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三章 〜半年が経って〜
二十七話 『もう、間違えない』
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「で?俺らを追ってきたって作戦を放棄したことを謝罪する気はないのか?」
「無いですよ。だって、悪いのは私じゃないですもん」
「開き直るなよ……」
今、レオン様とリリィはニコラス様の前で正座をし、反省させられていたが、二人とも反省の色は全く見えない。
「…悪かったとは思ってる。俺は」
「は?レオン様も反省したら反省しない私だけ悪者じゃないですか!」
「お前なぁ……」
レオン様の言葉にリリィが噛みつき、さらに喧嘩が勃発しそうな雰囲気になるが、それをニコラス様が止める。……この人も、割と苦労人ポジションだよな……ご愁傷様です。
「リリィさん……レオン様……」
ローラに名前を呼ばれた二人はビクッ、と反応し、ゆっくりと振り返る。
「ごめんなさいを、しませんか?」
ゴゴ……と効果音がつきそうな恐ろしいオーラを出しながら二人に語りかけるローラ。怖い……
「ごめん……」
「……すみませんでした」
二人はすぐに謝った。ローラは普段は温厚だが、怒ると怖いのだ。
「私ではなく、ニコラス様に謝ってください。………ね?」
威圧感のある笑顔に、二人はすぐにニコラス様の方を向く。
「……ごめんなさい」
「悪かった……」
「………まぁ、いいけど。とにかく、明日はしっかりやってくれよな?俺らはやましいことは一切してないし」
そう言い切った直後のことだ。
「……………何この状況」
スティブーン様がドン引きした表情で、そう呟いた。
……確かに、この光景を見たら誰でもドン引きするよな……
「……とにかく、明日はよろしくお願いします。……今日みたいなことは、しないでくださいね……?」
ローラが怖い……よっぽど、聞かれたくないことを話していたんだろうなぁ……何を話していたのか教えてくれないし
「……ローラさんも…人のこと言えないと思うけど」
「………なにか言いましたか?スティブーン様?」
………この子、こんなことを言う子だったかな……?なんか、レオン様と婚約者になってから性格が変わった気がする。……いや、元々こういう性格だったのを私が知らなかっただけか?
「…ま、いいけど。じゃあ、明日はしくじるなよ?リリィにレオン」
そういって、スティブーン様は去っていった。
「今回に関しては、私の方が悪いし何も言えないわ……」
リリィは、そういって大人しく反省した。レオン様は何か言いたそうだったが、黙っているあたり、反省はしているらしい。
「……ところで、もう無理よね?作戦」
「はい、もう無理ですね。まぁ、私たちがこんなことしているとは誰も夢にも思ってもいないでしょうし、明日にまた決行しましょう」
「……そう」
あっけらかんと言ったローラに、レオン様はため息をつく。
「…明日に備えて今日はもう寝ますから」
リリィはそういって、自室に戻っていった。
……さて、私も明日に備えて寝るか……
「なぁ。…そこのお前は……結局誰なんだ?どうして、この作戦に加担する?お前は、俺らに何をさせたいんだ?」
レオン様がそう聞いてきた。……それは……
「……貴女達には関係ないことです」
私はそれだけ言って、自室に戻った。
△▼△▼
——夢を見た。
「ごめんねー?お姉ちゃん?」
妹はそう言って、彼の腕に自分の腕を絡めた。
「私、彼が好きなの。だから、ごめんね?」
妹はそう言って、彼の唇に自分の唇を軽く押し付けた。
「お姉ちゃんはさ、何にもしなくていいんだよ?ただ、大人しくしててね?」
昔の私なら、きっと胸がはちきれていたかもしれない。心が痛くて、辛くてたまらなかった。でも……今の私は……何も感じなかった。
最近、夢だと自覚している夢を見ることが増えた。内容はいつも一緒だ。
私の妹が私から大切な人を奪っていく夢。
