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第1話 断罪処刑。
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――信じられない。
今、自分の身の上に起きていること。これから起きること。
そのすべてを理解することを、全身が拒否している。
だって。
目の前、階段を登りつめた先にあるのは、鉛色の刃を鈍く陽光に煌めかせた断頭台。
その手前に待ち構える人は、私を見ても表情を変えず、重苦しいままに無表情。
断頭台は、周囲に集まった人々からも、その様子がよく見えるよう、舞台のように高くなっている。集まった民衆は、これから起きる出来事を悲しむフリして楽しむために集まっているのだろう。期待という名の熱が、ここまで伝わってくる。
――王太子殿下の婚約者だった女、公爵令嬢の処刑。
娯楽も少なく、日々の暮らしに変化もなく、税金だけ搾り取られて暮らす民衆にとって、私の処刑は、ちょっとした楽しみに違いない。
どのような理由で処刑されるのか。
そんなことはどうでもいいのだ。
それよりも、私が怯えたり、取り乱したり泣き叫んだり。そういう無様な姿を見せることを期待している。
身分高き者の、惨めな最期を彼らは見たいのだ。そうして、日々の鬱憤を晴らす。
――泣くものか。
絶対取り乱したりしない。涙なんて見せてもあげない。
グッと歯を食いしばり、残された階段を登る。
長く豊かな髪を、乱暴にまとめて襟元で切り落とされる。
軽く祈ると、処刑人の促すままに、断頭台に己の細い首を差し出す。
その一瞬、民衆の後ろ、一番眺めのいい席――わざわざ設けられたのだろう桟敷席――に、一組の男女がいるのが見えた。
女はこちらを見て、悲しそうにハンカチで目じりを押さえ、男は……女を抱き寄せ、口角を上げるとニヤリと笑った。
王太子フェルディナンと、その新たな婚約者アンジェリーヌ。
彼は、長年婚約者であった私の最期を、こうしてわざわざ見物に来ているのだ。
(本当、最低な奴ね)
その冷酷な笑みに、優しさの欠片も感じられない。
幼い頃から一緒に、いつか夫婦になる者としてともに育ってきたというのに。
(まあ、新しく好きな人が出来たからと、私を捨てるような奴ですものね)
憐みなどという感情は、亡き母君のお腹のなかにでも置き忘れて生まれてきたんでしょう、あの男は。
私の前に父さまと母さまが次々と首を斬り落とされても、あの男は、喜んで食い入るように見ていたほどだし。
(父さま、母さま……)
私より先に首を落とされたお二人。
彼らの流した血が赤黒く、床に広がっているのが目に入った。
どれだけ無念だったことか。どれだけ悔しかったことか。
娘の私が王太子なんかの婚約者であったばかりに、家を潰され、その生命を散らされた。
そのすべてが、王太子に新たな恋人が出来た、それだけの理由で行われたのだから。
(これがいわゆる「悪役令嬢の末路」ってやつね)
頭に浮かんだ言葉に、自虐的な笑みが浮かぶ。
私は、何一つ悪いことをしていない。
身分下のアンジェリーヌに対して、イジメたこともなければ、貶めて楽しんだこともない。
階段から突き落としたこともなければ、食べ物に虫を入れたことも、ドレスを汚したこともない。どこかに閉じ込めたことも、暴漢に襲わせたことも、ない。
少し考えればわかることだ。
だって私には、そんなことをする理由がないのだから。
フェルディナンとの婚約は、生まれた時には決まっていたこと。未来の王妃の地位は確定していたし、彼が愛人を作ろうとも、私が嫉妬したり、焦る必要はなかった。
王妃として、子を成し、国政をたすけることさえできれば、それでよかったのだ。
フェルディナンとの関係がどうであろうと、彼が誰を愛そうと気にもしていなかった。
それなのに。
彼は、アンジェリーヌと結婚するためだけに、私を処刑する。罪なき罪をでっちあげ、私の両親、家ともどもこの世から消してしまうつもりだ。
フェルディナンも非情だと思うが、その横で可憐さを装ってるつもりのアンジェリーヌも最低だと思う。
あのハンカチの下、絶対泣いてないし、笑ってるでしょっていうのがわかる。
地方出の男爵令嬢から成り上がってきたアンジェリーヌ。
私と違って、優しくはかなげで男の庇護欲を誘うような容姿をしているけど、中身は全然そんなことはない。本当に優しいのなら、そこで泣いてるんじゃなくって、身を挺してでも、愛するフェルディナンの蛮行を止めるってものじゃない?
