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5.アーケロン家の憂鬱
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帝都の公娼街であるヤシワラには、皇国全土から客がやってくる。
交易商人もいるし、地方貴族もいる。世界を流浪する冒険者(ちなみに、オーナもそのひとり)もいる。
身分も職業も様々、種族ですら様々だ。
しかし、ヤシワラに来る男の望むことは基本的にひとつ。
男の欲望、夢を白濁した液に乗せ、ドクドクと女の肉の中に流し込むことだ。
しかし、そうではない客もたまにいる。
でもってだ――
今日は客がやってきた。
娼婦の客ではなく、支配人の俺に客だ。
ようするに「そうでない客」って奴がやって来たのだ。
「確かにオーナーの字ですね。サインも……」
俺は手紙を手に取っていった。きちんと蝋で封じられ、
冒険者のオーナーによる押印がされていた。本物だ。
「それは、ご納得いただき――」
「いや、本物であることは納得したけど、話の内容は納得はしてないよ」
「そうですか…… しかし」
支配人室には、俺と老人。
一応は置いてある応接用のソファーとテーブルで向き合っている。
老人の名前はパキケトゥスという。舌を噛みそうだ。
「オーナーの書いてあることも分かるけど…… あの人は娼館はしらないからねぇ」
「しかし、有能な冒険者です。今回も、助けられました――」
「そうみたいですね……」
俺は、パキケ老人(こう呼ぶことにした俺的に)が持ってきた書状にもう一度目を通す。
「で、要するに、若様のオチンチンを勃てろと……」
「世継ぎが…… このままでは世継ぎができませぬ!」
「いや…… 分かるけど。それ、俺らじゃなくていいんじゃないっすか? 医者とか」
「もう、医者には見せたのです……」
「治癒魔法とか、薬とか」
「効き目はありませなんだ」
昼間から、爺さんとオチンチンの話している俺。
これも支配人の仕事といえばそうなのだろう。
オーナーの書状をもってきているのだし、無碍にはできないが……
しかし、出来ることと、出来ないことというのが、世の中にはあるのだ。
「若様のインポを治してオチンチンを勃起させる…… う~ん」
確かに「幻想館」は超一流の娼館であり、粒ぞろいの娼婦が揃っている。
しかし、今回はどうなのか……
医学的な見地からのアプローチが正解じゃないのかなと俺は思ったりする。
何が起きているかというと、オーナーが面倒事を送りこんできたのだ。
世界を放浪する超一流冒険者のオーナーは、基本的に「幻想館」の経営にはノータッチだ。
しかし、時々変な客を送りこんでくるという癖がある。
今回などは正にそれだ。
「誘拐されて5年間、暗殺者として鍛えられ、そして実家に送り込まれる―― 災難だったとは思いますけどね」
「それだけならまだよかったのですが……」
要するにある貴族の若様が5年前に誘拐された。
そのときには7歳。
お家の恥になるので、そのことは当然、内密になっている。
そして、5年後に「ご子息が見つかりました」ということで、12歳になった子どもが連れてこられた。
見つけたのはオーナーではない。交易商人の商隊が偶然見つけたて連れてきたそうだ。
でもって、それで終わればよかったのだが、そうはいかなかった。
若様は、その貴族と敵対する勢力に洗脳され「少年暗殺者」として送り込まれていたのだ。
12歳になるまで、徹底的な洗脳と暗殺訓練を受けていた。
貴族側としては当然、色々調べる。本人かどうかの確認は最重要事項だ。
これはパスした。そりゃ、本人なのだから、当たり前だ。
しかし、その中身は「当主を暗殺」するために送り込まれた「刺客」。
で、たまたま別件でその家にいたオーナーが、異変に気づく。
そして、暗殺を阻止して、若様の洗脳を解く。更に、若様を暗殺者に仕立て上げた奴らも突き止め、全員を捕えるかぶち殺した。
現在、皇国で実権を握っている「執政将軍家」に敵対し潰された貴族の残党の仕業だったのだ。
中央から遠い「北麗(ほくれい)」で動いていたのだろう。
「若様の洗脳は解けたし、悪の組織も滅びました―― めでたしめでたしといかんのかねぇ……」
