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4 山賊??
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ほう。これは、何というか、ありがたいというか。
【魔導傀儡】
傀儡:コスト40/0
☆1 小人:コスト3
人:コスト10
☆2 鳥:コスト2
2の鳥のほうがコストが低いのは何でだ?
ガチャで得た魔導傀儡だからか?
召喚できるコストの上がり方がすごい。10から40って、なにかバグってるんじゃ無いのか?
疑問が多すぎて黙って黙々と思考にもぐっていくギルに、リーナが声をかける。
「さっきの人形さんどこいったの?」
「・・・え? ああ、すぐ呼べる。ほら。」
亜空間保管庫から【小人】を呼び出すと、収納したときの光景を逆再生したように小人が現れた。
「すっごーい! ギル、やっとスキル使えるようになったんだね!」
「あ、ああ。分かったから離れてくれ。暑いだろ。」
ギルに抱きつき、嬉しそうに笑うリーナに、ギルは顔を赤らめて離れるよう促す。
暑いというのは本当だが、それ以上に異性に対する耐性が0のギルは、そろそろまた倒れそうだ、と人事のように考えていた。
「ねえねえ! これで私と一緒に冒険者になれるね!」
「そうだな。もうじき俺もリーナも15だからな。俺もスキルをうまく扱えるようにならないと。」
「お、ギルも冒険者志望か。俺と一緒だな! ガハハハハ!」
現役で冒険者をしているグランは、ギルとリーナが冒険者になりたいと言っているのを聞いて嬉しそうに豪快な笑い声を上げる。
「パパうるさい。」
「うっ。すいません。」
一家を支える大黒柱がそれでいいのか。
そう思ったギルだった。
その日からギルの日常はかなり変わった。
午前の間はほとんど変わらなかったが、昼ごろにする村人の雑用は今までよりかなり早く切り上げ、ギルとリーナの二人でグランの訓練を受けることになった。
日が出ているうちは肉体的な訓練や、冒険者として必要な知識、常識、ノウハウをグランが叩き込んだ。
日が暮れてからはスキルの訓練や、精神面をリリナが鍛えた。
ちなみに、リリナの訓練は、徹底的に精神的負荷をかけつづけるというトラウマものの地獄だった。
1ヶ月ほどで実際に動物を狩るようになり、その数週間後には魔物を駆るようになった。
どちらもグラン、もしくはリリナがついていたが、それでもかなりの成長速度だ。
15歳を迎えるまで残り一ヶ月になるころには、ギルもリーナも単独で魔物を狩れるようになっていた。
いよいよ明日で15歳。
その日も、
「今日もお肉食べれるね!」
「そうだな。」
「明日で15歳だね!」
「ああ。」
ぶっきらぼうに返事をするギルにふてくされるリーナ。
それとは対照的にまだ警戒を緩めないギル。
「っ。リーナ、村の様子がおかしい。」
「えっ、分かった。急ぐよ。」
ギルが家に配置させている、『魔導傀儡』【蝶】から異常が発生したという合図とともに送られてきた映像に、ギルは緊急事態だと判断した。
村から火が出ており、略奪をする山賊の姿が見えた。
「来い【狼】!」
「『鬼竜体』!」
二人は最速で村へと戻った。
「うおおおおおお!! ここから先はとおさねえぞおおおお!!」
「お頭! 冒険者です! 俺たちじゃかないません!」
2メートル近い身長の大男グランが、それ以上の大きさの大剣を振り回す。
村の緊急避難所でもある、村の集会場の地下。
その扉の前で、山賊を叩き切っていくグラン。
そこに、お頭と呼ばれた男が現れる。
ごつごつとした分厚い革の鎧を身に着け、首には干からびた舌のようなものを連ねたものを下げていた。