おかわいそうな、エリーズさま。
そんなウソの涙を見ても、誰も心動かされないわよ。おバカなフェルディナン以外はね。
そして、せいぜいつけあがっているがいいわ。
その男、アナタに飽きたら、私にやったのと同じように、アナタの首も刎ねるでしょうから。
一度犯した罪は、何度だってやるのよ。
新しい女が言い寄ってきたら、それがアナタの最期だと思いなさい。
(ってまあ、どうでもいいか)
あの男も、あの女も、この国も、この世界も。
すべてが、もうどうだっていいわ。
軽くフッと笑ってから目を閉じる。
さあ、こんな世界とっとと別れを告げて、新しい世界に生まれ変わりましょう。
ジャッと鈍い音を立てて、鋭い刃が滑り落ちてくる。
痛い、というよりは熱い。
そう感じたのが最後だった。
* * * *
(あ、れ……?)
次に私が目にしたのは、自分のよく知る模様の描かれた寝台の天蓋。
そこから伸びる白い紗の布が、朝日に透けきらめいている。
「お目覚めですか? お嬢さま」
その声に、驚いて身を起こす。
「……コリンヌ?」
「ええ、そうですけど。寝ぼけていらっしゃいます? お嬢さま」
いつものように、当たり前のように、コリンヌが寝台脇のテーブルに水差しを用意する。
「ほら、お顔でも洗って、しっかりしてくださいな」
少し笑ったような彼女の声。
間違いない。私の侍女、コリンヌその人だ。
(でも、コリンヌは牢屋で殺された……はず)
断罪され放りこまれた牢で、私を守ろうとして牢屋番から凌辱され、むごたらしく殺された。私もその後、遺体となった彼女のすぐ横で犯されたんだけど。
(生きて……いるの?)
私だけじゃない、彼女も。
「コリンヌ……ッ!」
「あらあら、どうしたんですか、お嬢さま。怖い夢でも見たんですか?」
勢いよく飛びついた私の背中を、彼女が優しくあやすように撫でてくれる。
その手は、とても温かい。コリンヌが、私が生きている証だ。
「しかたないですね」
よしよしと撫でる手のぬくもりに、私は腕に力をこめた。
あの断罪は、夢なんかじゃない。
あれは実際に起きたこと。
(タイムリープした……)
情報が一気に、大津波のように押し寄せてくる。
私、エリーズ・ルロワは転生者だ。
以前に暮らしていたのは、別の世界の「日本」という国。
適度なアニメ、ゲーム、歴史オタクで、ほどほどのOLだった私は、ラノベあるある展開のように事故死して、この世界に転生してきた。
ここでは、シャルストラード公爵家の一人娘として生を受けた。公爵家は王家ともつながりが強く、私は生まれて間もなく王太子、フェルディナンの婚約者となった。
けど、それが仇になった。
フェルディナンは、私との婚約破棄を理由に公爵家を潰し、両親と私を処刑した。
新しい女、アンジェリーヌと結婚するために。
表向きの理由は、私の悪行のためとされているが、本当の理由はわかっている。
アンジェリーヌはもちろん、莫大な公爵家の財産も手に入れるためだ。
(そんなこと、させない……っ!)
