彼女(寵姫)以外は要らないと、後宮をお払い箱にされましたが、幼馴染の猛虎将軍が溺愛してくれるので問題ありません

若松だんご

文字の大きさ
18 / 27

巻の十八、優しく満たす

 「あ、うンっ、ア、ア……」

 抱きしめ合い、口づけ合いながら、もつれるようになだれ込んだ、彼の寝台。
 帯を解かれ、衣を一枚ずつ丁寧に剥ぎ取られ。簪を抜き取り、靴すら脱がされてしまえば、寝台に仰向けに転がるわたしは、彼の前で、一糸まとわぬ姿になる。

 (恥ずかしすぎる……)

 そういうことに興味がないわけでも、期待してなかったわけでもないけど。けどっ!

 「どうしたの、梨花リファ

 「い、いや、恥ずかしいなって……」

 ゴニョゴニョ。
 こうして「いざ! そういうことします!」っていうのが身に迫ってくると、その、あの……。

 「恥ずかしい?」

 「う、うん。ほら、胸とか、あんまり大きくないし……」

 物語の挿絵とかだと、下衣を脱がされた時、ムチッとした大きな胸が、たわわに実った胸がボロンッて感じでこぼれ出たのに。

 (わたし、ムチッもボロンッもない……)

 脱がされかけた衣が、突起した乳首に引っかかって、ちょっと抵抗した後にその姿を晒す――なんてのもあったけど、わたしのは「どうぞ見てください」みたいに、抵抗すらなく、彼の前に躍り出た。
 うう。ふくらみがささやかすぎると、たとえツンっと立ち上がってても衣に引っかかるとかないのね。

 「別に、胸の大きさとかで、興ざめするとかはないよ」

 「うん。そうなんだけど」

 そうなんだけど。そうなんだけど。そうなんだけど!
 そうであってくれて、うれしいんだけど!
 女子としては、そこは豊満な胸を晒したいじゃない? これからわたしを抱こうとしてる明順ミンジュンの勢いが加速するというか、さらに盛っちゃうというか。
 それぐらいのそそる演出をしたいじゃないの。
 
 (それでなくても、普段着で来ちゃったし)

 外見がダメなら中身だけでも! 脱いじゃったら外見なんて関係ない? 
 思うのに、中身も貧弱じゃあ……。

 (って、今の明順ミンジュン、興奮してくれてる?)

 気になって、視線を彼の脚の間に移動させる。
 わたしと同じように衣を脱いだけど(わたしが脱がせたわけじゃない)、最後の砦のように、下履きだけは脱いでいない明順ミンジュン

 「わっ……!」

 その下履きの下から押し上げて主張しているものの存在に、目が釘付けになる。
 裸のわたしを見て、興奮してくれるのはうれしいけど。

 「ゴメン。そんなに見ないでくれる?」

 「え、ああ、ごっ、ゴメン!」

 「誰だって、今のキミを見たら、こうなるよ。とても興奮する」

 誰だって? いやいや。

 「それはないわ」

 ブンブンと首を振る。

 「わたしの裸体で、そこまで興奮してくれるのは明順ミンジュンだけよ? きっと他の男なら、シオシオに萎えてるわよ」

 顔も十人並み、胸もささやかすぎるわたしなんて。
 それまで盛ってギンギンだったとしても、一瞬でシュンっとなっちゃうわよ。

 「……他の男って。見せて試すつもり?」

 へ?

 「んなわけないでしょう! 他の男なら、こうして衣を脱がせにかかったところで、股間を蹴っ飛ばして終わりよ、終わり!」

 盛った肉竿へし折って、その下の玉も蹴り潰してやる!

 「よかった」

 クスッと、笑った明順ミンジュン

 「それなら、こうしてキミのキレイな体を見るのは、僕が初めてなんだね」

 「初めてもなにも。最初で最後よ」

 次に誰かに見せる――なんて予定もなければ、見せたくもない。
 
 「明順ミンジュンだけよ」

 って。あ。

 「なに? うれしいこと言ってくれたと思ったけど」

 「ううん。わたしの裸、一人だけ見せたことあったな~って」

 「誰?」

 問う彼の声が、氷のように冷ややかになった。

 「玉鈴ユイリンよ。彼女には、毎日着替えを手伝ってもらってるし」

 イタズラ成功。
 恐ろしいほど真顔に戻ってた明順ミンジュンの鼻を、グイッと指で押し返す。すると、厳しい目つきになってた彼の目が、パチパチとまばたきをくり返し、キョトンとした感じになる。

 「って、まさか、そこまで嫉妬されるとは思わなかったわ~」

 クスクス。
 
 「――梨花リファ

 サッと顔を赤らめた彼。

 「キミは僕に抱き潰されたいの?」

 ほへ?

