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第1章「ハーデンベルク王国編」
2話「道草」
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「ところで恩人と言っていたが、何があったんだ?」
「あ?ああ、この前ランジール村周辺が災害にあったのは知ってるか?」
「ん…ああ!あれか。36年ぶりの大豪雨でいくつかの集落と村が流されたって言う…。」
「そうそれだ。シュヴィックは離れてたから知らないだろうが、その流されたっつう村の復旧作業の物資を届けるってのに俺も参加したんだよ」
荷車が出発してすぐ、情報交換に興じていた2人の会話が途切れたあたりで僕が恩人になった経緯について話始めた。それまですれ違う荷車をぼんやりと見送っていた僕も、自分の話に顔を向けた。
「へぇ。ハインらしいな。この荷車はその帰りって事か」
「ああ、食料品を大量に積んでな。けど積み過ぎちまってタイリア村の手前にある小休憩場所で車輪が埋もれちまったんだ。普段ならもう少し人もいるんだが、あのあとじゃあ誰もいやしねぇ。で、そん時助けてくれたのが、兄ちゃんだったわけよ!」
「ほぉ、どうやったんだ?土はぬかるんでいたから…板でも持ってたのか?それとも魔法か?」
低い声のハインさんに比べて少し高い声音のシュヴィックさんは年齢より若々しい見た目や、チラッとこちらに向けられた輝く瞳も相まって少年のようだった。
「それが、素手で持ち上げちまったんだよ」
「はあ?嘘だろ……本当、なのか…?」
「おう。俺の目の前で持ち上げてよ、どうしたんだって言われちまって驚いた!」
確かにあの時荷車を持ち上げた。山積みの荷車を1人で持ち上げようとしては荷車の下を見る様子に助けが必要かと聞いて、助けてくれと言われたんだ。すぐ持ち上げたのに動かないおじさんに下に落とした何かを拾わないのかと思って、どうしたんだと声をかけたら口を開けて驚かれた。
結局ぬかるんだ地面に埋もれた荷車を持ち上げた後、村まで一緒に動かしただけなんだが、ついこの前の事をこうも過剰表現されるというのは何というか、妙に居心地が悪い。
何かないかと荷車の外に身を乗り出すと、草むらの陰で何かをしている者達が見えた。
「…あれは何をしているんだ?」
知識にもない事に興味が出て、得意げに語るハインさんところころと表情を変えるシュヴィックさんに声をかけた。
「ん?ああ、ありゃあギルドの使いか。この辺りに生えてるハブ草っつうのを取ってるんだろう。
ここらじゃチビ達のお小遣い稼ぎにもってこいだからな」
「危険はないのか?」
「一応条件があるんだ。あそこにいるのはランク1、門の外に出られても薬草採取の依頼まで。魔物討伐の依頼は受けられないから森まで行かなきゃそこまで危なくない」
「ここら辺に出る魔物つったらハブ草に似たホブ草を食べる丸兎しか出ねぇ。こっちから攻撃しなきゃ安全ってわけよ」
あまり危険ではないと知ってお礼を言いつつ、そんな魔物がいたのかと興味がそれる。集中して気配を探ればあまりに小さく微弱な気配がいくつか身を寄せてじっとしていた。きっとホブ草というものを食しているのだろう。落ち着いたら丸兎を見に行こう。兎というのは可愛いが過ぎる生き物だと知識にもある。ついでに自由組合に行けば丸兎以外の魔物や周辺の情報も見れるかもしれない。その前にハインさんの食堂が先だな。そんな事を考えていたら荷車が緩やかに減速して停まった。
「凄いな…いつもこんな感じなのか?」
「いやぁ、いつもはもっと少ねえ……シュヴィック」
「あっ…すまんちょっと行ってくる」
何事かと思えば前方に門まで続く荷車と人の長い列が続いていた。知識では知っていても実際に見るのとはまた違う。高低差のある道にそって続く荷車の列は確かに蛇のようにも見える。
しかしいつもこれだけの列が続くのなら入れない者達もいるだろう、なんて思ったらそうでも無かったらしい。慌てて走り去っていくシュヴィックさんを呆然と見送った。
「…どうしたんだ?」
「忘れもんでもしたんだろう…」
呆れたような何とも言えない顔をしたハインさんにこれ以上は聞かず、待つ事に。暫くして動き出した荷車の列を眺めているとシュヴィックさんが息を切らして戻ってくる姿が見えた。
「おう、おつかれ~」
「ぜぃ…はぁ…はぁ……つかれた…」
「大丈夫か?」