身勝手な理由で、罪なき両親、大好きなコリンヌまで殺され、虐げられるのだ。
幸い、私には転生前の知識と、タイムリープ前の経験が記憶として残っている。
これらを駆使して、そのたくらみをすべてぶち壊してやる。
コリンヌの背中に回した拳をギュッと握りしめ、固く誓う。
今、自分の身の上に起きていること。これから起きること。
そのすべてを理解することを、全身が拒否している。
だって。
目の前、階段を登りつめた先にあるのは、鉛色の刃を鈍く陽光に煌めかせた断頭台。
その手前に待ち構える人は、私を見ても表情を変えず、重苦しいままに無表情。
断頭台は、周囲に集まった人々からも、その様子がよく見えるよう、舞台のように高くなっている。集まった民衆は、これから起きる出来事を悲しむフリして楽しむために集まっているのだろう。期待という名の熱が、ここまで伝わってくる。
――王太子殿下の婚約者だった女、公爵令嬢の処刑。
娯楽も少なく、日々の暮らしに変化もなく、税金だけ搾り取られて暮らす民衆にとって、私の処刑は、ちょっとした楽しみに違いない。
どのような理由で処刑されるのか。
そんなことはどうでもいいのだ。
それよりも、私が怯えたり、取り乱したり泣き叫んだり。そういう無様な姿を見せることを期待している。
身分高き者の、惨めな最期を彼らは見たいのだ。そうして、日々の鬱憤を晴らす。
――泣くものか。
絶対取り乱したりしない。涙なんて見せてもあげない。
グッと歯を食いしばり、残された階段を登る。
長く豊かな髪を、乱暴にまとめて襟元で切り落とされる。
軽く祈ると、処刑人の促すままに、断頭台に己の細い首を差し出す。
その一瞬、民衆の後ろ、一番眺めのいい席――わざわざ設けられたのだろう桟敷席――に、一組の男女がいるのが見えた。
女はこちらを見て、悲しそうにハンカチで目じりを押さえ、男は……女を抱き寄せ、口角を上げるとニヤリと笑った。
王太子フェルディナンと、その新たな婚約者アンジェリーヌ。
彼は、長年婚約者であった私の最期を、こうしてわざわざ見物に来ているのだ。
(本当、最低な奴ね)
その冷酷な笑みに、優しさの欠片も感じられない。
幼い頃から一緒に、いつか夫婦になる者としてともに育ってきたというのに。
(まあ、新しく好きな人が出来たからと、私を捨てるような奴ですものね)
憐みなどという感情は、亡き母君のお腹のなかにでも置き忘れて生まれてきたんでしょう、あの男は。
私の前に父さまと母さまが次々と首を斬り落とされても、あの男は、喜んで食い入るように見ていたほどだし。
(父さま、母さま……)
私より先に首を落とされたお二人。
彼らの流した血が赤黒く、床に広がっているのが目に入った。
どれだけ無念だったことか。どれだけ悔しかったことか。
娘の私が王太子なんかの婚約者であったばかりに、家を潰され、その生命を散らされた。
そのすべてが、王太子に新たな恋人が出来た、それだけの理由で行われたのだから。
(これがいわゆる「悪役令嬢の末路」ってやつね)
頭に浮かんだ言葉に、自虐的な笑みが浮かぶ。
私は、何一つ悪いことをしていない。
身分下のアンジェリーヌに対して、イジメたこともなければ、貶めて楽しんだこともない。
階段から突き落としたこともなければ、食べ物に虫を入れたことも、ドレスを汚したこともない。どこかに閉じ込めたことも、暴漢に襲わせたことも、ない。
少し考えればわかることだ。
だって私には、そんなことをする理由がないのだから。
フェルディナンとの婚約は、生まれた時には決まっていたこと。未来の王妃の地位は確定していたし、彼が愛人を作ろうとも、私が嫉妬したり、焦る必要はなかった。
王妃として、子を成し、国政をたすけることさえできれば、それでよかったのだ。
フェルディナンとの関係がどうであろうと、彼が誰を愛そうと気にもしていなかった。
それなのに。
彼は、アンジェリーヌと結婚するためだけに、私を処刑する。罪なき罪をでっちあげ、私の両親、家ともどもこの世から消してしまうつもりだ。
フェルディナンも非情だと思うが、その横で可憐さを装ってるつもりのアンジェリーヌも最低だと思う。
あのハンカチの下、絶対泣いてないし、笑ってるでしょっていうのがわかる。
地方出の男爵令嬢から成り上がってきたアンジェリーヌ。
私と違って、優しくはかなげで男の庇護欲を誘うような容姿をしているけど、中身は全然そんなことはない。本当に優しいのなら、そこで泣いてるんじゃなくって、身を挺してでも、愛するフェルディナンの蛮行を止めるってものじゃない?