 「そんなふうに僕を嫉妬させて、からかったりして」

 からかいはしたけど、抱き潰されは予定外ですけどっ!?

 「それでなくても、全然余裕なくて。でも、初めてのキミを怖がらせたくなくて、必死に抑えてるっていうのに」

 「そ、そうだったの?」

 「そうだったの」

 さっきからずっといっぱい口づけをくり返して。胸とかいっぱい触って。……気持ちよくさせられて。
 こ、これで「抑えてる」? だったら、抑えてなかったら、どんな感じなの?
 
 「あ、ウッ……」

 問いの答えはすぐに来た。
 わたしのささやかな双丘。その片方、ガシッと掴むと、指の間から顔を覗かせた乳首を、親指で押しつぶす。
 それだけじゃない。

 「ン、ンンッ……!」

 もう片方の乳首は、彼に吸いつかれ、舌で舐められ、こねられ、押しつぶされて……。

 「あ、アアッ、ア……」

 胸ってこんなに気持ちいいのっ!?
 両方の胸から与えられる刺激に、背が反る。

 「もっとしてほしいの?」

 背を反らしたせいで、深くしゃぶりつかれる。もっとしてと言ってるみたいだけど。

 「わっ、わかんないっ!」

 気持ちいいのはわかる。でも、もっとしてほしいのかどうかは、わかんない!

 「じゃあ、わかるまでやろうか」

 「ヒンッ!」

 ジュルジュル。チュパチュパ。
 グニグニ。クニュクニュ。

 指と舌。どちらの刺激も強すぎて。気持ちよくて。

 「アッ、アアッ、ンアッ、アッ……」

 気持ちいい。気持ちいい。気持ちいい。
 わからないことなんて、全然ない。気持ちいいがドンドン体の中に溢れてくる。

 「明順ミンジュンミンジュ……、アアッ!」

 気持ちいいに溺れそう。溺れて、何もかもわからなくなる。

 「梨花リファ、気持ちいいの?」

 「う、うん! 気持ちい……アッ!」

 最後まで言えないまま、また背を反らす。
 
 「うれしいこと、言ってくれるね」

 わたしの両胸を掴んだ彼の手。唇は、そのまま胸の下、みぞおち、臍へと伝っていく。
 
 「キミの体、どこも柔らかくて、いい匂いがして。むしゃぶりつきたくて、仕方ないけど……」

 「アァンッ!」

 グイッと持ち上げられた腰。自然に開いた脚。そのせいで、大切な、誰にも見せたことのない秘めたる部分が、彼の前に晒される。

 (恥ずかしいっ……!)

 「閉じないで。よく見せてよ」

 閉じようともがいた脚は、アッサリと彼の腕で遮られる。

 「すごく濡れてるね。赤い花びらのよう。甘い香りも漂って。ホント、花みたいにキレイだ」

 「ヤッ……」

 花みたいって褒められても、恥ずかしさは軽減されない。わたしも知らない、わたしの大切なところ。そんなにしげしげ見られたら……っ!

 「ツンっと上向いた花芽も愛らしいけど。ああ、また蜜が溢れてきた」

 「あヴッ……!」

 その蜜を、ツツッと指でなぞって掬い上げられる。それだけで、腰がビクンと大きく跳ねた。

 「こういう関係になって。興奮してるのは僕だけじゃないってわかって。うれしいよ、梨花リファ

 ジュルッ。

 「アッ、アアッ……!」

 彼の頭がわたしの脚の間に潜る。胸と同じように、そこを彼がこねたのだろう。吸い上げたのだろう。

 「アッ、ハッ……」

 一瞬。ほんの一瞬だけど、目の前が真っ白になって、息が止まった。心臓も止まったかもしれない。
 胸よりも何倍もすごい衝撃が身を襲った。
 けど。

 ジュル、ジュル。
 チュク、チュク。

 彼の責めは終わらなくて。

 「アッ、そ、そんなにっ、アアッ、アッ……」

 飛びそうになる意識を必死に掴まえながら、身悶え、嬌声を上げる。
 嬌声を上げるのって、場を盛り上げるためとか、小説で「スケベなことやってま~っす」ってのを強調するために書かれてるもんだと思ってたけど。

 「アッ、いアッ、アッ、アア……」

 違う。
 これは、気持ち良すぎて、どうにかなりそうなのを抑えるため、少しでも気持ちいいを逃したくて上げる声なんだ。
 喘がなきゃ。わたし、気持ちいいでどうにかなりそう!

