信州観劇日記

ことい

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上田いろいろ

失われた唄声に耳を澄ます ~別所小唄・長唄から辿る日本の近代化~中間発表 (柏屋別荘倶楽部・長野県上田市) 2024/12/1

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ファンを自認しておきながら、また知らん間に面白いことやってる…というのが第一印象。中間報告ということで行ってみた。

キッカケとしては2022年ごろに既にあったそうで、表現としても同年の月影瞳さんの常楽寺コンサートで小唄の披露があったとのこと。今回は関連するアーティストを増やしての再リサーチにもなっている。小唄の再現にとどまらず、その成立の背景、その作者の深掘りなど…楽しそうで羨ましい。

個人的にはこの手の調査系は学術に進めている大家の存在が先ずあり、そこにお伺いを立ててるうちに新鮮味も無くなって…というイメージがあるのだが、超ローカルかつ伝承もほぼ途絶えて…という様にワクワク感がある。とは言え、地元の方へのヒアリングやお座敷遊びとしての小唄体験など、踏むべき順序を踏んでいく丁寧さ。西洋音楽が専門の3日満月さんが取り組んだ長唄の再現も専門家の採譜も含め、半端でない。…素晴らしい…。

月影さんの歌詞朗読に続けての長唄がほんっとうにゾクゾクした。朗読は朗読でいい。が、本来の節回しと合わせて聞こえてくる抑揚とか情緒とか、本物やぁ…ってなった。自分語りをすると普段歌謡曲の歌詞を読み上げて歌うって持ちネタがあって、それこそネタとしてやってんだけど、歌ってのはやっぱ歌なんよな。

今住んでるところに引っ越した矢先、夜中に散歩してて隣の町内の盆踊りに紛れたことがある。東京音頭はもちろん炭坑節ですらおぼつかない人達が、松本ぼんぼんで我先にと踊り出した。それも衝撃だったが、それに続いて〇〇小唄という町名を冠した唄が流れて、炭坑節よりは皆んな踊れてたんよね。個人的にはその小唄の情緒とか穏やかさみたいなのが、いぃなぁって思ったんだけど、厳密にはそこの町内でないわけでその後も触れることができずにいる。

もしかしたらそういう希少性というか、その土地ならではってのが案外まだまだあって。それはキッチリ残すべきとか広めるべきとかってのもあるけど、ふとした拍子にフワってよみがえってくるってのもそれはそれで浪漫だな…って。

むろん手掛かりや部分的な伝承者、協力者があってこその話ではある。

この先、無計画とのことだったが…楽しみ



    
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