俺は、ソファーに身をあずけ言った。俺の諧謔を隠そうともしない言い方に少し「ムッ」とした表情を見せる老人。
この程度で表情を変えるのは、やはり結構デカイ貴族の関係者だ。
娼館の支配人ごときが何を言うかという気持ちを隠せないんだろう。
「若様の洗脳は解けましたが。記憶は残っております。実父を殺そうとした、自責の念は消えませぬ――」
パキケ老人は、北麗特有の訛を隠そうと話しているが、イントネーションで分かる。
ヤツシマ皇国は本島の「須王(すおう)」と「南邦(なんぽう)」「西壁(せいへき)」「北麗(ほくれい)」の4つの島を中心とした国だ。
パキケ老人の訛は「北麗」のものだろう。
そこの辺境領主として最大の貴族は…… アーケロン家だ。巨大なヘビの首をもった亀の紋章で有名だ。
ただ、老人がアーケロン家の関係者かどうかは不明。
オーナーの書状にはそんなことは一切書いてない。
ただ、なんとなくそうかなという気はしてくる。
「北麗」では「執政将軍家」とのつながりが一番強いのがアーケロン家。
同家の初代は「執政将軍家」の三代目の異母弟になるはずだ。
反執政将軍家の残党が狙うとすれば、アーケロン家くらいなものだろう。北麗では。
俺は、この世界で生き残るために叩き込んだ記憶を掘り返す。
文化や社会システムが分かってなければ、どんなボケミスをしてしまうか分からんのだ。
異世界で生きるということはそういうことだ。
「12歳の若様のオチンチンを立たせて、筆おろしかぁ~」
そのとき、俺はふと思った、そもそも若様は「精通」しているのかということだ。
年齢的には微妙なとこだろう。
俺はそのことを確認する。
「若様は、誘拐される直前7歳で精通しております」
「早くない?」
「当家では普通なのです。世継ぎを絶やさないため、当家は男子のオチンチンを鍛え上げるのです」
そして老人は胸を張って語り始めた。
まず、生まれてすぐ、オチンチンは割礼される。
皮が切り取られるのだ。
まあ、衛生的な問題でそう言うことをする家もなくはないようだ。
元の世界でも、砂漠地帯の民族には多くみられる習慣だ。
そんで、5歳から「会陰マッサージ」が開始される。
オチンチンと肛門の間の「会陰」と呼ばれる部位を毎日揉まれるのだ。
そして、竿も乳母の手で扱かれ、勃起を促される。
更に乳母はオチンチンをしゃぶり、パイズリする。
母乳を飲ませながららしい。
母乳にはオチンチンを強化する成分があると信じられているのだ。
こんなことやってると7歳くらいで「精通」する。
そして、そこから中2日の射精が義務付けされる。
乳母の手や口、おっぱいを使ってである。
そのときには、射精を我慢することを教わるらしい。
そして、12歳までには、乳母による筆おろしを体験することになる。
そのときに、乳母が孕んでしまうと、その子が跡継ぎになったりもする。
聞いているとクラクラしてくる狂気を帯びた話だが、文化の違いだ。
ここは異世界なのだから、そういう文化もあるだろう。
そもそも、元の世界だって、王家の近親婚などがなされていたのだ。
なにをもって「狂気」とするのか?
そもそも基準が異なるのだら、異世界転移者である俺からは何も言えない。
「とにかく12歳でオチンチンが勃たない…… これは一大事なのです。下手すれば、お家騒動に……」
「そうか……」
まあ、そんなことだろう。
世継ぎがその若様だけじゃなかった場合、これは非常に面倒くさいことになっているはずだ。
そもそも誘拐された時点で、次の世継ぎは決まっていたはずだろう。
しかし、戻ってきたからには、そちらを世継ぎにするしかない。
皇家から政務の全権を委任されれている「執政将軍家」は「長兄相続」を絶対としている。
お家騒動は許されない。
それでも貴族では「お家騒動」は後を絶たないわけだ。
「若様のオチンチンが勃てば、丸く収まるのかなぁ……」
俺は言った。まあ、やってみるだけは、やってもいいかと考える。
オーナーの持ち込んだ話だし、相手が有力貴族なら、その後色々と役に立つこともあるだろう。
「おお!! やっていただけますか!!」
「ん…… 一応はやってみるけど、成功するかどうかは分からんですよ」
「それでも…… 光明が…… あの勇者様がオーナーをされている娼館であれば!」
あれ? 冒険者のオーナーはいつ「勇者」にクラスチェンジしたの?
