13 / 27
巻の十三、閑話‐つながる糸
カタン。キィ――、パタン。
カタン。キィ――、パタン。
なにかの音が聞こえる。規則正しい音……ではない。どっちかというと、つっかえつっかえ、不規則でバラバラな印象の音。
(機織り……?)
そう思って、あたりを見回すが、そこに機屋はあるけど、中には誰もいない。
機を織るだけの余裕がないのだ、この村は。
白虎将軍として派遣された、諒州の村。
租税として上げるべき絹。絹でなくても、村の者が身にまとう、麻、藤。それらを織って布に仕立てたくても、織り手となる女がいない。絹糸を吐き、繭を作る蚕を育てる桑の葉がない。
家族を養おうと、女はその身を色街に売り、桑の葉は、蚕ではなく飢えた村人に貪り食われた。
残ったのは、飢えた老人と幼い子供だけ。男は、鍬や鋤を武器に立ち上がって反乱を起こした。
(どうしてこんなことに……)
こうなるキッカケは、川の氾濫だった。
上流から大量の土砂とともに押し寄せ、村人も田畑も家屋も濁流に呑み込まれ、残ったのは泥土と木々の残骸。
それでも、上が村の復興に手を貸してくれていれば、こうはならなかった。
しかし、上は、村がこんな惨状であっても、容赦なく税を取り立てた。
いや、取り立てただけならまだいい。そこに追徴で税を重ねた。
諒州は、皇太子殿下の領地。
殿下は、お気に入りとなった寵姫のために、贅を凝らすために、諒州に税をかけた。今は、復興が先という臣下の言葉も聴かずに。
この村は、かつて紅花の産地で、良質の紅が採れ、それで染めた絹糸、布は、都で憧れの一品だった。
しかし今、ここで紅を採る者はおらず、染めも織りも行われていない。紅花は手入れされまいままに枯れ果て、養蚕も行われず、機には蜘蛛の巣がかかっている。
(梨花……)
こんな惨状、彼女が見たら、なんて言うだろうか。
なんにもしない、むしろここまで困窮していても税を取ろうとする皇太子殿下に、問答無用で殴りかかってるかもしれないな。
「よかったら、これをお食べ」
近く、動く力も無くした妹を、かばうように動いた幼い兄。その彼に、懐に入れていた飯を渡す。
「ゆっくり食べるんだよ」
垢にまみれ、頬も痩せこけてるのに、異様に膨らんだお腹。
渡した飯を食べても、この子たちは生きられないかもしれない。一組の兄妹に飯を渡したところで、救いになるのかどうか。ただの自己満足にすぎないのかもしれない。
けれど、渡さずにはいられなかった。きっと、彼女も同じことをするだろう。
この飯一つで、少しでも生きながらえるのなら、それで助かる命があるのなら、自己満足でも偽善でも欺瞞でもいい。
(梨花、か……)
あんなふうに泣かせてしまったのに。
会ってももらえないぐらい嫌われてしまったというのに。
それでもまだ、彼女のことを思ってしまう。
自分が、彼女ナシに立っていられない、情けない男なのだと痛感する。
こうして白虎将軍となれたのは、彼女のおかげ。
室にこもって書ばかり読んでいた僕を、鍛えてあげると無理やり外に引っ張り出した彼女。いきなり木刀で殴りかかってくることもあった。
滅茶苦茶だなあと思うけど、僕が別の誰かにイジメられてると、率先してその誰かを殴りに行く、年下の彼女。
僕が池で溺れたら、自分も泳げないことを忘れて池に飛び込んでくるし。僕が風邪ひいたら、看病のために忍び込んでくるし。
皇帝の命令で、後宮に入ることになったときも、家族のため、「否」と言わずに大人しく従ったって聴いた。
滅茶苦茶だけど、一本筋の通った優しさを持ってる。
だから。
だから、そんな彼女を愛おしく思って。恋しくて。
彼女のために戦功を立てた。
白虎将軍となって、功績を残せば、皇帝から報奨が出る。
報奨は、地位や金の場合もあるけど、僕は、彼女を下賜されることを願うつもりでいた。将軍に後宮の女性が下されることは、滅多にないけど、でもありえないこともない話。
後宮に入った彼女が皇太子殿下の寵姫になるかもしれない。彼女が皇太子と相愛になることだって考えられた。寵姫として皇太子の御子を産む可能性もあった。
でも。
――明順。
僕を呼ぶ彼女の声を聴きたくて。彼女を手に入れたくて、将軍にまで上り詰めた。
だから。
だから、彼女が後宮を出ることになったと聞いて、我慢できずに皇都に戻った。国の西方を護る白虎将軍として、あり得ない行動をとった。
彼女を溺愛する家族が、彼女を家の恥として尼寺に入れるとは考えにくい。どちらかというと、「ヨーシヨシヨシ。お前をフル皇太子が悪い。見る目がないな殿下は」で、思いっきり猫っ可愛がりするだろう。
それはそれで構わない。それで、彼女が癒やされるなら、それがいいだろう。
だけど。その先で、誰かいい婿をとなったら?
