知らない世界に転生したと思ったら、すぐ側にガチ勢がいた件について

花宮

文字の大きさ
71 / 75
三章 〜半年が経って〜

二十六話 『作戦実行……?』

しおりを挟む
「レオン様、本当にいいのですか?この作戦は……」


「ああ。大丈夫だ」


「……そうですか」


リリィは心配そうに、レオン様のことを見ていた。そんなリリィを見て、レオン様はこう言った


「そんなに心配しないでくれ。大丈夫だ。俺の、作戦に——不可能は、ない」


「……はぁ……?……ええ。そうですね」


なに言ってるんだ、こいつ……みたいな顔でリリィはレオン様のことを見ていた。……まぁ、そうなるよな。


「何だ、その目は。何か文句があるのか?」


「はい。そうですけど。何なんですか?寝込みを襲って無理矢理捕まえるって……。そんなの、成功するわけないじゃないですか」


そう。それが作戦の内容だ。……はっきり言って、この作戦は成功する気がしない。とゆうか、これは作戦なのだろうか?ただ、寝込みを襲うだけなんて作戦とも言えない気がするし。


「というか……この女って結局誰なんだ?」


レオン様が私に視線を向ける。………私のことは、気にしないでほしい。説明するのも面倒くさいし。 


「あー、気にしなくて大丈夫です。私のことは……いないものだと考えて下さい」


「そうか」 


レオン様は、私に対してあまり興味がないのか、それ以上は聞いてこなかった。
……まぁ、説明したとしたところで理解してもらえるとは思わないけど。


「……あ。そろそろ……」


『あー、聞こえるか??もう王は寝たって。作戦開始。』


無線から聞こえてきた声……この声はスティブーン様か?というか、この世界って無線機なんてあるのね……みんなテレパシーで会話しているから、無線機なんて必要ないと思ってたわ。


「………ん?ちょっと待ってくれ。あれは……ローラにニコラス?」


不意に、レオン様がそんなことを言った。私はレオン様の目線の先を見てみると……そこには、ローラとニコラス様がいた。

…………え?あの二人って接点は……あったんだろうけど、夜中に二人で会ってるの?しかも、なんだかいい雰囲気だし。……何それ。めっちゃ気になるんだけど。

………隣にいる二人の目が怖くなっていっている。いや、気持ちは分かるよ?レオン様はローラのことが好きだしリリィはナタリー×ローラのカップリングが好きだし。とかいう私も複雑な気分だけど……。


「……ナタリー・アルディがいるくせに……?」


「…ローラ様と二人っきりになるなんて……!ローラ様はナタリー様の……!」


うん。これはまずいな。二人とも怒りで我を忘れてるっぽいし……!王様のことなんて忘れてるでしょこれ!


「……って!そっちに行ったぞ!追うか?」


「ええ。追うに決まってますよね?」


「……ああ」


二人は即答すると……すごい速さで走り出してしまった。……って!私を置いてかないでよ!……私だって二人のことが気になるし、そもそも、リリィと離れたら何処に行けばいいのかわからないんだから!


「ちょっ!二人とも!待ってください!」


私は必死に二人のことを追いかけたのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。

樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」 大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。 はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!! 私の必死の努力を返してー!! 乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。 気付けば物語が始まる学園への入学式の日。 私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!! 私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ! 所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。 でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!! 攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢! 必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!! やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!! 必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。 ※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

転生ヒロインは不倫が嫌いなので地道な道を選らぶ

karon
ファンタジー
デビュタントドレスを見た瞬間アメリアはかつて好きだった乙女ゲーム「薔薇の言の葉」の世界に転生したことを悟った。 しかし、攻略対象に張り付いた自分より身分の高い悪役令嬢と戦う危険性を考え、攻略対象完全無視でモブとくっつくことを決心、しかし、アメリアの思惑は思わぬ方向に横滑りし。

悪役令嬢によればこの世界は乙女ゲームの世界らしい

斯波@ジゼルの錬金飴③発売中
ファンタジー
ブラック企業を辞退した私が卒業後に手に入れたのは無職の称号だった。不服そうな親の目から逃れるべく、喫茶店でパート情報を探そうとしたが暴走トラックに轢かれて人生を終えた――かと思ったら村人達に恐れられ、軟禁されている10歳の少女に転生していた。どうやら少女の強大すぎる魔法は村人達の恐怖の対象となったらしい。村人の気持ちも分からなくはないが、二度目の人生を小屋での軟禁生活で終わらせるつもりは毛頭ないので、逃げることにした。だが私には強すぎるステータスと『ポイント交換システム』がある!拠点をテントに決め、日々魔物を狩りながら自由気ままな冒険者を続けてたのだが……。 ※1.恋愛要素を含みますが、出てくるのが遅いのでご注意ください。 ※2.『悪役令嬢に転生したので断罪エンドまでぐーたら過ごしたい 王子がスパルタとか聞いてないんですけど!?』と同じ世界観・時間軸のお話ですが、こちらだけでもお楽しみいただけます。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

処理中です...