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30.想いの花に満たされて
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(――ここは……)
わたしを抱いて屋敷に入ったシオン。
てっきり、シオンの屋敷に入るのかと思ってたら、連れて行かれたのはわたしの屋敷。
彼が修繕してくれた、お祖母様のお屋敷だった。
「気に入らない?」
尋ねながら、彼がようやくわたしを下ろしてくれる。
「そんな! すっごいステキ!」
慌てて頭を振る。
声が出なかったのは、気に入らなかったからじゃなくて、あまりにステキすぎて声がでなかっただけ。
わたしの寝室。
彼が選んでくれた壁紙の貼られた寝室。青紫の菫に囲まれた部屋。
今日まで、一度も中を見せてもらってなかった。
だから、こんなにステキに仕上がってるなんて。驚きで声が出ない。
だけど。
「……シオン。あの寝台って」
たしか、この部屋にあったのは、未婚の女性用――というか子ども用の寝台だったと思うんだけど。
それが、天蓋付き、四隅からタップリ襞をとった薄い紗のカーテンがついてる寝台に変わってる。それも一人で寝るには大きすぎる、どう見ても二人用の寝台。
「うん。せっかくだからこれも変えさせてもらった」
いつの間に。
「結婚したら、こちらを新居にするつもりだったから」
「そうなの?」
てっきり、あちら、シオンの家で暮らすんだと思ってたのに。
「あちらも悪くないけど。でも、せっかくだし、キミとこの部屋で過ごしたいなって」
わたしと過ごす?
「キミを、菫の花で飾って。菫に彩られたキミを抱きたいなって」
「だ、抱きっ……!」
そんな直接的なこと、言わない!
「で、でも、どうして菫っ!?」
話題を強引に変える。変われ、話題!
「キミに、十年前の別れの時、菫の指輪、贈っただろ?」
覚えてない?
彼の視線が問いかける。
「あの指輪には、僕の想いがこもってたんだ」
「想い?」
うっすらわかっていても、それでも言葉で聴きたい。
「菫の花言葉は、誠実、愛。一生キミを愛する、キミに想いを捧げる。そんなつもりで贈ったんだよ」
「そう……なんだ」
「うん。だから、その象徴である菫でキミを彩りたかった。特に、青い菫で」
「青い……菫?」
菫と言えば、紫――のような気がするんだけど。菫色って言えば、紫を指すぐらいだし。
それをどうして、青色って指定するの?
わたしが首を傾げていたんだろう。
トントンと軽くシオンが自分の目を指差す。――って。あ!
「わかった?」
「う、うん。わかった」
小声で答える。
青色は彼の目の色。青色菫は、彼の想いと彼自身。
「リューリアってちょっと鈍感だよね。僕が青色ドレスを用意しても、全然その意図に気づかずに着てるんだもん」
「うん……。てっきり、わたしに似合うから贈ってくれたのかと……」
モゴモゴ。
うつむき言葉を濁す。
シオンが贈ってくれた青色ドレス。
あれは、「お前にはこんなぐらいハッキリした色が似合う」っていうのじゃなくて、「キミには、僕の目の色と同じ色をまとわせたい」っていう意味だったんだ。
わたしもだけど、それを着せてくれたソニエも全く気づいてなかった意味。
「リューリアには、どんな色のドレスだって似合うよ。でもね、僕はキミに青色を着てほしかった」
「シオン……」
「キミを僕の色で染めたい。キミが僕のものだって、こっそりと、でもシッカリと宣言したかったんだ」
そうだったんだ。
「そんな魂胆に気づきもせずに無邪気に着てくれてるキミもかわいかったけど。――ゴメン、重かった?」
「ううん。そんなことない。そんなことないわ! わたし、その、そのっ!」
言葉がうまく出てこない。
重くなんてないの。むしろ。
「うれしい! そこまで想ってもらえて、すごくうれしい!」
この部屋も、ドレスの意味も。
そこまで愛されて、わたし、この上なく幸せだわ!
「シオン、大好き」
この想いをどう伝えたらいいかわからなくて。
ギュッと彼に抱きつく。
「リューリア……」
もっと伝えたい。抱きつくだけじゃなくて、もっと。
でも、どうやったら伝わる?
