スキルを得られない特殊体質の少年。祠を直したらユニークスキルもらえた(なんで??)

屯神 焔

文字の大きさ
6 / 10

5 ステータス??

しおりを挟む
 あの後、兵隊に生き残らせた山賊を引き渡し、山賊の頭が懸賞首だったので「後日そのお金を渡しに来る。」といって兵隊たちは帰っていった。

 「お前たち、明日は予定通り都市に向かえよ。徒歩でも一週間かからないからな、お前たちなら3日もすればつくだろう。」
 「わかったおじさん。なら今日は早めに寝ることにするよ。」
 「私もー。久しぶりに『鬼竜体』使ったから疲れたよ。ギルおぶって。」

 両手を突き出し眠たげに眼を細めるリーナを、今日くらいはいいかと、ギルはリーナを背負った。

 ・・・背負ったのは間違いだったか。

 背中に感じる二つのやわらかい物体に顔を赤くし悶々としながら家へと入るギルだった。

 「リーナ、寝る前にステータスの確認だ。明日の準備は終わってるよな?」
 「うん。準備は終わらせたよ。はい、ステータス。確認してて、私もうねるね。」

 そういってステータスをギルにも見えるよう宣言し、さっさと眠りにつくリーナだった。

 すでに経験があるとはいえ、人を殺したのだ。
 その負担は少なくは無いだろう。

 そう判断したギルは一言「おやすみ」といい、リーナと自分のステータスの確認を始めた。
 ちなみに、ギルとリーナは今まで一度のスキルポイントを使っていない。

      『ステータス』
   ギル・フィオネット 人族Lv23
   職業 村長Lv6 魔導傀儡子Lv5 町長Lv5
   HP 151/151
   MP 343/343
   攻撃力 物:119 魔:94
   防御力 物:117 魔:181
   器用 264
   速さ 130

     『スキル』
   ユニーク【魔導傀儡Lv3】
       『指令Lv2』『連絡Lv3』『映像傍受Lv1』
   スキルポイント:395

     『加護』
   古代龍の加護LvMAX
   古代龍の寵愛LvMAX

     【魔導傀儡】
   傀儡:コスト90/20
    ☆1 小人:コスト3
       人:コスト10
       蝶:コスト1
    ☆2 鳥:コスト2
       狼:コスト5
       妖精:コスト5
       兵士:コスト20
       天使:コスト20
       悪魔:コスト20
       巨人:コスト20
    ☆3 堕天使:コスト30

 この半年の訓練と加護の効果により大幅にステータスが上昇したギル。
 職業『村人』がレベル20になり職業『村長』へと転職した。

 なぜギルが『村長』を選んだのかというと、職業レベルが上昇することにより得られるステータスの割り振りがMPと器用だけだからだ。
 『魔導傀儡子』にとってMPは必須。そして、器用が上がれば魔力などを精密に操り、スキルやアビリティを使用した際の消費を軽減することができる。

 新しい職業『町長』を選んだのも同様の理由だ。
 『町長』のステータスの割り振りがMP・魔防・器用の三つだからである。

 スキルの【魔導傀儡】のレベルがひとつしか上がっていない理由は、スキルはスキルポイントを使わなければレベルが上がりにくいのが一つ目。
 二つ目が、【魔導傀儡】のレベル上昇の条件が、スキルポイントの使用ではなく、☆2の基本魔導傀儡全ての開放だからである。
 スキルポイントを使わなければ☆2の魔導傀儡の創造が可能にならないのだ。

 そして、【魔導傀儡】の無料のガチャ。これは、傀儡だけではなく武具も獲得できた。
 ギルは【魔導傀儡】のガチャは無料(☆1~☆3)のみしているので、☆4以上の魔導傀儡を持っておらず、魔導傀儡と同じ素材の武具を大量に所持している、ということだ。

      『ステータス』
   リーナ・シンドリート 人族Lv19
   職業 兵士Lv2 鬼竜兵士Lv9
   HP 260/260
   MP 37/37
   攻撃力 物:163 魔:128
   防御力 物:129 魔:93
   器用 76
   速さ 189

