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異世界転移編
第31話 資金調達へ
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ムツキはステータスが高くなったので馬車で酔う事はなかったのだが、3日間の旅で疲れていたのだろう。
宿を取った後ベットに寝転べば、特に寝心地のいいベットでもないのにいつの間にか朝になっていた。
「…一食逃した」
ムツキの懐事情はそこまで温かくはない。
大量の魔物を納品したが、初心者向けの魔物ばかりだったので買取額はそこまで高くは無く、乗り合い馬車代や1週間分の宿代などの出費。
それに、エレノアへのお土産を考えれば心許ないどころか圧倒的に足りないのである。
特にエレノアへのお土産の為にはこれから稼ぐ必要がある。
エレノアはいい子だ。この間のデートの時もムツキに気を遣って並んで歩いてもおかしくない様な服を選んで着てくれるような子だ。
ムツキからのお土産ならなんでも喜んでくれるかもしれない。
しかし、婚約して日が浅いとは言え曲がりなりにも婚約者なのだ。
ムツキも男。それも、いい歳の男である。
自分の婚約者に見栄くらい張りたいのである。
そして朝から街を散策したムツキは、軽く泣きそうになった。
見栄、張れないかもしれない。
流石商業の街と言われるだけあって、品揃えが良く、高級店が並ぶ区画の貴金属店や宝石店のショーウィンドウを覗けば向こうの世界では見たこともない大きな宝石や見事な一点物彫金もあった。
だが、どれもムツキの予算など雀の涙と言える様な額の代物であり、店の中に入るのも一般人では難しそうであった。
それに、物流の中心の街と言うだけあって平均して物価も高めだ。
だからこそここで暮らす人達は活気で溢れているのかもしれないが。
なんにせよ、今の現状では予算が足りないのは明らか。
なのでお金を稼ぐ必要がある。
この世界でムツキの収入源は傭兵ギルドでの魔物の買取な為、この街の傭兵ギルドを探す。
たどり着いた傭兵ギルドは、王都の2倍程のデカさがあった。
ただ、大きいだけで王都の傭兵ギルドと対応は変わらない。
見知った顔の受付嬢ではないだけで、笑顔で対応してくれる。
この辺りの魔物の出現ポイントなどを聞いて、早速ムツキは狩りへと出向くのだった。
色々と聞いた中で、ムツキが向かったのは西の森の方だった。
森の魔物は肉質が柔らかく食用にもされる為買取額が少し高いのだとか。
ただ、森を通り越して火山まで行くと魔物の強さはグッと上がるので行かない方がいいと注意された。
初めは森で大人しく魔物を狩っていたのだが、手応えは王都の初心者用魔物とさして変わらない。
「これ、火山の方まで行っても大丈夫なんじゃないかな」
怖いもの見たさ。無理ならすぐ帰ってこればいい。
悪魔の囁きに負けたムツキは、注意を無視して火山の方へと足を向けた。
火山の麓は、先程の森とあまり変わらない風景であったが、山を登るにつれて岩肌が見える荒野の様な風景に変わっていく。
火山の熱のせいで草木が生えないのだろう。
肺が焼かれる程ではないが、空気が熱く乾燥しているとムツキは感じる。
水のストックは大量にある為、ムツキは喉を潤しながら火山を登る。
トカゲ、向こうで言う所のラプターのような魔物が襲ってくるが、この辺りの魔物はまだ初心者用みたいで手応えがない。
ただムツキを獲物だと見て向かってくるので倒しては収納魔法に入れてを繰り返しながら、ムツキは頑張ってお金を稼ぐ為、強い魔物を求めて火山を登って行くのだった。
宿を取った後ベットに寝転べば、特に寝心地のいいベットでもないのにいつの間にか朝になっていた。
「…一食逃した」
ムツキの懐事情はそこまで温かくはない。
大量の魔物を納品したが、初心者向けの魔物ばかりだったので買取額はそこまで高くは無く、乗り合い馬車代や1週間分の宿代などの出費。
それに、エレノアへのお土産を考えれば心許ないどころか圧倒的に足りないのである。
特にエレノアへのお土産の為にはこれから稼ぐ必要がある。
エレノアはいい子だ。この間のデートの時もムツキに気を遣って並んで歩いてもおかしくない様な服を選んで着てくれるような子だ。
ムツキからのお土産ならなんでも喜んでくれるかもしれない。
しかし、婚約して日が浅いとは言え曲がりなりにも婚約者なのだ。
ムツキも男。それも、いい歳の男である。
自分の婚約者に見栄くらい張りたいのである。
そして朝から街を散策したムツキは、軽く泣きそうになった。
見栄、張れないかもしれない。
流石商業の街と言われるだけあって、品揃えが良く、高級店が並ぶ区画の貴金属店や宝石店のショーウィンドウを覗けば向こうの世界では見たこともない大きな宝石や見事な一点物彫金もあった。
だが、どれもムツキの予算など雀の涙と言える様な額の代物であり、店の中に入るのも一般人では難しそうであった。
それに、物流の中心の街と言うだけあって平均して物価も高めだ。
だからこそここで暮らす人達は活気で溢れているのかもしれないが。
なんにせよ、今の現状では予算が足りないのは明らか。
なのでお金を稼ぐ必要がある。
この世界でムツキの収入源は傭兵ギルドでの魔物の買取な為、この街の傭兵ギルドを探す。
たどり着いた傭兵ギルドは、王都の2倍程のデカさがあった。
ただ、大きいだけで王都の傭兵ギルドと対応は変わらない。
見知った顔の受付嬢ではないだけで、笑顔で対応してくれる。
この辺りの魔物の出現ポイントなどを聞いて、早速ムツキは狩りへと出向くのだった。
色々と聞いた中で、ムツキが向かったのは西の森の方だった。
森の魔物は肉質が柔らかく食用にもされる為買取額が少し高いのだとか。
ただ、森を通り越して火山まで行くと魔物の強さはグッと上がるので行かない方がいいと注意された。
初めは森で大人しく魔物を狩っていたのだが、手応えは王都の初心者用魔物とさして変わらない。
「これ、火山の方まで行っても大丈夫なんじゃないかな」
怖いもの見たさ。無理ならすぐ帰ってこればいい。
悪魔の囁きに負けたムツキは、注意を無視して火山の方へと足を向けた。
火山の麓は、先程の森とあまり変わらない風景であったが、山を登るにつれて岩肌が見える荒野の様な風景に変わっていく。
火山の熱のせいで草木が生えないのだろう。
肺が焼かれる程ではないが、空気が熱く乾燥しているとムツキは感じる。
水のストックは大量にある為、ムツキは喉を潤しながら火山を登る。
トカゲ、向こうで言う所のラプターのような魔物が襲ってくるが、この辺りの魔物はまだ初心者用みたいで手応えがない。
ただムツキを獲物だと見て向かってくるので倒しては収納魔法に入れてを繰り返しながら、ムツキは頑張ってお金を稼ぐ為、強い魔物を求めて火山を登って行くのだった。
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