その男は、口を縫われており、声が発せ無いようだった。
しかし、山賊たちとコミュニケーションはとれており、すぐ何かしらの指示を出す。
山賊たちは頭を残して離れていった。
そして、山賊の頭とグランだけになった。
山賊の頭は両手剣を両手に1つずつもち、グランは大剣をまっすぐ構え、相対する。
火が燃え盛っている以外の音が消え去った瞬間、二人が同時に攻撃を仕掛けた。
「【巨人】!」
「『鬼竜斬咆』!」
ギルとリーナの二人が、だ。
山賊の頭上に突如現れた体長5メートルほどの魔導傀儡と、山賊の両足を消し飛ばしたリーナの技。
グランは大きく後ろに飛びのいていた。
二人に気づいたグランは、ギルから離れろという指示を受け取っていた。
ドスン
ブチッ
突如両足を失った山賊の頭は頭上に現れた魔導傀儡に気づけずに潰された。
物言わぬ肉塊となった山賊の頭を見て、山賊たちは逃げ出した。
「逃がすとでも思っているのか? 【天使】【悪魔】、魔法で攻撃。」
村の上空に現れた計4体の天使と悪魔が空から光と闇の槍を降らせた。
それすら逃れた最後の数人の山賊は、三人を残してリーナに首を切り飛ばされた。
「8人残ってたよ。ギル、ちゃんとあててよー。私のやることが増えるじゃん。」
「悪い。思っていたより数が多かった。」
人を殺したにもかかわらず、平然とした顔のギルとリーナ。
実は以前にも似たようなことがあり、そのときに3人が亡くなった。
そのときは、仲が良かった村人を殺された怒りでリーナが、リーナに人を殺させたくなかったギルが、当時襲ってきた山賊を皆殺しにした。
「向こうで家畜の糞尿に塗れてるから、あとで兵隊さんに引き取ってもらお。」
「・・・お前、鬼だな。」
ギルが言葉を漏らした。
瞬間、リーナの首がグリンとギルに向いた。
「ギル、今なんて?」
「さすがリーナだ。やることがちがう。と言った。」
どうどうと嘘を吐く。
この半年でギルは学んだのだ。女を怒らせてはならないと。
そんなことがありつつ、しばらくして兵隊がやってきた。
【魔導傀儡】
傀儡:コスト40/0
☆1 小人:コスト3
人:コスト10
☆2 鳥:コスト2
2の鳥のほうがコストが低いのは何でだ?
ガチャで得た魔導傀儡だからか?
召喚できるコストの上がり方がすごい。10から40って、なにかバグってるんじゃ無いのか?
疑問が多すぎて黙って黙々と思考にもぐっていくギルに、リーナが声をかける。
「さっきの人形さんどこいったの?」
「・・・え? ああ、すぐ呼べる。ほら。」
亜空間保管庫から【小人】を呼び出すと、収納したときの光景を逆再生したように小人が現れた。
「すっごーい! ギル、やっとスキル使えるようになったんだね!」
「あ、ああ。分かったから離れてくれ。暑いだろ。」
ギルに抱きつき、嬉しそうに笑うリーナに、ギルは顔を赤らめて離れるよう促す。
暑いというのは本当だが、それ以上に異性に対する耐性が0のギルは、そろそろまた倒れそうだ、と人事のように考えていた。
「ねえねえ! これで私と一緒に冒険者になれるね!」
「そうだな。もうじき俺もリーナも15だからな。俺もスキルをうまく扱えるようにならないと。」
「お、ギルも冒険者志望か。俺と一緒だな! ガハハハハ!」
現役で冒険者をしているグランは、ギルとリーナが冒険者になりたいと言っているのを聞いて嬉しそうに豪快な笑い声を上げる。
「パパうるさい。」
「うっ。すいません。」
一家を支える大黒柱がそれでいいのか。
そう思ったギルだった。
その日からギルの日常はかなり変わった。
午前の間はほとんど変わらなかったが、昼ごろにする村人の雑用は今までよりかなり早く切り上げ、ギルとリーナの二人でグランの訓練を受けることになった。