彼女の人となりを知れば、誰だって放っておかない。誰だって彼女に恋をしてしまう。
それに。
(ものすごく可愛くなってたし)
後宮から戻ってきた彼女。
自分の覚えている、幼い頃の彼女の可愛かったけれど、今はそれに大人っぽさというか、妖艶さというか。とにかく目の離せなくなる、不思議な何かを持ち合わせていた。
結婚を申し込みに皇都に戻ったこと、英断だったと今でも思う。
だけど。
(彼女は、僕を愛してくれるのか?)
結婚が決まってから。ムクムクと沸き起こった不安が、鎌首をもたげ始める。
僕と結婚すると言ってくれたけど、それは、後宮から追い出されて、ヤケになった結果じゃないのか? 本当は、皇太子殿下に未練を残していて、それを吹っ切るために結婚を了承したのじゃないのか? 仕方なく、僕で妥協したのじゃないのか?
そう考えると、彼女と結婚できて浮かれている自分が、情けなく哀れに思えてきた。
まるで、猫に嫌われているのに、抱きしめ頬ずりする飼い主のようだ。餌と寝床があるから留まってくれているのに、勘違いして猫に慕われていると思ってる飼い主。
だから、夫婦としてのことを行わず、彼女の兄のように接した。
近づきたい。けど、嫌われていたら。
強引に手に入れたくせに。その先に踏み込むのは怖かった。
(これで、勇猛な白虎将軍なのだから。なんの皮肉か)
彼女にも話した作戦。
あれ以来、僕も敵からは「猛虎将軍」とあだ名されているけど。本当の僕は、猛虎でもなんでもない。彼女を手に入れたいのに、彼女に嫌われたくなくて手を出せずにいる臆病者。
(だから、あんなふうに泣かせてしまった)
泣かせただけじゃない。謝りたくても、会ってももらえない。
それだけ、嫌われている。愛想もつかされている。
なのに。
(梨花……)
心が激しく彼女を求めている。
会いたい。
会って、声が聴きたい。笑った顔を、姿を見たい。
欲を言うなら、触れたい。触れられたい。
本懐を遂げるのは、彼女が僕を求めてくれるようになってから。僕が想う、その何万分の一でいいから、彼女が僕を想ってくれるようになってから。
そう思ってるのに、どうしようもなく感情が暴走しそうになる。
後宮を追い出されて。弱ってるところにつけ入って結婚しただけじゃなく、無理やりその体を押し開いて、自分を強引に刻みつけたくなる。
(最低だ……)
そんなことをしたら、彼女を泣かせるだけじゃすまない。永遠に彼女を失ってしまう。
(こうして出征したのは、正解だったかもな)
忙しく動かなければいけない日々。
戦をするのではない。この村を復興させるために兵を動かす。
どこから手をつけ、なにを成すべきか。
そうしていることで、余計なことを考えずに済む。
「将軍、敵の首領どもを捕らえました!」
敵ではない。この先復興をともにする仲間だ。
彼らだって、好きで反乱を起こしたわけじゃない。
部下に反論したかったけど、言葉は呑み込む。
「よし。ではまず話しがしたい。連れてきてくれ」
――諒州の反乱を収めよ。
そう命じられて兵を従えてきた。だが、どのように反乱を鎮めるかまでは、言われていない。
村を復興させて、反乱の根を断つ。兵は、村の復興に使わせてもらう。糧食だって、兵を飢えさせるわけにはいかないが、余剰分はここの人たちに配ってもいいだろう。
僕は、戦って誰かの命を奪うより、そういった土木のほうが得意なんだ。
「――縄を解いてやれ」
連れてこられた反乱軍の首領。その打たれた縄を見て、兵に命じる。
彼らは敵ではない。これからをいっしょにする相手だ。縄を打っていい相手じゃない。
(梨花)
これが終わったら、必ず僕はキミのもとに行く。
その時は。その時は、僕の思っていることすべてをキミに話す。
だから。
(待っていてくれ、梨花)
村人もほとんどいない場所で。
なぜかずっと聴こえている機の音。
遠くさざめく波のように。温かく。切なく。愛しく。
不思議な機の音に勇気づけられ、僕は一歩前に出た。
カタン。キィ――、パタン。
なにかの音が聞こえる。規則正しい音……ではない。どっちかというと、つっかえつっかえ、不規則でバラバラな印象の音。
(機織り……?)
