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3 スキル??
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「・・・ん。んん?」
目が覚めたギルが最初に眼にしたのは、見慣れない天井。
そして、毛布の中にいる何か。
ああ。多分あいつだな。
毛布をめくると、案の定リーナが猫のように体を丸めて寝ていた。
添い寝をしていたらそのままこのような状態になってしまったのだろう。
「リーナ。起きろ。朝だぞ。」
「・・・あ。あ!ギル起きたー!」
まったくもって朝から元気なリーナである。
「起きたばかりなんだ。大きな声を出さないでくれ。」
「でも、ギル丸一日眠ってたんだよ。」
丸一日。その一言に愕然としてしまった。
そんなに眠っていたのか。たしか、おじさんと日が暮れた後にスキルを試して、それから・・・。
クイクイ
「なんだコイツは。」
「あ。そうそう、このこなーに? ずっとギルのそばにいたけど。」
ギルは記憶の中を探る。
確かに見覚えはある。どこだったか。
・・・ああ、魔導傀儡か。
そういえばあの後俺はどうなったのだろう。確かこの部屋はおじさんの部屋のはずだ。
つまりあの後この部屋に運ばれて毛布を3枚もかけられたということだ。
おじさん心配しすぎなんじゃ?
「おお。よかった。ちゃんと起きたか。」
「おじさん。おはよう。」
朝の挨拶を交わし、あのあとどうなったのか、この魔導傀儡がどんなことをしていたのかを聞いた。
「心配性の臣下かよ・・・。」
がっくりとした様子で魔導傀儡を見るギルは、起きたばかりだというのに疲れているように見えた。
ギルは気持ちを切り替えて今後のことを考え始めた。
「あ、お前のスキルのことみんなに言ったぞ。」
ギルの顔から表情が消えた。
ちなみにギルの頭の中は現在大混乱中だ。
ポフッ
脳の許容量を大きく超え、ギルはまた倒れこんだ。
すぐさま魔導傀儡が毛布をかけた。
ギルの顔色は前回倒れたときのような危険な顔色ではなく、どこか安心したような顔だった。
「・・・パパのせいでギルまた倒れちゃったじゃん。」
「すまん。」
その後、もう一度眼を覚ましたギルはグランに説明を求めた。
どうやら、リーナとリリナに説明を求められたときに、『スキルは持っていたが、今までまったく使えなかった。それは、何かのきっかけで使えるようになった。』と言ったらしい。
「・・・それは、まあ、いい、のか?」
「いいじゃねえか。とりあえずみんなに聞かれたときはそう答えろ。」
「ああ、分かったよ。」
ため息をつきながら答えるギル。
そして、ステータスを確認する。
昨日、なぜか体の調子がよかったのは、気分が良かっただけではなく、おそらくレベルが上がっているとギルは考えていた。
『ステータス』
ギル・フィオネット 人族Lv6→7
職業 村人Lv11→12 魔導傀儡子Lv1→2
HP 50/50→56
MP 80/80→95
攻撃力 物:18→24 魔:25→37
防御力 物:16→22 魔:20→32
器用 31→40
速さ 29→35
『スキル』
ユニーク【魔導傀儡Lv1→2】
スキルポイント:115→135
『加護』
古代龍の加護LvMAX
古代龍の寵愛LvMAX
・・・んんん?