「ああ…すまない……ふぅ~、年取ると走るのは疲れるなぁ」
後ろから乗り込んでそのまま腰を下ろしたシュヴィックさんに手拭いを渡すと額から流れ落ちる汗を拭き始めた。聞けばこの長い列の殆どがシュヴィックさんの荷車だと言う。当初の予定になかったハインさんとの再会に浮かれて通行許可証を渡し忘れたとか。
それであれだけ慌てていたのかと納得した僕は、さっきとは違って進む蛇のような列を眺めた。
「言い忘れていたがラヴァン、君は名乗らない方が良い」
あれだけあった荷車の長い列が門の向こうに消えて、門まで荷車二つ分までに近づいた時だった。
少し声を落としたシュヴィックさんの言葉に首を傾げる。
「なぜだ?」
「君の容姿は人目を引く。ただでさえ貴族のような見た目をしているのに家名まで名乗ってしまったら余計な騒ぎになるだろう。まして後ろ盾のない自由民が家名を名乗ったところで、お忍び貴族と思われるか、最悪捕まるぞ。だから名乗るにしても、家名はつけるな。」
「ああ、分かった。」
そうだった。今後のことを考えてすっかり名前の事を忘れていた。
シュヴィックさんは最後まで僕の名前について渋っていた。だからこそ、こうして忠告してくれる事に少なからず不思議に思った。
ヒューマン族は人類の中でも弱いために社会を、集団というものを大切にする傾向がある。例え見た目が同じでも見知らぬ者がいたら警戒される。石を投げつけられる事もあったな。
シュヴィックさんは僕に石を投げる事はなかったけど、最初から警戒というには観察に近いような目で見ていた事には気づいていたんだ。それは今も変わらない。
「…不思議だな」
「何がだ?」
「貴方は警戒している者になぜ忠告するんだ?」
「…………」
目を逸らされてしまった。
その様子に僕には言えない事情というものがあるのだろうと納得する。
「次の方どうぞ~」
「おう。マルクスじゃねえか」
「ハインさん、久しぶりです。最近見かけなかったけど、どこかに出かけてたんですね」
「ああ、タイリア村までちょっとな…。」
「それでしたか…。あ、一応身分証の提示と荷物検査をお願いします」
無理に聞くつもりは無い、と言う前に順番が来たようだ。
門番と顔見知りらしいハインさんが御者席から受け答えするのを見て、荷車から降りるシュヴィックさんを横目に慌てて自分の身分証を探す。
「さっきはすまなかった」
「あっシュヴィック様も一緒だったんですね」
「途中で会ってな、はい身分証」
「……はい、拝見しました。ところであちらのお方は…。」
「ん?あー…ハインの恩人だな」
「え…」
「言いたい事は分かる。見た目は気にするな…と言っても気にするだろうが、自由民だという事だけは伝えとく」
「それって…」
何かを話しながら身分証を見せる2人のやり取りを見て荷馬車から降りる。フードを被ったのはシュヴィックさんの忠告もあったからだと思う。お陰で門番の彼は僕の声に変わらない様子だった。
「やあ、いいかな?」
「はっはい!」
「初めましてラヴァンと言う、よろしく」
驚いたのか少し間があいた。シュヴィックさんはしてくれたけど、村で会った人にしたら驚かれたんだと思い出す。握手する習慣が無かったんだと手を引っ込めようとしたら、門番の彼はよろしくと僕の差し出した手に手を重ねて握手した。
嬉しくて思わず手を振ってしまったけど、シュヴィックさんの忠告を聞いて良かったと笑みが浮かぶ。
「これ、身分証」
「……はい、自由組合の方ですね。この町へは初めてですか?」
「ああ、暫くいるつもりだ」
「そうですか…ではこちらの板に手をのせてください。お二人の連れなので大丈夫だとは思いますが、念の為初めて訪れる方にはしていただいているんです」
目の前に取手のついた薄くて四角い石の板をフードを少したくしあげて見た。細かい何かの文字と四つのバラバラな色の石に囲まれた透明な石が嵌め込まれた板に手をのせる。
「……はい、もう大丈夫です。」
「これはなんだったんだ?」
拍子抜けするほど何も変わらなかった板になんの役割があったのか聞いてみれば、犯罪歴がある又は指名手配犯等の者達が触れると透明な石が変わると教えてもらった。何もないと変わらないんだな。
「問題ありませんでした。通ってください」
「おう、ありがとな。兄ちゃん行くぞ!」
「ああ!」
「あ、ラヴァンさ…ん、すみませんが一応問題は起こさないようお願いします。最近は人が流れて少なくなったとは言え、ちょっと前までは自由民の方による問題も多かったんです。」