(そうだ!)
「シオン、脱いで!」
「――え? は? りゅ、リューリア?」
「ほら、早く!」
彼を急かし、自分も脱ぎ捨てる。
薄暗い寝室。
情緒もなにもない脱ぎ捨て方だけど、服なんて邪魔なんだからしょうがないじゃない。
「――脱いだの?」
「え? ああ、うん……」
メチャクチャ戸惑った返事。
ドレスも下着もすべて脱ぎ捨てて彼を見れば、彼も一糸まとわぬ姿で立っていた。脚の間、股間のイチモツを勃たせて、ちょっと所在なさげだったけど。
「ねえ、シオン」
その体に向かいあうようにしてわたしも立つ。
「わたし、アナタが好きよ。世界中の誰よりも、なによりも」
「リューリア……」
「アナタと出会えてよかった。アナタと過ごせてよかった。アナタに愛されて、アナタの妻になって。いろんなことがあったけど、この人生を与えてくださった神様に感謝してるの。そしてシオン、アナタにも」
「僕にも?」
「ええ。わたしと出会ってくれてありがとう。そして、わたしを想ってくれてありがとう。わたし、すごくうれしい。すごく幸せ」
驚くシオンを前に、自然と笑みがこぼれた。
「ねえ、今日はわたしからさせてくれない?」
「キミから?」
「ええ。わたしから。わたしがどれだけアナタを愛してるのか伝えたいの」
わたしには、部屋を用意したり、ドレスを用意したりすることはできないから。言葉だけじゃ足りないから。代わりにこの体を使って、想いを伝えたいの。
「うれしいよ、リューリア」
言って、彼が腕を広げる。
わたしを受け入れてくれる証だ。
「シオン……」
迷わずその腕に飛び込む。
触れる彼のすべらかで熱い肌。やっぱり、わたしの居場所はこの腕の中だわ。
「愛してるわ、シオン」
つま先立ちになって、彼の唇に口づける。背伸び、そこまで辛くなかったのは、彼が少し屈んでくれたから。
わたしがなかに舌を入れたいと動かすと、彼も口を開けて受け入れてくれる。
(好き。シオン、好き――)
彼の首に腕を絡ませて。もっと欲しいと舌を差し込み、彼の舌と絡ませる。
愛してる。愛してるの。
アナタに負けないぐらいわたしも。
この気持ち、伝えたいの。
「ハッ、ンハッ……」
唇を離し、彼を見上げる。
わたしを見る彼の頬が赤い。青い瞳に熱が灯ってる。
(わたし、もっと感じさせたい……)
シオンも、わたしとする時、こんな気持ちだったのかな。
そんなことを思いながら、彼の浮き出た鎖骨に口づける。そこからたくましい胸に、引き締まったお腹に。少しずつ口づける場所を変えていく。指をすべらせていく。
「ンッ、リューリア……、ン、ハッ」
シオンの漏らす息が乱れる。
(感じてるんだ……)
口づけると、時折彼の体がヒクンと揺れる。そして、反るほどに高く勃ち上がったそれがゆれる。
(うれしい……)
彼が感じてくれてること。
わたしの拙い愛撫を喜んでくれてること。
だから。
「ンッ、りゅ、リューリア!」
その熱く硬いイチモツに手を添わせる。それからゆっくりと指を折り、手のなかに包み込む。
「イヤだった?」
「そ、そんなことないけど……」
さっきより目元を赤く染めたシオン。すごく色っぽい。
もっと熱く乱してみたい。
少しだけ口のなかに唾液を溜めて、それからトローっとイチモツに垂らす。自分の唾液を指でイチモツに塗り込む。
「痛かったら言ってね」
「あ、ああ」
痛くはないのだろう。少し手を動かしたら、それだけで、彼の腰が跳ねた。
(かわいい)
その反応。すっごくそそる。
でも。
(ちょっと大きすぎるのよね)
挿れてもらうには、奥を突き上げてもらうには最適な大きさだけど、手でしようとすると、わたしの手が小さいのか、それとも彼のイチモツが大きすぎるのか、手には余っちゃう。
「ンッ、ハッ、リュー……リア」
シオンはそれでも感じてくれてるみたいだけど。うーん。
クニクニと、その尖端を親指でこねながら思案。
もっと感じさせたい。もっと気持ちよくしてあげたい。――って。
(そうだ!)
