ドラゴンレディーの目覚め

莉絵流

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気遣い過ぎ!?

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一通り化粧を終えて、洗面所から出て行くと弦ちゃんもすっかり着替え
終わってて、どうやら、洗面所が空くのを待っていたらしい(汗)

「おはよう、ミウさん」

「おはよう、弦ちゃん」

「ねぇ、朝からアトランティーナとミウさんで、洗面所を独占してた
でしょ?しかも、ただ、歯磨いたり、顔洗ったりするだけじゃなくて、
また、タメになりそうな話を二人でしてたよね?ズルイよぉ~。
そういう話は、僕も混ぜてくれなきゃ。で、どんな話をしていたの?」

「えっ、簡単に言うと、ご縁を奇跡に育てるっていう話」

「へっ?何それ!?全然、分からないでしょ、その説明じゃ(笑)」

「全部話すと長くなるんだもん。洗面所が空くの、待ってたんでしょ?
とりあえず、行ってきたら?」

「なんか、よく分からないけど、先に歯磨いて、顔洗ってくるかな」

「うん、とりあえず、その方が良いね(苦笑)」

自分だけアトランティーナにしっかり聞いておいて、弦ちゃんに説明しない
のは、確かにズルイとは思うんだけど、人に説明するのって、ちょっと
面倒臭いんだよね(笑)だから、その場に居て、一緒に聞いてもらう方が
良いんだよな、やっぱり。とはいえ、さっきは洗面所で、女子タイムだった
から、弦ちゃんに同席してもらうワケにはいかなかったんだけどね(苦笑)

ようやく三人共、朝の歯磨きと洗顔を終えて、リビングに集まることが出来た。
弦ちゃん、普段の日曜日なら、まだ寝てる時間なんだろうなぁ。だって、昨日も
久しぶりに早起きしたって言ってたもんね(汗)

「弦ちゃん、日曜日にこんな朝早くに起きるなんて、普段はないんでしょ?」

「うん。昨日もそうだったけど、いつも土日はお昼くらいまで寝てるからね」

「なんか、早くに起こしちゃってごめんね」

「ううん。全然、そんなことない。だって、ここに居ると色んな良い話、
タメになる話が聞けるから、むしろ起こして欲しいくらいだよ。さっきだって、
洗面所で二人で何か良い話してたでしょ?ホント、ずるいよね。僕だって
聞きたかったのに・・・。でも、化粧とかしているんだろうなって思ったから
遠慮したんだけどね」

「あら、弦夜も聞きたかった?」

「あっ、アトランティーナ、おはようございます。もちろん、聞きたかった
ですよ!さっきミウさんに聞いたら、<ご縁を奇跡に育てる>って。
それだけじゃ分からないじゃないですか!(笑)」

「おはよう、弦夜。ところでミウ、そんなふうに言ったの?相変わらず、
ザックリしているわね(笑)」

「笑い事じゃないですよ!アトランティーナ、ご縁を奇跡に育てるって、
いったいどんな話をしていたんですか?」

「ミウのご両親の話をしていてね、お二人がどれだけ、お互いのことを
思いやって、深い愛情で結ばれていたのかという話をしていたの。それで、
人が出会って、お互いに好きになることは、奇跡なのよって言ったのよ。

出会うのは、ご縁があるからだけど、出会ったからと言って、誰もが
つきあうところに発展するとは限らないでしょ?つきあっても、すぐに別れて
しまう可能性だってあるしね。だから、出会って、つきあって、良い関係性を
築いていくこと、絆を結び合える関係というのは、奇跡だっていう話よ。

でも、ただ、つきあっているだけで、そういう関係性を築いていくことも、
絆を結び合えるということでもないでしょ?だから、出会ったご縁を奇跡に
育てるには、お互いの努力が必要だという話。これで、少しは理解することが
出来たかしら?」

「あっ、そういう話ですね。でもそれって、当たり前じゃないですか?」

「まあ、当たり前と感じるかどうかは、人によるわね。あと、理屈では
分かっていても実際に出来ない場合もある。出来ないということは、理解して
いないということになるからね。じゃ、弦夜は出来るってことで良いかしら?」

「う~ん、そう言われると・・・。どうなんだろう?確かに、今まで、女性と
つきあったことはありますけど、そこまで考えてつきあったことはなかった
かなぁ・・・(苦笑)」