日が出ているうちは肉体的な訓練や、冒険者として必要な知識、常識、ノウハウをグランが叩き込んだ。
日が暮れてからはスキルの訓練や、精神面をリリナが鍛えた。
ちなみに、リリナの訓練は、徹底的に精神的負荷をかけつづけるというトラウマものの地獄だった。
1ヶ月ほどで実際に動物を狩るようになり、その数週間後には魔物を駆るようになった。
どちらもグラン、もしくはリリナがついていたが、それでもかなりの成長速度だ。
15歳を迎えるまで残り一ヶ月になるころには、ギルもリーナも単独で魔物を狩れるようになっていた。
いよいよ明日で15歳。
その日も、
「今日もお肉食べれるね!」
「そうだな。」
「明日で15歳だね!」
「ああ。」
ぶっきらぼうに返事をするギルにふてくされるリーナ。
それとは対照的にまだ警戒を緩めないギル。
「っ。リーナ、村の様子がおかしい。」
「えっ、分かった。急ぐよ。」
ギルが家に配置させている、『魔導傀儡』【蝶】から異常が発生したという合図とともに送られてきた映像に、ギルは緊急事態だと判断した。
村から火が出ており、略奪をする山賊の姿が見えた。
「来い【狼】!」
「『鬼竜体』!」
二人は最速で村へと戻った。
「うおおおおおお!! ここから先はとおさねえぞおおおお!!」
「お頭! 冒険者です! 俺たちじゃかないません!」
2メートル近い身長の大男グランが、それ以上の大きさの大剣を振り回す。
村の緊急避難所でもある、村の集会場の地下。
その扉の前で、山賊を叩き切っていくグラン。
そこに、お頭と呼ばれた男が現れる。
ごつごつとした分厚い革の鎧を身に着け、首には干からびた舌のようなものを連ねたものを下げていた。
その男は、口を縫われており、声が発せ無いようだった。
しかし、山賊たちとコミュニケーションはとれており、すぐ何かしらの指示を出す。
山賊たちは頭を残して離れていった。
そして、山賊の頭とグランだけになった。
山賊の頭は両手剣を両手に1つずつもち、グランは大剣をまっすぐ構え、相対する。
火が燃え盛っている以外の音が消え去った瞬間、二人が同時に攻撃を仕掛けた。
「【巨人】!」
「『鬼竜斬咆』!」
ギルとリーナの二人が、だ。
山賊の頭上に突如現れた体長5メートルほどの魔導傀儡と、山賊の両足を消し飛ばしたリーナの技。
グランは大きく後ろに飛びのいていた。
二人に気づいたグランは、ギルから離れろという指示を受け取っていた。
ドスン
ブチッ
突如両足を失った山賊の頭は頭上に現れた魔導傀儡に気づけずに潰された。
物言わぬ肉塊となった山賊の頭を見て、山賊たちは逃げ出した。
「逃がすとでも思っているのか? 【天使】【悪魔】、魔法で攻撃。」
村の上空に現れた計4体の天使と悪魔が空から光と闇の槍を降らせた。
それすら逃れた最後の数人の山賊は、三人を残してリーナに首を切り飛ばされた。
「8人残ってたよ。ギル、ちゃんとあててよー。私のやることが増えるじゃん。」
「悪い。思っていたより数が多かった。」
人を殺したにもかかわらず、平然とした顔のギルとリーナ。
実は以前にも似たようなことがあり、そのときに3人が亡くなった。
そのときは、仲が良かった村人を殺された怒りでリーナが、リーナに人を殺させたくなかったギルが、当時襲ってきた山賊を皆殺しにした。
「向こうで家畜の糞尿に塗れてるから、あとで兵隊さんに引き取ってもらお。」
「・・・お前、鬼だな。」
ギルが言葉を漏らした。
瞬間、リーナの首がグリンとギルに向いた。
「ギル、今なんて?」
「さすがリーナだ。やることがちがう。と言った。」
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