そう思って、あたりを見回すが、そこに機屋はあるけど、中には誰もいない。
機を織るだけの余裕がないのだ、この村は。
白虎将軍として派遣された、諒州の村。
租税として上げるべき絹。絹でなくても、村の者が身にまとう、麻、藤。それらを織って布に仕立てたくても、織り手となる女がいない。絹糸を吐き、繭を作る蚕を育てる桑の葉がない。
家族を養おうと、女はその身を色街に売り、桑の葉は、蚕ではなく飢えた村人に貪り食われた。
残ったのは、飢えた老人と幼い子供だけ。男は、鍬や鋤を武器に立ち上がって反乱を起こした。
(どうしてこんなことに……)
こうなるキッカケは、川の氾濫だった。
上流から大量の土砂とともに押し寄せ、村人も田畑も家屋も濁流に呑み込まれ、残ったのは泥土と木々の残骸。
それでも、上が村の復興に手を貸してくれていれば、こうはならなかった。
しかし、上は、村がこんな惨状であっても、容赦なく税を取り立てた。
いや、取り立てただけならまだいい。そこに追徴で税を重ねた。
諒州は、皇太子殿下の領地。
殿下は、お気に入りとなった寵姫のために、贅を凝らすために、諒州に税をかけた。今は、復興が先という臣下の言葉も聴かずに。
この村は、かつて紅花の産地で、良質の紅が採れ、それで染めた絹糸、布は、都で憧れの一品だった。
しかし今、ここで紅を採る者はおらず、染めも織りも行われていない。紅花は手入れされまいままに枯れ果て、養蚕も行われず、機には蜘蛛の巣がかかっている。
(梨花……)
こんな惨状、彼女が見たら、なんて言うだろうか。
なんにもしない、むしろここまで困窮していても税を取ろうとする皇太子殿下に、問答無用で殴りかかってるかもしれないな。
「よかったら、これをお食べ」
近く、動く力も無くした妹を、かばうように動いた幼い兄。その彼に、懐に入れていた飯を渡す。
「ゆっくり食べるんだよ」
垢にまみれ、頬も痩せこけてるのに、異様に膨らんだお腹。
渡した飯を食べても、この子たちは生きられないかもしれない。一組の兄妹に飯を渡したところで、救いになるのかどうか。ただの自己満足にすぎないのかもしれない。
けれど、渡さずにはいられなかった。きっと、彼女も同じことをするだろう。
この飯一つで、少しでも生きながらえるのなら、それで助かる命があるのなら、自己満足でも偽善でも欺瞞でもいい。
(梨花、か……)
あんなふうに泣かせてしまったのに。
会ってももらえないぐらい嫌われてしまったというのに。
それでもまだ、彼女のことを思ってしまう。
自分が、彼女ナシに立っていられない、情けない男なのだと痛感する。
こうして白虎将軍となれたのは、彼女のおかげ。
室にこもって書ばかり読んでいた僕を、鍛えてあげると無理やり外に引っ張り出した彼女。いきなり木刀で殴りかかってくることもあった。
滅茶苦茶だなあと思うけど、僕が別の誰かにイジメられてると、率先してその誰かを殴りに行く、年下の彼女。
僕が池で溺れたら、自分も泳げないことを忘れて池に飛び込んでくるし。僕が風邪ひいたら、看病のために忍び込んでくるし。
皇帝の命令で、後宮に入ることになったときも、家族のため、「否」と言わずに大人しく従ったって聴いた。
滅茶苦茶だけど、一本筋の通った優しさを持ってる。
だから。
だから、そんな彼女を愛おしく思って。恋しくて。
彼女のために戦功を立てた。
白虎将軍となって、功績を残せば、皇帝から報奨が出る。
報奨は、地位や金の場合もあるけど、僕は、彼女を下賜されることを願うつもりでいた。将軍に後宮の女性が下されることは、滅多にないけど、でもありえないこともない話。
後宮に入った彼女が皇太子殿下の寵姫になるかもしれない。彼女が皇太子と相愛になることだって考えられた。寵姫として皇太子の御子を産む可能性もあった。
でも。
――明順。
僕を呼ぶ彼女の声を聴きたくて。彼女を手に入れたくて、将軍にまで上り詰めた。
だから。
だから、彼女が後宮を出ることになったと聞いて、我慢できずに皇都に戻った。国の西方を護る白虎将軍として、あり得ない行動をとった。
彼女を溺愛する家族が、彼女を家の恥として尼寺に入れるとは考えにくい。どちらかというと、「ヨーシヨシヨシ。お前をフル皇太子が悪い。見る目がないな殿下は」で、思いっきり猫っ可愛がりするだろう。
それはそれで構わない。それで、彼女が癒やされるなら、それがいいだろう。
だけど。その先で、誰かいい婿をとなったら?
彼女の人となりを知れば、誰だって放っておかない。誰だって彼女に恋をしてしまう。
