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その29 この世界にて ルース視点(1)
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青い光が周りに散らばって消えた。
「シャーリー!シャーリー。」
間一髪間に合った。
青い光がシャーリーに当たる前に何とか弾くことが出来た。
さっきの攻撃で割れた窓から兄様と2人で部屋に飛び込む。
「ルース!援護するから早くシャーリーのところへ!」
兄様の攻撃がルピアと氷の魔族の足元に繰り出される。
僕は攻撃をかい潜りシャーリーのところへ急ぐ。
「シャーリー!」
縛られた手首からは血が出ている。
腕からも肩、頬からも血が流れ落ちている。
目は開いていない。
ぐったりとした体はもう自分で支えられてはいない。だらりと天井から吊り下げられているだけ。
顔や手、首筋、見えるところはもう透き通ってしまいそうなくらい白い。
その腕に赤い血だけが流れだしていた。
背中がぞくっとした。
もしかして僕はシャーリーを失ってしまうかもしれないと思わずにはいられなかった。足が止まった。
「ルース!早く!!」
兄様の声に我に返った。
「シャーリー!シャーリー!!今助けるから!」
「ルース!危ないよけろ!」
兄様の声が飛ぶ。まだシャーリーの縄が解けない。
青の魔法がかかっていてなかなか解けない。
相手の攻撃を壁を作って跳ね返す。
兄様が時間を作っている間にシャーリーを安全な場所へ移さないといけない。
何とか赤の魔法で中和して青の魔法を解いてから縄を切った。
ドサッと倒れた落ちてきたシャーリーを受け止めた。
意識はない。
手や足はダラリと落ちるだけ。
自分の手にシャーリーの血が飛んだ。
シャーリーを抱いている腕が重い…。
彼女はもう僕を見て笑ってくれないのだろうか…。
しかし僕にはわかる。
僅かだがシャーリーを感じる。
大丈夫。彼女はまだ生きている。
かなり出血してる。
止めないと…血を止めないといけない。
手首は骨折している。この状態で縄で引き上げられていたのか。痛みでどうにかなるくらいだ。よく耐えていた。
しかしもう途切れるくらい細い意識しか感じられない。
かろうじて命の糸がつながっているという感じだ。
急がないと!
「ルース!早く。こっちよ。」
扉が開いた。そこには廊下側に回った姉様がいた。
「シャーリーを!」
僕はシャーリーを抱いて扉まで走る。
「シャーリーは!!」
姉様が大声で叫ぶ。
「大丈夫…まだ、まだ…」
僕も答えを叫びながら何とか攻撃をかわす。
凄まじい攻撃だ。次から次へと青く冷たい攻撃が繰り出される。さすが氷の魔族の王、並の魔力ではない。
扉の向こうで姉様が涙ぐんでいる。
しかし姉様はすでに魔法を展開しはじめていた。
治癒魔法にかけてはザイン家で右に出るものはいない。
僕がようやく姉様の元に着いた瞬間、赤い光がシャーリーを包んだ。鮮やかな手捌きだ。
シャーリーを扉を出てすぐ横に寝かせた。
僕は二人を守る為に入口を背にしてアイザックの攻撃を防いでいた。
少しそんな攻防が続いた。
「シャーリー!」
姉様の声がした。
チラッとシャーリーを見ると
赤い光の中でシャーリーの手が少し動いた。
僕は防御壁を張ってからシャーリーの手を取った。
「シャーリー!シャーリー!聞こえてる?シャーリー!
返事して!!」
「…る……」
「シャーリー!!」
なんとか聞き取れるくらいの小さな声。
「ルー…、さいご…よか…た…」
「シャーリー!最後じゃないから!大丈夫。助けにきたから。もう大丈夫だから。しっかりして!」
うっすらとシャーリーが目を開けた。
「あか…きれい。あお、あか…も…すき……」
「シャーリー!!」
シャーリーはそこで完全に意識を手放した。
「あなたを見て安心したのね。気を失っただけ。かなり気を張ってたのね。ルースもう大丈夫よ。あとは任せて。間に合って良かった。」
シャーリーの場所を探す魔法、ここまで移動する魔法、縄を解くのに赤の魔法を使ったから今の僕の目は赤かった。
シャーリーが僕のこの赤い瞳を好きだって言ってくれた。更にさっき…
目の前に青の光と赤の光が弾けた。
防御壁が壊されていた。
僕たちに向かって放たれた青の攻撃を兄様が弾いてくれた。
「ルース!感動の再会は後にしろ!攻撃が来るぞ!」
シャーリーを姉様に託して、僕は兄様の隣に行く。
「氷の魔族の王、アイザック。
ザイン家を怒らせたね。お前は青の魔法を使うんだから同じだろ?強い魔法を使うものはそれだけ代償を払わなきゃいけないんだ。だから手の中にあるものをとても大事にするんだよな。」
