アニけんっ！

一章、ソードアートオンライン

1

「今日のテーマはSAOだよ！」
　部室につくなりこれだ。ちなみにSAOとは、ソードアートオンラインの略称だ。　
　さて、知らない人のためにまずは説明だ。
SAOとは川原　礫先生の作品で、主に中高年に人気がある。この小説はネットで公開されていたものを加筆修正し、電撃文庫から発売したものだ。
　ではここからが本番だ。SAOの世界で開発されたナーヴギアと呼ばれるゲームハードで、人々は、ゲーム世界に〈〈フルダイブ〉〉するこつが可能になった。ナーヴギアを装着し、「リンクスタート」のかけ声で仮想世界に飛び込む夢のゲームになる・・・・・・ハズだった。
　SAOの正式サービスが始まると同時に悪夢は始まった。ゲームからログアウトが不可能になったのだ。外部からナーヴギアを外そうとすると、大出力のマイクロウエーブで脳が焼かれ脳死、ゲーム中で死ぬと脳死・・・・・・。
　このようなデスゲームの世界で少年少女たちは「これはゲームであってもゲームではない」という言葉を胸に、生きてゲームクリアを目指す・・・・・・という話だ。
「やっぱりキリト君が一番だよね！」
　キリトてとは、SAOの主人公であり、エクストラスキル「二刀流」の持ち主。メインヒロインのアスナとは、婚姻関係にある。
「それは同感だ。だが、アスナが一番だ！」
　やっぱり、強さと美しさを兼ね備えた女の子って憧れるよね！
　しかし、藤咲は別意見らしく、
「えーっ！　アスナちゃんよりシリカちゃんでしょ！　あの健気な感じがイイ！」
とかいっている。
　ふっ、お前もロリ推しか。まあ、わるくはないけど。だが、
「胸が無いから駄目だ！」
　胸・・・・・・そう、胸はヒロインのステータス！　・・・・・・無論、胸だけで判断はしないが。
　白熱した議論の中、誰かが部室のドアを開けて入ってきた。
「遅れてごめんなさい」
　アニメとは縁がなさそうなこのクール系美少女は、佐々木　冴香（ささき　さえか）先輩。二年生。好みのアニメは、フェイトやアルドノア　ゼロなど、設定が深いアニメ。
　・・・・・・実は胸がキュンとするアニメも好きなことも知っている。
「そういえば、東雲君の言っていたアニメ、プラスチックメモリーズ、とってもよかったわ」
　どうやら、この前薦めたアニメは気に入ってもらえたようだ。
「泣けましたよね！」
「ええ、とっても」　
　だよなぁ！　やっぱプラメモは泣けるよな！
　ちなみに俺が好きなアニメは、泣けるアニメやバトルシーンの多いアニメとか。あ、エロいのも大好きです。新妹魔王の契約者とかね。
「冴香先輩は、SAOのヒロインの中で誰が好きなの？」
　会話に入れてもらえなかった藤咲が入ってきた。先輩は少し考えるそぶりを見せた後、静かな声で語り出した。
「私はサチが好き。特にキリトの前で、モンスターに引き裂かれてしまうシーンがとっても・・・・・・えぐっ、悲し、ぐすっ、い」
　先輩の目から涙がこぼれた。
「「泣いたー！」」
　どうしよう！　泣いちゃったよ先輩が。とってもクールな先輩が。しかも大号泣。　
「先輩、俺のでよければハンカチ使いますか？」
「ありがとう、ぐすっ」　
　確かにあのシーンは泣ける。あの回は本当に悲しすぎる。俺もガチ泣きした記憶がある。
　泣きやんだ先輩が、ハンカチをポケットのにしまって言った。
「ハンカチ、洗って返すわね」
「別にいいですよ」
　すると、先輩は悲しそうな感じで上目遣いをしてきた。
「・・・・・・私が洗ったのじゃ、駄目？」
　うっ、そんな上目遣いで見られると・・・・・・。
「お願いします・・・・・・」
　この言葉以外言えなかった。