おかわいそうな、エリーズさま。
そんなウソの涙を見ても、誰も心動かされないわよ。おバカなフェルディナン以外はね。
そして、せいぜいつけあがっているがいいわ。
その男、アナタに飽きたら、私にやったのと同じように、アナタの首も刎ねるでしょうから。
一度犯した罪は、何度だってやるのよ。
新しい女が言い寄ってきたら、それがアナタの最期だと思いなさい。
(ってまあ、どうでもいいか)
あの男も、あの女も、この国も、この世界も。
すべてが、もうどうだっていいわ。
軽くフッと笑ってから目を閉じる。
さあ、こんな世界とっとと別れを告げて、新しい世界に生まれ変わりましょう。
ジャッと鈍い音を立てて、鋭い刃が滑り落ちてくる。
痛い、というよりは熱い。
そう感じたのが最後だった。
* * * *
(あ、れ……?)
次に私が目にしたのは、自分のよく知る模様の描かれた寝台の天蓋。
そこから伸びる白い紗の布が、朝日に透けきらめいている。
「お目覚めですか? お嬢さま」
その声に、驚いて身を起こす。
「……コリンヌ?」
「ええ、そうですけど。寝ぼけていらっしゃいます? お嬢さま」
いつものように、当たり前のように、コリンヌが寝台脇のテーブルに水差しを用意する。
「ほら、お顔でも洗って、しっかりしてくださいな」
少し笑ったような彼女の声。
間違いない。私の侍女、コリンヌその人だ。
(でも、コリンヌは牢屋で殺された……はず)
断罪され放りこまれた牢で、私を守ろうとして牢屋番から凌辱され、むごたらしく殺された。私もその後、遺体となった彼女のすぐ横で犯されたんだけど。
(生きて……いるの?)
私だけじゃない、彼女も。
「コリンヌ……ッ!」
「あらあら、どうしたんですか、お嬢さま。怖い夢でも見たんですか?」
勢いよく飛びついた私の背中を、彼女が優しくあやすように撫でてくれる。
その手は、とても温かい。コリンヌが、私が生きている証だ。
「しかたないですね」
よしよしと撫でる手のぬくもりに、私は腕に力をこめた。
あの断罪は、夢なんかじゃない。
あれは実際に起きたこと。
(タイムリープした……)
情報が一気に、大津波のように押し寄せてくる。
私、エリーズ・ルロワは転生者だ。
以前に暮らしていたのは、別の世界の「日本」という国。
適度なアニメ、ゲーム、歴史オタクで、ほどほどのOLだった私は、ラノベあるある展開のように事故死して、この世界に転生してきた。
ここでは、シャルストラード公爵家の一人娘として生を受けた。公爵家は王家ともつながりが強く、私は生まれて間もなく王太子、フェルディナンの婚約者となった。
けど、それが仇になった。
フェルディナンは、私との婚約破棄を理由に公爵家を潰し、両親と私を処刑した。
新しい女、アンジェリーヌと結婚するために。
表向きの理由は、私の悪行のためとされているが、本当の理由はわかっている。
アンジェリーヌはもちろん、莫大な公爵家の財産も手に入れるためだ。
(そんなこと、させない……っ!)
身勝手な理由で、罪なき両親、大好きなコリンヌまで殺され、虐げられるのだ。
幸い、私には転生前の知識と、タイムリープ前の経験が記憶として残っている。
これらを駆使して、そのたくらみをすべてぶち壊してやる。
コリンヌの背中に回した拳をギュッと握りしめ、固く誓う。
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