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三章 〜半年が経って〜
十九話 『親友』
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「じゃあ、詳しいことは、後日話すとして今は解散で!今夜は泊まって行ってくださいな♡レオン様~♡」
メロメロ、といった表情で迫るナタリー・アルディ。そんなナタリーを見て苦笑いを浮かべるレオン様にため息を吐くニコラス様。
「悪いが……俺は帰らせてもらう。ローラ、行こう」
「は?ローラは今私の家に泊まりに来ているんですけど~~?」
バチバチ、と火花が見えそうな雰囲気だ。アシュリーも、レオン様も一歩も引かない姿勢を見せるのをつまらなさそうに見るナタリー・アルディ。
私はその光景を見ながら、どうしようかなぁと考えていた。
「……ローラ、大丈夫か?」
ニコラス様は心配そうな顔でローラの顔を覗き込んでいる。それに対してローラはニッコリ微笑んで。
「心配してくださってありがとうございます、ニコラス様。でも私は大丈夫ですよ。……ただ、ちょっと疲れただけです……」
ほぅ……とため息を吐くローラ。その姿はとても色っぽくて、思わずドキッとしたのと同時に――。
「……奈緒。行くわよ」
リリィにグイグイと腕を引っ張られる。
なんかデジャブだ……と思いながら私はリリィに引きずられていったのだった。
△▼△▼
――先まで居た部屋から遠く離れた部屋。
そこには、シンプルだけど高級感が漂う家具が置いてあった。
「……なんだか、落ち着かないわ」
ソワソワと部屋中を見渡す私。そんな私にリリィはごほんっ!とわざとらしく咳払いしながら。
「ねぇ、聞いてもらってもいいかしら?」
リリィは真っ直ぐ私を見つめながら真剣な瞳で私を見る。そんなリリィを見て、私はなんだか嫌な予感がした。
「な、何?」
「前世のこと……話してもいいわよね?」
「……ええ」
前世のこと。その言葉で私は一気に現実へと引き戻された。先までいろんな問題があったから忘れてはいたけれど……リリィと私が前世の知り合いである、ということは、確定したわけだし
怖い……という気持ちは、ちょっとある。何故?と聞かれたら分からないけど、怖い……と感じてしまっている自分がいるのだ。でも、逃げるわけにもいかない。
だって、リリィと私が前世の知り合いであることは確かなのだから。
「……ええ。話して。リリィ」
私は微笑みながらリリィに言うと、リリィは嬉しそうに微笑んだ。……思えばナタリー・アルディになったときから、リリィのことは、ローラが好きである、と転生者ということしか知らない。それ以外は、リリィがどんな人物で、どんな人生を歩んできたのかも、知らない。
「私ね、転生者だと思っていたの。でも、これって憑依?っていうのかしらね?それとも成り代わり、って言えばいいのかしら?」
「……そうかもねぇ」
私も転生かと思ったけども、あの精神世界で本物のリリィとナタリー・アルディと会ったし。これは転生ではなく、憑依、もしくは成り代わりに近い気がする。本物のリリィの魂はもうないけどね……。
「いや、そんなことは重要じゃないわ」
フルフルと首を横に振りながらリリィは話を続ける。
……確かに、そんなこと重要じゃないな。と心の中で思いながら私はリリィの話を聞く。
「貴方と私は親友だったの」
ポツリとリリィは言葉を紡ぎ始めた。
私がいじめられているところを助けてくれたこと、一緒に遊んだこと、同じ高校に進学したことなど……
どれもこれも懐かしい思い出を語っている。私も思い出して懐かしいな……と、思ったの同時に――。
「(やっぱりこの子……)」
こんなに、私との思い出を語ってくれたら流石の私も察せる。
このリリィはやっぱり……私の前世の親友である――。
「……と、ここまで言えば分かるよね?」
ニマニマと嬉しそうに微笑みながらリリィは私に問いかける。そんなリリィに向かって私は微笑みながら口を開く。
