彼女(寵姫)以外は要らないと、後宮をお払い箱にされましたが、幼馴染の猛虎将軍が溺愛してくれるので問題ありません

 ――私は、この玲麗のみを妃とし、愛しぬく!
 そう、この国の皇太子殿下が宣言したのは、三ヶ月前。
 なんでも、その玲麗さまとの間に、「真実の愛」ってヤツを見つけたとかなんとかで。
 ――後宮に残りたい者は残ってもよいが、私からの寵愛を望むなら無駄なことだ!
 と、三年前に(家族の安全を盾に)召し上げられた後宮を、他の寵姫候補たちといっしょに追い出された。
 三年も。婚期を逃しても、家族のために居たくもない後宮で暮らしてたってのに。
 
  「梨花姫、どうか私の妻になっていただけないだろうか」

 家に帰ったわたしを待ち受けていた求婚。
 相手は、わたしの幼馴染、近所に住む呉明順。
 気の弱さは天下一品。国の四方を護る将軍の家に生まれながら、剣より書が好きで、年下で女のわたしよりも頼りなくて。
 そんな明順が、今や西方守護の白虎将軍。体つきもすごく立派になってて。都の娘が誰もが、夫にと願うだけの存在になってて。
 その彼が、わたしに「結婚してください」? 本気で言ってる?
 驚くけど。でも、後宮からの出戻りとして暮らすよりはマシかなと、縁談を受ける。けど。

 ぜんっぜん手を出してこないのよ、明順!

 昔話をするとか、そういうのばっかりで、男女のそういうことは全然ナシ! わたしのこと、どう思って結婚を申し込んだの? 昔、イジメられた仕返しにってことで、嫁に貰い受けたとか? それとも後宮出戻りで可哀想だと情をかけて結婚したの?
 モヤモヤグルグル。

 そんな時、同じく後宮から放り出された知り合いの姫が亡くなった、それも家族の手で自害させられたことを知り……。重ねて、彼が将軍として出征したことを知り……。

 わたし、彼と結婚してよかった。

 彼がどうして将軍にまで上り詰めたのか。彼がどうして結婚を申し込んだのか。
 その真意を知り、巡った数奇な運命に、幸せな愛を見つける梨花。

 わたし、後宮から追い出されたけど、彼がいるから無問題!
 そんな元寵姫候補と、弱虫猛虎将軍の恋物語。
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