深窓の令嬢はダンジョンに狂う ~ハイエルフの姫に転生したけどなかなかダンジョンに行かせてもらえません~

吉都 五日

文字の大きさ
6 / 49
1章

はじめての…

しおりを挟む
「ふーははー!よわい!よわすぎるぞー!」

「楽しそうで何よりです。」


カリナはニコニコとうれしそうな顔でこちらを見ている。
そんなに喜んでもらっちゃこまるなあ。えいえい!

調子に乗ってスライムとテントウ虫をポコポコポコポコ。ポコポコ殴って魔法も練習がてらに打ちまくる。そうして数十匹を倒したところで突然それは起こった。


『ぱぱらぱっぱぱーん!』


ほえ!?なにいまの!?変な音したぞ!?


「カリナ!今変な音出した? 」

「な、何もしてないですよ!?どうしました?」

「ラッパの音みたいなのがしたよ!?カリナのおならかと思った」


ファンファーレのようなすごい音がしたぞ!?かなりの大音量だったからカリナがすんごいおならをしたのかと思った。カリナも確か伯爵家の令嬢のはずなのにとんでもない事をするなあと思ったんだけど、カリナは何もしてないって言ってるし、聞こえてなさそう。
あの音でカリナに聞こえないはずないと思うんだけど。


「アーシャ様?私はおならなんかしてませんよ!?」

「ごめんごめん。派手な音が急にしたからびっくりしちゃって」

「ああ、多分それはレベルアップの音ですよ。人によって鳴る音は違うらしいですが。とにかくおめでとうございます、アーシャ様」

「ありがと!これがレベルアップかあ。ぬふふ。また一つ強くなってしまった!」

「うれしそうですね。素敵ですアーシャ様」


さっきの『また一つ強くなってしまった』は大昔の剣聖が残した言葉だ。剣聖としてモンスターと戦い、人間や魔族とあらゆる戦場で、あるいは一騎打ちで長く戦ってきた。

そして壮年になって弟子をとり育てていた彼はある日、若い弟子の一人に誘われてダンジョンにいった。そこで襲い来るモンスターをばったばったと薙ぎ払い、初めてのレベルアップを迎えたときに「また一つ強くなってしまった」との言葉を残したそうだ。

そしてその弟子が見た所、明らかに動きのキレがよくなっていたと。

だが、彼はそれ以降、ダンジョンへは行ってないらしい。
弟子がまた誘っても断ったと。

でも私はさっきレベルアップを体験したけど、なんだかちっとも強くなった感覚がない。
人によってはすごく体感できるらしいんだけどな?


「それにしても、何でダンジョンへ行かなくなったんだろう?」

「剣聖のクラウド様のことですよね?普通の人のままで居たかったらしいですよ。よく分かりませんが」

「ふうーん?」


よくわかんないや。強くなって悪いことなんてないと思うけどなー。
以前に少しだけシエラ先生が教えてくれた話だと、レベルアップは溜まった魔力を解放するきっかけらしい。
なんのこっちゃと思うが、要は普段から頑張って鍛えていたらレベルも上がりやすいって事?

それにしてもダンジョンでのレベルアップを経ずに剣聖と呼ばれるほど強くなるなんて凄い。
弟子には高レベルの人も多数いたって事なんだけど、それでもぜんぜん敵わなかったらしいし、とんでもない強さだったんだろうなー。

そんなことを考えながらポコポコポコポコ倒す事数百匹。またしても大変なことが起きた。
大変だ。大変なことが起きてしまった。

飽きた。


「カリナぁ……飽きたからさあ」
「ダメですよ?」


飽きた。だってものっすごく弱いんだもん。
ぷちスラもテントウムシも一発ポコっと殴っただけで倒してしまう。

魔法を撃つまでもない。
魔石はぽろぽろっと出ている。といっても全部で50個くらいか。
1個で5ゼニーだからこれで250ゼニーくらいだ。つまりはさっきママにもらったお小遣いの分も稼げていない。つまりさっきの串焼き1本分もまだ稼げてないのだ。こんなに頑張ったのに?

……いや、大して頑張ってはないか。だって弱いんだもん。
ポコポコっとしたら倒せる。多分私達のように子供が来ても何の問題もないだろう。子供がお小遣いを稼ぎに来て、ポコポコして帰るには悪くないのかも?その割に小さな子がいないなあ。


「お小遣い稼ぎにはいいかもと思うんだけど、何で他に子供がいないんだろ?」

「そりゃ、入り口で一応兵が見張ってますから。あんまり小さい子だと入場させないようになっていますよ。冒険者志望の子もある程度大きくなると2層以降や他のダンジョンに行きますから、ここは本当に初心者しか来ないですね」

「なるほど。私のような超初心者だけってことね。」

「そういうことです。ここから頑張りましょう。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。 スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、 ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。 弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、 満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。 そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは―― 拾ってきた野良の黒猫“クロ”。 だが命の灯が消えかけた夜、 その黒猫は正体を現す。 クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在―― しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。 力を失われ、語ることすら封じられたクロは、 復讐を果たすための契約者を探していた。 クロは瀕死のソラと契約し、 彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。 唯一のスキル《アイテムボックス》。 そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、 弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。 だがその裏で、 クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、 復讐の道を静かに歩み始めていた。 これは―― “最弱”と“最凶”が手を取り合い、 未来をやり直す物語

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

最弱弓術士、全距離支配で最強へ

Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」 剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。 若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。 リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。 風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。 弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。 そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。 「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」 孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。 しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。 最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記

ノン・タロー
ファンタジー
 ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。  これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。 設定 この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。 その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

処理中です...