声を落として言われた問題が、どういうものかは分からなかったけど頷いて乗り込んだ。
ゆっくりと進んだ先から徐々に活気に満ちた声が聞こえて胸が躍った。
「あ?ああ、この前ランジール村周辺が災害にあったのは知ってるか?」
「ん…ああ!あれか。36年ぶりの大豪雨でいくつかの集落と村が流されたって言う…。」
「そうそれだ。シュヴィックは離れてたから知らないだろうが、その流されたっつう村の復旧作業の物資を届けるってのに俺も参加したんだよ」
荷車が出発してすぐ、情報交換に興じていた2人の会話が途切れたあたりで僕が恩人になった経緯について話始めた。それまですれ違う荷車をぼんやりと見送っていた僕も、自分の話に顔を向けた。
「へぇ。ハインらしいな。この荷車はその帰りって事か」
「ああ、食料品を大量に積んでな。けど積み過ぎちまってタイリア村の手前にある小休憩場所で車輪が埋もれちまったんだ。普段ならもう少し人もいるんだが、あのあとじゃあ誰もいやしねぇ。で、そん時助けてくれたのが、兄ちゃんだったわけよ!」
「ほぉ、どうやったんだ?土はぬかるんでいたから…板でも持ってたのか?それとも魔法か?」
低い声のハインさんに比べて少し高い声音のシュヴィックさんは年齢より若々しい見た目や、チラッとこちらに向けられた輝く瞳も相まって少年のようだった。
「それが、素手で持ち上げちまったんだよ」
「はあ?嘘だろ……本当、なのか…?」
「おう。俺の目の前で持ち上げてよ、どうしたんだって言われちまって驚いた!」
確かにあの時荷車を持ち上げた。山積みの荷車を1人で持ち上げようとしては荷車の下を見る様子に助けが必要かと聞いて、助けてくれと言われたんだ。すぐ持ち上げたのに動かないおじさんに下に落とした何かを拾わないのかと思って、どうしたんだと声をかけたら口を開けて驚かれた。
結局ぬかるんだ地面に埋もれた荷車を持ち上げた後、村まで一緒に動かしただけなんだが、ついこの前の事をこうも過剰表現されるというのは何というか、妙に居心地が悪い。
何かないかと荷車の外に身を乗り出すと、草むらの陰で何かをしている者達が見えた。
「…あれは何をしているんだ?」
知識にもない事に興味が出て、得意げに語るハインさんところころと表情を変えるシュヴィックさんに声をかけた。
「ん?ああ、ありゃあギルドの使いか。この辺りに生えてるハブ草っつうのを取ってるんだろう。
ここらじゃチビ達のお小遣い稼ぎにもってこいだからな」
「危険はないのか?」
「一応条件があるんだ。あそこにいるのはランク1、門の外に出られても薬草採取の依頼まで。魔物討伐の依頼は受けられないから森まで行かなきゃそこまで危なくない」
「ここら辺に出る魔物つったらハブ草に似たホブ草を食べる丸兎しか出ねぇ。こっちから攻撃しなきゃ安全ってわけよ」
あまり危険ではないと知ってお礼を言いつつ、そんな魔物がいたのかと興味がそれる。集中して気配を探ればあまりに小さく微弱な気配がいくつか身を寄せてじっとしていた。きっとホブ草というものを食しているのだろう。落ち着いたら丸兎を見に行こう。兎というのは可愛いが過ぎる生き物だと知識にもある。ついでに自由組合に行けば丸兎以外の魔物や周辺の情報も見れるかもしれない。その前にハインさんの食堂が先だな。そんな事を考えていたら荷車が緩やかに減速して停まった。
「凄いな…いつもこんな感じなのか?」
「いやぁ、いつもはもっと少ねえ……シュヴィック」
「あっ…すまんちょっと行ってくる」
何事かと思えば前方に門まで続く荷車と人の長い列が続いていた。知識では知っていても実際に見るのとはまた違う。高低差のある道にそって続く荷車の列は確かに蛇のようにも見える。
しかしいつもこれだけの列が続くのなら入れない者達もいるだろう、なんて思ったらそうでも無かったらしい。慌てて走り去っていくシュヴィックさんを呆然と見送った。
「…どうしたんだ?」
「忘れもんでもしたんだろう…」
呆れたような何とも言えない顔をしたハインさんにこれ以上は聞かず、待つ事に。暫くして動き出した荷車の列を眺めているとシュヴィックさんが息を切らして戻ってくる姿が見えた。
「おう、おつかれ~」
「ぜぃ…はぁ…はぁ……つかれた…」
「大丈夫か?」
「ああ…すまない……ふぅ~、年取ると走るのは疲れるなぁ」