「ほら、そうなのよ。そこまで考えてつきあう人って、そう多くはないの。
おそらく、ほとんどの人が、そんなことを考えながら、つきあってはいないと
思うのよ。だから、考えて出来ることではないということ。だから、奇跡なのよ」

「なるほどね。たぶんだけど、ウチのパパとママもそんなこと考えてたワケじゃ
ないと思うんだよね。なんていうか、こう、自然にお互いが、そう思えるって
いうか、相手を大事にしたくなるっていうか・・・。そんな関係性だったような
気がする。だから、きっと周りから見て、羨ましいって感じるんだろうし、
ステキだなって、周りの人に思わせちゃうんじゃないかな」

「そうね。だから、そういう相手と出会って、つきあって、結婚することは
奇跡なのよ。ミウのお父さんとお母さんみたいに自然に出来る相手と巡り会う
ことは、とってもステキなことなんだけど、そうじゃなくても、お互いに
努力して、そういう関係性を築くことも出来るでしょ?

おそらく、お互いに努力して、そういう関係性を築いている人の方が、自然に
そういう関係性を築いている人よりも多いと思うわよ」

「そうかもしれないですね。今、このタイミングで聞くのに相応しい話
だったんだね。僕とミウさんは、どうなんだろう?多少の努力は必要かも
しれないけど、なんとなく、自然に出来るような気もするんですけどね」

「そうなのかなぁ?私は、よく分かんないや(汗)」

「ただ一つ気になるのは、ミウさん、相手に気を遣い過ぎる傾向があると
思うんですよね。その辺は、どう?」

「う~ん、どうなんだろう?でも、人と一緒に何かをするとか、どこかに
行くとかっていうのは、やっぱりちょっと苦手かも。誰かと一緒に暮らすのも
だけど、なんか、疲れちゃうんだよね(苦笑)それって、気を遣い過ぎるって
ことになるのかなぁ?

だから、女友達と旅行に行く人多いけど、私は一人旅が好きなの。もちろん、
女友達と旅行に行ったこともあるし、楽しかったけど、一人で行った方が
思い出が残ってるっていうか、なんというか・・・って感じ(苦笑)」

「それは、気を遣うからだよね?」

「うん、そうかもしれない。一人だと、お腹が空くまでご飯食べないで
歩き回ったり出来るけど、誰かが一緒だとそうもいかないとかあるしね。
あと、一人だと、ちょっと大変かなって思いながらも、長距離歩いちゃったり
とか出来るけど、誰かと一緒だと悪いなって思って遠慮しちゃったりとかね。

あと、一番大きいのは、旅行に行ったら、行った先の地元の人と話が
したいんだよね。せっかく行ったんだから、その土地のことを知りたいって
思うじゃん!それには、地元の人と話すのが一番なんだよ。でも、誰かと
一緒だと、相手も気を遣っちゃうから、あまり話せないでしょ?それが
勿体ないなって思っちゃうかな(苦笑)」

「やっぱり、ミウは、人に気を遣い過ぎるのかもしれないわね。そういえば
さっき、誰かと一緒に暮らすと疲れるって言っていたけど、ミウは、私と一緒に
暮らしていて疲れているの?私にも気を遣っているのかしら?」

「それがね、不思議なんだよ。アトランティーナには、全くと言って良い
くらい気を遣わないんだよね(笑)だから、こうして一緒に暮らしてても、
全然疲れないし、むしろ楽しいの。ホント、不思議」

「喜んで良いのか、悲しんで良いのか、分からないわね(笑)でも、ミウが
自然体で居られるのなら、それに越したことはないわね」

「そうなんだ・・・。アトランティーナが、羨ましいです。僕は、たぶん、
ミウさんに気を遣わせてしまっていると思うから。いったい、何が違うん
でしょうね」

アトランティーナは、他の人と何が違うんだろう?これは、私もずっと不思議に
思ってたことなんだよね。確かに、弦ちゃんには気を遣ってると思う。
でも、それは弦ちゃんに責任があるっていうよりも、私の問題のような気が
するの。

そういえば、レオンくんには気を遣わないんだよね(汗)アトランティーナと
弦ちゃん、そして、レオンくん。それぞれ、何が違うんだろう?それとも、単に
これも、気を遣い過ぎるっていう、私の悪いクセなのかな?


<次回へ続く>
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