3 / 26
3.脱猫☆パニック!
しおりを挟む
悪夢だ。悪夢。
できることならサッサと目覚めて忘れたい悪夢。「ああ、夢で良かった」って安心したい、させて欲しいレベルの悪夢。
でも、目を開けて「ああ、夢か」ってならないと怖いので、まぶたの向こうに白い朝みたいな光を感じても、そのまま寝たフリ続行。
あんなの。
記憶の中から引き抜いて、グシャっと丸めて叩いて踏みつけて。ギッチョンギッチョンのギッタンギッタンにして。完膚なきまでに粉々にして、燃えさかる焼却炉にポイしてやりたい出来事。
あんな、あんな、あんなぁぁっ!
ダメだ。
記憶にこびりついてる。引っこ抜くなんて無理。忘れることも無理。考えれば考えるほど、考えなくても考えようとしなくても、グルグルグルグル頭んなかで暴れまわる記憶。
――お前、メスか。
しっ、志乃さまは、猫のあたしの何を見て、女の子だって判断したわけっ!?
判断されるために、あたしは何を見られたわけっ!?
あ~、もうダメ。
ダメージキツすぎ。
猫であっても、猫だからって見られていいわけじゃないのよ、そんな部分。鬼も十八番茶も出花。平凡チビのあたしだって、恥じらいはあるし、まだまだ心は乙女なの!
それなのに。よりにもよって推し(三次元)の志乃さまに、バッチリ確認されちゃうなんて。
(もう、死にたい……)
死ぬのがダメなら、いっそこのまま猫でいたい。猫として見られたのなら、まだなんとかだいじょう――ぶじゃないわ。やっぱ。
猫であっても、そんなとこを推し(三次元)に見られるなんて。
(ハア……)
心のなかで思いっきりため息をつく。
(あたし、この先、どうしよう)
不幸な事故(ということにしておく)を忘れたくて、別のことを考える。
猫になっちゃったこと。
幸い、志乃さまに拾ってもらって、(不幸な事故もあったけど)ゴハンと身の置きどころは確保できた。志乃さまは、あくまで隣の部屋、あたしが戻ってくるまでの一時預かりって思ってるみたいだけど。
(あたし、永遠に帰ってこないのよね~)
突然の行方不明。飼い猫永遠放置。
部屋に帰ってくることもなければ、大学にも登校しない。実家にも戻ってないし、誰もあたしの行方を知らない。
謎の失踪。
誘拐。拉致。強盗殺人、死体はどっかに隠された? それともまさかの異世界転移。ある日突然白い光に包まれて? ここは乙女ゲームの世界? あたし、聖女として召喚されちゃった? みたいな。
(アホらし)
妄想しかけて、自分でやめる。
もうちょっと真面目に、元に戻る方法考えなくっちゃ。
タシタシ。
自分に発破をかけようと、尻尾で床を叩く。
タシタシ。
(――ん?)
タシタシ。(スカスカ)
タシタシタシ。(スカスカスカ)
タシタシタシタシ。(スカスカスカスカ)
(あれ?)
何度力を入れてみても、尻尾、動かない? というか、尻尾ってどう動かすんだっけ? って、ん――?
(体、元に戻ってる?)
ペタペタ。サワサワ。
目は閉じたまま、自分の体を確認。
耳。顔の横。
ヒゲ。ナシ。
髪。ある。
毛。ない。
手のひら。普通。肉球じゃない。
ってことは?
(あたし、元に戻ってる?)
ゴソゴソ。モゾモゾ。
すべての部位、確認。
猫じゃない。いつもどおりのあたし、筒井のどかの体そのもの。
(な~んだ。夢だったんじゃん)
安心と安堵と喜びを混ぜて、深く息を吐き出す。
そうだ。そうだよ。
たかがドロップを舐めたぐらいで猫になるって変でしょ。そんなのアニメかマンガだけの展開だって。猫になって、志乃さまにお世話されたいだなんて、都合よすぎる夢なのよ――って。
起き上がりかけたあたし。
ズレた上掛け。
まぶたを開けたその先に、目に飛び込んできた志乃さまの寝顔。聞こえた志乃さまの寝息。
(エギャウギョゴエブヒャドゥエエェッ……!)
日本語崩壊。思考も崩壊。
なんで? なんでっ!? なんでえぇっ!?
なんで志乃さまが、あたしと一緒に寝てるわけっ!?
ラフなTシャツ姿の志乃さま。「ン……」と軽く呻いて寝返りゴロン。起きてはない。起こしてはいないけど。
(これ、どういう状況よ!)
頼む。誰か。説明求む。
ホニャララ一等兵! 状況を報告せよ!