後ろから乗り込んでそのまま腰を下ろしたシュヴィックさんに手拭いを渡すと額から流れ落ちる汗を拭き始めた。聞けばこの長い列の殆どがシュヴィックさんの荷車だと言う。当初の予定になかったハインさんとの再会に浮かれて通行許可証を渡し忘れたとか。
それであれだけ慌てていたのかと納得した僕は、さっきとは違って進む蛇のような列を眺めた。
「言い忘れていたがラヴァン、君は名乗らない方が良い」
あれだけあった荷車の長い列が門の向こうに消えて、門まで荷車二つ分までに近づいた時だった。
少し声を落としたシュヴィックさんの言葉に首を傾げる。
「なぜだ?」
「君の容姿は人目を引く。ただでさえ貴族のような見た目をしているのに家名まで名乗ってしまったら余計な騒ぎになるだろう。まして後ろ盾のない自由民が家名を名乗ったところで、お忍び貴族と思われるか、最悪捕まるぞ。だから名乗るにしても、家名はつけるな。」
「ああ、分かった。」
そうだった。今後のことを考えてすっかり名前の事を忘れていた。
シュヴィックさんは最後まで僕の名前について渋っていた。だからこそ、こうして忠告してくれる事に少なからず不思議に思った。
ヒューマン族は人類の中でも弱いために社会を、集団というものを大切にする傾向がある。例え見た目が同じでも見知らぬ者がいたら警戒される。石を投げつけられる事もあったな。
シュヴィックさんは僕に石を投げる事はなかったけど、最初から警戒というには観察に近いような目で見ていた事には気づいていたんだ。それは今も変わらない。
「…不思議だな」
「何がだ?」
「貴方は警戒している者になぜ忠告するんだ?」
「…………」
目を逸らされてしまった。
その様子に僕には言えない事情というものがあるのだろうと納得する。
「次の方どうぞ~」
「おう。マルクスじゃねえか」
「ハインさん、久しぶりです。最近見かけなかったけど、どこかに出かけてたんですね」
「ああ、タイリア村までちょっとな…。」
「それでしたか…。あ、一応身分証の提示と荷物検査をお願いします」
無理に聞くつもりは無い、と言う前に順番が来たようだ。
門番と顔見知りらしいハインさんが御者席から受け答えするのを見て、荷車から降りるシュヴィックさんを横目に慌てて自分の身分証を探す。
「さっきはすまなかった」
「あっシュヴィック様も一緒だったんですね」
「途中で会ってな、はい身分証」
「……はい、拝見しました。ところであちらのお方は…。」
「ん?あー…ハインの恩人だな」
「え…」
「言いたい事は分かる。見た目は気にするな…と言っても気にするだろうが、自由民だという事だけは伝えとく」
「それって…」
何かを話しながら身分証を見せる2人のやり取りを見て荷馬車から降りる。フードを被ったのはシュヴィックさんの忠告もあったからだと思う。お陰で門番の彼は僕の声に変わらない様子だった。
「やあ、いいかな?」
「はっはい!」
「初めましてラヴァンと言う、よろしく」
驚いたのか少し間があいた。シュヴィックさんはしてくれたけど、村で会った人にしたら驚かれたんだと思い出す。握手する習慣が無かったんだと手を引っ込めようとしたら、門番の彼はよろしくと僕の差し出した手に手を重ねて握手した。
嬉しくて思わず手を振ってしまったけど、シュヴィックさんの忠告を聞いて良かったと笑みが浮かぶ。
「これ、身分証」
「……はい、自由組合の方ですね。この町へは初めてですか?」
「ああ、暫くいるつもりだ」
「そうですか…ではこちらの板に手をのせてください。お二人の連れなので大丈夫だとは思いますが、念の為初めて訪れる方にはしていただいているんです」
目の前に取手のついた薄くて四角い石の板をフードを少したくしあげて見た。細かい何かの文字と四つのバラバラな色の石に囲まれた透明な石が嵌め込まれた板に手をのせる。
「……はい、もう大丈夫です。」
「これはなんだったんだ?」
拍子抜けするほど何も変わらなかった板になんの役割があったのか聞いてみれば、犯罪歴がある又は指名手配犯等の者達が触れると透明な石が変わると教えてもらった。何もないと変わらないんだな。
「問題ありませんでした。通ってください」
「おう、ありがとな。兄ちゃん行くぞ!」
「ああ!」
「あ、ラヴァンさ…ん、すみませんが一応問題は起こさないようお願いします。最近は人が流れて少なくなったとは言え、ちょっと前までは自由民の方による問題も多かったんです。」
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