おかしい。これはいくらなんでもおかしい。古代龍の加護と寵愛の効果というのは分かっているんだが、それでもおかしすぎるだろう。
レベルが軒並みあがっているのもおかしいし、ステータスの上がり方もおかしい。
いや、理由は分かってはいるんだ。古代龍のあれだろう。それは分かっている。
けど、いやこれはいくらなんでもダメだろう。
昨日狩りの手伝いはした。そこで小型の魔鳥を一羽狩ったが、その経験値だろうか。それでもヤバ過ぎる。
本当に、これだけはバレないようにしなければ。
冗談抜きで頭と体がサヨナラしてしまう。
たしか、伝説の『光の神の加護』でも全ステータス上昇値2倍、という効果1つのはずだ。
しかし、このステータスを見るかぎり、上昇値は3倍はあるだろう。得られる経験値もそのくらいは増えているだろう。
『光の神の加護』の効果を知っている理由は、別の国で生まれた『勇者』のもっていたものを、その国の上層部が宣伝目的で公開しているからである。
光の神の加護は御伽噺でも出てくるもので、その宣伝効果は大きかった。
なにせギルが今いる辺鄙な田舎の村にすら正確な情報が届くくらいだ。
・・・スキルの確認でもするか。
ギルは考えるのをやめた。
【魔導傀儡】
傀儡:コスト40/3
☆1 小人:コスト3
人:コスト10
亜空間保管庫
・0体
SPガチャ
無料 1回 可能
SP1消費 135回 可能
SP5消費 27回 可能
SP10消費 13回 可能
よかった。これはそこまでヤバイ変化はしてなかった。本当に良かった。
昨日倒れた理由は、初めて感じる魔力を使用する感覚と生命力を奪われる感覚に体が驚いたのだろう。
慣れてしまったらそれはそれで危険だろうが。
亜空間保管庫とは、おそらく魔導傀儡を収納することができるのだろう。
ギルは、目の前にいる魔導傀儡を収納するよう念じる。
すると、魔導傀儡の頭の上と足の下から二つの魔方陣あらわれた。
そして、上の魔方陣は下に、下の魔方陣は上に上ってきた。
魔導傀儡は、その魔方陣に吸い込まれるように消えた。
二つの魔方陣も、魔方陣同士が重なると同時に消えた。
「なるほど。こんな感じなのか。」
ステータスボードにも、『亜空間保管庫 ・小人:1体』と表示されていた。
ギルは、そのままSPガチャを試してみる。
ちなみに、スキルポイントとは、スキルレベルをあげたり、スキルに内包されている技や技術を開放・強化するのに必要なポイントだ。(例 スキル:剣術 技:スラッシュ)
無料のガチャを選択したギルの前に、新しいステータスボードが現れる。
ステータスボードに映像が流れ始めた。
丸い球状のものに☆○と描かれている。
○の中の数字は1から5をめまぐるしく変化している。
決定された数字は2。
中から出てきたのは、鳥だった。
目が覚めたギルが最初に眼にしたのは、見慣れない天井。
そして、毛布の中にいる何か。
ああ。多分あいつだな。
毛布をめくると、案の定リーナが猫のように体を丸めて寝ていた。
添い寝をしていたらそのままこのような状態になってしまったのだろう。
「リーナ。起きろ。朝だぞ。」
「・・・あ。あ!ギル起きたー!」
まったくもって朝から元気なリーナである。
「起きたばかりなんだ。大きな声を出さないでくれ。」
「でも、ギル丸一日眠ってたんだよ。」
丸一日。その一言に愕然としてしまった。
そんなに眠っていたのか。たしか、おじさんと日が暮れた後にスキルを試して、それから・・・。
クイクイ
「なんだコイツは。」
「あ。そうそう、このこなーに? ずっとギルのそばにいたけど。」
ギルは記憶の中を探る。
確かに見覚えはある。どこだったか。
・・・ああ、魔導傀儡か。
そういえばあの後俺はどうなったのだろう。確かこの部屋はおじさんの部屋のはずだ。
つまりあの後この部屋に運ばれて毛布を3枚もかけられたということだ。
おじさん心配しすぎなんじゃ?