まあ、勇者というのは言葉の綾だろう。
「まずは…… 若様の好みだなぁ……」
「う~ん。そうですな……」
「一度、連れてきて、娼婦全員と面接するかなぁ――」
「いえ、いえ、いえ、いえ!! 若様は女性一人を相手にしてすら「石の地蔵」と化します。多くの娼婦と会うなど不可能です」
オチンチンはふにゃふにゃなのに、身体はカチコチになるのかよ……
めんどくさい、若様だなぁ……
「ただ、乳母に似ていれば、あるいは……」
ポツリと爺さんが言った。
「乳母、ああ、そうか…… 7歳までオチンチンの面倒みていたんだもんなぁ。そう言えば、その乳母は?」
「自害しております。責を問うた分けでは無かったのですが……」
まあ、それは、チラリと予想していた答えと一致していた。
しかし、乳母と似た女性を用意できなかったのだろうか、俺はその点を確認する。
「無理ですな……」
「無理? なんで」
「凄まじき、乳なのです。まさに巨大にして雄大。あれほどの巨乳は……「北麗」を探しても、いえ、この国中…… 大陸に渡っても……」
「巨乳かぁ……」
俺は腕を組んで考える。巨乳くらいなら、人材はいるが、どの程度ものなのか……
「話は全て聞いたのです!! ここは副支配人のボクより意見具申なのです!!」
バーンと部屋のロッカーが開いて、小学生のような男の子が出現。
副支配人のミチルだ。小学生に見えるが成人。そういう種族なのだ。
「てめぇ!! なにやってやがる!!」
「情報収集だったのです。支配人を陥れる情報が手に入るかもしれないと思ったのです!」
クソ野郎だが、バカなので正直だった。
「クソが! 殺すぞ!」
「ふふ、私の意見具申を聞くと殺す気は無くなるのです!」
「はぁ?」
ローカーから飛び出たミチルは小柄な体で胸を張った。
「ミルキーさんなのです! ホルスタイン獣人の女神!! 我らが巨乳神であるミルキーさんなら、問題はないのです! 12歳のオチンチンを優しく勃起させ、トロトロの初体験に導くはずなのです!」
超絶ドアホウ様の声が支配人室に響いたのであった。
■参考文献
江戸の性生活夜から朝まで 歴史に謎を探る会(編)
(若様のオチンチンを鍛える部分は、この本に紹介されている大名家伝わる逸話を参考にしました)
交易商人もいるし、地方貴族もいる。世界を流浪する冒険者(ちなみに、オーナもそのひとり)もいる。
身分も職業も様々、種族ですら様々だ。
しかし、ヤシワラに来る男の望むことは基本的にひとつ。
男の欲望、夢を白濁した液に乗せ、ドクドクと女の肉の中に流し込むことだ。
しかし、そうではない客もたまにいる。
でもってだ――
今日は客がやってきた。
娼婦の客ではなく、支配人の俺に客だ。
ようするに「そうでない客」って奴がやって来たのだ。
「確かにオーナーの字ですね。サインも……」
俺は手紙を手に取っていった。きちんと蝋で封じられ、
冒険者のオーナーによる押印がされていた。本物だ。
「それは、ご納得いただき――」
「いや、本物であることは納得したけど、話の内容は納得はしてないよ」
「そうですか…… しかし」
支配人室には、俺と老人。
一応は置いてある応接用のソファーとテーブルで向き合っている。
老人の名前はパキケトゥスという。舌を噛みそうだ。
「オーナーの書いてあることも分かるけど…… あの人は娼館はしらないからねぇ」
「しかし、有能な冒険者です。今回も、助けられました――」
「そうみたいですね……」
俺は、パキケ老人(こう呼ぶことにした俺的に)が持ってきた書状にもう一度目を通す。
「で、要するに、若様のオチンチンを勃てろと……」
「世継ぎが…… このままでは世継ぎができませぬ!」
「いや…… 分かるけど。それ、俺らじゃなくていいんじゃないっすか? 医者とか」
「もう、医者には見せたのです……」
「治癒魔法とか、薬とか」
「効き目はありませなんだ」
昼間から、爺さんとオチンチンの話している俺。
これも支配人の仕事といえばそうなのだろう。
オーナーの書状をもってきているのだし、無碍にはできないが……
しかし、出来ることと、出来ないことというのが、世の中にはあるのだ。
「若様のインポを治してオチンチンを勃起させる…… う~ん」
確かに「幻想館」は超一流の娼館であり、粒ぞろいの娼婦が揃っている。
しかし、今回はどうなのか……
医学的な見地からのアプローチが正解じゃないのかなと俺は思ったりする。
何が起きているかというと、オーナーが面倒事を送りこんできたのだ。
世界を放浪する超一流冒険者のオーナーは、基本的に「幻想館」の経営にはノータッチだ。
しかし、時々変な客を送りこんでくるという癖がある。
