スキルを得られない特殊体質の少年。祠を直したらユニークスキルもらえた(なんで??)

 魔法が存在し、魔物が跋扈し、人々が剣を磨き戦う世界、『ミリオン』

 この世界では自身の強さ、もしくは弱さを知られる『ステータス』が存在する。
 そして、どんな人でも、亜人でも、動物でも、魔物でも、生まれつきスキルを授かる。
 それは、平凡か希少か、1つか2つ以上か、そういった差はあれ不変の理だ。

 しかし、この物語の主人公、ギル・フィオネットは、スキルを授からなかった。

 正確には、どんなスキルも得られない体質だったのだ。

 そんな彼は、田舎の小さな村で生まれ暮らしていた。
 スキルを得られない体質の彼を、村は温かく迎え・・・はしなかった。
 迫害はしなかったが、かといって歓迎もしなかった。

 父親は彼の体質を知るや否や雲隠れし、母は長年の無理がたたり病気で亡くなった。
 一人残された彼は、安い賃金で雑用をこなし、その日暮らしを続けていた。

 そんな彼の唯一の日課は、村のはずれにある古びた小さな祠の掃除である。
 毎日毎日、少しずつ、汚れをふき取り、欠けてしまった所を何とか直した。

 そんなある日。

 『ありがとう。君のおかげで私はここに取り残されずに済んだ。これは、せめてものお礼だ。君の好きなようにしてくれてかまわない。本当に、今までありがとう。』

 「・・・・・・え?」

 祠に宿っていた、太古の時代を支配していた古代龍が、感謝の言葉と祠とともに消えていった。

 「祠が消えた?」

 彼は、朝起きたばかりで寝ぼけていたため、最後の「ありがとう」しか聞こえていなかった。

 「ま、いっか。」

 この日から、彼の生活は一変する。
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