強引だけど優しいアイドルとクールなマネージャーが本当は両片思いな話

なぎさ伊都

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シャワーを終えて部屋に戻ると、太陽がベッドの上に腰掛けて私を待っていました。
彼はシーツの上をぽんぽんと軽く叩き、上目で私を見ています。
「おいで」
「嫌です」
無駄だとわかっていても首を振ると、太陽は不服そうに表情を曇らせました。
「じゃあどこで寝るの? ベッドひとつしかないの、知ってるでしょ」
「こう見えて丈夫な体なので、床でもどこでも眠れますよ」
「それはダメ。俺が許さない」
許す許さないの話ではないと思うのですけれど、手首を掴まれて無理やりベッドに押し倒されてしまいました。
スプリングが鈍い音を立てて私の体を包み込みます。
「雪乃さんは俺と一緒に寝るって決まってるから」
口調こそ柔らかいものの、仕事をしている時とは正反対の、わがままな態度でした。
他の人が近くにいると横暴な性格を見せないのに、私といる時だけはこういう性格になるのは、なぜなのでしょうか。
私が年上だから多少のわがままは許されると思っているのでしょうか。
私を見下ろす視線と見つめ合っていると、服の裾から手が侵入してきました。
乾いた感触が腹を探り、様子を窺うように動いています。
そして太陽は、甘い囁き声で私を誘おうとしてきました。
「しよ?」
私はつい、ため息を吐き出しそうになりました。
わかりきっていたことではありますが、目的はやはりそれですか……と目を伏せると、私の心が伝わったのか、太陽は私の額に口づけました。
「……ね? お願い」
ねだるような表情で首を傾げられたら、嫌とは言いづらいではありませんか。
……呆れたものです。
こんなにも自由で強引な人間だというのに、私は彼に惹かれているのですから。

「毎回お伝えしていますが、私はあなたの恋人ではありません」
答えている間にも、彼は私の着ている服に手を掛けました。
無駄のない手つきで服を脱がされ、私は早くも下着姿になってしまいます。
「いいじゃん、別に」
「何を根拠にそんなことを」
「俺がしたいから」
彼はそう言って、私を押し倒しました。
両腕をベッドに縫いつけるように固定され、私にできることと言えば、抵抗の意思を宿した目で彼を見上げることだけでした。
「最近忙しかったから溜まってたんだよね」
強引すぎる、と口答えしようとした唇は塞がれ、私は諦めて体から力を抜きました。
こういうことをするのは初めてではなく、私自身も本当に嫌なら突き飛ばせばいいものを、なんだかんだで許してしまうのです。
「雪乃さんの肌、好きだなあ」
「そうですか」
「うん。すべすべしてて、もちもちしてて……柔らかいから好き」
こうして甘えてくる姿が、本当は愛らしいと思っていましたから。
口に出したら今以上に暴走しそうなので、心に秘めておきますが。
「今日仕事で一緒になったアイドルの子がさ」
「はい」
「前から俺を好きだったみたいで連絡先を聞かれたんだけど、アイドルって本来恋愛はご法度でしょ。特に同業者同士なんて、関係が表に出た時には目も当てられなくなる……そういうリスクも何も考えないで、他のスタッフも大勢いる前で『連絡先教えてくださいよ~』ってよく騒げるなあって」
太陽は私の胸に頬を当て、愚痴をこぼすように静かに話しています。
「本当に相手を狙ってるなら、最初から関係を隠すべきだと思わない?」
「そうでしょうか。恋愛には色々な形がありますから」
と返事をしたものの、彼の言うことも一理ありました。
特に本日の共演者は、太陽も含めて絶賛売出中のアイドル達でした。
火のないところに煙は立たないと言いますが、誰しも無駄な騒ぎは避けたいもの。
隠れて付き合っていたのに週刊誌に撮られて破局した芸能人カップルは大勢います。
太陽はそうならない為に、本命の相手とのやり取りは周囲に見せたくないのでしょう。
「雪乃さんは俺に炎上してほしいの?」
「そうとは言ってません。ただ、相手の方は深く考えていなかったか、もしくはどうしても今日あなたと連絡先を交換したかったのではないですか。二人きりで話すタイミングはなかったと思いますし」
そう返すと、太陽はつまらなそうに相づちを打って「まあいいや」と私の胸に顔を埋めました。
体格は大きいのに、まるで小さな子どもみたいでした。
拗ねたような態度に、少しだけ、彼にバレないよう、唇を緩めてしまいます。
生肌に彼の髪が触れ、くすぐったさに身を捩りそうのなるのを我慢していたところ、太陽が胸に顔をくっつけたまま私を見上げました。
「胸、少し大きくなった?」
「体重に変化はありませんよ」
言外に太ったと言われているのかと思い否定すると、彼は嬉しそうにくつくつと喉を鳴らします。
「俺が揉んだから大きくなったのかな」
「そんなはずがないでしょう、……っ」
気づかぬうちにブラジャーのホックを外されていて、露わになった乳房を優しく掴まれました。
太陽は慈しむような手つきで胸の全体を触って撫で、中心にある突起を口に咥え、舌で転がしています。
吐息が漏れないように唇を噛んでいると、彼の空いている方の手が口内に忍び込んできました。
「傷がつくから、噛まないの」
「……っん……!」
太陽の指に傷をつけるわけにはいかず、私は自然と彼の指をしゃぶるような形になります。
長い指が口の中を動き回るにつれて唾液が溢れ、不愉快さに眉を寄せていると、太陽は指を口から引き抜きました。
そしてそのまま、今度は私の下着の中――体の深くまで沈めます。
まだ少ししか湿っていなかった場所は、自らの唾液を利用して彼の指を奥まで受け入れました。
指が動くと今度は愛液が滲み出てきて、最初はほんの少しの突っかかりを感じていた体内が柔らかくなっていくのが自分でもわかります。
私は息を詰めました。
「濡れるの早いね」
「……気のせいです」
唇から漏れる吐息が熱くなっていると自覚して、誤魔化すように太陽から視線を逸らします。
抱かれるのはあくまでも仕方なく、という体裁を取っておかないと、恥ずかしかったのです。
彼はそんな私を眺め、黙って目尻を下げました。
「雪乃さんが思うならそうなのかも」
指先の動きを止めないまま、太陽は私の片手を自身の下腹部へ誘導します。
「ね、手でして欲しいな」
「……」
私の裸体を見て興奮を高めていたのか、太陽のそれは下着越しでもよくわかるほど大きくなっていました。
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