深窓の令嬢はダンジョンに狂う ~ハイエルフの姫に転生したけどなかなかダンジョンに行かせてもらえません~

吉都 五日

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1章

ボス

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レッドアイは嫌な相手だけど障壁を盾のように出しっぱなしにして歩けばいいということに気が付いた手からはずいぶんと楽になった。

体の左半分を覆うような大きな盾だ。そして右側はムカデさんとスラちゃんのペアが守ってくれる。今までは障壁を出しっぱなしにしたら息切れしてきたけど、レベルが上がったおかげか魔力を使いまくっても前より楽になったような。


というわけでノシノシ歩く。たまにプリンちゃんが『あっち行こうよ』ってするから反対に行く。すばらしいなあこのナビさんは。


(ぷる!)

「おっと!」


バチチイイ!また見えないところから飛んで来た。でもプリンちゃんが教えてくれてるんだぜ!


「お返しだっ!フレアミサイル!」


シュゴーっと地面すれすれを跳んで敵の前でクイって急に動いて横から当たるミサイル。うーんナイス!
なかなか効率よく倒せて行ってるじゃないか!この調子この調子!


「いい感じだったね!」

(ぷる!)

「あー、でもまた鑑定忘れてた。あいつ遠いしめんどうだねえ」


どうやれば良いかと思ったけど別にどうもしなくても良いか。さくさくすすもー!
っと。あそこに見えるのはフレイムエレメンタルだ。火の妖精って事だけど、みた感じは完全に火の玉。真っ赤に燃えた火の玉だね。どう見ても火属性なので私の苦手な水魔法の出番だ。


「行くよ…ウォーターボルト!ウォーターボルト!ウォーターボルト!」


ウォーターボルトを連発する。3本の水矢が火の玉に迫るがヒョイっと避けられる。くそおおお!鬱陶しいヤツめ!今度のはさっきよりきついぞ


「ええい!ウォーターストーム!」


水の嵐だ。
私が何とか使えるようになった水の中級魔法。
ママに言わせると洗濯魔法のウォーターストームさん。
どの辺が洗濯なのかと思ったけど、異世界ではぐるぐる水流で洗うんだって。異世界ぱないっすわ。


その洗濯魔法の力で火の玉をぐるぐると洗う。
綺麗に浄化されて火の玉があった所には何もなくなった。魔石も出なかった。


「チッ、しけてやがんなあ」

(ぷるッ!?)

「ああ、これはギルドの若いお兄さんが教えてくれたんだ。せっかく強いモンスターを倒したのに何も落とさなかった時とか、盗賊が何も持ってなかった時に言うセリフなんだってさ」

(ぷる~)
(きしゃあ~)

「そういういい方しちゃだめだって?もう、カリナやシエラ先生みたいなこと言うなあ。」


まったくもー。みんなして私を子ども扱いするんだから!

プンプンしながらノシノシ進む。





プリンちゃんの指示は聞いたり聞かなかったり。なんとなく言ってることもわかってきたので、『モンスターの数が多いよ』って言ってるときは避けて、『こっちが帰るほうだよ』って行ってるときは反対に行く。そうするといい感じで進めるのだ。これはきっと何らかのスキルがあるんだろうなあ。気配察知するだけじゃ階段の位置なんて分かるわけないし。


「ふんふふーん。16層はなんだったっけなあ?」

(ぷる!ぷるぷる!)


ん?本気でダメだって言ってそう。何があるのかな?
階段があると思われる部屋の前には扉がある。なんだこの扉?押すと普通に開くし、なんなのさ?

ほいっと手で押して中に入る。プリンちゃんが後ろに引っ張ってるけど知ーらないっと。
入ったところは祭壇のようになっていて、奥に階段が見える


「なんだ。やっぱりここが階段だったんじゃん?でも変な感じだね?」

(ぷる!)
(キシャー!)


ドスンと音を立てて降りてきたのは一つ目の巨人だ。額には大きめの角が一本。
あれは……サイクロプスだ。15層のボスだって攻略本に書いてあった!ボス!?


「って、ここボス部屋じゃん!あああ、鍵しまってる!」


さっきまで開いていた扉は勝手に閉まって鍵がかかっている。おのれ!意地悪な設計め!


「ぐおおおおおおん!」

「やるしかないか・・・いくよ!プリンちゃん!ムカデちゃん!危なくなったら部屋の隅にピューっと逃げるんだよ!」

(ぷる!)
(しゃー!)

「くらえっ…フレアストーム!!」


火属性の洗濯魔法だ!どうだ!

高温の火で周りをぐるぐるする。こうすると温度がものすごく高くなる。ものすごい高温の領域を産み出すのだ!と言うか狭い部屋の中だし、火の輪の外にいる私まですごく熱い。自分の近くは氷で壁を作ろう。


「氷の壁作っても熱いじゃないか!あー、あつい!もうこれで倒せたんじゃ…何っ!?」


巨人は炎を突き破って現れる。手にはいつの間に持ったのか分からない大きな大きな棍棒がある。あんなので叩かれたらミンチだぞ!


巨人の振りおろしを慌てて横によける。すると今度は追いかけるように横薙ぎ。バックステップでかわすと更に追撃に袈裟斬り。後ろに下がっちゃダメだ!押されて何も出来なくなる前に、懐に入らないと!

袈裟斬り?殴り?をかいぐぐり、風魔法で加速して中に入る。ここからしゅぱーん!と斬りたいけど武器がない。

胸や首を切りたいけど分厚い筋肉に硬そうな皮膚がある。だからまずは下だ!後ろに回って!


「ウインドカッタァァァ!」


魔力盛り盛りのウインドカッター!これで膝をねらう。正確には膝の裏だ。シエラ先生の授業で大きい人型と戦うときはまず足を削ると良いって言ってた。膝や踵がお勧めらしい。


ブシュっと右膝の半ばまで切断。ガクンと膝をつく。今のうちに反対も!


「もいっちょ!ウインドカッタァァ!」


今度は反対の左膝に向けて撃ったけど巨人が棍棒でガードした。棍棒はさすがに薄い傷くらいしか入らなく、へし折れなかった。くっそう!へし折ってやる!


「もいっちょいくぞ!」
「グルアアアア!」

「あぶなっ!障壁」


無理な体勢だったけど棍棒を振ってきた。横薙ぎの攻撃を障壁をナナメにして上へと反らせる。
武器破壊なんかにこだわってる場合じゃないか


「フレアミサイル!」

「グオオオオン!」


ミサイルを目に当てる。目がくらんだみたいだ。
足を削って目を見えなくして、後は離れたところから撃って撃って撃ちまくるぞ!


「ストーンバレット!フレアミサイル!ウインドカッター!」


ボコボコに魔法が当たって巨人はもうヘロヘロだ!いくぞ!とどめ!


「ライトニングボルトおおお!」


いつもより火力ましましの太い雷を落とす。
巨人はずずーんと音を立てて倒れ、消えていった。


『ぱらららっぱら~』


レベルが上がった。後で鑑定だな!
ドロップ品は大き目の魔石。武器とか防具とか宝箱は当然のように出なかった……がっくり


「ふいー。なかなか危ない戦いだったねえ。でもこのスリルがたまんないね。」

(ぷる~…)

「でも魔法もいいけど大きくなったら近接武器を使いたいなあ。刃の下とかくぐってさあ。しゅぱんって!そうすればもーっとスリリングで楽しいとおもうんだよね。そう思うでしょ?」

(ぷる…)
(きしゃー?)


プリンちゃんもムカデさんも同意しがたいといった所のようだ。おっかしいなあ。

とりあえずドロップ品の魔石を拾ってさあ、次に行こう。
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