「ええ。そうね……美香」
かつての親友の名を呼ぶと、リリィ……いや美香は嬉しそうに微笑んだ。
メロメロ、といった表情で迫るナタリー・アルディ。そんなナタリーを見て苦笑いを浮かべるレオン様にため息を吐くニコラス様。
「悪いが……俺は帰らせてもらう。ローラ、行こう」
「は?ローラは今私の家に泊まりに来ているんですけど~~?」
バチバチ、と火花が見えそうな雰囲気だ。アシュリーも、レオン様も一歩も引かない姿勢を見せるのをつまらなさそうに見るナタリー・アルディ。
私はその光景を見ながら、どうしようかなぁと考えていた。
「……ローラ、大丈夫か?」
ニコラス様は心配そうな顔でローラの顔を覗き込んでいる。それに対してローラはニッコリ微笑んで。
「心配してくださってありがとうございます、ニコラス様。でも私は大丈夫ですよ。……ただ、ちょっと疲れただけです……」
ほぅ……とため息を吐くローラ。その姿はとても色っぽくて、思わずドキッとしたのと同時に――。
「……奈緒。行くわよ」
リリィにグイグイと腕を引っ張られる。
なんかデジャブだ……と思いながら私はリリィに引きずられていったのだった。
△▼△▼
――先まで居た部屋から遠く離れた部屋。
そこには、シンプルだけど高級感が漂う家具が置いてあった。
「……なんだか、落ち着かないわ」
ソワソワと部屋中を見渡す私。そんな私にリリィはごほんっ!とわざとらしく咳払いしながら。
「ねぇ、聞いてもらってもいいかしら?」
リリィは真っ直ぐ私を見つめながら真剣な瞳で私を見る。そんなリリィを見て、私はなんだか嫌な予感がした。
「な、何?」
「前世のこと……話してもいいわよね?」
「……ええ」
前世のこと。その言葉で私は一気に現実へと引き戻された。先までいろんな問題があったから忘れてはいたけれど……リリィと私が前世の知り合いである、ということは、確定したわけだし
怖い……という気持ちは、ちょっとある。何故?と聞かれたら分からないけど、怖い……と感じてしまっている自分がいるのだ。でも、逃げるわけにもいかない。
だって、リリィと私が前世の知り合いであることは確かなのだから。
「……ええ。話して。リリィ」
私は微笑みながらリリィに言うと、リリィは嬉しそうに微笑んだ。……思えばナタリー・アルディになったときから、リリィのことは、ローラが好きである、と転生者ということしか知らない。それ以外は、リリィがどんな人物で、どんな人生を歩んできたのかも、知らない。
「私ね、転生者だと思っていたの。でも、これって憑依?っていうのかしらね?それとも成り代わり、って言えばいいのかしら?」
「……そうかもねぇ」
私も転生かと思ったけども、あの精神世界で本物のリリィとナタリー・アルディと会ったし。これは転生ではなく、憑依、もしくは成り代わりに近い気がする。本物のリリィの魂はもうないけどね……。
「いや、そんなことは重要じゃないわ」
フルフルと首を横に振りながらリリィは話を続ける。
……確かに、そんなこと重要じゃないな。と心の中で思いながら私はリリィの話を聞く。
「貴方と私は親友だったの」
ポツリとリリィは言葉を紡ぎ始めた。
私がいじめられているところを助けてくれたこと、一緒に遊んだこと、同じ高校に進学したことなど……
どれもこれも懐かしい思い出を語っている。私も思い出して懐かしいな……と、思ったの同時に――。
「(やっぱりこの子……)」
こんなに、私との思い出を語ってくれたら流石の私も察せる。
このリリィはやっぱり……私の前世の親友である――。
「……と、ここまで言えば分かるよね?」
ニマニマと嬉しそうに微笑みながらリリィは私に問いかける。そんなリリィに向かって私は微笑みながら口を開く。
「ええ。そうね……美香」
かつての親友の名を呼ぶと、リリィ……いや美香は嬉しそうに微笑んだ。
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