それに。
(ものすごく可愛くなってたし)
後宮から戻ってきた彼女。
自分の覚えている、幼い頃の彼女の可愛かったけれど、今はそれに大人っぽさというか、妖艶さというか。とにかく目の離せなくなる、不思議な何かを持ち合わせていた。
結婚を申し込みに皇都に戻ったこと、英断だったと今でも思う。
だけど。
(彼女は、僕を愛してくれるのか?)
結婚が決まってから。ムクムクと沸き起こった不安が、鎌首をもたげ始める。
僕と結婚すると言ってくれたけど、それは、後宮から追い出されて、ヤケになった結果じゃないのか? 本当は、皇太子殿下に未練を残していて、それを吹っ切るために結婚を了承したのじゃないのか? 仕方なく、僕で妥協したのじゃないのか?
そう考えると、彼女と結婚できて浮かれている自分が、情けなく哀れに思えてきた。
まるで、猫に嫌われているのに、抱きしめ頬ずりする飼い主のようだ。餌と寝床があるから留まってくれているのに、勘違いして猫に慕われていると思ってる飼い主。
だから、夫婦としてのことを行わず、彼女の兄のように接した。
近づきたい。けど、嫌われていたら。
強引に手に入れたくせに。その先に踏み込むのは怖かった。
(これで、勇猛な白虎将軍なのだから。なんの皮肉か)
彼女にも話した作戦。
あれ以来、僕も敵からは「猛虎将軍」とあだ名されているけど。本当の僕は、猛虎でもなんでもない。彼女を手に入れたいのに、彼女に嫌われたくなくて手を出せずにいる臆病者。
(だから、あんなふうに泣かせてしまった)
泣かせただけじゃない。謝りたくても、会ってももらえない。
それだけ、嫌われている。愛想もつかされている。
なのに。
(梨花……)
心が激しく彼女を求めている。
会いたい。
会って、声が聴きたい。笑った顔を、姿を見たい。
欲を言うなら、触れたい。触れられたい。
本懐を遂げるのは、彼女が僕を求めてくれるようになってから。僕が想う、その何万分の一でいいから、彼女が僕を想ってくれるようになってから。
そう思ってるのに、どうしようもなく感情が暴走しそうになる。
後宮を追い出されて。弱ってるところにつけ入って結婚しただけじゃなく、無理やりその体を押し開いて、自分を強引に刻みつけたくなる。
(最低だ……)
そんなことをしたら、彼女を泣かせるだけじゃすまない。永遠に彼女を失ってしまう。
(こうして出征したのは、正解だったかもな)
忙しく動かなければいけない日々。
戦をするのではない。この村を復興させるために兵を動かす。
どこから手をつけ、なにを成すべきか。
そうしていることで、余計なことを考えずに済む。
「将軍、敵の首領どもを捕らえました!」
敵ではない。この先復興をともにする仲間だ。
彼らだって、好きで反乱を起こしたわけじゃない。
部下に反論したかったけど、言葉は呑み込む。
「よし。ではまず話しがしたい。連れてきてくれ」
――諒州の反乱を収めよ。
そう命じられて兵を従えてきた。だが、どのように反乱を鎮めるかまでは、言われていない。
村を復興させて、反乱の根を断つ。兵は、村の復興に使わせてもらう。糧食だって、兵を飢えさせるわけにはいかないが、余剰分はここの人たちに配ってもいいだろう。
僕は、戦って誰かの命を奪うより、そういった土木のほうが得意なんだ。
「――縄を解いてやれ」
連れてこられた反乱軍の首領。その打たれた縄を見て、兵に命じる。
彼らは敵ではない。これからをいっしょにする相手だ。縄を打っていい相手じゃない。
(梨花)
これが終わったら、必ず僕はキミのもとに行く。
その時は。その時は、僕の思っていることすべてをキミに話す。
だから。
(待っていてくれ、梨花)
村人もほとんどいない場所で。
なぜかずっと聴こえている機の音。
遠くさざめく波のように。温かく。切なく。愛しく。
不思議な機の音に勇気づけられ、僕は一歩前に出た。
あなたにおすすめの小説
【完結】「元カノが忘れられないんでしょう?」と身を引いた瞬間、爽やか彼氏の執着スイッチが入りました
恋せよ恋
恋愛
「元カノが忘れられないなら、私が身を引くわくべきよね」
交際一周年、愛するザックに告げた決別の言葉。
でも、彼は悲しむどころか、見たこともない
暗い瞳で私を追い詰めた。
「僕を捨てる? 逃げられると思っているの、アン」
私の知る爽やかな王子の仮面が剥がれ落ち、
隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
王宮の万能メイド、偏屈魔術師を餌付けする