今回などは正にそれだ。
「誘拐されて5年間、暗殺者として鍛えられ、そして実家に送り込まれる―― 災難だったとは思いますけどね」
「それだけならまだよかったのですが……」
要するにある貴族の若様が5年前に誘拐された。
そのときには7歳。
お家の恥になるので、そのことは当然、内密になっている。
そして、5年後に「ご子息が見つかりました」ということで、12歳になった子どもが連れてこられた。
見つけたのはオーナーではない。交易商人の商隊が偶然見つけたて連れてきたそうだ。
でもって、それで終わればよかったのだが、そうはいかなかった。
若様は、その貴族と敵対する勢力に洗脳され「少年暗殺者」として送り込まれていたのだ。
12歳になるまで、徹底的な洗脳と暗殺訓練を受けていた。
貴族側としては当然、色々調べる。本人かどうかの確認は最重要事項だ。
これはパスした。そりゃ、本人なのだから、当たり前だ。
しかし、その中身は「当主を暗殺」するために送り込まれた「刺客」。
で、たまたま別件でその家にいたオーナーが、異変に気づく。
そして、暗殺を阻止して、若様の洗脳を解く。更に、若様を暗殺者に仕立て上げた奴らも突き止め、全員を捕えるかぶち殺した。
現在、皇国で実権を握っている「執政将軍家」に敵対し潰された貴族の残党の仕業だったのだ。
中央から遠い「北麗(ほくれい)」で動いていたのだろう。
「若様の洗脳は解けたし、悪の組織も滅びました―― めでたしめでたしといかんのかねぇ……」
俺は、ソファーに身をあずけ言った。俺の諧謔を隠そうともしない言い方に少し「ムッ」とした表情を見せる老人。
この程度で表情を変えるのは、やはり結構デカイ貴族の関係者だ。
娼館の支配人ごときが何を言うかという気持ちを隠せないんだろう。
「若様の洗脳は解けましたが。記憶は残っております。実父を殺そうとした、自責の念は消えませぬ――」
パキケ老人は、北麗特有の訛を隠そうと話しているが、イントネーションで分かる。
ヤツシマ皇国は本島の「須王(すおう)」と「南邦(なんぽう)」「西壁(せいへき)」「北麗(ほくれい)」の4つの島を中心とした国だ。
パキケ老人の訛は「北麗」のものだろう。
そこの辺境領主として最大の貴族は…… アーケロン家だ。巨大なヘビの首をもった亀の紋章で有名だ。
ただ、老人がアーケロン家の関係者かどうかは不明。
オーナーの書状にはそんなことは一切書いてない。
ただ、なんとなくそうかなという気はしてくる。
「北麗」では「執政将軍家」とのつながりが一番強いのがアーケロン家。
同家の初代は「執政将軍家」の三代目の異母弟になるはずだ。
反執政将軍家の残党が狙うとすれば、アーケロン家くらいなものだろう。北麗では。
俺は、この世界で生き残るために叩き込んだ記憶を掘り返す。
文化や社会システムが分かってなければ、どんなボケミスをしてしまうか分からんのだ。
異世界で生きるということはそういうことだ。
「12歳の若様のオチンチンを立たせて、筆おろしかぁ~」
そのとき、俺はふと思った、そもそも若様は「精通」しているのかということだ。
年齢的には微妙なとこだろう。
俺はそのことを確認する。
「若様は、誘拐される直前7歳で精通しております」
「早くない?」
「当家では普通なのです。世継ぎを絶やさないため、当家は男子のオチンチンを鍛え上げるのです」
そして老人は胸を張って語り始めた。
まず、生まれてすぐ、オチンチンは割礼される。
皮が切り取られるのだ。
まあ、衛生的な問題でそう言うことをする家もなくはないようだ。
元の世界でも、砂漠地帯の民族には多くみられる習慣だ。
そんで、5歳から「会陰マッサージ」が開始される。
オチンチンと肛門の間の「会陰」と呼ばれる部位を毎日揉まれるのだ。
そして、竿も乳母の手で扱かれ、勃起を促される。
更に乳母はオチンチンをしゃぶり、パイズリする。
母乳を飲ませながららしい。
母乳にはオチンチンを強化する成分があると信じられているのだ。
こんなことやってると7歳くらいで「精通」する。
そして、そこから中2日の射精が義務付けされる。
乳母の手や口、おっぱいを使ってである。
そのときには、射精を我慢することを教わるらしい。
そして、12歳までには、乳母による筆おろしを体験することになる。
そのときに、乳母が孕んでしまうと、その子が跡継ぎになったりもする。
聞いているとクラクラしてくる狂気を帯びた話だが、文化の違いだ。
ここは異世界なのだから、そういう文化もあるだろう。
そもそも、元の世界だって、王家の近親婚などがなされていたのだ。
なにをもって「狂気」とするのか?
