オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!

みさちぃ

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その2 教室にて ルース視点

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式には間に合わなかったが、その後のホームルームには間に合った。
せっかく教室まで送っていくと言ったのにシャーリーには全力で断られた。
抱きかかえた時に恥ずかしがって震えるシャーリーはかわいかったな。

そんなことを考えていたら隣にふんわりした銀の髪を肩下ぐらいまで伸ばした女の子が立っていた。ああ、さっきのルピアさんか。

「先程はありがとうございました。同じクラスですね。よろしくお願います。」
彼女はまた深々と頭を下げた。
「あの、彼女さんは大丈夫でした?」
彼女…ふふん、いい響きだ。
「大丈夫だよ。気にしないでね。そんなにひどくなかったから。ちょっと腫れただけ。」
「よかった。」
手を胸の前で合わせ、本当によかったと安堵の表情をする。
彼女はたしかにかわいい子だ。見た感じは容姿だけでなく、性格も良さそうだ。だからシャーリーがヒロインだと考えたのか。
しかし僕から見たら裏がありそうだ。
まあ騙されないよ。

やっぱり僕はシャーリーがいいな。
もうシャーリーに会いたくなってる。

シャーリー曰く攻略対象大本命の王太子殿下はもう卒業していない。どうするんだ?他を探すってことなのかな?
他に攻略対象になりそうなのは誰だ?
ん~政科ならやはり僕かな?
騎士団長の子息は確か王太子殿下と同じで3歳上だから、やはり卒業している。
接点はあまりないか。
ん?あ~!ディラン!
魔科にはディランがいるな。
シャーリーのことだから今頃ディランに目をつけているだろう。また楽しいこと考えているのかな?
そんな事を考えていたらすっかりルピアさんが隣にいる事をわすれていた。
僕もシャーリーの『一人世界への旅』の癖が移ってるな。

「さっきもいいましたが。私はルピアと言います。平民なのであまりお話しない方がいいかと思います。しかし彼女さんの怪我が気になってしまい声をかけてしまいました。申し訳ありません…」
「ああ、大丈夫。気にしないから。 僕はルーズローツ=ディ=サー=ザイン。こちらこそよろしく。」
手を差し出した。彼女は軽く手を添えて握手に応えてくれた。その時、彼女は可愛らしく笑った。少し頬が赤かった。
面倒なことには巻き込まれたくはないな。
また僕のかわいい婚約者が暴走始めそうだ。
だって彼女にはルピアさんがヒロインなんだから。

今日の授業は半日。シャーリーを迎えにいった。
案の定…シャーリーはディランと話していた。
全く、彼女は自分がかわいいなんてことに気付いていないのか。彼女は自己評価が低い。今はまだ綺麗という容姿ではないけどめちゃくちゃかわいいんだよ。笑うと更にかわいい。結構その笑顔はくるんだよ。
シャーリー、わかってる?
君は僕のものなんだから他の人に笑いかけちゃいけないんだ。
あ~あ、言ってる側からディランに笑いかけてる。ほらほらディランはきっと君がかわいいって気付いてしまった。
少し顔が赤くなっている。

ディランがシャーリーに対して治癒の力を使った。
せっかく足を引きずるシャーリーを心配して甘やかせたかったのに余計なことをしてくれたね。その上、何、人の秘密バラそうとしてるんだ。僕はディランより強い治癒の魔法を使えるんだけど、シャーリーは知らない。
シャーリーに使ったこともあるけどシャーリーは気付いていない。まあ、そうするようにしてるのは僕だけどね。

ディランを睨んだ。シャーリーに近すぎだ。僕以外シャーリーに近づくな。
その視線にディランが気づいた。シャーリーも遅れて気づく。小走りに僕のところへくる彼女が愛しい。
嬉しそうに治癒の魔法を使われたことを話す。
本当に君は僕のことはただの幼なじみとしか思ってないのかな?もう少し気にして欲しいな。なんて思いながら彼女を見つめる。

すると後ろから少し背の高い緑色の髪を持った22、3歳くらいの先生がやってきた。
政科、武科、魔科に共通の政経の先生だ。
確か宰相の養子のはずだ。
「おや?ヴィクセレーネさん、まだ残っていました。ちょうどよかったです。クラスで使うものがあるのですが、取りに来ていただいても良いですか?」
「はい。大丈夫です。」
「それでは今から一緒に先生の部屋まで取りに行きましょう。」
「はい。」
シャーリーはにこりと笑って
「ルース、少し待っててくれる?いってくるね」
彼女は先生の後についていった。
何だかまた楽しそうだ。そういえば攻略対象には先生も入るとか言ってたな。その先生も攻略対象なんか?
あ~あ、楽しそうだ。

僕は魔科の教室に入り、ディランの側に寄った。
「ルース、政科はどうだ?」
「ああ、ボチボチだな。面倒な教科ばかりだ。」
「まあ、仕方ないさ。お前は魔科のほうがあってるんと思うんだが。まあ、おかげで俺は首席をとれそうなんだがね。」
「せいぜいがんばれよ。」
「しかし、お前の幼なじみはお前が魔法使えること知らないのか?すごく驚かれたんだけど?」
「ああ、いろいろあってな。彼女は知らない方がいいんだ。」

…知れば攻略対象だとか何だとかまた妄想に走るからな。
更に王太子殿下が卒業しているこの状況なら僕が一番シャーリーの妄想のターゲットになるだろう。
他の奴はいいんだけど、自分に対してヒロインの攻略対象としていろいろと想像したり、考えて欲しくはない。
シャーリーは僕のことを攻略対象としてではなく、ちゃんと見てほしいだけなんだけどな。

「彼女とは婚約してるのか?彼女がしている青いリボンは君があげたんだろ?君の施した守りの魔法がかかっているよね。」
「さすがだね。わかっちゃうんだ。でも彼女は婚約のことは知らないから君も黙っててね。」

…だって知ってしまえば、婚約破棄だ!って大喜びされる。そんなこと目の前で言われたらいくら僕でも傷つくよ。
彼女が本当に現実を見たときに教えればいいさ。

「もしかして家同士のことでお前はあまり気がすすまないのか?」

いやいや全然乗る気だ。
だって僕がおねがいしたんだよ。
ん?待て待て。ディラン?その顔は何だ。やっぱりさっきのシャーリーの笑顔にやられたのか?

「もし、嫌なら別に俺がもらってや…「いや、そんなことはない。シャーリーは僕のものだから」
にこりと笑い、ディランに牽制を入れてみる。 
何を突然言いやがる。そういえばこいつにはまだ婚約者はいなかったな。危ないじゃかいか。やっぱり僕も魔科にすればよかった。気が気じゃない。

ヒロインやら攻略対象やらで忙しい僕の婚約者は割と自分のことをわかっていない。彼女の話を聞いている内に嫌でも思い知らされることがあるんだ。

愛しのシャーリー…何故気付かないかな?
君がヒロインなんだと言うことに…。
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