「りゅっ、リューリアっ!?」
ハクッと咥えた彼のイチモツ。彼の前にひざまずいて、その大きなイチモツを口のなかに収める。
(ニガッ)
唾液とは違う味が口腔に広がる。けど。
チュク。チュクチュク。
吸い上げ、舐め回して、また啜り上げる。
やっぱりそれは口に収まりきらないから、手も使って愛撫をくり返す。
手でこすりながら、イチモツの裏にある筋を舌でヌロっと舐めあげる。
「気持ちいい?」
「ああ。スゴく……、ンッ、まさか、こんなことしてもらえるなんて、なっ」
「お返しよ。いつもして気持ちよくしてもらってるから」
いつもは、このイチモツがわたしのなかに挿ってる。わたしのなかに挿って、わたしを絶頂へと押しやってる。
「幸せな男だよ、僕は」
フッ、ハッ。
シオンの息がさらに乱れる。
「今更気づいたの?」
遅いわよ、シオン。
そんな彼をトンッと後ろに押す。
感じているからか。シオンの体は簡単に、わたしでも寝台の上に押し倒せた。
「だったら、もっと実感させてあげる」
寝台の上、仰向けに転がった彼の上に跨る。
「ダメだよ、リューリア。キミも支度しなきゃ」
彼のイチモツを愛撫したように、わたしの秘めた所も濡らさなきゃ?
「大丈夫よ。もら、こんなに」
濡れてるの。
少しだけ彼の手を引き、わたしの太ももに触れさせる。
わたしね。アナタのイチモツを咥えたせいで、アナタに愛される気持ちよさを思い出したせいで、ほら、こんなにドロドロに濡れてるの。今も膣が切なくキュウキュウとわなないてるの。
「だから、このまま……」
ズプリ。
ゆっくり腰を下ろして、なかに彼を迎え入れる。
「アアッ!」
自分が感じるつもりはなかったのに。彼を感じさせるつもりだったのに。
背を反らし、大きな嬌声を上げたのはわたしのほうだった。
ゾクゾクとした悦びが背中を駆け上がってくる。恍惚と目を閉じる。
「気持ち……いい……」
わたしの欲しいもの。わたしを満たすもの。
「リューリア、そのまま動ける?」
「うん。やってみる、わ……」
どう動けばいいかは、なんとなくわかってる。腰を上下させて、律動を刻めばいい。
けど。
(これ、ダメ。イッ、イッちゃう……)
挿れるだけでも気持ちいいのに。これでこすられたら、突き上げられたら。
彼の下腹に手を当てて、体を支える。これなら、深く挿いることもないから、あんし――
「ほら、頑張って」
ドチュン。
「ああっ! 手っ、ダメッ、ダメェッ!」
手はアッサリと彼に奪われ、指を絡められる。
支えのなくなった体は、自重のまま彼を深く受け入れてしまって。
「アッ、アヒッ、イッ、アアッ!」
「気持ちいい?」
「ウンっ、気持ちいいっ!」
なんだかんだ言って、結局のところ、わたしはこの瞬間が好きなんだ。
オスとしての彼を受け入れ、一つになってるこの時が。
「すごい眺めだよ、リューリア」
彼が言う。
「いつもは、淑女らしいキミなのに。今のキミったら、男の上に跨って、自分で腰をゆらして悦んでる。とっても淫らだ」
「そ、そんなこと……」
「いいよ、リューリア。僕の前では、そんなふうに乱れてくれて」
ズンッ!
「アアッ!」
シオンが腰を突き上げる。
「僕の前では、僕だけにはその乱れた姿を見せてよ。もっと乱れて? 僕のかわいい奥さん」
「アッ、し、シオンッ!」
「イきそう? なかが、すっごいビクビクしてる」
「ウン、イッ、イクッ、イッちゃう!」
深く迎えてしまったせいで、彼が腰を動かすせいで、熱く硬い先端が、わたしの最奥にゴツゴツぶつかる。
それ、それ意識吹っ飛びそうなほど、気持ちいいの!