 「アァアアッ……!」

 上げてもおかしくなるっ!
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】「元カノが忘れられないんでしょう?」と身を引いた瞬間、爽やか彼氏の執着スイッチが入りました

恋せよ恋
恋愛
「元カノが忘れられないなら、私が身を引くわくべきよね」 交際一周年、愛するザックに告げた決別の言葉。 でも、彼は悲しむどころか、見たこともない 暗い瞳で私を追い詰めた。 「僕を捨てる? 逃げられると思っているの、アン」 私の知る爽やかな王子の仮面が剥がれ落ち、 隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

王宮の万能メイド、偏屈魔術師を餌付けする

葉山あおい
恋愛
王宮で働く勤続八年のメイド、エレナ・フォスター。仕事は完璧だが愛想がない彼女は、いつしか「鉄の女」と呼ばれ恐れられていた。 そんな彼女に下された辞令は、王宮の敷地内にありながら「魔窟」と呼ばれる『北の塔』の専属メイドになること。そこの主である宮廷魔術師団長・シルヴィス・クローデルは、稀代の天才ながら極度の人嫌い&生活能力ゼロの偏屈男だった! ゴミ屋敷と化した塔をピカピカに掃除し、栄養失調寸前の彼に絶品の手料理を振る舞うエレナ。黄金色のオムレツ、とろける煮込みハンバーグ、特製カツサンド……。美味しいご飯で餌付けされた魔術師様は、次第にエレナへの独占欲を露わにし始めて――? 意地悪な聖女や侯爵夫人のいびりも、完璧なスキルで華麗に返り討ち。平民出身のメイドが、身分差を乗り越えて幸せな花嫁になるまでの、美味しくて甘いシンデレラストーリー。

側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!

花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」 婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。 追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。 しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。 夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。 けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。 「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」 フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。 しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!? 「離縁する気か?  許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」 凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。 孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!

仮面王の花嫁

松雪
恋愛
婚約者を腹違いの妹に奪われ、新しい相手も見つからず修道院に行く覚悟を決めたルチア。修道女となるため髪を切った日の夜、王城から「国王がルチアを妻に望んでいる」という書簡を持った使者がやって来た。 しかし、従兄弟であり恋仲だったニールが国王のせいで死に至った過去を持つルチアは、国王からの求婚を喜べずーー。

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

花言葉は「私のものになって」

岬 空弥
恋愛
(婚約者様との会話など必要ありません。) そうして今日もまた、見目麗しい婚約者様を前に、まるで人形のように微笑み、私は自分の世界に入ってゆくのでした。 その理由は、彼が私を利用して、私の姉を狙っているからなのです。 美しい姉を持つ思い込みの激しいユニーナと、少し考えの足りない美男子アレイドの拗れた恋愛。 青春ならではのちょっぴり恥ずかしい二人の言動を「気持ち悪い!」と吐き捨てる姉の婚約者にもご注目ください。

たとえ夜が姿を変えても ―過保護な兄の親友は、私を逃がさない―

佐竹りふれ
恋愛
重なる吐息、耳元を掠める熱、そして——兄の親友の、隠しきれない独占欲。 19歳のジャスミンにとって、過保護な兄の親友・セバスチャンは、自分を子供扱いする「第二の兄」のような存在だった。 しかし、初めてのパーティーの夜、その関係は一変する。 突然降ってきた、深く、すべてを奪うような口づけ。 「焦らず、お前のペースで進もう」 そう余裕たっぷりに微笑んだセバスチャン。 けれど、彼の言う「ゆっくり」は、翌朝には早くも崩れ始めていた。 学内の視線、兄の沈黙、そして二人きりのアパート――。 外堀が埋まっていくスピードに戸惑いながらも、ジャスミンは彼が隠し持つ「男」の顔に、抗えない好奇心を抱き始める。 「……どうする? 俺と一緒に、いけないことするか?」 余裕の仮面を被るセバスチャンに、あどけない顔で、けれど大胆に踏み込んでいくジャスミン。 理性を繋ぎ止めようとする彼を、翻弄し、追い詰めていくのは彼女の方で……。 「ゆっくり」なんて、ただの建前。 一度火がついた熱は、誰にも止められない。 兄の親友という境界線を軽々と飛び越え、加速しすぎる二人の溺愛ラブストーリー。

異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない

木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。 生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。 ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。 その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。