葉山あおい
恋愛
王宮で働く勤続八年のメイド、エレナ・フォスター。仕事は完璧だが愛想がない彼女は、いつしか「鉄の女」と呼ばれ恐れられていた。
そんな彼女に下された辞令は、王宮の敷地内にありながら「魔窟」と呼ばれる『北の塔』の専属メイドになること。そこの主である宮廷魔術師団長・シルヴィス・クローデルは、稀代の天才ながら極度の人嫌い&生活能力ゼロの偏屈男だった!
ゴミ屋敷と化した塔をピカピカに掃除し、栄養失調寸前の彼に絶品の手料理を振る舞うエレナ。黄金色のオムレツ、とろける煮込みハンバーグ、特製カツサンド……。美味しいご飯で餌付けされた魔術師様は、次第にエレナへの独占欲を露わにし始めて――?
意地悪な聖女や侯爵夫人のいびりも、完璧なスキルで華麗に返り討ち。平民出身のメイドが、身分差を乗り越えて幸せな花嫁になるまでの、美味しくて甘いシンデレラストーリー。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
仮面王の花嫁
松雪
恋愛
婚約者を腹違いの妹に奪われ、新しい相手も見つからず修道院に行く覚悟を決めたルチア。修道女となるため髪を切った日の夜、王城から「国王がルチアを妻に望んでいる」という書簡を持った使者がやって来た。
しかし、従兄弟であり恋仲だったニールが国王のせいで死に至った過去を持つルチアは、国王からの求婚を喜べずーー。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない
木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。
生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。
ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。
その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。
花言葉は「私のものになって」
岬 空弥
恋愛
(婚約者様との会話など必要ありません。)
そうして今日もまた、見目麗しい婚約者様を前に、まるで人形のように微笑み、私は自分の世界に入ってゆくのでした。
その理由は、彼が私を利用して、私の姉を狙っているからなのです。
美しい姉を持つ思い込みの激しいユニーナと、少し考えの足りない美男子アレイドの拗れた恋愛。
青春ならではのちょっぴり恥ずかしい二人の言動を「気持ち悪い!」と吐き捨てる姉の婚約者にもご注目ください。
たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―
佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。
19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。
しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。
突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。
「焦らず、お前のペースで進もう」
そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。
けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。
学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。
外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。
「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」
余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。
理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。
「ゆっくり」なんて、ただの建前。
一度火がついた熱は、誰にも止められない。
兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。