「いいよ、イきなよ。僕ももう保ちそうにない!」
下から狂ったように突き上げてくるシオン。自分の体すら支えられないわたしは、嵐に翻弄される小舟のように上下左右へと大きく揺さぶられる。
乱れほどけた髪が、背中で大きく波打つ。
「アッ、アッ、ンアッ、シオンッ、アッ、アア――ッ!」
迸る彼の精。
それを受け止め、声を枯らす。
握られた手に力を込め、体をガクガクと揺らす。
「ヒ、ア、ア……」
グッと体の奥がこわばって、そこからグッタリと弛緩する。
熱い、火傷しそうな彼の精。満ちる悦び。幸せ。
「リューリア」
彼に手を引っ張られ、そのままペションと彼の胸に崩れ落ちる。
汗ばんだ彼の肌。胸の奥に響く鼓動がとても早い。――って。え?
グルンと回った体。上下の位置が彼と入れ替わる。――って。ええ?
「ごめん、もう一度、いい?」
いいって? なにがいいって訊いてるの? ――って。えええっ!?
「し、シオンっ!?」
さっき出したのに、なんでそんなに大きく硬くなってるの?
わたしのなかにいた彼のイチモツ。全然クタッとなってなくて。むしろさっきより大きくなってるような気がするんだけど。ミチミチと音がしそうなぐらい、膣壁を押し広げてるし。
「今日は初夜だからね。一回で終われそうにない」
ゆっくりと、でもシッカリと腰を前後させ始めたシオン。
「キミから愛されるのもいいけど。僕だって、キミを愛したいんだ」
ズプ。グチュ。ゴチュ。
膣から、つながった先からさっきよりも淫らな音がする。
「――覚悟はいい?」
シオンが笑う。
その笑みは、少し怖い。
わたし、愛されすぎて壊れちゃわない?
でも。
「いいわ。いっぱい愛して」
望むところよ。
アナタとなら。壊れるほど愛し合うのも悪くない。
わたしを抱いて屋敷に入ったシオン。
てっきり、シオンの屋敷に入るのかと思ってたら、連れて行かれたのはわたしの屋敷。
彼が修繕してくれた、お祖母様のお屋敷だった。
「気に入らない?」
尋ねながら、彼がようやくわたしを下ろしてくれる。
「そんな! すっごいステキ!」
慌てて頭を振る。
声が出なかったのは、気に入らなかったからじゃなくて、あまりにステキすぎて声がでなかっただけ。
わたしの寝室。
彼が選んでくれた壁紙の貼られた寝室。青紫の菫に囲まれた部屋。
今日まで、一度も中を見せてもらってなかった。
だから、こんなにステキに仕上がってるなんて。驚きで声が出ない。
だけど。
「……シオン。あの寝台って」
たしか、この部屋にあったのは、未婚の女性用――というか子ども用の寝台だったと思うんだけど。
それが、天蓋付き、四隅からタップリ襞をとった薄い紗のカーテンがついてる寝台に変わってる。それも一人で寝るには大きすぎる、どう見ても二人用の寝台。
「うん。せっかくだからこれも変えさせてもらった」
いつの間に。
「結婚したら、こちらを新居にするつもりだったから」
「そうなの?」
てっきり、あちら、シオンの家で暮らすんだと思ってたのに。
「あちらも悪くないけど。でも、せっかくだし、キミとこの部屋で過ごしたいなって」
わたしと過ごす?
「キミを、菫の花で飾って。菫に彩られたキミを抱きたいなって」
「だ、抱きっ……!」
そんな直接的なこと、言わない!
「で、でも、どうして菫っ!?」
話題を強引に変える。変われ、話題!
「キミに、十年前の別れの時、菫の指輪、贈っただろ?」
覚えてない?
彼の視線が問いかける。
「あの指輪には、僕の想いがこもってたんだ」
「想い?」
うっすらわかっていても、それでも言葉で聴きたい。
「菫の花言葉は、誠実、愛。一生キミを愛する、キミに想いを捧げる。そんなつもりで贈ったんだよ」
「そう……なんだ」
「うん。だから、その象徴である菫でキミを彩りたかった。特に、青い菫で」
「青い……菫?」
菫と言えば、紫――のような気がするんだけど。菫色って言えば、紫を指すぐらいだし。
それをどうして、青色って指定するの?