「だからこいつを狙った!こいつはそいつから大事にされている。お前たちが僕の大事な仲間を捕らえて連れて行った。同じことをしただけ!」
「違うだろ?初めにそうしたのは俺たちではない。」
「そうだ…そうだシルバーサの奴らが僕の大事な人を連れて行った。キルナスの森でひっそり暮らしてた…突然爺やと妹を連れさった!返して欲しければ協力しろと!僕は幸せだった!皆が周りにいるだけ。それが幸せだったんだ!それを壊されたんだ!!」
風が竜巻となり舞い上がる。
氷の魔族は国が滅びてからはひっそり国の隅のキルナスの森で一族と暮らしていた。それがかつて最強だと言われた氷の魔族の力を欲したシルバーサの欲に目をつけられてしまったのか…。
竜巻の中から青い閃光が飛び散る。
兄様と僕は反対方向に飛び、攻撃をかわす。
兄様がアイザックに向けて攻撃をする。
確かに彼の魔力はすごい。半端ない。
次から次へと息をつく暇もなく青い光が繰り出される。
僕達も逃げながら必死に攻撃をする。
「アイザック様!」
ルピアがアイザックに駆け寄り腕をとる。
「危ないわ!私まで殺す気?」
「どけっ!」
アイザックに腕を払われ彼女は跳ね飛ばされ、四つん這いになって扉に向かって逃げようとした。彼女に直接当たらない程度に顔付近を2、3回攻撃する。
「ひぃぃぃ!」
「ルピア、君に逃げてもらったら困るんだ。」
彼女は腰を抜かしたみたいだ。
その上彼女はもう恐怖でそこから動けないだろう。
ルピアが作ってくれたその僅かな時間の間に兄様の攻撃がアイザックの腕に当たった。
腕を押さえてしゃがみ込む彼に兄様は彼の足を攻撃をした。
これで動けない。
「大人しくしろ。」
一瞬彼の目が青白く光った。
「兄様危ない!」
今までとは桁違いのかまいたちのような風が吹きあれた。
なんとか僕の防御魔法が間に合った。
「ルース、ありがとう。」
兄様の目も一層赤く光った。周りに赤いオーラが立ち込める。
僕とは違い正式にザイン家の血を継いでいる兄様の赤の魔法はすごい。僕でさえ立っているのがやっとだ。
窓が小さく震える。あまりの殺気にアイザックも気づいたらしい。かまいたちの風を何度も繰り出すが全く兄様には届かない。
「氷の魔族の王、そして青の魔法使いアイザック。終わりにしようか。」
アイザックの下がメリメリといいだした。その部分だけ重力がのしかかる。アイザックは頭を抱えて喚きだした。
彼のしゃがみ込んだところから大きく床が凹み始め、ひび割れていく。アイザックの叫び声が響く。
彼の体から切り裂かれたように血が飛び散った。
兄様が本気を出したのを初めて目の当たりにした。
「シャーリー!シャーリー。」
間一髪間に合った。
青い光がシャーリーに当たる前に何とか弾くことが出来た。
さっきの攻撃で割れた窓から兄様と2人で部屋に飛び込む。
「ルース!援護するから早くシャーリーのところへ!」
兄様の攻撃がルピアと氷の魔族の足元に繰り出される。
僕は攻撃をかい潜りシャーリーのところへ急ぐ。
「シャーリー!」
縛られた手首からは血が出ている。
腕からも肩、頬からも血が流れ落ちている。
目は開いていない。
ぐったりとした体はもう自分で支えられてはいない。だらりと天井から吊り下げられているだけ。
顔や手、首筋、見えるところはもう透き通ってしまいそうなくらい白い。
その腕に赤い血だけが流れだしていた。
背中がぞくっとした。
もしかして僕はシャーリーを失ってしまうかもしれないと思わずにはいられなかった。足が止まった。
「ルース!早く!!」
兄様の声に我に返った。
「シャーリー!シャーリー!!今助けるから!」
「ルース!危ないよけろ!」
兄様の声が飛ぶ。まだシャーリーの縄が解けない。
青の魔法がかかっていてなかなか解けない。
相手の攻撃を壁を作って跳ね返す。
兄様が時間を作っている間にシャーリーを安全な場所へ移さないといけない。
何とか赤の魔法で中和して青の魔法を解いてから縄を切った。
ドサッと倒れた落ちてきたシャーリーを受け止めた。
意識はない。
手や足はダラリと落ちるだけ。
自分の手にシャーリーの血が飛んだ。
シャーリーを抱いている腕が重い…。
彼女はもう僕を見て笑ってくれないのだろうか…。
しかし僕にはわかる。
僅かだがシャーリーを感じる。
大丈夫。彼女はまだ生きている。
かなり出血してる。
止めないと…血を止めないといけない。
手首は骨折している。この状態で縄で引き上げられていたのか。痛みでどうにかなるくらいだ。よく耐えていた。
しかしもう途切れるくらい細い意識しか感じられない。
かろうじて命の糸がつながっているという感じだ。
急がないと!