――ハッ! ホニャララ一等兵! 状況を報告するであります!
脳内に湧き出た、ピシッと敬礼ホニャララ一等兵。
――現在、軍曹殿は志乃さまと、志乃さまのお部屋、志乃さまのベッドにて同衾なさっておいであります!
それは、わかってる! ここが志乃さまのお部屋で、ベッドの上なのも見ればわかる!
聴きたいのは、どうしてこういう状況になってるかってことよ!
――ハッ! それは軍曹殿が猫になって、志乃さまに拾われたからであります!
って。やっぱ猫になったのって、マジなのかな。
夢じゃなくて。
今の自分は、どこからどう見ても、元通りの筒井のどか(バージョン人間)なんだけど。志乃さまとそういう関係になって、こうやって部屋に入ったってことは……。
――それは、自分の記憶にはない、捏造妄想だと思われます!
うん。だよね。
そういう関係じゃなくって、拾われ猫と保護者だよね。
でも、どうして猫から元に戻れたんだろ。
――そんなこと、自分に訊かれても「知るか!」であります!
うん。わかった。ご苦労。ポチッ。
あまり役に立たないホニャララ一等兵。
深くため息を吐くとともに、脳内から撤去。
と、とりあえず。
ここは志乃さまのお部屋。
今はおそらく朝。
志乃さまはまだ寝てる。
起きたあたしは、猫から戻ってる。
服だってちゃんと身につけてる。
だったら。
だったらあたしのやることは唯一つ。
(志乃さま、ごめんなさ~~いっ!)
脱兎。脱猫? 脱人?
とにかく、なんでもいいからなるべく静かに、なるべく速く。寝てる志乃さまから離れて、部屋を出る! 志乃さまの寝顔素敵~、ムフ~なんてしてる場合じゃないの! 万が一、彼が起きたら説明できる自信はない!
(お邪魔しました~)
音を立てずに玄関ドアをくぐり抜ける。
マンションの共用廊下で、まず一息。それから、キッチンに現れるGの如き素早さで、自分の部屋にIN!
バタンと閉めたドア。
薄暗いなかに、朝の日差しが入り込むあたしの部屋。
――脱出成功であります、軍曹殿!
ウム。
まだ残っていたホニャララ一等兵。その一等兵へ鷹揚に頷く。こうして無事に帰還できたのは、貴君のおかげだ。みたいな。
いろんな意味で戻れてよかった。
誰にも知られることなく、痴女、変態認定されることもなく、無事に。無事に。
そして……。
「ウッキャアアアアアアッ!」
声を限りに叫ぶ。
ねえねえ、聞いてよ一等兵! あの志乃さまの寝顔! いつもと違ってあどけないっていうか、かわいいっていうか! あたしのために煮干しのワタを取ってくださったりとか! あたし、知らなかったとは言え、いつの間にか志乃さまに添い寝してもらってたんだよっ!? スゴくない? メッチャすごくない? って、あれ? 一等兵?
一緒にモダモダしたかったのに。脳内、志乃さまづくしになったら、消えた一等兵。まあ、いいか。
(ハァ~。ステキだった~)
瞼の裏に焼き付くその姿。
(まつ毛、長かったなあ……)
目をつむってるせいか、そのまつ毛の長さと、鼻筋の通ったキレイな造形が際立ってて。額にかかる柔らかそうな髪。朝の光に映える肌。寝息の漏れる唇。
(まさしく〝シノさま〟だったわ!)
ゲームのスチルにも似たようなのがあった。ヒロインとの旅の途中、剣を抱えたまま木陰で眠ってしまったスチル。あれにソックリだったのよ! マジで!
ゲームだと、そこにヒロイン聖女が来たことで、シノさまが目を覚まして――って展開だったけど、さすがに、さすがにっ! 目を覚まされたら説明できなくて詰んじゃうから逃げてきたけど。
(もうちょっと見ていたかったなあ)
猫から戻れた安心もあって、つい大胆なことを考えてしまう。
猫になったことより、さっき見た志乃さまのほうがインパクト大。
ハア。
ほんと、罪作りだな、志乃さまって。
興奮、収まりそうにない。
できることならサッサと目覚めて忘れたい悪夢。「ああ、夢で良かった」って安心したい、させて欲しいレベルの悪夢。
でも、目を開けて「ああ、夢か」ってならないと怖いので、まぶたの向こうに白い朝みたいな光を感じても、そのまま寝たフリ続行。
あんなの。
記憶の中から引き抜いて、グシャっと丸めて叩いて踏みつけて。ギッチョンギッチョンのギッタンギッタンにして。完膚なきまでに粉々にして、燃えさかる焼却炉にポイしてやりたい出来事。
あんな、あんな、あんなぁぁっ!
ダメだ。
記憶にこびりついてる。引っこ抜くなんて無理。忘れることも無理。考えれば考えるほど、考えなくても考えようとしなくても、グルグルグルグル頭んなかで暴れまわる記憶。
――お前、メスか。
しっ、志乃さまは、猫のあたしの何を見て、女の子だって判断したわけっ!?
判断されるために、あたしは何を見られたわけっ!?
あ~、もうダメ。
ダメージキツすぎ。
猫であっても、猫だからって見られていいわけじゃないのよ、そんな部分。鬼も十八番茶も出花。平凡チビのあたしだって、恥じらいはあるし、まだまだ心は乙女なの!
それなのに。よりにもよって推し(三次元)の志乃さまに、バッチリ確認されちゃうなんて。
(もう、死にたい……)
死ぬのがダメなら、いっそこのまま猫でいたい。猫として見られたのなら、まだなんとかだいじょう――ぶじゃないわ。やっぱ。
猫であっても、そんなとこを推し(三次元)に見られるなんて。
(ハア……)
心のなかで思いっきりため息をつく。
(あたし、この先、どうしよう)
不幸な事故(ということにしておく)を忘れたくて、別のことを考える。
猫になっちゃったこと。
幸い、志乃さまに拾ってもらって、(不幸な事故もあったけど)ゴハンと身の置きどころは確保できた。志乃さまは、あくまで隣の部屋、あたしが戻ってくるまでの一時預かりって思ってるみたいだけど。
(あたし、永遠に帰ってこないのよね~)
突然の行方不明。飼い猫永遠放置。
部屋に帰ってくることもなければ、大学にも登校しない。実家にも戻ってないし、誰もあたしの行方を知らない。
謎の失踪。
誘拐。拉致。強盗殺人、死体はどっかに隠された? それともまさかの異世界転移。ある日突然白い光に包まれて? ここは乙女ゲームの世界? あたし、聖女として召喚されちゃった? みたいな。
(アホらし)
妄想しかけて、自分でやめる。
もうちょっと真面目に、元に戻る方法考えなくっちゃ。
タシタシ。
自分に発破をかけようと、尻尾で床を叩く。
タシタシ。
(――ん?)
タシタシ。(スカスカ)
タシタシタシ。(スカスカスカ)
タシタシタシタシ。(スカスカスカスカ)
(あれ?)
何度力を入れてみても、尻尾、動かない? というか、尻尾ってどう動かすんだっけ? って、ん――?
(体、元に戻ってる?)
ペタペタ。サワサワ。
目は閉じたまま、自分の体を確認。
耳。顔の横。
ヒゲ。ナシ。
髪。ある。
毛。ない。
手のひら。普通。肉球じゃない。
ってことは?
(あたし、元に戻ってる?)
ゴソゴソ。モゾモゾ。
すべての部位、確認。
猫じゃない。いつもどおりのあたし、筒井のどかの体そのもの。
(な~んだ。夢だったんじゃん)
安心と安堵と喜びを混ぜて、深く息を吐き出す。
そうだ。そうだよ。
たかがドロップを舐めたぐらいで猫になるって変でしょ。そんなのアニメかマンガだけの展開だって。猫になって、志乃さまにお世話されたいだなんて、都合よすぎる夢なのよ――って。
起き上がりかけたあたし。
ズレた上掛け。
まぶたを開けたその先に、目に飛び込んできた志乃さまの寝顔。聞こえた志乃さまの寝息。
(エギャウギョゴエブヒャドゥエエェッ……!)
日本語崩壊。思考も崩壊。
なんで? なんでっ!? なんでえぇっ!?
なんで志乃さまが、あたしと一緒に寝てるわけっ!?
ラフなTシャツ姿の志乃さま。「ン……」と軽く呻いて寝返りゴロン。起きてはない。起こしてはいないけど。
(これ、どういう状況よ!)
頼む。誰か。説明求む。
ホニャララ一等兵! 状況を報告せよ!
――ハッ! ホニャララ一等兵! 状況を報告するであります!
脳内に湧き出た、ピシッと敬礼ホニャララ一等兵。
――現在、軍曹殿は志乃さまと、志乃さまのお部屋、志乃さまのベッドにて同衾なさっておいであります!
それは、わかってる! ここが志乃さまのお部屋で、ベッドの上なのも見ればわかる!
聴きたいのは、どうしてこういう状況になってるかってことよ!
――ハッ! それは軍曹殿が猫になって、志乃さまに拾われたからであります!
って。やっぱ猫になったのって、マジなのかな。
夢じゃなくて。
今の自分は、どこからどう見ても、元通りの筒井のどか(バージョン人間)なんだけど。志乃さまとそういう関係になって、こうやって部屋に入ったってことは……。
――それは、自分の記憶にはない、捏造妄想だと思われます!
うん。だよね。
そういう関係じゃなくって、拾われ猫と保護者だよね。
でも、どうして猫から元に戻れたんだろ。
――そんなこと、自分に訊かれても「知るか!」であります!
うん。わかった。ご苦労。ポチッ。
あまり役に立たないホニャララ一等兵。
深くため息を吐くとともに、脳内から撤去。
と、とりあえず。
ここは志乃さまのお部屋。
今はおそらく朝。
志乃さまはまだ寝てる。
起きたあたしは、猫から戻ってる。
服だってちゃんと身につけてる。
だったら。
だったらあたしのやることは唯一つ。
(志乃さま、ごめんなさ~~いっ!)
脱兎。脱猫? 脱人?
とにかく、なんでもいいからなるべく静かに、なるべく速く。寝てる志乃さまから離れて、部屋を出る! 志乃さまの寝顔素敵~、ムフ~なんてしてる場合じゃないの! 万が一、彼が起きたら説明できる自信はない!
(お邪魔しました~)
音を立てずに玄関ドアをくぐり抜ける。
マンションの共用廊下で、まず一息。それから、キッチンに現れるGの如き素早さで、自分の部屋にIN!
バタンと閉めたドア。
薄暗いなかに、朝の日差しが入り込むあたしの部屋。
――脱出成功であります、軍曹殿!
ウム。
まだ残っていたホニャララ一等兵。その一等兵へ鷹揚に頷く。こうして無事に帰還できたのは、貴君のおかげだ。みたいな。
いろんな意味で戻れてよかった。
誰にも知られることなく、痴女、変態認定されることもなく、無事に。無事に。
そして……。
「ウッキャアアアアアアッ!」
声を限りに叫ぶ。
ねえねえ、聞いてよ一等兵! あの志乃さまの寝顔! いつもと違ってあどけないっていうか、かわいいっていうか! あたしのために煮干しのワタを取ってくださったりとか! あたし、知らなかったとは言え、いつの間にか志乃さまに添い寝してもらってたんだよっ!? スゴくない? メッチャすごくない? って、あれ? 一等兵?
一緒にモダモダしたかったのに。脳内、志乃さまづくしになったら、消えた一等兵。まあ、いいか。
(ハァ~。ステキだった~)
瞼の裏に焼き付くその姿。
(まつ毛、長かったなあ……)
目をつむってるせいか、そのまつ毛の長さと、鼻筋の通ったキレイな造形が際立ってて。額にかかる柔らかそうな髪。朝の光に映える肌。寝息の漏れる唇。
(まさしく〝シノさま〟だったわ!)
ゲームのスチルにも似たようなのがあった。ヒロインとの旅の途中、剣を抱えたまま木陰で眠ってしまったスチル。あれにソックリだったのよ! マジで!
ゲームだと、そこにヒロイン聖女が来たことで、シノさまが目を覚まして――って展開だったけど、さすがに、さすがにっ! 目を覚まされたら説明できなくて詰んじゃうから逃げてきたけど。
(もうちょっと見ていたかったなあ)
猫から戻れた安心もあって、つい大胆なことを考えてしまう。
猫になったことより、さっき見た志乃さまのほうがインパクト大。
ハア。
ほんと、罪作りだな、志乃さまって。
興奮、収まりそうにない。
3
あなたにおすすめの小説
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
婚約破棄ブームに乗ってみた結果、婚約者様が本性を現しました
ラム猫
恋愛
『最新のトレンドは、婚約破棄!
フィアンセに婚約破棄を提示して、相手の反応で本心を知ってみましょう。これにより、仲が深まったと答えたカップルは大勢います!
※結果がどうなろうと、我々は責任を負いません』
……という特設ページを親友から見せられたエレアノールは、なかなか距離の縮まらない婚約者が自分のことをどう思っているのかを知るためにも、この流行に乗ってみることにした。
彼が他の女性と仲良くしているところを目撃した今、彼と婚約破棄して身を引くのが正しいのかもしれないと、そう思いながら。
しかし実際に婚約破棄を提示してみると、彼は豹変して……!?
※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも投稿しています
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?
藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。
結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの?
もう、みんな、うるさい!
私は私。好きに生きさせてよね。
この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。
彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。
私の人生に彩りをくれる、その人。
その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。
⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。
⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。
【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる