7 / 22
第7話 先手子爵令嬢。後手子爵家執事。
しおりを挟む
「うっわ、かわいい~~!!」
思わず口に手を当て叫んでしまう。
だって。
ジュディス、メチャクチャかわいい~~!!
ホテルに戻って、お風呂に入らせて、小間使いらしいドレスに着せ替えただけなんだけど。それがメッチャかわいいのよ!!(語彙力不足) 小間使いはメイドじゃないから、黒のお仕着せじゃなく、淡い水色のストライプの入った生地のドレス。それに、あまり大仰じゃないけど少しフリルのついた白いエプロン――なんだけど。
(メチャクチャかわいいじゃない!!)
小間使いだから髪はまとめちゃってるけど、それさえなければこの子、良家のお子さまでも通じそうな顔立ちしてる。その柔らかそうな髪、解いて、リボンでも巻いてあげたい。キレイなフリル付きのボンネットをかぶせてあげたい。いや、髪をまとめちゃった分、そのパッチリクリっとしたお目々が際立って、これはこれでアリかもしれない。墓地で会った時は薄汚れてたから分かんなかったけど、肌もすごくキメが細かくてキレイ。
いやあ、なかなかの物件を拾っちゃったわよ、アタシ。これは、将来が楽しみですなあ。
「あたい、こんなの着たことない……、お嬢さまにでもなったみたいだ」
いや、「お嬢さま」はもっといいオベベを着るんだけどね? そんな古着屋で買ってきたような間に合わせじゃなく、身の丈に合わせたオーダーメイド、ツヤツヤの絹のドレス。
それでもジュディスは自分の格好が気になるのか、スカートをつまみ、右へ左へ体を捻ってドレスを確認してる。少しだけつま先立ちになるの、かわいい。見てるこっちも微笑ましくなってくる。
「“お嬢さま”ではなく、“小間使い”になったのですよ」
うっとりへの大きな水差し発言は、キース。
「それと、“あたい”ではなく、“わたし”と。お前は、お嬢さま付の小間使いになったのですから、品位ある話し方をしなさい」
ってか、アタシの話し方は直さないのに、ジュディスのだけ叱るわけ? 子爵令嬢が“アタシ”って言ってる方が問題あると思うんだけどな。
「それから、お嬢さまはとってもお優しい方なので、お前をお雇いくださいましたが、その優しさに甘えないように。お前が小間使いとして不適格だった場合は、容赦なく解雇します。いいですね」
「……はい」
キースの容赦ない口撃。
ジュディスが、枯れかけた花のようにしょげた。さっきまでの、“うれしい”と“戸惑い”が混在したような笑顔はない。キースが怖いのか、叱られたことが辛いのか、床に視線を落としたまま。
「ねえ、キース、アンタ、この子がなんかするかもしれないって思ってるの?」
叱られたジュディスの代わりに沸き起こった“怒り”を口にする。
盗み、横領、横流し。
さっきキースが言った「お前が小間使いとして不適格だった場合」っていうの、小間使いとしての技量だけじゃなく、そういうのも含まれてるよね。
「この子は、生きるためにお花を売ってただけの子よ? あのままほうっておけば、そのうち父親に売られてたかもしれない子よ? そんな健気で一生懸命な子を、アンタは疑うわけ?」
「貧しいかわいそうな子を助けてあげました。――メデタシ、メデタシ」って美談にしたいわけじゃないけどさ。それでも「貧しい生まれだから、盗みを働く」みたいな偏見の目で見られるのは腹立つ。
そりゃあ、そういう小間使いがいないとは言わないよ? お仕えする主の、ちょっと使っただけで捨てられるリボンとかハンカチとか、コッソリくすねる小間使いはいる。もっと下級、キッチンとかのメイドになれば、食材の余り物を売ったりしてるし。そういう窃盗行為は普通にあること。どうかすると、主の貴金属を盗んとんずら、逐電ってパターンもある。でも、だからって、「お前、貧しい生まれだから盗むだろ」って決めつけて話されたくない。
「アタシはそんな盗られても困るような物は持ってないし。そもそもジュディスはいい子よ。アタシはジュディスを信じているの」
「……お嬢さま」
「……お嬢さま」
二つの「お嬢さま」が重なった。ジュディスの感涙しかけた「お嬢さま」と、キースの諦めため息混じりの「お嬢さま」。
「差し出がましい物言い、申し訳ありませんでした、お嬢さま」
改めてキースが頭を垂れる。
「お嬢さまがとってもお優しく、御心の広い方であったこと、失念しておりました」
なにそれ。嫌味? アタシが広いんじゃないの。アンタが狭すぎ、極小なの。
なんでもかんでも疑ってかかるんじゃないわよ。
「ところで、お嬢さま、ジュディス。具体的に小間使いがどういうものかご存知ですか?」
「え?」
「え?」
アタシとジュディス、二人の「え?」が重なった。
そういや、「小間使い」って何する仕事だっけ?
小間使いとして働いてみない? って声かけたのは自分なのに。具体的に何をする職業なのかイマイチわかってない。
女主人の着替えの手伝い? 髪を結ってもらうこともあるのかな。あと、アタシの話し相手?
まあ、とりあえずは、この間キースがやってたようなドレスの色選びとか、やられそうになった髪結いとか。そういうのをやってもらえばいいのかなって思うんだけど。
「ごめんなさい。あた……わたし、そういうの、よくわかんない」
うん。そうだよね、そうだよね。
そんなにわかに連れてこられて、「はい、小間使いをやりなさい」って言われても、わかるわけないよね。
アタシだってドレスとか髪型とかよくわかってないし。助けてもらうために小間使いを雇うのに、知識も経験もなさそうなジュディスを雇ったのはアタシの責任だもんね。
仕方ない。
「これから、覚えていけばいけばいいよ」
というか、一緒に学ぼう。
「それにアタシ、そこまで令嬢らしくされるの苦手だから。テキトーでいいよ。髪なら自分で結えるし、ドレスだって着替えられるし」
それぐらいは自分でできる。だから、小間使いとしてジュディスを雇ったとしても、実はあんまりやってもらうこと、ないのよね。そもそもこんなホテル暮らしだし。滅多に出かけることもないし。
だから、ぼちぼちジュディスと一緒に学んでいけばいいと思うけど。
「いいの?」
「うん。だから気楽にやってこう」
「いけませんよ、レディ」
よっしゃ、やるぞ!! ってなってるアタシたちに、何度も何度も水を差すキース。水、差してるんじゃなくて、頭からぶっかけにきてるでしょ。
「お嬢さまは、これからご夫君を探さねばならないお立場です。そんな悠長に構えてる時間などございませんよ」
わかってるわよ。だから、せっかく芽生えたヤル気を踏み潰すようなこと言わないでよ。
「ジュディスの小間使いは仮ということで。当面は、このままわたくしがお嬢さまのお世話をさせていただきます」
うげ。
「ジュディスは、これからわたくしがすることを見て、手本として学びなさい。キチンと出来るようになるまで、お嬢さまのお世話はなりません」
「――はい」
あ、またジュディスがしょげた。もうホント、この男って、年下に対して容赦ないなあ。仕事に忠実と言えば、そうなのかもしれないけどさ。
――って。ん? ちょっと待って。
「わたくしがすることを見て」って。「お嬢さまのお世話はなりません」って。
それって、これからもこの男がアタシの世話をするってこと? ジュディスはずっと見てるだけってこと?
それじゃあ、そばにジュディスが増えただけで、今までとなんにも変わんないじゃない!!
「どうかいたしましたか、マイ・レディ?」
クッソ。そんな「フフン♪」ってかんじで笑うんじゃないわよ。腹立つ。
思わず口に手を当て叫んでしまう。
だって。
ジュディス、メチャクチャかわいい~~!!
ホテルに戻って、お風呂に入らせて、小間使いらしいドレスに着せ替えただけなんだけど。それがメッチャかわいいのよ!!(語彙力不足) 小間使いはメイドじゃないから、黒のお仕着せじゃなく、淡い水色のストライプの入った生地のドレス。それに、あまり大仰じゃないけど少しフリルのついた白いエプロン――なんだけど。
(メチャクチャかわいいじゃない!!)