「ルース!早く。こっちよ。」
扉が開いた。そこには廊下側に回った姉様がいた。
「シャーリーを!」
僕はシャーリーを抱いて扉まで走る。
「シャーリーは!!」
姉様が大声で叫ぶ。
「大丈夫…まだ、まだ…」
僕も答えを叫びながら何とか攻撃をかわす。
凄まじい攻撃だ。次から次へと青く冷たい攻撃が繰り出される。さすが氷の魔族の王、並の魔力ではない。
扉の向こうで姉様が涙ぐんでいる。
しかし姉様はすでに魔法を展開しはじめていた。
治癒魔法にかけてはザイン家で右に出るものはいない。
僕がようやく姉様の元に着いた瞬間、赤い光がシャーリーを包んだ。鮮やかな手捌きだ。
シャーリーを扉を出てすぐ横に寝かせた。
僕は二人を守る為に入口を背にしてアイザックの攻撃を防いでいた。
少しそんな攻防が続いた。
「シャーリー!」
姉様の声がした。
チラッとシャーリーを見ると
赤い光の中でシャーリーの手が少し動いた。
僕は防御壁を張ってからシャーリーの手を取った。
「シャーリー!シャーリー!聞こえてる?シャーリー!
返事して!!」
「…る……」
「シャーリー!!」
なんとか聞き取れるくらいの小さな声。
「ルー…、さいご…よか…た…」
「シャーリー!最後じゃないから!大丈夫。助けにきたから。もう大丈夫だから。しっかりして!」
うっすらとシャーリーが目を開けた。
「あか…きれい。あお、あか…も…すき……」
「シャーリー!!」
シャーリーはそこで完全に意識を手放した。
「あなたを見て安心したのね。気を失っただけ。かなり気を張ってたのね。ルースもう大丈夫よ。あとは任せて。間に合って良かった。」
シャーリーの場所を探す魔法、ここまで移動する魔法、縄を解くのに赤の魔法を使ったから今の僕の目は赤かった。
シャーリーが僕のこの赤い瞳を好きだって言ってくれた。更にさっき…
目の前に青の光と赤の光が弾けた。
防御壁が壊されていた。
僕たちに向かって放たれた青の攻撃を兄様が弾いてくれた。
「ルース!感動の再会は後にしろ!攻撃が来るぞ!」
シャーリーを姉様に託して、僕は兄様の隣に行く。
「氷の魔族の王、アイザック。
ザイン家を怒らせたね。お前は青の魔法を使うんだから同じだろ?強い魔法を使うものはそれだけ代償を払わなきゃいけないんだ。だから手の中にあるものをとても大事にするんだよな。」
「だからこいつを狙った!こいつはそいつから大事にされている。お前たちが僕の大事な仲間を捕らえて連れて行った。同じことをしただけ!」
「違うだろ?初めにそうしたのは俺たちではない。」
「そうだ…そうだシルバーサの奴らが僕の大事な人を連れて行った。キルナスの森でひっそり暮らしてた…突然爺やと妹を連れさった!返して欲しければ協力しろと!僕は幸せだった!皆が周りにいるだけ。それが幸せだったんだ!それを壊されたんだ!!」
風が竜巻となり舞い上がる。
氷の魔族は国が滅びてからはひっそり国の隅のキルナスの森で一族と暮らしていた。それがかつて最強だと言われた氷の魔族の力を欲したシルバーサの欲に目をつけられてしまったのか…。
竜巻の中から青い閃光が飛び散る。
兄様と僕は反対方向に飛び、攻撃をかわす。
兄様がアイザックに向けて攻撃をする。
確かに彼の魔力はすごい。半端ない。
次から次へと息をつく暇もなく青い光が繰り出される。
僕達も逃げながら必死に攻撃をする。
「アイザック様!」
ルピアがアイザックに駆け寄り腕をとる。
「危ないわ!私まで殺す気?」
「どけっ!」
アイザックに腕を払われ彼女は跳ね飛ばされ、四つん這いになって扉に向かって逃げようとした。彼女に直接当たらない程度に顔付近を2、3回攻撃する。
「ひぃぃぃ!」
「ルピア、君に逃げてもらったら困るんだ。」
彼女は腰を抜かしたみたいだ。
その上彼女はもう恐怖でそこから動けないだろう。
ルピアが作ってくれたその僅かな時間の間に兄様の攻撃がアイザックの腕に当たった。
腕を押さえてしゃがみ込む彼に兄様は彼の足を攻撃をした。
これで動けない。
「大人しくしろ。」
一瞬彼の目が青白く光った。
「兄様危ない!」
今までとは桁違いのかまいたちのような風が吹きあれた。
なんとか僕の防御魔法が間に合った。
「ルース、ありがとう。」
兄様の目も一層赤く光った。周りに赤いオーラが立ち込める。
僕とは違い正式にザイン家の血を継いでいる兄様の赤の魔法はすごい。僕でさえ立っているのがやっとだ。
窓が小さく震える。あまりの殺気にアイザックも気づいたらしい。かまいたちの風を何度も繰り出すが全く兄様には届かない。
「氷の魔族の王、そして青の魔法使いアイザック。終わりにしようか。」
アイザックの下がメリメリといいだした。その部分だけ重力がのしかかる。アイザックは頭を抱えて喚きだした。
彼のしゃがみ込んだところから大きく床が凹み始め、ひび割れていく。アイザックの叫び声が響く。
彼の体から切り裂かれたように血が飛び散った。
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