「おお。よかった。ちゃんと起きたか。」
「おじさん。おはよう。」
朝の挨拶を交わし、あのあとどうなったのか、この魔導傀儡がどんなことをしていたのかを聞いた。
「心配性の臣下かよ・・・。」
がっくりとした様子で魔導傀儡を見るギルは、起きたばかりだというのに疲れているように見えた。
ギルは気持ちを切り替えて今後のことを考え始めた。
「あ、お前のスキルのことみんなに言ったぞ。」
ギルの顔から表情が消えた。
ちなみにギルの頭の中は現在大混乱中だ。
ポフッ
脳の許容量を大きく超え、ギルはまた倒れこんだ。
すぐさま魔導傀儡が毛布をかけた。
ギルの顔色は前回倒れたときのような危険な顔色ではなく、どこか安心したような顔だった。
「・・・パパのせいでギルまた倒れちゃったじゃん。」
「すまん。」
その後、もう一度眼を覚ましたギルはグランに説明を求めた。
どうやら、リーナとリリナに説明を求められたときに、『スキルは持っていたが、今までまったく使えなかった。それは、何かのきっかけで使えるようになった。』と言ったらしい。
「・・・それは、まあ、いい、のか?」
「いいじゃねえか。とりあえずみんなに聞かれたときはそう答えろ。」
「ああ、分かったよ。」
ため息をつきながら答えるギル。
そして、ステータスを確認する。
昨日、なぜか体の調子がよかったのは、気分が良かっただけではなく、おそらくレベルが上がっているとギルは考えていた。
『ステータス』
ギル・フィオネット 人族Lv6→7
職業 村人Lv11→12 魔導傀儡子Lv1→2
HP 50/50→56
MP 80/80→95
攻撃力 物:18→24 魔:25→37
防御力 物:16→22 魔:20→32
器用 31→40
速さ 29→35
『スキル』
ユニーク【魔導傀儡Lv1→2】
スキルポイント:115→135
『加護』
古代龍の加護LvMAX
古代龍の寵愛LvMAX
・・・んんん?
おかしい。これはいくらなんでもおかしい。古代龍の加護と寵愛の効果というのは分かっているんだが、それでもおかしすぎるだろう。
レベルが軒並みあがっているのもおかしいし、ステータスの上がり方もおかしい。
いや、理由は分かってはいるんだ。古代龍のあれだろう。それは分かっている。
けど、いやこれはいくらなんでもダメだろう。
昨日狩りの手伝いはした。そこで小型の魔鳥を一羽狩ったが、その経験値だろうか。それでもヤバ過ぎる。
本当に、これだけはバレないようにしなければ。
冗談抜きで頭と体がサヨナラしてしまう。
たしか、伝説の『光の神の加護』でも全ステータス上昇値2倍、という効果1つのはずだ。
しかし、このステータスを見るかぎり、上昇値は3倍はあるだろう。得られる経験値もそのくらいは増えているだろう。
『光の神の加護』の効果を知っている理由は、別の国で生まれた『勇者』のもっていたものを、その国の上層部が宣伝目的で公開しているからである。
光の神の加護は御伽噺でも出てくるもので、その宣伝効果は大きかった。
なにせギルが今いる辺鄙な田舎の村にすら正確な情報が届くくらいだ。
・・・スキルの確認でもするか。
ギルは考えるのをやめた。
【魔導傀儡】
傀儡:コスト40/3
☆1 小人:コスト3
人:コスト10
亜空間保管庫
・0体
SPガチャ
無料 1回 可能
SP1消費 135回 可能
SP5消費 27回 可能
SP10消費 13回 可能
よかった。これはそこまでヤバイ変化はしてなかった。本当に良かった。
昨日倒れた理由は、初めて感じる魔力を使用する感覚と生命力を奪われる感覚に体が驚いたのだろう。
慣れてしまったらそれはそれで危険だろうが。
亜空間保管庫とは、おそらく魔導傀儡を収納することができるのだろう。
ギルは、目の前にいる魔導傀儡を収納するよう念じる。
すると、魔導傀儡の頭の上と足の下から二つの魔方陣あらわれた。
そして、上の魔方陣は下に、下の魔方陣は上に上ってきた。
魔導傀儡は、その魔方陣に吸い込まれるように消えた。
二つの魔方陣も、魔方陣同士が重なると同時に消えた。
「なるほど。こんな感じなのか。」
ステータスボードにも、『亜空間保管庫 ・小人:1体』と表示されていた。
ギルは、そのままSPガチャを試してみる。
ちなみに、スキルポイントとは、スキルレベルをあげたり、スキルに内包されている技や技術を開放・強化するのに必要なポイントだ。(例 スキル:剣術 技:スラッシュ)
無料のガチャを選択したギルの前に、新しいステータスボードが現れる。
ステータスボードに映像が流れ始めた。
丸い球状のものに☆○と描かれている。
○の中の数字は1から5をめまぐるしく変化している。
決定された数字は2。
中から出てきたのは、鳥だった。
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