わたしが首を傾げていたんだろう。
トントンと軽くシオンが自分の目を指差す。――って。あ!
「わかった?」
「う、うん。わかった」
小声で答える。
青色は彼の目の色。青色菫は、彼の想いと彼自身。
「リューリアってちょっと鈍感だよね。僕が青色ドレスを用意しても、全然その意図に気づかずに着てるんだもん」
「うん……。てっきり、わたしに似合うから贈ってくれたのかと……」
モゴモゴ。
うつむき言葉を濁す。
シオンが贈ってくれた青色ドレス。
あれは、「お前にはこんなぐらいハッキリした色が似合う」っていうのじゃなくて、「キミには、僕の目の色と同じ色をまとわせたい」っていう意味だったんだ。
わたしもだけど、それを着せてくれたソニエも全く気づいてなかった意味。
「リューリアには、どんな色のドレスだって似合うよ。でもね、僕はキミに青色を着てほしかった」
「シオン……」
「キミを僕の色で染めたい。キミが僕のものだって、こっそりと、でもシッカリと宣言したかったんだ」
そうだったんだ。
「そんな魂胆に気づきもせずに無邪気に着てくれてるキミもかわいかったけど。――ゴメン、重かった?」
「ううん。そんなことない。そんなことないわ! わたし、その、そのっ!」
言葉がうまく出てこない。
重くなんてないの。むしろ。
「うれしい! そこまで想ってもらえて、すごくうれしい!」
この部屋も、ドレスの意味も。
そこまで愛されて、わたし、この上なく幸せだわ!
「シオン、大好き」
この想いをどう伝えたらいいかわからなくて。
ギュッと彼に抱きつく。
「リューリア……」
もっと伝えたい。抱きつくだけじゃなくて、もっと。
でも、どうやったら伝わる?
(そうだ!)
「シオン、脱いで!」
「――え? は? りゅ、リューリア?」
「ほら、早く!」
彼を急かし、自分も脱ぎ捨てる。
薄暗い寝室。
情緒もなにもない脱ぎ捨て方だけど、服なんて邪魔なんだからしょうがないじゃない。
「――脱いだの?」
「え? ああ、うん……」
メチャクチャ戸惑った返事。
ドレスも下着もすべて脱ぎ捨てて彼を見れば、彼も一糸まとわぬ姿で立っていた。脚の間、股間のイチモツを勃たせて、ちょっと所在なさげだったけど。
「ねえ、シオン」
その体に向かいあうようにしてわたしも立つ。
「わたし、アナタが好きよ。世界中の誰よりも、なによりも」
「リューリア……」
「アナタと出会えてよかった。アナタと過ごせてよかった。アナタに愛されて、アナタの妻になって。いろんなことがあったけど、この人生を与えてくださった神様に感謝してるの。そしてシオン、アナタにも」
「僕にも?」
「ええ。わたしと出会ってくれてありがとう。そして、わたしを想ってくれてありがとう。わたし、すごくうれしい。すごく幸せ」
驚くシオンを前に、自然と笑みがこぼれた。
「ねえ、今日はわたしからさせてくれない?」
「キミから?」
「ええ。わたしから。わたしがどれだけアナタを愛してるのか伝えたいの」
わたしには、部屋を用意したり、ドレスを用意したりすることはできないから。言葉だけじゃ足りないから。代わりにこの体を使って、想いを伝えたいの。
「うれしいよ、リューリア」
言って、彼が腕を広げる。
わたしを受け入れてくれる証だ。
「シオン……」
迷わずその腕に飛び込む。
触れる彼のすべらかで熱い肌。やっぱり、わたしの居場所はこの腕の中だわ。
「愛してるわ、シオン」