「……大丈夫……大丈夫……」
自分に言い聞かせるように呟く。
……私は……もう間違わないと、心の底から私は叫べるから。
「無いですよ。だって、悪いのは私じゃないですもん」
「開き直るなよ……」
今、レオン様とリリィはニコラス様の前で正座をし、反省させられていたが、二人とも反省の色は全く見えない。
「…悪かったとは思ってる。俺は」
「は?レオン様も反省したら反省しない私だけ悪者じゃないですか!」
「お前なぁ……」
レオン様の言葉にリリィが噛みつき、さらに喧嘩が勃発しそうな雰囲気になるが、それをニコラス様が止める。……この人も、割と苦労人ポジションだよな……ご愁傷様です。
「リリィさん……レオン様……」
ローラに名前を呼ばれた二人はビクッ、と反応し、ゆっくりと振り返る。
「ごめんなさいを、しませんか?」
ゴゴ……と効果音がつきそうな恐ろしいオーラを出しながら二人に語りかけるローラ。怖い……
「ごめん……」
「……すみませんでした」
二人はすぐに謝った。ローラは普段は温厚だが、怒ると怖いのだ。
「私ではなく、ニコラス様に謝ってください。………ね?」
威圧感のある笑顔に、二人はすぐにニコラス様の方を向く。
「……ごめんなさい」
「悪かった……」
「………まぁ、いいけど。とにかく、明日はしっかりやってくれよな?俺らはやましいことは一切してないし」
そう言い切った直後のことだ。
「……………何この状況」
スティブーン様がドン引きした表情で、そう呟いた。
……確かに、この光景を見たら誰でもドン引きするよな……
「……とにかく、明日はよろしくお願いします。……今日みたいなことは、しないでくださいね……?」
ローラが怖い……よっぽど、聞かれたくないことを話していたんだろうなぁ……何を話していたのか教えてくれないし
「……ローラさんも…人のこと言えないと思うけど」
「………なにか言いましたか?スティブーン様?」
………この子、こんなことを言う子だったかな……?なんか、レオン様と婚約者になってから性格が変わった気がする。……いや、元々こういう性格だったのを私が知らなかっただけか?
「…ま、いいけど。じゃあ、明日はしくじるなよ?リリィにレオン」
そういって、スティブーン様は去っていった。
「今回に関しては、私の方が悪いし何も言えないわ……」
リリィは、そういって大人しく反省した。レオン様は何か言いたそうだったが、黙っているあたり、反省はしているらしい。
「……ところで、もう無理よね?作戦」
「はい、もう無理ですね。まぁ、私たちがこんなことしているとは誰も夢にも思ってもいないでしょうし、明日にまた決行しましょう」
「……そう」
あっけらかんと言ったローラに、レオン様はため息をつく。
「…明日に備えて今日はもう寝ますから」
リリィはそういって、自室に戻っていった。
……さて、私も明日に備えて寝るか……
「なぁ。…そこのお前は……結局誰なんだ?どうして、この作戦に加担する?お前は、俺らに何をさせたいんだ?」
レオン様がそう聞いてきた。……それは……
「……貴女達には関係ないことです」
私はそれだけ言って、自室に戻った。
△▼△▼
——夢を見た。
「ごめんねー?お姉ちゃん?」
妹はそう言って、彼の腕に自分の腕を絡めた。
「私、彼が好きなの。だから、ごめんね?」
妹はそう言って、彼の唇に自分の唇を軽く押し付けた。
「お姉ちゃんはさ、何にもしなくていいんだよ?ただ、大人しくしててね?」
昔の私なら、きっと胸がはちきれていたかもしれない。心が痛くて、辛くてたまらなかった。でも……今の私は……何も感じなかった。
最近、夢だと自覚している夢を見ることが増えた。内容はいつも一緒だ。
私の妹が私から大切な人を奪っていく夢。
「……大丈夫……大丈夫……」
自分に言い聞かせるように呟く。
……私は……もう間違わないと、心の底から私は叫べるから。
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