好きです、今も。

めある

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会ってしまったからには。(※9月19日加筆修正)

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最悪の目覚め。

やはり、こんな夢を見るに至った原因は大学であいつと会ってしまったからだろう。
夢は記憶の整理のために見るものだ、とどこかで聞いたことがあるから、きっとそれだ。
夢に見るほどあいつとの遭遇が印象的だったのだろう。 まぁそりゃそうか。

本当に大学であいつに会うと思っていなかった。
ここは地元から遠く離れた大学だ。
偏差値だって低くはない。
申し訳ないが、勉強が苦手だったあいつがここに受かるとは思かった。

――ほんとになんでここを選んだんだ。

考えれば考えるほど、本当に意味がわからなくて。
一つ重いため息をこぼして額に手をやる。

確かうちの大学は剣道の強豪校。
きっとそれ目当てで入ったのだろう。あいつは剣道バカだから。
そういうことにしておこう、と思考を放棄した。

とりあえず、この大学にあいつがいることが分かってしまった。
と、なればやることは一つ。

あいつから、逃げなければ。

俺の心はあいつの顔を見るだけで勝手に痛み出す。
こんな状態であいつに会う…ましてや話すことになれば、本当に俺は壊れてしまうかもしれない。
そしてなにより、あいつへの想いをちゃんと殺すためにも、会うわけにはいかない。
会ってしまえば…この決心が鈍ってしまうような気がして。

それに、あいつだって、俺の気持ちを知っている。

――「気持ち悪い」と思っている相手に会いたくなんてないだろう。

そう考えてしまえば、胸の奥の痛みがぶり返す。
また、深くため息を吐いて、ぐっと体を起こした。

よし、俺のためにも、あいつのためにも、逃げ続けよう。

そう決めた俺の行動は早かった。
まず、大学の図書館に行くのを極力控えた。
前回のこともあったし、またばったり会ってしまう、なんてことになりかねない。

食堂も同様だ。
正直どちらも辛かった。
少々面倒くさかったが、図書館は大学のものではなく、公立図書館を使うことした。
食堂は拙いながらも弁当を作って、なんとかした。
おかげで自炊スキルが上がったからまぁ良しとする。

どちらも、あいつに会う前までは結構な頻度で利用していたため、友達にとても不審がられた。
そこは「ここの図書館も案外いいぜ。」とか「最近、自炊にハマってるんだよな~。」とか言っておいた。
それでも不審がっていたが、詮索はされなかった。
だからまぁ、多分大丈夫だろう。

あとは、講義を受けるときや、キャンパス内を歩くときはあいつがいないか逐一確認した。
講義はどうやらひとつも被っていなかったらしい。ほっと胸を撫で下ろす。


・・・・・・・


そうしているうちに後学期が終了し、春休みに突入した。
努力の成果があったのか、俺はあれから一度もあいつと会っていない。

春休みは、バイト、遊び、と忙しなく過ごした。あいつのことを考える暇もないほど忙しかった。…忙しくした、のほうが正しいか。
おかげで、疲労はたまったが、精神的には安定している。
充実した春休みだったと思う。

そして、今日は春休み最後の日、俺は散歩がてら、下宿先の近くにある公園に来ていた。

ぽかぽかと暖かい日の光を受け、子供たちが楽しく遊んでいる声をBGMに、桜並木を歩く。
ひらひらと舞う桜は、今年も変わらず美しい。

ぼんやりと、それを眺める。あいつに振られた時も桜、咲いてたな。あの時は心の余裕がなくて、あんまり綺麗だと思えなかった気がする。今は綺麗だと思えてる、あの時よりは心に余裕が生まれたのだろうか。

そういえば、あいつと初めて会った時も、桜が咲いていた。今日のように暖かい、春の日だった。
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