つま先立ちになって、彼の唇に口づける。背伸び、そこまで辛くなかったのは、彼が少し屈んでくれたから。
わたしがなかに舌を入れたいと動かすと、彼も口を開けて受け入れてくれる。
(好き。シオン、好き――)
彼の首に腕を絡ませて。もっと欲しいと舌を差し込み、彼の舌と絡ませる。
愛してる。愛してるの。
アナタに負けないぐらいわたしも。
この気持ち、伝えたいの。
「ハッ、ンハッ……」
唇を離し、彼を見上げる。
わたしを見る彼の頬が赤い。青い瞳に熱が灯ってる。
(わたし、もっと感じさせたい……)
シオンも、わたしとする時、こんな気持ちだったのかな。
そんなことを思いながら、彼の浮き出た鎖骨に口づける。そこからたくましい胸に、引き締まったお腹に。少しずつ口づける場所を変えていく。指をすべらせていく。
「ンッ、リューリア……、ン、ハッ」
シオンの漏らす息が乱れる。
(感じてるんだ……)
口づけると、時折彼の体がヒクンと揺れる。そして、反るほどに高く勃ち上がったそれがゆれる。
(うれしい……)
彼が感じてくれてること。
わたしの拙い愛撫を喜んでくれてること。
だから。
「ンッ、りゅ、リューリア!」
その熱く硬いイチモツに手を添わせる。それからゆっくりと指を折り、手のなかに包み込む。
「イヤだった?」
「そ、そんなことないけど……」
さっきより目元を赤く染めたシオン。すごく色っぽい。
もっと熱く乱してみたい。
少しだけ口のなかに唾液を溜めて、それからトローっとイチモツに垂らす。自分の唾液を指でイチモツに塗り込む。
「痛かったら言ってね」
「あ、ああ」
痛くはないのだろう。少し手を動かしたら、それだけで、彼の腰が跳ねた。
(かわいい)
その反応。すっごくそそる。
でも。
(ちょっと大きすぎるのよね)
挿れてもらうには、奥を突き上げてもらうには最適な大きさだけど、手でしようとすると、わたしの手が小さいのか、それとも彼のイチモツが大きすぎるのか、手には余っちゃう。
「ンッ、ハッ、リュー……リア」
シオンはそれでも感じてくれてるみたいだけど。うーん。
クニクニと、その尖端を親指でこねながら思案。
もっと感じさせたい。もっと気持ちよくしてあげたい。――って。
(そうだ!)
「りゅっ、リューリアっ!?」
ハクッと咥えた彼のイチモツ。彼の前にひざまずいて、その大きなイチモツを口のなかに収める。
(ニガッ)
唾液とは違う味が口腔に広がる。けど。
チュク。チュクチュク。
吸い上げ、舐め回して、また啜り上げる。
やっぱりそれは口に収まりきらないから、手も使って愛撫をくり返す。
手でこすりながら、イチモツの裏にある筋を舌でヌロっと舐めあげる。
「気持ちいい?」
「ああ。スゴく……、ンッ、まさか、こんなことしてもらえるなんて、なっ」
「お返しよ。いつもして気持ちよくしてもらってるから」
いつもは、このイチモツがわたしのなかに挿ってる。わたしのなかに挿って、わたしを絶頂へと押しやってる。
「幸せな男だよ、僕は」
フッ、ハッ。
シオンの息がさらに乱れる。
「今更気づいたの?」
遅いわよ、シオン。
そんな彼をトンッと後ろに押す。
感じているからか。シオンの体は簡単に、わたしでも寝台の上に押し倒せた。
「だったら、もっと実感させてあげる」
寝台の上、仰向けに転がった彼の上に跨る。
「ダメだよ、リューリア。キミも支度しなきゃ」
彼のイチモツを愛撫したように、わたしの秘めた所も濡らさなきゃ?