     『スキル』
   ユニーク【鬼竜Lv4】
       『鬼竜の咆撃Lv2』『鬼竜斬砲Lv3』『鬼竜体Lv5』『鬼竜化Lv1』
   ノーマル【身体強化Lv4】
       【四肢強化Lv3】
       【支援魔法Lv2】
       『パワーLv3』『クイックLv4』『アンチガードLv2』
       『アンチクイックLv2』
       【武術Lv2】
       『武舞Lv1』『戦の教えLv--』
   スキルポイント:166

     『加護』
   鬼竜王の加護LvMAX
   鬼竜王子の寵愛LvMAX

 リーナは鬼竜王の加護とその王子の寵愛を受けているのである。
 近くの森の中に迷い込んでいた王子が泣きながら親を呼んでいるところにリーナが遭遇し、家まで送り届けると言い張ったのだ。

 しかし、すぐ王がじきじきにやって来て、それを見たリーナが王子を狙っていると勘違いし必死で守ろうとしたことが鬼竜王&王子に気に入られ、ユニークスキルを授かったのだ。

 なぜ鬼竜の王子なんかがこんな辺鄙なところにいたのかというと、周囲の竜たちの期待が重すぎて逃げだし、延々と飛び続けた結果、こんな辺鄙なところまで来るということになったのである。

 リーナは、生まれ持っていた【武術】という戦うことに関するスキルがほぼ全て内包されているというチートスキルと【鬼竜】のスキルがうまい具合に合わさった。

 正面戦闘では、ギルには万に一つの可能性も無くリーナにボコボコにされる。

 このギル、リーナ対グラン、リリナの模擬戦闘では、10回中7回はギルとリーナが勝つ。
 ちなみに、グランは【武王】、リリナは【術王】という、それぞれ物理、魔法特化のチートスキル持ちだ。

 生まれたときから持っていたが、面倒ごとに巻き込まれるのを嫌がっていた二人はスキルのことを隠し、グランは冒険者に、リリナは冒険者ギルドで働いていた。

 ギルとリーナがコンビを組めば、冒険者ギルドのランクの中堅程度なら余裕を持って勝てるほどの実力がある。
 どうしてこれほどまでに短期間で強くなったのかというと、ギルは今までスキルを得られなかった反動で、リーナはギルに追いつきたい一心で自身を鍛え上げたからである。

 「うーん。まあ、大丈夫か。俺もいざとなったらスキルポイント使って魔導傀儡を開放して保管していれば言いし。」

 自分の思考を口に出して考えをまとめるギル。

 そろそろ俺も寝ないとな、と、屋根裏部屋で布をかぶるが、眠りにつく瞬間、あることに気づく。

 「・・・やっべ、身分証明書忘れるところだった。」

 急いで探し出し、荷物の中にまとめて今度こそ眠りについた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

1000年生きてる気功の達人異世界に行って神になる

まったりー
ファンタジー
主人公は気功を極め人間の限界を超えた強さを持っていた、更に大気中の気を集め若返ることも出来た、それによって1000年以上の月日を過ごし普通にひっそりと暮らしていた。 そんなある時、教師として新任で向かった学校のクラスが異世界召喚され、別の世界に行ってしまった、そこで主人公が色々します。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。

魔法が使えない落ちこぼれ貴族の三男は、天才錬金術師のたまごでした

茜カナコ
ファンタジー
魔法使いよりも錬金術士の方が少ない世界。 貴族は生まれつき魔力を持っていることが多いが錬金術を使えるものは、ほとんどいない。 母も魔力が弱く、父から「できそこないの妻」と馬鹿にされ、こき使われている。 バレット男爵家の三男として生まれた僕は、魔力がなく、家でおちこぼれとしてぞんざいに扱われている。 しかし、僕には錬金術の才能があることに気づき、この家を出ると決めた。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

処理中です...