そもそも基準が異なるのだら、異世界転移者である俺からは何も言えない。
「とにかく12歳でオチンチンが勃たない…… これは一大事なのです。下手すれば、お家騒動に……」
「そうか……」
まあ、そんなことだろう。
世継ぎがその若様だけじゃなかった場合、これは非常に面倒くさいことになっているはずだ。
そもそも誘拐された時点で、次の世継ぎは決まっていたはずだろう。
しかし、戻ってきたからには、そちらを世継ぎにするしかない。
皇家から政務の全権を委任されれている「執政将軍家」は「長兄相続」を絶対としている。
お家騒動は許されない。
それでも貴族では「お家騒動」は後を絶たないわけだ。
「若様のオチンチンが勃てば、丸く収まるのかなぁ……」
俺は言った。まあ、やってみるだけは、やってもいいかと考える。
オーナーの持ち込んだ話だし、相手が有力貴族なら、その後色々と役に立つこともあるだろう。
「おお!! やっていただけますか!!」
「ん…… 一応はやってみるけど、成功するかどうかは分からんですよ」
「それでも…… 光明が…… あの勇者様がオーナーをされている娼館であれば!」
あれ? 冒険者のオーナーはいつ「勇者」にクラスチェンジしたの?
まあ、勇者というのは言葉の綾だろう。
「まずは…… 若様の好みだなぁ……」
「う~ん。そうですな……」
「一度、連れてきて、娼婦全員と面接するかなぁ――」
「いえ、いえ、いえ、いえ!! 若様は女性一人を相手にしてすら「石の地蔵」と化します。多くの娼婦と会うなど不可能です」
オチンチンはふにゃふにゃなのに、身体はカチコチになるのかよ……
めんどくさい、若様だなぁ……
「ただ、乳母に似ていれば、あるいは……」
ポツリと爺さんが言った。
「乳母、ああ、そうか…… 7歳までオチンチンの面倒みていたんだもんなぁ。そう言えば、その乳母は?」
「自害しております。責を問うた分けでは無かったのですが……」
まあ、それは、チラリと予想していた答えと一致していた。
しかし、乳母と似た女性を用意できなかったのだろうか、俺はその点を確認する。
「無理ですな……」
「無理? なんで」
「凄まじき、乳なのです。まさに巨大にして雄大。あれほどの巨乳は……「北麗」を探しても、いえ、この国中…… 大陸に渡っても……」
「巨乳かぁ……」
俺は腕を組んで考える。巨乳くらいなら、人材はいるが、どの程度ものなのか……
「話は全て聞いたのです!! ここは副支配人のボクより意見具申なのです!!」
バーンと部屋のロッカーが開いて、小学生のような男の子が出現。
副支配人のミチルだ。小学生に見えるが成人。そういう種族なのだ。
「てめぇ!! なにやってやがる!!」
「情報収集だったのです。支配人を陥れる情報が手に入るかもしれないと思ったのです!」
クソ野郎だが、バカなので正直だった。
「クソが! 殺すぞ!」
「ふふ、私の意見具申を聞くと殺す気は無くなるのです!」
「はぁ?」
ローカーから飛び出たミチルは小柄な体で胸を張った。
「ミルキーさんなのです! ホルスタイン獣人の女神!! 我らが巨乳神であるミルキーさんなら、問題はないのです! 12歳のオチンチンを優しく勃起させ、トロトロの初体験に導くはずなのです!」
超絶ドアホウ様の声が支配人室に響いたのであった。
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