「大丈夫よ。もら、こんなに」
濡れてるの。
少しだけ彼の手を引き、わたしの太ももに触れさせる。
わたしね。アナタのイチモツを咥えたせいで、アナタに愛される気持ちよさを思い出したせいで、ほら、こんなにドロドロに濡れてるの。今も膣が切なくキュウキュウとわなないてるの。
「だから、このまま……」
ズプリ。
ゆっくり腰を下ろして、なかに彼を迎え入れる。
「アアッ!」
自分が感じるつもりはなかったのに。彼を感じさせるつもりだったのに。
背を反らし、大きな嬌声を上げたのはわたしのほうだった。
ゾクゾクとした悦びが背中を駆け上がってくる。恍惚と目を閉じる。
「気持ち……いい……」
わたしの欲しいもの。わたしを満たすもの。
「リューリア、そのまま動ける?」
「うん。やってみる、わ……」
どう動けばいいかは、なんとなくわかってる。腰を上下させて、律動を刻めばいい。
けど。
(これ、ダメ。イッ、イッちゃう……)
挿れるだけでも気持ちいいのに。これでこすられたら、突き上げられたら。
彼の下腹に手を当てて、体を支える。これなら、深く挿いることもないから、あんし――
「ほら、頑張って」
ドチュン。
「ああっ! 手っ、ダメッ、ダメェッ!」
手はアッサリと彼に奪われ、指を絡められる。
支えのなくなった体は、自重のまま彼を深く受け入れてしまって。
「アッ、アヒッ、イッ、アアッ!」
「気持ちいい?」
「ウンっ、気持ちいいっ!」
なんだかんだ言って、結局のところ、わたしはこの瞬間が好きなんだ。
オスとしての彼を受け入れ、一つになってるこの時が。
「すごい眺めだよ、リューリア」
彼が言う。
「いつもは、淑女らしいキミなのに。今のキミったら、男の上に跨って、自分で腰をゆらして悦んでる。とっても淫らだ」
「そ、そんなこと……」
「いいよ、リューリア。僕の前では、そんなふうに乱れてくれて」
ズンッ!
「アアッ!」
シオンが腰を突き上げる。
「僕の前では、僕だけにはその乱れた姿を見せてよ。もっと乱れて? 僕のかわいい奥さん」
「アッ、し、シオンッ!」
「イきそう? なかが、すっごいビクビクしてる」
「ウン、イッ、イクッ、イッちゃう!」
深く迎えてしまったせいで、彼が腰を動かすせいで、熱く硬い先端が、わたしの最奥にゴツゴツぶつかる。
それ、それ意識吹っ飛びそうなほど、気持ちいいの!
「いいよ、イきなよ。僕ももう保ちそうにない!」
下から狂ったように突き上げてくるシオン。自分の体すら支えられないわたしは、嵐に翻弄される小舟のように上下左右へと大きく揺さぶられる。
乱れほどけた髪が、背中で大きく波打つ。
「アッ、アッ、ンアッ、シオンッ、アッ、アア――ッ!」
迸る彼の精。
それを受け止め、声を枯らす。
握られた手に力を込め、体をガクガクと揺らす。
「ヒ、ア、ア……」
グッと体の奥がこわばって、そこからグッタリと弛緩する。
熱い、火傷しそうな彼の精。満ちる悦び。幸せ。
「リューリア」
彼に手を引っ張られ、そのままペションと彼の胸に崩れ落ちる。
汗ばんだ彼の肌。胸の奥に響く鼓動がとても早い。――って。え?
グルンと回った体。上下の位置が彼と入れ替わる。――って。ええ?
「ごめん、もう一度、いい?」
いいって? なにがいいって訊いてるの? ――って。えええっ!?
「し、シオンっ!?」
さっき出したのに、なんでそんなに大きく硬くなってるの?
わたしのなかにいた彼のイチモツ。全然クタッとなってなくて。むしろさっきより大きくなってるような気がするんだけど。ミチミチと音がしそうなぐらい、膣壁を押し広げてるし。
「今日は初夜だからね。一回で終われそうにない」
ゆっくりと、でもシッカリと腰を前後させ始めたシオン。
「キミから愛されるのもいいけど。僕だって、キミを愛したいんだ」
ズプ。グチュ。ゴチュ。
膣から、つながった先からさっきよりも淫らな音がする。
「――覚悟はいい?」
シオンが笑う。
その笑みは、少し怖い。
わたし、愛されすぎて壊れちゃわない?
でも。
「いいわ。いっぱい愛して」
望むところよ。
アナタとなら。壊れるほど愛し合うのも悪くない。
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豪胆果断だがどこか天然な女王と、彼女を敬愛してやまない美貌の若き王配のすれ違い離婚騒動。
「月と雪と温泉と ~幼馴染みの天然王子と最強魔術師~」の王子の姉の話ですが、独立した話で、作風も違います。
本作は小説家になろうにも投稿しています。
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登場人物
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