小間使いだから髪はまとめちゃってるけど、それさえなければこの子、良家のお子さまでも通じそうな顔立ちしてる。その柔らかそうな髪、解いて、リボンでも巻いてあげたい。キレイなフリル付きのボンネットをかぶせてあげたい。いや、髪をまとめちゃった分、そのパッチリクリっとしたお目々が際立って、これはこれでアリかもしれない。墓地で会った時は薄汚れてたから分かんなかったけど、肌もすごくキメが細かくてキレイ。
いやあ、なかなかの物件を拾っちゃったわよ、アタシ。これは、将来が楽しみですなあ。
「あたい、こんなの着たことない……、お嬢さまにでもなったみたいだ」
いや、「お嬢さま」はもっといいオベベを着るんだけどね? そんな古着屋で買ってきたような間に合わせじゃなく、身の丈に合わせたオーダーメイド、ツヤツヤの絹のドレス。
それでもジュディスは自分の格好が気になるのか、スカートをつまみ、右へ左へ体を捻ってドレスを確認してる。少しだけつま先立ちになるの、かわいい。見てるこっちも微笑ましくなってくる。
「“お嬢さま”ではなく、“小間使い”になったのですよ」
うっとりへの大きな水差し発言は、キース。
「それと、“あたい”ではなく、“わたし”と。お前は、お嬢さま付の小間使いになったのですから、品位ある話し方をしなさい」
ってか、アタシの話し方は直さないのに、ジュディスのだけ叱るわけ? 子爵令嬢が“アタシ”って言ってる方が問題あると思うんだけどな。
「それから、お嬢さまはとってもお優しい方なので、お前をお雇いくださいましたが、その優しさに甘えないように。お前が小間使いとして不適格だった場合は、容赦なく解雇します。いいですね」
「……はい」
キースの容赦ない口撃。
ジュディスが、枯れかけた花のようにしょげた。さっきまでの、“うれしい”と“戸惑い”が混在したような笑顔はない。キースが怖いのか、叱られたことが辛いのか、床に視線を落としたまま。
「ねえ、キース、アンタ、この子がなんかするかもしれないって思ってるの?」
叱られたジュディスの代わりに沸き起こった“怒り”を口にする。
盗み、横領、横流し。
さっきキースが言った「お前が小間使いとして不適格だった場合」っていうの、小間使いとしての技量だけじゃなく、そういうのも含まれてるよね。
「この子は、生きるためにお花を売ってただけの子よ? あのままほうっておけば、そのうち父親に売られてたかもしれない子よ? そんな健気で一生懸命な子を、アンタは疑うわけ?」
「貧しいかわいそうな子を助けてあげました。――メデタシ、メデタシ」って美談にしたいわけじゃないけどさ。それでも「貧しい生まれだから、盗みを働く」みたいな偏見の目で見られるのは腹立つ。
そりゃあ、そういう小間使いがいないとは言わないよ? お仕えする主の、ちょっと使っただけで捨てられるリボンとかハンカチとか、コッソリくすねる小間使いはいる。もっと下級、キッチンとかのメイドになれば、食材の余り物を売ったりしてるし。そういう窃盗行為は普通にあること。どうかすると、主の貴金属を盗んとんずら、逐電ってパターンもある。でも、だからって、「お前、貧しい生まれだから盗むだろ」って決めつけて話されたくない。
「アタシはそんな盗られても困るような物は持ってないし。そもそもジュディスはいい子よ。アタシはジュディスを信じているの」
「……お嬢さま」
「……お嬢さま」
二つの「お嬢さま」が重なった。ジュディスの感涙しかけた「お嬢さま」と、キースの諦めため息混じりの「お嬢さま」。
「差し出がましい物言い、申し訳ありませんでした、お嬢さま」
改めてキースが頭を垂れる。
「お嬢さまがとってもお優しく、御心の広い方であったこと、失念しておりました」
なにそれ。嫌味? アタシが広いんじゃないの。アンタが狭すぎ、極小なの。
なんでもかんでも疑ってかかるんじゃないわよ。
「ところで、お嬢さま、ジュディス。具体的に小間使いがどういうものかご存知ですか?」
「え?」
「え?」
アタシとジュディス、二人の「え?」が重なった。
そういや、「小間使い」って何する仕事だっけ?
小間使いとして働いてみない? って声かけたのは自分なのに。具体的に何をする職業なのかイマイチわかってない。
女主人の着替えの手伝い? 髪を結ってもらうこともあるのかな。あと、アタシの話し相手?
まあ、とりあえずは、この間キースがやってたようなドレスの色選びとか、やられそうになった髪結いとか。そういうのをやってもらえばいいのかなって思うんだけど。
「ごめんなさい。あた……わたし、そういうの、よくわかんない」
うん。そうだよね、そうだよね。
そんなにわかに連れてこられて、「はい、小間使いをやりなさい」って言われても、わかるわけないよね。
アタシだってドレスとか髪型とかよくわかってないし。助けてもらうために小間使いを雇うのに、知識も経験もなさそうなジュディスを雇ったのはアタシの責任だもんね。
仕方ない。
「これから、覚えていけばいけばいいよ」
というか、一緒に学ぼう。
「それにアタシ、そこまで令嬢らしくされるの苦手だから。テキトーでいいよ。髪なら自分で結えるし、ドレスだって着替えられるし」
それぐらいは自分でできる。だから、小間使いとしてジュディスを雇ったとしても、実はあんまりやってもらうこと、ないのよね。そもそもこんなホテル暮らしだし。滅多に出かけることもないし。
だから、ぼちぼちジュディスと一緒に学んでいけばいいと思うけど。
「いいの?」
「うん。だから気楽にやってこう」
「いけませんよ、レディ」
よっしゃ、やるぞ!! ってなってるアタシたちに、何度も何度も水を差すキース。水、差してるんじゃなくて、頭からぶっかけにきてるでしょ。
「お嬢さまは、これからご夫君を探さねばならないお立場です。そんな悠長に構えてる時間などございませんよ」
わかってるわよ。だから、せっかく芽生えたヤル気を踏み潰すようなこと言わないでよ。
「ジュディスの小間使いは仮ということで。当面は、このままわたくしがお嬢さまのお世話をさせていただきます」
うげ。
「ジュディスは、これからわたくしがすることを見て、手本として学びなさい。キチンと出来るようになるまで、お嬢さまのお世話はなりません」
「――はい」
あ、またジュディスがしょげた。もうホント、この男って、年下に対して容赦ないなあ。仕事に忠実と言えば、そうなのかもしれないけどさ。
――って。ん? ちょっと待って。
「わたくしがすることを見て」って。「お嬢さまのお世話はなりません」って。
それって、これからもこの男がアタシの世話をするってこと? ジュディスはずっと見てるだけってこと?
それじゃあ、そばにジュディスが増えただけで、今までとなんにも変わんないじゃない!!
「どうかいたしましたか、マイ・レディ?」
クッソ。そんな「フフン♪」ってかんじで笑うんじゃないわよ。腹立つ。
0
あなたにおすすめの小説
誰からも食べられずに捨てられたおからクッキーは異世界転生して肥満令嬢を幸福へ導く!
ariya
ファンタジー
誰にも食べられずゴミ箱に捨てられた「おからクッキー」は、異世界で150kgの絶望令嬢・ロザリンドと出会う。
転生チートを武器に、88kgの減量を導く!
婚約破棄され「豚令嬢」と罵られたロザリンドは、
クッキーの叱咤と分裂で空腹を乗り越え、
薔薇のように美しく咲き変わる。
舞踏会での王太子へのスカッとする一撃、
父との涙の再会、
そして最後の別れ――
「僕を食べてくれて、ありがとう」
捨てられた一枚が紡いだ、奇跡のダイエット革命!
※カクヨム・小説家になろうでも同時掲載中
※表紙イラストはAIに作成していただきました。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
寵愛の花嫁は毒を愛でる~いじわる義母の陰謀を華麗にスルーして、最愛の公爵様と幸せになります~
紅葉山参
恋愛
アエナは貧しい子爵家から、国の英雄と名高いルーカス公爵の元へと嫁いだ。彼との政略結婚は、彼の底なしの優しさと、情熱的な寵愛によって、アエナにとってかけがえのない幸福となった。しかし、その幸福を妬み、毎日のように粘着質ないじめを繰り返す者が一人、それは夫の継母であるユーカ夫人である。
「たかが子爵の娘が、公爵家の奥様面など」 ユーカ様はそう言って、私に次から次へと理不尽な嫌がらせを仕掛けてくる。大切な食器を隠したり、ルーカス様に嘘の告げ口をしたり、社交界で恥をかかせようとしたり。
だが、私は決して挫けない。愛する公爵様との穏やかな日々を守るため、そして何より、彼が大切な家族と信じているユーカ様を悲しませないためにも、私はこの毒を静かに受け流すことに決めたのだ。
誰も気づかないほど巧妙に、いじめを優雅にスルーするアエナ。公爵であるあなたに心配をかけまいと、彼女は今日も微笑みを絶やさない。しかし、毒は徐々に、確実に、その濃度を増していく。ついに義母は、アエナの命に関わるような、取り返しのつかない大罪に手を染めてしまう。
愛と策略、そして運命の結末。この溺愛系ヒロインが、華麗なるスルー術で、最愛の公爵様との未来を掴み取る、痛快でロマンティックな物語の幕開けです。
追放された味見係、【神の舌】で冷徹皇帝と聖獣の胃袋を掴んで溺愛される
水凪しおん
BL
「無能」と罵られ、故郷の王宮を追放された「味見係」のリオ。
行き場を失った彼を拾ったのは、氷のような美貌を持つ隣国の冷徹皇帝アレスだった。
「聖獣に何か食わせろ」という無理難題に対し、リオが作ったのは素朴な野菜スープ。しかしその料理には、食べた者を癒やす伝説のスキル【神の舌】の力が宿っていた!
聖獣を元気にし、皇帝の凍てついた心をも溶かしていくリオ。
「君は俺の宝だ」
冷酷だと思われていた皇帝からの、不器用で真っ直ぐな溺愛。
これは、捨てられた料理人が温かいご飯で居場所を作り、最高にハッピーになる物語。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる