
だったんだって。それで、パパが、そういうことは、あまり聞いちゃ
いけないのかなって思いながらもママに聞いたらしいの。そしたらママが
恥ずかしそうに、パパが帰って来る時間になると化粧直しをしてるって
白状したんだって。なんかママ、可愛いよね」
「そうね。それで、お父さんは、どう思ったって?」
「やっぱりパパもママのそういうところ、可愛いって思ったし、大事に
しようって思ったって言ってた」
「そう。ステキな話ね。でもね、誰かのことを大事にしようと思うのって、
そういう些細なことがキッカケだったりするのよね。
帰って来る時間を見計らって化粧直しをするって、そんなに大変なことでは
ないじゃない?でも、お父さんが帰って来る時間を気にしている必要はある
わよね?少なくとも、お父さんが帰って来る時間には、手を空けておくように
1日を組み立てていたと思うから。そこまでしてくれるところに、お父さんは、
お母さんの愛を感じたのよ」
「え~、ウチのパパ、そこまで敏感だったのかなぁ?(苦笑)」
「ミウ、良いところに気がついたわね。普段は、細かいところに気がつかない
のに、お母さんのことには気づいていたのだとしたら、そこからお父さんの
お母さんへの愛の深さが分かると思わない?」
「確かに・・・。そうだね、パパは、ぶっきらぼうな方だったし、鈍感なところが
あったけど、ママのことに関しては、マメっていうか、よく気がついてたと思う。
私はまだ小さかったから、よく覚えてないこともあるけど、パパからママの話を
聞いてた時、『このパパが、よくそんなことに気づいたなぁ』って感心したことが
何度もあったもん(笑)」
「でしょ?ステキなご夫婦よね、ミウのご両親は。お母さんは、お父さんに
愛されているという実感があったんでしょうね。でも、そこに胡座をかくのでは
なくて、そんなお父さんの愛に応えたくて、出来るだけ、お父さんの前では、
キレイでいたいと思ったんだと思うわ。
ミウのお父さんは、そういうお母さんの気持ちを感じたから、より深く大事に
しようって思ったんでしょうね。もちろん、お母さんが化粧直しをしてキレイで
いてくれたことにも感謝していたはずよ。
でも、キレイでいてくれること以上に、お母さんの自分に対する愛に
感動したんだと思うし、嬉しかったのよね。だから、より深くお母さんの
ことを愛したんだと思うわよ」
「だからパパは、ママが死んじゃった後も再婚しなかったのかな?」
「そうなんじゃない?お母さん以上に愛せる女性が現れなかったのよ。
それと、愛する女性が残してくれたミウを大切に育てることが、
お母さんへの愛情表現でもあったのかもしれないわね。ミウをお母さんの
代わりにしたわけではないけど、ミウを大切にすることが、お母さんを
大切にすることだって思ったんじゃないかしら」
「ふぅ~ん、そんなに深く愛し合ってたんだね。なんか、羨ましいかも」
「そういう深い愛情で結ばれたご両親を持つミウは幸せ者よ。実感がないかも
しれないけど(苦笑)お互いに相手を深く愛して、大事にして、絆を育んで
いたなんて、本当にステキなご夫婦よ。
ミウは、恋愛なんて興味ないって言っていたけど、本当は愛情深い人で、
誰よりも愛すること、愛されることを望んでいたはずなの。ただ、なぜか自分を
蔑んで、愛せなかったから、ミウが望んだような関係を築くことが出来なかった
からイヤになってしまっただけなの。
そうそう、愛されたいって思いながら、自分からは愛そうとしない人、結構多い
でしょ?あれはダメね(苦笑)愛に限ったことではないけど、どんなことでも、
自分が欲しいものは、まず自分から差し出さないとね。いつでも発信は自分から。
それが出来れば差し出したものよりも多くのものが自分に返って来るわ。愛され
たかったら、愛しなさいって聞いたことがあるでしょ?そういうことよ」
「うん、聞いたことある。それって、良いことだけじゃないよね?自分が発信した
もの以上が返って来るっていう話。例えば、憎しみとか怒りも発信したら、
発信した以上の憎しみと怒りが返って来るんでしょ?」
「そう、その通り!さすがミウね」
「それと、例えば、自分がAさんに愛を捧げてもAさんから愛が返って来るワケでも
ないんだよね?ってことは、ウチのパパとママは、とっても幸せだったってことに
なるね。だって、ママがパパに愛を捧げたら、パパからその愛が返ってきたワケ
でしょ?パパが先にママに愛を捧げたのかもしれないけど、どちらにしても
それって、奇跡に近いことのような気がする」
「そうね。それ以前に、誰かのことを好きになって、その誰かも自分のことを
好きになるということが、すでに奇跡なのよ」
「えっ、そうなの!?」
「そうよ。みんな、当たり前のように感じているかもしれないけど、奇跡なのよ。
だから、ご縁は大事にして欲しいわね。でも、いくらご縁があっても、それを
奇跡に育てられるかどうかは本人次第。ミウと弦夜もそう。だって、ミウは
レオンと出会ったけど、つきあおうとは思わなかったでしょ?弦夜の方も
五十嵐智美と出会ったけど、つきあおうとは思わなかった。ね?」
「あっ、そういえばそうだね(汗)互いに好意を寄せるってことが、もう奇跡
なんだ!だとしたら、せっかく互いに好意を寄せ合って結ばれたんだから、
そのご縁は大事にしないと勿体ないってことだよね?」
「そうね。そういう意識で相手と向き合い続けることが出来たら、ステキな
関係を築いていけるんじゃないかしら?」
「ウチのパパとママみたいに?」
「そ。そういうこと。ところで、ミウ、化粧もここでするの?」
「うん!化粧道具も一式持ってダッシュしたから(笑)」
「そ。じゃあ、弦夜のことは足止めしておくわね」
「うん、お願いします」
アトランティーナは、それだけ言うとサッサと洗面所を後にしたんだけど、
そういえば、アトランティーナもちゃんと化粧してたような気がする。
やっぱり、化粧って身だしなみの一つなんだよね。たかが化粧、されど化粧
ってことだよね。
もちろん、いつもすっぴんっていう人もいて、アトランティーナが言う
ように、それが悪いことだとは思わないけど、私はやっぱり、ちゃんと
化粧してたいなって思うんだよね。
前につきあってた彼の中に化粧があまり好きじゃない人がいて、私が化粧を
する度に<ホント、化粧が好きだよね(苦笑)>って、呆れながら
言ってくる人がいたの。確かに化粧は好きなんだけど、なんで、化粧するのが
好きなのかなぁって考えた時、思い出したことがあったんだよね。
私、子供の頃、塗り絵が好きだったの。お姫さまとか、妖精とか、お城とか。
ちょっとファンタジーっていうか、現実にはないものの塗り絵が好き
だったんだよね。現実にあるものだと色が制限されちゃう感じがするでしょ?
でも、ファンタジー系だと想像しながら、色の組み合わせを考えたりするのが
楽しくて、時間を忘れて、いつも塗ってたような気がする。
だから、化粧も塗り絵の延長線上にあるんじゃないかなって思うんだ。
自分の顔をキャンバスにして、塗るって感じ?(笑)とはいえ、アイシャドー
とか、チークとか、口紅とか、色モノは、あんまり使わないんだけどね(苦笑)
でも、化粧すると顔が変わるじゃない?変身願望もあるのかな、私。
あっ、でも、異人館とか、映画村に行くと衣装を貸してくれて、写真も
撮ってくれたりってあるでしょ?あれも好き!ってことは、塗り絵の延長線上
ではなくて、変身願望の方が強いってことなのかな?ま、どっちでもいっか(汗)
きっとね、自分以外の誰かになりたいっていう欲求があるんだと思う。
だからといって、自分を蔑ろにしているということではなくてね。たまに、
他人の人生が羨ましくなることってあるじゃない?身近に居る人もだけど、
有名人とか、やっぱり憧れたりするもんね(汗)
でも、前に映画で、大富豪の息子を殺して、自分がその大富豪の息子に
なりすますっていうのがあったんだけど、あの映画を観た時に、もし、私が
誰かの人生を生きることが出来たとしたら、誰の人生が良いかなって
考えたんだよね。色々な人が浮かんでは消えってして、結局、自分が一番
良いなって思ったの。
憧れる有名人とかもきっと影では大変なこともあると思うんだ。きっと、
今の私には想像もつかないような苦しいこととか、悲しいことも
あるんだろうなって思ったら、自分の人生が、とっても愛おしくなったの。
その時、『私は、私が思ってるほど、自分のことがイヤじゃないし、
自分の人生が好きなんだな』って思ったら、ちょっとホッとしたんだ。
それで、もっと自分の人生が好きになれるような生き方をしていこうって、
改めて心に誓ったの。今、思い出したよ。
手は化粧をしてるのに、頭は、全然違うこと考えてた(汗)こうやって、私は、
たまにどこかに飛んで行っちゃうんだね(汗)でも不思議。化粧とは、
全然関係ないこと考えてたのに、いつも通りに化粧してるんだもん。
人の身体って、ホントにスゴイよね(笑)
人の身体もスゴイけど、ウチのパパとママの話もスゴかったなぁ。
っていうか、本人たちから聞いたワケじゃないんだけどね(汗)
今回もひょんなことから、話が飛んで、ウチの両親の話になったけど、
これもまた必然だったんだなぁって思った。だって、今の私には、
めっちゃタイムリーな話で、大きな収穫だったから。
誰かのことを好きになることって、本当はステキなことなんだなって、
改めて思った。それと同時に、ウチのパパとママみたいな関係を築いていく
ことが出来たら良いなとも思った。でも、またいつもの悪いクセなのかも
しれないけど、私に出来るのかなっていう思いもある(汗)
あ~、もうっ!ダメじゃん。分かってるなら、そう思う前に
止めなきゃだよね(笑)不安は、ただの影。それに実体を与えるのは、
思いなんだよ。だから、思い続けたらダメ。一瞬、思ったとしても、
すぐに取り消さなきゃ。
だって、望んだことは、叶うことなんだよ。神さまは、叶えられないことを
望ませるほど残酷じゃないって、誰かが言ってたような気がする(汗)
だから、ウチのパパとママみたいな関係を私も誰かと築くことが
出来るっていうこと。それは、私にとって、今まで想像したことが
ないくらい幸せで、ステキな未来だなって思う。
<次回へ続く>
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