信州観劇日記

ことい

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上田いろいろ

『縄文の龍 〜龍と生きるまち信州上田・塩田平〜』 市民劇団「今ここ」(上田文化会館・長野県 上田市)

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まずは出演者をはじめとする関係者の皆様、お疲れ様でした。情報の入手は早かった方だと自負していますが、自分には難しいなって思ったので、ここまでのカタチに出来上がったこと、その背景にあるであろう諸々を想像するとともに、尊敬の念が絶えません。表現として、集団の強みが活かされていたと思います。これらを率いること素晴らしい。

とかく、最近の私は本業の修羅場ですら遠巻きに見るポジション確保に余念がないのです。…尽くしたい相手が渦中に飛び込んだら頑張ります…閑話休題。

個人的には始まって間もなくの「上田に住む人こそ上田の魅力を知らねば」というメッセージが全てかなと思います。長野県民って、地元愛強めだと思ってるんですが、ツンデレっつーかなんつーか、謙遜が過ぎるような気がして。

その上で、思ったのは「どれくらい監修入ってるのかな?」でした。この世の中、いくらでも諸説あり、宗派あり。作品によっては細かいこと言う必要ないと思うんですが、少しモヤモヤしてました。いや、私の知識も偏ってるんで大丈夫かもしれませんけども。

一方で、場の方々は全力で向き合っていて、誰が悪いとかって話でも無いのですが、善意で能力を持つ人の親切心ややりがいの搾取に気づいておかないと危険じゃないかなという気はします。それこそ『風の時代』ですし。

個人的には、この企画自体の立ち上げとか、付随する討論そのもの再現とか…ドラマ性があり、現実の課題に取り組む行為になるんじゃ?とか。妄想が進みます。



…いえ、通りすがりの無責任な戯言ですね。

さて、これに便乗して、以前から気になっていることを。作品とは関連がないです。

地方において『東京から来た』を強みとしてアピールしない方がいいと思っています。東京そのものを語る場合、その業界の中心動向を語る場合に置いては、肩書きとして必要ですが、それ以外においてはほぼマイナスに見えます。東京は東京でしかなく、共感性の上ではむしろ他の地方より遠い。東京のノウハウはほぼ使えないと思った方がいい。以前「長野を東京みたいにした(い)」って胸張ってた方がいましたが、経済や物流の面ならいざ知らず、文化や生活の面では歓迎されにくい気がします。こちらにはこちらの文化や生活がある。農村歌舞伎ではないですが、今残っている東京風に見える文化もそれなりの歴史と何らかの融合を持ってなされている。それを表面で否定して下に見られても「そうですか」としかならんのでは、と。私も「何もない」と嘆いたこともありますが、情報が伝わってないだけで実はあったと言う場合もあります。受験や就活の失敗、転勤ならともかく、自分から来た場合「何しに来たの?」とはなります。

むろん外の有様を知るのも必要なことで「嫁は身ぐるみ剥がされて、ススだらけで土間で転がってて当然」みたいなのは文化でもなんでもないと思います。そのための法的対応や制度は知って然るべきである。と、言いつつ『その人道的行為や犠牲で生活が成り立ってた』…みたいなのもあったり難しいところではあります。

東京が悪いんでもないんです。先日聞いた話では、東京にも新興でもエンタメでもない歴史ある地域の祭りがあり、その人の知り合いも家族総出で、一年楽しみにしながら暮らしているとのこと。三代続いてこその江戸っ子。東京だって、外から来て数年いただけで把握できないことがゴロゴロしてる…。自分の実績を誇り、そこが東京だったってのは仕方ないとして、その前の出身地の方が実は魅力的だったりしませんかね…って話。

私の子供の頃では、小学校3, 4年の社会科で地域のことを調べました。なんとなくですが、その時期を過ごした場所が一番良さを語れるんじゃないかと思います。もしくは、最低限、その知識を得た上で語るべき…とか。

そもそも、町おこし・村おこしって企業で言うなら業績アップの類に相当する思ってますし、広告一本ならそれ相応、箱物として製造現法を立ち上げるならそれ相応、組織風土を改めるならそれ相応の時間と労力が必要になる。ましてや、暮らす場所ですから日々の生活の延長でないと難しい気がします。住人の一人ひとりが幸福であり、外に開いていて、ちょっとやそっとじゃ揺らがない…そんな強さがあれば良いでしょうか?でも、そんだけ地方が強ければそもそもの人の流動が不要になっちゃいますしね。

やはり私個人が太刀打ちできる課題ではないよなぁと思う次第です。

何はともあれ、お疲れ様でした!
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